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僕と兵器と異世界  作者: 奥鷹 雪斗
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第8話 異世界人が呼び出した物

BF1過疎ってきたなぁ(しみじみ)。あ、今回は長めの説明があります。

 目が覚めると木の天井が目に入る。どうやら2度も悪夢を見ずに済んだようだ。布団を上げて起き、腕時計を見たが午前4時50分で外の方を見るとまだ夜明け前だった。俺は立ち上がるとあくびをし、テーブルの上に置いていた日本刀『時雨』と立てかけてあった村田銃を持って外に出た。



 外に出ると夜明け前だけあって涼しい風が吹いていた。だが、そこら中に昨日の宴で遅くまで飲んでいた男たちが眠っていた(当然ルイスも)。

 俺は地面に時雨と村田銃を置いて軽くストレッチをする。その後、時雨をベルトに差し込み、村田銃を両手で抱え持つと村の入り口に向かう。入り口を出ると腕時計を見てから柵に沿って走る。日課の筋トレだけはしないと鈍ってしまう。ダンベルの代わりに村田銃を持ちながら走ってはいるがやっぱり重さが足りない。タブレットで重い小銃でも買おうか?

 そんなことを考えているといつの間にか村を1周していた。


(1周に約8分か。よし、あと9周)


 もくもくと走り続け、1時間半かけて村を10周した。そして村の入り口が俺が入ってきたところも含め4つあること、他の柵も木の棒で作った簡素なものだと知った。終わったと同時に日が出てきて、腕時計はもう6時を回っていた。

 村に戻ると寝ていた男たちが起き始めていた。ルイスもその中にいた。


「おはよう。昨日は遅くまで飲んでたのか?」


「ああ、そうだ。おかげで頭が痛い」


 二日酔いらしく頭を押さえながらルイスは宴の後片付けをし始めた。他の村人たちも片付けをもくもくとやっていた。


「何か手伝おうか?」


 ルイスは少し考えていると指示を出す。


「なら昨日使った皿やコップを片付けるのを手伝ってほしい」


「分かった」


 指示された通り昨日宴で使った皿を重ねながらコップも集めていった。そういえば異世界こっちでは食器とかはどうやって洗ってるんだ?

 考えても思いつかなかったので諦めることにした。



 片付けが終わると(洗い物とかは「恩人に手伝わせる訳にいかない」と言って村人たちがやることとなった)ちょうど午前7時を過ぎており、俺はリリカと朝食を摂っていた。ルイスさんは二日酔いの上、長いこと片付けをしていたので奥の部屋で休んでいるようだ。


「今日は何か予定とかはありますか?」


 朝食を食べ終わるとリリカが聞いてきた。


「特にない」


「なら西の草原に行きませんか?」


「西の草原?」


 俺は首を傾げるとリリカは笑いながら説明してくれた。


「西の草原は名前の通り西にある草原です。そこにはたくさんの植物があって今日は薬草を取りに行こうと思ってるんです」


「なるほど・・・・ん?だったらリリカ1人でも行けるんじゃないか?」


「そうですけどいつもは父と一緒に行ってるんですが、私は魔物と戦うことがあまり得意じゃないので。それに山賊のこともあって・・・」


「護衛してくれと」


 コクンッとリリカは頷く。魔物が出るなら女の子1人じゃ危ないしついていくか。


「分かった、行こう」


「ありがとうございます」


 と言うことで草原に向かうため準備に取りかかる。勇気はリュックと武器だけなのですぐに準備が整った。リリカも布製のシェルダーバックを肩にかけてきた。


「準備はいいか?」


「はい!」


「それじゃ、行こう」


 そして俺達は西の草原に歩き出した。




(わりと多いな)


 俺は西の草原に続く林道で5匹目のグリーンウルフを時雨で斬り伏せると残りの3匹に目を向ける。西の草原に続く整地された道を歩いていたのだがそこでグリーンウルフと呼ばれる魔物と遭遇した。大きさは約1m、体毛は緑と白のまだら模様で動きはさほど速くないが爪や牙を使った攻撃を仕掛けてくる、ただの狼だった。リリカは後方から魔法で援護してくれている。


「アォォォォァーーーン」


 突然グリーンウルフの1匹が遠吠えすると残りの2匹を連れて逃げていった。


「ふぅ」


「さすがですね、ユウキさん」


「いや、リリカの援護があったからだよ」


 そう言うと刀を振って血を払い鞘に戻す。初めて使ったが切れ味抜群でグリーンウルフを一刀両断していた。


「さてとどうするか、この狼(グリーンウルフ)?」



 毛皮はそれなりに使えそうだし持ってくのもありだが肉は食えるのか?


「リリカ、グリーンウルフの肉は食えるか?」


 リリカは父のルイスから魔物のことについて色々と教えられていたらしいので聞いてみる。


「肉は臭みが強い上、筋が多くて食べれませんが毛皮は売ることができます」


 リリカの話を聞きながらタブレットで図鑑を調べた。


名称:グリーンウルフ

ランク:Fランク

素材:緑と白のまだらの毛皮、牙

攻撃方法:引っ掻き、噛み付き

弱点:頭、心臓

説明:主に山や林に住む。単体ならば新米冒険者でも倒せるが集団で行動することが多いので単体で見つけても近くに仲間が居る可能性があるのですぐに離れよう。

 肉は筋が多い上硬く、臭みも強いの食べられていない。毛皮は敷物やコートに、牙は装飾等に使用される。


 説明を見る限り肉は食えそうにないな。ま、無理して食うまでもないしいいか。早速サバイバルナイフで皮と牙の剥ぎ取りを行う。さっさと済ませて皮と牙をリュックに入れると残った肉を森の中に投げて草原に向かって歩き出す。


「それにしても凄いですね」


「何が?」


 リリカの褒め言葉がよく分からなかったので聞き返す。


「初めて使ったはずの“カタナ”を自由自在に使いこなしていますし、毛皮と牙の剥ぎ取りも慣れた手つきで素早く終わらせてしまいたので」


 刀の方は剣道部や師匠のおかげだし、毛皮の剥ぎ取りも知り合いの猟師の手伝いでやったことがあるからな。牙は初めてだったがやってみると案外簡単に剥ぎ取れた。



 もう少し歩くと目の前に開けた場所が見えてきた。どうやらあそこが西の草原らしい。一応辺りを警戒しながら進んで行くと左手の林道から外れた方に何かがあった。

 自然に溶け込むように置かれている人工物、そして俺はそれに見覚えがあった。


「悪い、リリカ。先行っててくれ」


 返事も待たずに道から外れて人工物のあるところに向かう。後ろからリリカの声がしたが、止まらずに向かった。



 近づくにつれて形がハッキリしてきたと同時に胸騒ぎがした。そしてその人工物の前まで来てそれに目を向ける。


「悪魔の言ってたことは本当らしいな」


 目の前にある人工物、それは間違いなく元の世界に存在した“戦車”だった。森の中で使われることを想定たものなのか森林迷彩を施されている、傷1つない“ルノー軽戦車”(※1)だった。


「まさか異世界で合うことになるとは」


 この戦車は昔、親友からいやと言うほど聞かされているから覚えていた。


「ユウキさん、どこまて行くんで・・・」


 親友のことを思い出しているとリリカがついてきて来ていたようだ。


 リリカは俺のことを見た後、後ろの戦車を見て立ちすくんだ。


「どうした?」


 俺は小刻みに震えているリリカを見て気づいた。この世界に戦車は元々存在していない。もしかすると魔物だと思って立ちすくんだのだろうか?


「ユ、ユウキさん。う、後ろの魔物は、いったい、」


 案の定魔物と勘違いしていたらしく、ぺたりと地面に座ってしまった。


「大丈夫、魔物じゃないから」


「・・・・ふぇ?」


 リリカの手を取り、立たせると試しに触ってみる。鉄の冷たい感触が手に伝わってくる。次に叩いてみると、


 ゴンッ


 硬く鈍い音がした。特に問題無さそうだ。


「だ、大丈夫ですか?」


「ああ、大丈夫。触ってみれば」


 と言って近づいてきたリリカの手を掴んでその手を戦車に当てる。


「ひゃあ!」


 驚いて手を引っ込めた。リリカにとってはそれほど驚く物のようだ。そしてリュックからタブレットを取り出して解析を使ってみた。解析結果は次の通り、



名称:FTー17 ルノー軽戦車

主砲:37㎜戦車砲(237発)

射程:1500m

副砲:なし

燃料:ガソリン 100/100%

重量:6.5t

機動力:最高速度 20㎞/h(整地時)

    最大移動距離 65㎞

車体状況:問題なし



 こんな感じで戦車の名称や車体状況とかの確認ができた。故障とかはないのでここに置いておいても魔物とかに壊されるのがオチだな。


「しょうがない、動かすか」


(それに変な奴らに持ってかれるよりましだしな。いや、持ってけるはずないか)


 早速操縦席のハッチを開けるとハッチに本のようなものが取り付けられていた。


「『ルノー軽戦車マニュアル』?」


 開いてみると簡単に操縦方法が記載されていた。他には履帯の修理や主砲の清掃方法、給油の仕方が載っていた。


「あの、何してるんですか?」


 あっ、とリリカがいるのを忘れていた。


「こいつを動かすんだよ」


「馬もないのにどうやって動かすんですか?」


 いやエンジンがあるから別にいらないけど。うん、やっぱり異世界なんだな。「まあ見てろ」、と言ってエンジンを点火した。


ボンッ ドッ、ドッ、ドッ、ドッ、ドッ


 エンジンが豪快に唸り始めた。最初の爆発音には少し驚いたが。


「きゃあ!」


 リリカも驚いて尻もちをついた。エンジン音でここまで驚く人を見たのは初めてだ。俺は笑いながらリリカに手を差しのべる。


「そんなに驚いてたら心臓が持たないぞ」


「誰のせいですか!」


 逆ギレされた。



 さて、エンジンも快調のようだしさっさと草原に向かおう。まぁ本音は、燃料がもったいないからだ。それは置いといて、リリカにも戦車に乗ってもらう。


「どこに乗ればいいんですか?」


 まだ少し怖がっているようだが1人だけ歩いて戻らせるのはちょっと気が引ける。


「リリカは砲塔の中に乗ってくれ」


「ホウトウ?」


 俺は砲塔の背面(砲塔正面の反対側にあるハッチ)からリリカを乗せて砲塔内部に乗ってもらった。俺も操縦席に乗るとハッチを閉める。


「リリカ、そっちは大丈夫か?」


「大丈夫です、・・・・上見ないで下さいね」


「・・・分かってる。よし、じゃあ動かすから何かに捕まっててくれ」


「は、はい」


 俺は操縦席のレバーなどを動かして戦車を動かす。覗視孔からの眺めはあまりよくない。仕方なく覗視孔のハッチを開けて視野を確保した。

 ともあれ、無事に道の方に戻って来れたが時間は昼を過ぎていた。


「このまま草原に向うけど大丈夫か?」


「大丈夫です」


「分かった、戦車前進パンツァーフォー!」


 ガタガタ、ガタガタ、ガタガタ、ガタガタ


 戦車は揺れながら西の草原に走り出した。

※1 ルノー軽戦車(正式名称:FT-17)

・世界初の全周旋回砲塔搭載の軽戦車で現代戦車の始祖と言われている。最初に実戦投入された第一次世界大戦では高い機動性を活かして多大な戦果を上げた。第二次世界大戦でも近代化改修されたものがポーランドやフランスで使用されたが既に時代遅れであったためほとんどが撃破又は鹵獲された。

 


ルノー軽戦車は偉大、はっきりわかんだね。ルノー軽戦車はいいぞぉ、とまあこの辺にして次回 薬草採取と狩猟



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