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女神達の事情

「ようこそ、私の愛し子よ

やっと会えましたね

本来なら召喚されてすぐに会えるはずだったのですが……

いえ、もう過ぎたことを言っても始まりませんね」


金髪のゆるい巻き髪の女性が

私の頬に触れる

抵抗しようとするのだが、体が動かない


「ここは私の世界

あなたを害す者はいません

どうか警戒を解いてください」


突然呼んでおいて警戒を解けとは随分なことだな


「あなたが大変な時に助けられなかった私を恨んでいるのも当然です

今まで私にはちからがありませんでした

ですが、護人を得た今ならば力を貸せます」


力を貸せるなら

あの女を隣国を滅ぼすために力をくれ!!


「憎しみに囚われてはいけません

あなたが憎しみに囚われれば囚われるほど奴等の思う壺なのです」


……どういうこと?


「ここから下界が見えます

見てください」


そこから見えたのは黒い靄に覆われつつある世界の姿だった


「この靄は負の感情の集まり

セレナーデ……あなたが隣国の王女と呼ぶあの少女がもたらしたものです」


景色が移変り、隣国の様子が映り出す


「まだなの?どうして私がセレス様に会いにいけないのよ!?」


「物事には準備がありますもの

暫くは偽りの平穏を味あわせてから地獄を味あわせた方が

より絶望に落としやすいものですわ」


そこには牢屋から逃げ出したはずの聖女と呼ばれた女と

隣国の王女……そして……


「王女様の言う通りです」


聖女の称号を持つ、私のかつての友人の姿もあった……


「今、彼女たちは洗脳状態にあります

セレナーデの言う事をきく人形と化しています

洗脳に抵抗を持つものは奴隷に落とされました

……あなたも1人会っているはずです」


喜多川くんか……


「セレナーデは気づいているかもしれませんが

人間ではありません

いえ、人間ではなかったというべきでしょうか……」


どういうことだ?


「アレは私の妹にあたります

アレはあなたの命と引き換えに天界に帰ろうとしているのです

そもそも何から話せばいいでしょうか……

始まりはあの子が禁忌を破ったことから起こったことです」


「あの子は隣国……あの子の今いる国の守護神でした

その当時、魔王と呼ばれる存在が下界を賑わしていました

そしてあの子は国に請われ勇者を召喚したのです

あの子はそれはそれは勇者の世話を焼きました

時には人に化け直接手を貸したこともあったようです……

私もあの子にようやく神としての自覚が出て来たと喜んでいたのです……

ですが、勇者は旅の仲間と恋に落ちました

それがあの子には耐えられなかった

気がついた時にはあの子は勇者とその恋人を亡き者にしていました

そして、勇者を神の力で蘇らすと今度は洗脳の力を使って

自分だけを見るように仕向けたのです」


要は嫉妬に狂った訳か……


「それを知った大神様があの子から神の力を奪い下界に墜としました

ですが、可愛い娘……王女として転生させたのです」


………………


「初めはうまくいっていました

あの子も普通の人間と大差なかったのです

ですが、あの者が現れて……」


あの者?


「見えるでしょう?

聖女とあの子の側に控えているあの男です」


見るとたしかにフードを被った人物が控えている


「あの男はセレナーデに大神様よりかけられていた封印を解いたのです

そして思い出したあの子は天界に復讐しようとしているのです」


…………事情は分かった

それでそれが私達とどんな関係があったというんだ!

私達は普通の高校生だった!何も知らず平和に生きていたのに!


「あなたが神子だったこと

そしてあなたを召喚する為に全ては行われたことです」


私のせいだと?


「ええ、あなたの力はこの世界では類稀なるもの

私たち神を魅了する力です」


そんな力いらない!私は欲しがってなんかなかった!


「ええ、あなたの意思でないことは知っています

全ては大神様の導きによるもの……

サクラさん、許してください

あなた達を私たちの問題に巻き込んだこと……

でも、こうするしかなかったんです!」


そんなので納得できるか!!


「俺からもお願いします」


後ろから声が掛かり……振り向くとそこには


セ、セレス……?


読んでくださってありがとうございます

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