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アルティメット エンド  作者: 齋音寺 里
第六章・大樹が護りし古の遺跡
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第五話・デスペナルティ(2)

先週投稿をお休みしてしまったので、今回は2話分投稿致します。

お休みありがとうございました!(会社か!)

すみません、では、本編をお楽しみください!

「この期に及んで仲間意識働かすなんて、おめでたいなーホント! そんなバカなオマエらに単刀直入に教えてやるよ! ネメアたちは、()()()()()()()()そこにいるザコ精霊を封印する為にここに来たんだよッ!」



 ネメアの話を聞いて「「あるお方……?」」と、思わず聞き返すレオンとリオン。

 良く言えば正直、悪く言えば馬鹿なネメアが()りずに質問に答えようとした為――、ヒュドラはネメアの口にズポッとカラフルな何かを突っ込んだ。

 突然の出来事に「あががががッ!?」と一瞬白目をむいてひっくり返るネメア。

 ところがすぐに起き上がって上機嫌になると――、口に突っ込まれた大きなペロペロキャンディを夢中でガリガリ食べ始める。



「相変わらずだねぇ、君たちのコンビは」

「ライオンにはアメとムチですよ。手懐(てなづ)ける時の鉄則です」



 無表情でネメアの口にキャンディを突っ込んだヒュドラは、今度は笑顔でそう言った。



「何か違う気がするけど、まぁいいや。……話を元に戻すけど、土の大精霊を封印したのも、リリー・オブ・ザ・バレーの狼たちに危害を加えたのも、君たちが犯人って事?」

「むむぅ。余計な事をネメアに話させない為にオヤツを与えたのですが、答えなきゃダメですかね?」



 どこまでも煮え切らない話し方に「いいから答えろ。ふざけてんのか?」と、気の短いレオンは槍を地面に突き刺して言う。

 その威嚇(いかく)をクスリと微笑し「そんなにカッカしないで下さいよ、カルシウム足りてます? ……あそこで可愛いレディが見てるんですから、お互い手荒な真似はナシにしましょうよ?」と、ヒュドラはフィトにちらりと目をやる。



「弓を放った後じゃ、そんな発言しても説得力に欠けるぜ? 俺の事を静める前に、まずはてめぇの手を静めろよ」



 レオンは地面に刺した槍を引き抜くと、弓の握り方を変えたヒュドラの手に矛先を向けた。

 見抜かれた事に少し眉をひそめて「相変わらず、良く見ていらっしゃる。まぁ……隠しても仕方がありませんし隠す気もサラサラないので、少しだけ質問にお答えしましょうか」と、身振り手振りをしながら話し始める。



「……結論。土の大精霊を封印したのは、今背負っているこの弓矢です。無論、弓はボクが引きました。そして、狼さんたちに危害を加えたのはボクたちじゃないですね。正確には他のメンバー……君たちの言葉を借りれば仲間、といいますかね。我々は自分たちの事をこう名乗っています。()()()()()()()、と」



 淡々と口から出てくるヒュドラの言葉を聞いて、顔を見合わせるレオンとリオン。

 ヒュドラは目を伏せて「……ボクも出来れば、無駄に争うことはしたくはないんですよ。でも、これは必要な事なんです。……さぁ、道を開けて下さい」と、素早く弓矢を引き抜く。



「待てよ、まだ話は終わっちゃいねーだろ! 俺はオマエらと戦いたくないんだよ!」

「まだそんな生温(なまぬる)い事を言っているのですか。ボクはレオン、君に刃を向けているのですよ? 動き出した歯車は、もう誰にも止める事など出来ないのです。……結論。これは怪物の未来の為。そして、忘れ去られた過去を取り戻す為の計画」

「怪物の未来? 失われた過去? 言ってる意味がさっぱりわかんねーよ! 一体何の話をしてんだ!?」

「何度も言わせないで下さいよ。これ以上話す事はありません」



 兄と同じ槍を握りしめ「兄さん、ダメだよ。こいつらには何を言っても無駄だ」と、リオンは見切りをつけるように言う。

 賢く冷静な弟は、ヒュドラの冷たい物言いや眼光に宿した戦意を感じ取り、いくら話し合いを重ねても心変わりする見込みがないと悟ったのだろう。

 もちろんリオンにも湧き上がる情はあった。しかし――かつての仲間を思う強い気持ちが矛先を鈍らせている兄を見て、自分は平静でいなくてはと冷淡(れいたん)を装っているのだ。



「リオン、お前それでいいのかよ!?」

「頭冷やして考えろよ! 僕たちは武器を向けられてるんだよ!? もう、こいつらは――――」



 会話がまだ終わっていないにも関わらず、ヒュドラはダフネに向けて次の一手を放ってきた。

 それに気付いたリオンは「――危ない!」と、俊足で弓矢を叩き折る。



「バカ兄! 集中しろ! こいつらは本気なんだ!」



 地面に落ちた弓矢を見てレオンは「……くそっ」と、噛むように小さく声を出す。

 簡単には断ち切れない迷いがレオンの中にはあったが、こっちにも護るべきものがあるのだ。

それを忘れてはならないと――、レオンは仕方なく槍を構え直した。

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