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妖人形 ~こぼれ話~
おいしいキッシュも食べ終わり、お茶を飲んでくつろいでいた。
仄は皿の片づけでミニキッチンにいる。
お茶をすすりながら、悠夜から今日の仕事内容を聞いていた志織は「人形かぁ」と呟いた。
「そういえば、小さい頃、人形遊びとかしたわね」
「志織さんがですか?」
由姫は少し驚いたように目を丸くした。現在のクール・ビューティーの彼女からは想像できない。
「あら。女の子なら、みんな通る道じゃない? 由姫だってそうだったでしょ?」
「わたしは人形で遊ぶというより、その人形の構造に興味がありました」
「構造? 作られ方ってこと?」
「はい。肌の素材や腕や足や首の稼働率を調べたりするのが好きでした」
「なんか奇特な子どもねぇ。まあ、ちょっと分かる気もするけど。首とか足とかシュポンって取ったりしたり。あれ、入れるのにコツがいるのよね」
「頭はグリグリ回すようにねじ込むと入りやすいですよ」
「でもそれをすると、頭の形、変わらない?」
「首と頭が入ったあと、指で顔を押しつぶしたら結構整いましたよ」
「押しつぶす?」
「ムンクの叫びみたいに縦に伸ばすんです」
「ああ、そういうことね」
傍から聞いていると解体ショーだ。
悠夜は女性陣の少女時代の話を、僅かに顔を引きつらせながら黙って聞いていた。
女の子って怖い。




