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幻葬記  作者: ことは
第1話:妖(あやかし)人形
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妖人形 ~こぼれ話~

 おいしいキッシュも食べ終わり、お茶を飲んでくつろいでいた。

 仄は皿の片づけでミニキッチンにいる。

 お茶をすすりながら、悠夜から今日の仕事内容を聞いていた志織は「人形かぁ」と呟いた。


「そういえば、小さい頃、人形遊びとかしたわね」

「志織さんがですか?」


 由姫は少し驚いたように目を丸くした。現在のクール・ビューティーの彼女からは想像できない。

「あら。女の子なら、みんな通る道じゃない? 由姫だってそうだったでしょ?」

「わたしは人形で遊ぶというより、その人形の構造に興味がありました」

「構造? 作られ方ってこと?」

「はい。肌の素材や腕や足や首の稼働率を調べたりするのが好きでした」

「なんか奇特な子どもねぇ。まあ、ちょっと分かる気もするけど。首とか足とかシュポンって取ったりしたり。あれ、入れるのにコツがいるのよね」

「頭はグリグリ回すようにねじ込むと入りやすいですよ」

「でもそれをすると、頭の形、変わらない?」

「首と頭が入ったあと、指で顔を押しつぶしたら結構整いましたよ」

「押しつぶす?」

「ムンクの叫びみたいに縦に伸ばすんです」

「ああ、そういうことね」


 (はた)から聞いていると解体ショーだ。

 悠夜は女性陣の少女時代の話を、僅かに顔を引きつらせながら黙って聞いていた。


 女の子って怖い。

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