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幻葬記  作者: ことは
第3話:式
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式 ~こぼれ話~

 一門の会合に出た(すぐる)が忘れ物をして戻ってきたため、早々に式封印のことがばれてしまったのだが、その忘れ物とはなんだったのだろうか。


「これです」


 執務室に取りに行った忘れ物をスタッフルームにいた悠夜と仄に見せる。

 それは高級そうなコニャック。ブランデーだ。


(かなめ)さんの好きな種類が手に入ったので、贈ろうと思っていたんですが、すっかり忘れていました」

 言っていた忘れ物とは捷の従兄(いとこ)にあたる、神景要(みかげかなめ)への贈り物だったのか。

 仄は納得し、悠夜は軽く眉を寄せた。

「要さん、お酒好きですもんね~」

「……まさか会合の後、要さんと飲む気ですか?」

 会合が終わるのはきっと深夜だ。だがこの二人なら十分にありえる。

「おや。よくわかりましたね。僕もこれ、飲んでみたかったので、要さんの所にお邪魔するつもりです」

 やはりか。志織がいたらきっと怒る……。いや酒豪の彼女なら一緒にまざって飲むな。悠夜はため息をついた。

「ほどほどにしてくださいよ」

「大人の時間は楽しむものです。だからこそ面倒な会合にも顔を出すんです」

 一門の会合を面倒と言ってしまった。ボスの本当の目的はその後なのだ。

「仄はもう帰りましょうね。悠夜はどうします? 飲むなら先に要さんの屋敷に行っていていいですよ」

 未成年の仄を帰すのは当然だが、悠夜だって未成年だ。忘れられているのだろうか……。

 悠夜は力なく首を横に振った。

「明日も仕事なんで……」

「そうですか。残念です。ではまた今度飲みましょう。要さんにも伝えておきます」

 それでは行ってきます、と言って捷は笑顔で出て行ってしまった。

 残された二人。

 仄は心配そうに悠夜を見た。

「……悠夜さん。お二人と飲まれるなら、体、気をつけてくださいね」

「うん……」

 悠夜は力なく頷いた。

 

 きっと遠くない日に一席設けられる予感がひしひしとした。


☆お酒はハタチになってから☆

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