↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
9/61

Ch.9 アブナイ魔女 その三

集会所に戻って長椅子の上に寝転がった結城 克己は枕を取り出すために荷物を漁る。

結城 克己はマデリン姫の髪束から目をそらして枕を取り出した。

("死(・)の(・)臭(・)い(・)"・・・もしかしたら、俺はもう死んでて、これは死ぬ寸前の俺が見てる幻想だったりするのかな・・・)

結城 克己はそう考えながら瞼を閉じた。


「ねぇ、かつ。そろそろ私以外の女と付き合いなよ。モテるんだからさ」

「付き合わない。というか、ここまで来て引き下がれるもんか」

「ねぇ、かつ。この先、かつはきっと運命の人に出会う。その時は・・・」

結城 克己が見たどこか淡く切ないこの夢は、大切な人と別れる一日前に見た光景だった。


「・・・もう朝か・・・」

結城 克己はゆっくりと起き上がる。

「おはよ~」

ロレッタは結城 克己の傍で微笑む。

「ダッ!!」

驚いた結城 克己は長椅子から転げ落ちた。

「なんだよ・・・まだあきらめてなかったのか?」

結城 克己は呆れたようにロレッタを見る。

「お詫びに飯奢って来いって言われちゃってさ・・・だから、来た」

ロレッタはそう言いながら座った。

「そうか」

結城 克己は枕をしまった。

「ユウキって都の人じゃないよね?どこから来たの?」

ロレッタは結城 克己を見る。

「言っても分からないよ」

結城 克己はメニューを見る。

「そんな遠い所から来たの?」

「そう」

「ここで寝てるってことは、お金ないの?」

「ない」

結城 克己は料理を注文する。

「じゃあ、私の家に住みなよ。部屋余ってるからさ」

「住まない」

結城 克己は運ばれてきた料理を食べ始めた。

「・・・昨日はごめん。色々焦ってたの」

「もう怒ってないよ」

「じゃあ、これからも仲良くしてくれる?」

「まぁ、程々にな」

結城 克己の答えにロレッタは笑みを浮かべた。


食事を終えた結城 克己は木材加工場に行って木の切れ端を回収し始めた。

「薪、もっと作らないんですか?火魔法はあっても、いくらか需要あるでしょ?」

結城 克己は加工場の管理人に問う。

「ミアズマ様も同じ疑問を教会に投げかけたらしい」

加工場の管理人は作業を見守る。

「まぁ、答えは簡単だ。薪が供給されれば魔石を売る奴が困る。魔石を売る奴が困ればそいつらを抱えている王宮貴族が騒ぐ。だから、ここじゃ薪は多く作られない」

加工場の管理人はそう答えた。

(この世界も色々と面倒なことがあるんだな・・・)

結城 克己は加工場の管理人の愚痴を聞きながら木の切れ端を回収する。


仕事を終えて給料を受け取った結城 克己は街に出て旅の支度を始めた。

しかし、所持金は今回の給料を合わせて銀貨十八枚とその他硬貨が十数枚程度で潤沢ではない。

結城 克己は思考を凝らしながら買うものを選んでいく。

(靴にはお金をかけた方が良いだろうな。その次は火と水かな・・・)

結城 克己は靴や図鑑を含めた大小七つほどの商品を買っていく。

旅の支度を終えた結城 克己は都の外へと繋がる門に向かった。

しかし、そこには結城 克己を待っている人がいた。

「ユウキ!」

ロレッタは大きく手を振る。

「お前も外に行くのか?」

結城 克己はロレッタを見ながら歩みを進める。

「うん、これから魔石を採取しに行くの」

ロレッタは結城 克己に抱きついた。

「引っ付くな!」

結城 克己はロレッタを引き剥がす。

「恥ずかしがるなよ~」

ロレッタは結城 克己に擦りつく。

(こいつ・・・なんか薬クセェ!!)

結城 克己は力を込めてロレッタを引き剥がした。

ロレッタと追いかけっこをするように都の外へ出た結城 克己を迎えたのは、広大な平原と爽やかな風だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。