Ch.57 アブナイ北の大地リターンズ その二
結城 克己たちを乗せたヴェーラ号がフェスティバルの拠点に戻って来た。
ヴェーラ号は再び巨大な昇降機に乗って上昇した。
「着いたー!」
ヴェーラ号から降りた克己は拠点を見渡した。
「おかえりなさい」
豪華絢爛な扇子を広げたマリアは克己たちを見て笑む。
「ただいまー」
克己はマリアを見て笑む。
「ただいまなのです。そっちも収穫できたなのです?」
ブローニャはマリアを見て笑む。
「えぇ、船一杯に」
マリアはブローニャを見て笑む。
「よし、酒飲むか!」
克己は乗組員たちを見て笑む。
「待ったなのです!ここからが大忙しなのです」
ブローニャは克己を見て笑む。
「何かあるのか?」
克己はブローニャを見る。
「採れた食材を選別して等級分けしていくなのです」
「よし!もうひと頑張りするか!」
克己は気合を入れて等級選別が行われる生態研究所に向かった。
だが、等級選別の現場に入った瞬間に体の力を抜くことになった。
そこにいる人々は、男も女も酒を片手に手元を見ているのかいないのかわからない様子で選別している。
「気合い入れて損した」
克己が空いてる場所に座ると隣の男が克己の近くにあるグラスにワインをドバドバと注いだ。
「乾杯」
克己は隣の男と乾杯するとワインを飲み始めた。
選別はかなり適当で、一つ食べて美味しいか美味しくないかで決めている。
それゆえに、ほとんどが上等品として出回る。
「これでいいのかよ」
克己は香辛料を食べてワインを飲む。
「秘境で採れた食べ物は味が保証されてるからな。下等品は美味いもの、上等品はもっと美味いものっていう認識だからこれで良いんだ」
隣の男は香辛料を食べながらワインを飲む。
「それに考えてもみろ。今はフェスティバルだ。細かいことを気にしてたら楽しめないだろ?」
隣の男は克己を見て笑む。
「・・・まぁ、そうだな」
克己はワインを飲み干した。
選別が終わる頃、結城 克己は再びブローニャに引っ張られていた。
「もう・・・!困った人なのです!」
ブローニャは克己を引っ張っていく。
ブローニャは酔った克己を医療所のベッドの上に転がした。
「あら。女皇陛下なのだわ」
酔い潰れた鍛冶師を引っ張るソフィアはブローニャを見る。
「ソフィア・・・もう少し早く来て欲しかったなのです・・・」
ブローニャは息を整える。
「これが王国の男爵?情けないのだわ」
ソフィアは克己を見る。
「お酒を飲む時、いつも酷く酔うまで飲んでしまうなのです。きっと、何か悩んでいるなのです」
ブローニャは克己を見る。
「秘境の中で動き回る王国の騎士を捕らえたのだわ」
ソフィアは酔い潰れた鍛冶師をベッドの上に転がした。
「マリアに見つかると確実に死刑なのです。見つかる前に早く釈放してあげるなのです」
ブローニャはソフィアを見る。
「わかったなのだわ」
ソフィアはそう言いながら医療所から去った。




