Ch.56 アブナイ北の大地リターンズ
六百人近い人員によって回収された凄まじい量の十万年岩塩がヴェーラ号に積み込まれていく。
その近くでは大豊作を喜ぶ男たちが酒を片手に陽気な歌を口ずさんでいる。
「ユウキ様、お酒を飲まなくて良いなのです?」
ブローニャは克己を見て笑む。
「帰ってから飲むよ。ここじゃはしゃぎすぎる」
克己はブローニャを見て微笑む。
「他のチームも無事に採れてると良いな」
克己は南の島を見つめる。
「きっと、エフゲーニヤ号のチームも十万年岩塩を採っている頃なのです」
ブローニャは南の島を見て笑む。
一方、トリーナたちも十万年岩塩がある崖に到達していた。
「いない・・・」
トリーナは周りを見渡す。
「残念、少し遅かったのだわ」
ソフィアは十万年岩塩が採掘された跡を見て笑む。
「しかし、すごい量だな。七番艦まで投入しても回収しきれないぞ」
鍛冶師は十万年岩塩を見て笑む。
「仕方ない。回収できるだけするのだわ」
ソフィアは手首を掴んで左右に回す。
「・・・」
シェフと鍛冶師はソフィアのしぐさを確認した瞬間、トリーナたちに巨大な包丁やマスケット銃を構えた。
「・・・」
トリーナたちは驚きながらシェフと鍛冶師を見る。
「撃てるもんなら撃ってみろ・・・」
教会騎士がそう吐き捨てたその瞬間、マスケット銃の銃床で殴られて倒れた。
トリーナたちが倒れた教会騎士に注目したその瞬間、鍛冶師たちがトリーナたちを拘束した。
「ソフィア!!」
トリーナはソフィアに怒鳴る。
「ユウキ男爵閣下に感謝するのだわ。あなたたちがただの侵入者だったらマリアに引き渡していたのだわ」
ソフィアはトリーナを冷たく見下ろす。
「・・・」
トリーナはソフィアを睨む。
「セルグニーナ王朝の祭りにトリヴァーズ王朝の出る幕はないのだわ」
ソフィアは十万年岩塩を採掘する人々を見つめる。




