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Ch.55 アブナイ秘境 その十二

結城 克己たちは輝きを放ち続けるそれに向かって走り続けた。

そして、ついに辿り着いた。十万年かけて生み出された究極の塩、十万年岩塩に。

「あれ、全部塩か?」

鍛冶師たちは巨大な崖を包む黄金の岩塩を見つめる。

「あぁ、全部塩だ」

シェフたちは崖を上る準備を進める。

シェフたちは道中詰め込んできた様々な香辛料を全て地面に出した。

そして、凄まじい握力と腕力で崖を上っていく。

小さくも頑丈な金属の杭を崖に打ち込みそこに足をかけると、最低限の風魔法で体を安定させた。

片手で扱えるほどのピッケルを手にシェフたちは慣れた手つきで岩塩を採掘していく。

大きな籠の中はいつの間にか黄金の岩塩で一杯になったが、崖を包む輝きは全くといっていいほど減ってない。

「みんなで味見するぞ」

シェフたちは十万年岩塩が詰まった籠を地面に置いた。

克己たちは恐る恐る小さな黄金を口の中に入れた。

「ンッ!!」

克己たちは驚いて目を真ん丸にさせる。

「美味しい!なんか不思議なのです!」

ブローニャは十万年岩塩を見て笑む。

「こりゃ凄いな!」

「これ喰って塩だとは思わねぇぞ?」

鍛冶師たちは十万年岩塩を見て笑う。

「旨味の塊だ・・・これを使った料理を想像しただけでもう美味い」

克己は十万年岩塩を掴んでサラサラと籠の中に落とす。

「水が降ってくる前に防水袋に詰めよう」

シェフたちの声と共にみんなが慌てて十万年岩塩を羊の腸の中に詰め始めた。

結城 克己たちが十万年岩塩を羊の腸に詰めていると、崖を包む十万年岩塩に極彩色の鳥たちが集まってきた。

その群れは十万年岩塩を突いて食べている。

そんな極彩色の鳥たちを見ながら塩を詰め込んだ結城 克己たちはヴェーラ号に向かって歩く。

深い緑はもう飽き飽きだと笑い合いながら深い緑を抜けてヴェーラ号に乗り込んだのだった。

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