Ch.53 アブナイ秘境 その十
ソフィアたちと共に行動するトリーナは無事に教会騎士たちと合流した。
ソフィアたちが安堵する中、トリーナは教会騎士に伝える。
「私たちはユウキ様の配下の騎士だと思われています」
トリーナは教会騎士たちに囁く。
「え?」
教会騎士たちは困惑した表情を浮かべる。
「あの小さな子はセルグニーナ王朝の不朽三家、クリシナ家の当主です。私たちが嘘をついていると知られれば大変なことになります。どうか、ユウキ様の配下の騎士ということにしておいてください」
「わ、わかりました・・・」
そんな会話をするトリーナたちから少し離れたところにいるソフィアたちは食事の準備をしていた。
「あの騎士たち、本当にユウキ様の配下なのでしょうか」
シェフはトリーナたちを見て訝しむ。
「どうでも良いのだわ。結局のところ、この島にあるものを持ち帰らせなければ良いだけなのだわ」
ソフィアは焼かれていく鳥肉を見つめる。
「まぁ、そうですね」
シェフは鳥肉を焼いていく。
「ユウキ様の配下の騎士たち、もうすぐお肉が焼けるのだわ」
ソフィアはトリーナたちを見て微笑む。
「はい!」
教会騎士たちはソフィアたちの所へ駆け寄った。
食事を終えたトリーナたちはそのまま島の中央に向かって進み始めた。
「女皇陛下の部隊はタフな知識人が多い。かなりの速度で移動しているはずなのだわ」
ソフィアは深い緑をかき分けて歩みを進める。
「こ、この子・・・体力あり過ぎだろ・・・」
教会騎士たちはバテながらソフィアたちについていく。
「根性ねぇな。それでも男か?」
鍛冶師は流れるように食材を採取する。
(なんでへばらねぇんだよ・・・!北方人の癖に・・・!!)
教会騎士たちはソフィアたちを見て歯ぎしりする。
「水が降ってきそうなのだわ」
ソフィアは空を見ると走り出した。
ソフィアたちは大樹の中にある真っ暗な穴に飛び込んだ。
「ちょっと!!」
トリーナたちはモフモフに遭遇したあの経験から穴に入るのを躊躇う。
しかし、雷鳴が響き始めると意を決して中に突入した。
「・・・」
トリーナたちはモフモフの傍で平然と休むソフィアたちを見て困惑する。
「神鳥とも書かれるモフモフは人を襲わないのだわ」
ソフィアはトリーナたちを見る。
「で、でも・・・」
トリーナたちはモフモフを見る。
「ヌンッ!」
モフモフが羽ばたいた瞬間、体に付着した水分が全て吹き飛ぶような感覚が全員を襲った。
「・・・?」
目を瞑っていた教会騎士たちは恐る恐るモフモフを見る。
「・・・」
モフモフは羽を整えると再び動かなくなった。
「あの羽ばたきは天使の羽ばたき。あの風に吹かれるとどんな病気も治るという伝説があるのだわ」
ソフィアはトリーナたちを見る。
「住処から脅威を消すためにあぁやって羽ばたくのだわ」
ソフィアはモフモフにもたれかかった。




