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Ch.52 アブナイ秘境 その九

一方、食事と睡眠を終えた結城 克己たちは石工文明の遺跡を後にした。

そして、再び深い緑をかき分けて前へと進み始めた。

スコールに何度も足を止められ、野生動物との戦いの中でマスケット銃の不便さに気付かされながら、それでも結城 克己たちは前に進み続けた。

「はぁ・・・助かったぜ、シェフ」

克己はナタを研ぐシェフを見て笑む。

「誰もケガしなくて良かった」

シェフは嬉しそうにナタを研ぐ。

「クソ・・・雨の中撃てねぇんじゃ意味がねぇ!!」

鍛冶師たちは悔しそうに頭を抱える。

「何かこう・・・金属の筒に火薬とかを詰めるのはどうだろう」

鍛冶師たちを見ていた克己は提案する。

「こういう形の筒」

克己は木の枝で地面に簡単な絵を描く。

「・・・なるほどな・・・」

鍛冶師たちは地面に書かれた小さな長方形を見つめて深く考え込む。

「ユウキ様たち、見てくれ!」

枯れた巨大な木の実を抱えるシェフたちは克己たちに嬉々として話しかける。

「なんだそれ?」

克己はその奇妙な木の実を見る。

「酒の実だよ」

シェフがそう言うと鍛冶師たちが話に喰いついた。

「酒の実!?」

鍛冶師たちはその実に駆け寄った。

「酒の実って・・・この中に酒が入ってるのか?」

克己は不思議そうに枯れた巨大な実を見る。

「あぁ、そうさ」

シェフはそう言うとハンマーと金属の杭で枯れた巨大な木の実に穴を空けた。

その瞬間、甘酸っぱいフルーティーな果実酒の香りが辺り一帯に広がった。

「酒だ・・・」

克己は驚きながら枯れた巨大な木の実を見つめる。

「なんだか・・・お酒の香りがするなのです」

ブローニャは枯れた巨大な木の実を見る。

「酒の実だってさ」

克己はブローニャを見て微笑む。

「酒の実!?」

ブローニャは克己の言葉に驚く。

「この木の実は中がほとんど空洞で、その中にタンマリと甘い液を溜め込むんだ」

シェフは羊腸と木で即席で作り出したジョッキを地面に置くともう一ヶ所に穴を空けて酒を出した。

「その甘い液を最大まで蓄えた木の実が重みで地面に落ちてしばらく経つと発酵してこういう酒になる」

少し黄色がかったとろみがある酒はジョッキに注がれていく。

結城 克己たちはコショウの実をつまみに酒を飲む。

結城 克己たちが酔って眠る中、久々に酒が入った鍛冶師たちは新しい弾薬について朝まで語り合うのだった。

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