Ch.47 アブナイ秘境 その四
食事を終えた結城 克己たちは十万年岩塩を求めてさらに奥へと進む。
結城 克己はボーっと歩きながらとあることに気が付いた。
「・・・王都に戻ったらここの飯ってもう食えないのか」
克己はそう呟いた。
「急にどうしたなのです?」
ブローニャは克己を見て首を傾げる。
「さっきセルグニーナが言ってたみたいにここと王国の仲が良くないなら、食料の取引なんてしないだろ?」
克己はブローニャを見る。
「まぁ・・・したとしてもひっくり返るくらい高いなのです」
ブローニャは克己を見る。
「カラリェーフスキー・クラープ・・・セルグニーナ・ブラガラードヌィエ・クリヴィェートキ・・・名前クソ長くて覚え辛いけど美味い食べ物だったな・・・」
克己は思い出しながら少し落胆する。
「・・・ユウキ様は領主にならないなのです?」
ブローニャはとある話を切り出した。
「ん~・・・領主か・・・」
克己は考える。
「セルグニーナ・セーヴェルナヤの東隣にイズモという領主無き大領地があるなのです」
「・・・出雲・・・」
克己は色々と言葉を呑み込みながら一言そう呟いた。
「なのです。そこの北海岸ならセルグニーナ・ブラガラードヌィエ・クリヴィェートキも育つと思うなのです」
「その出雲にはなんで領主が居ないんだ?」
克己はブローニャを見る。
「亡くなってしまわれたなのです。イズモを六千年間統治した偉大な魔女だったみたいなのです」
「六千年・・・魔女ってそんなに生きるのか・・・」
「そこの領主になれば、少なくともセルグニーナ・ブラガラードヌィエ・クリヴィェートキは食べられると思うなのです」
「領主が亡くなったのはいつ頃だ?亡くなってすぐだったとしても、もう新領主が決まってる可能性が高いだろう」
「魔女様が亡くなったのは十年以上前なのです」
「じゃあ、なおさら・・・」
「それでも、新領主は決まっていないなのです」
ブローニャは香辛料を採取する。
「・・・なんで?」
克己も香辛料を採取する。
「領地を束ねてきた名家たちが恐ろしすぎて誰も領主になりたがらないなのです」
「なるほどな・・・」
克己はため息交じりにそう言った。
「でも、数々の功績があるユウキ様なら、名家の主たちを説き伏せられると思うなのです」
ブローニャは克己を見る。




