Ch.46 アブナイ秘境 その三
一方の結城 克己たちも小さな湿地で黄金ワニの群れに出会っていた。
「とにかく撃ち込め!どれだけ鱗が固くても、衝撃は伝わるはずだ!」
克己は黄金ワニに向けてマスケット銃を撃つ。
「おうよ!!」
鍛冶師たちは黄金ワニに向けてマスケット銃を撃つ。
放たれた鉛玉は次々と黄金ワニに当たる。
鱗は鉛玉を通さない。しかし、鉛玉が生み出す凄まじいエネルギーは鱗という鎧の下にある筋肉や骨を確実に傷つけていく。
撃たれた黄金ワニたちは最後のあがきと言わんばかりに暴れ、次々と倒れていった。
「これ、捌けるのか?」
克己は回収された黄金ワニの鱗をナイフでカンカン叩く。
「えぇ、捌けますよ」
シェフは笑みながら黄金ワニを見ると鉄塊のように分厚く巨大なナタとハンマーを手にした。
屈強なシェフたちはそれらを使って工事の解体作業のように黄金ワニの皮を剥いでいく。
「どうだ!」
シェフは皮を剥いだ。
「おぉー!!」
克己たちは堅い皮の下にあるぷるりと柔らかい脂が乗った肉を見て目を輝かせる。
「早速食べてみましょう!」
分厚いナタとハンマーを軽く拭ってホルダーにしまったシェフたちは、鋭い包丁を取り出した。
シェフたちは鋭く研ぎ澄まされた包丁を凄まじい精度で動かしていく。
後に秘境へ還される骨には、膜ほど薄い肉しか残らない。
「ただ焼いてるだけなのにハーブみたいな匂いがするな」
克己は黄金ワニの肉から漂う香りを嗅ぐ。
「このワニの餌となる鳥は秘境に実る植物を食べます。なので、このような香りになるんですよ」
シェフは黄金ワニの肉を焼いていく。
黄金ワニの肉が焼き上がると同時に克己たちは肉を口に運ぶ。
表面がカリッと焼かれた肉を一口齧ると中からじゅわっと脂が溢れ出す。
肉の繊維をサクサクと噛んでいくと口の中に香辛料の香りが広がっていく。
「酒!酒が欲しいぜ!!」
鍛冶師たちは叫びながら黄金ワニの肉を食べる。
「とっても贅沢な味なのです」
ブローニャは黄金ワニの肉を食べる。
一方、トリーナ率いる教会騎士団はジトっと纏わりつくような蒸し暑さに苦しんでいた。
「ミシカや・・・王都の夏とは・・・全く違う・・・」
「こんな気持ちが悪い気候・・・遭遇したことない・・・」
「流石は秘境だな・・・」
教会騎士たちは息を荒げながらゆっくりと前に進む。
(このペースだと水や食料が足りなくなる。水源だけでも急いで探さないと・・・)
トリーナは教会騎士たちを見ながらスイレンの剣を握り込んだ。




