Ch.45 アブナイ秘境 その二
グラン・チェレパハの頭付近、秘境・北西に上陸した結城 克己たちは、深い緑をかき分けて奥へ奥へと進んでいく。
ポープーポープという奇妙な鳥の鳴き声を聞きながら進んでいるとブローニャが声を出した。
「ユウキ様!何か長い生き物がいるなのです!」
ブローニャは大蛇を興味津々に見つめる。
「こういう生き物には気を付けた方が良い。噛まれたら死ぬかもしれないからな」
克己はマスケット銃を構えると大蛇に向かって発砲した。
「流石はミシカの英雄だな!頭を撃ち抜きやがった!」
鍛冶師たちは仕留められた大蛇を満足げに見つめる。
「かっこいいなのです!」
ブローニャは克己を見て目を輝かせる。
「照れるな~」
克己は照れ笑いしながら弾を込める。
深い緑をかき分けて進んでいると深紅の実が鈴なりに実るコショウの木に出会った。
「コショウだ!!」
「こりゃすげぇ!」
シェフたちは嬉々としてコショウを採取する。
「コショウの木って初めて見た」
克己はコショウの木を見つめる。
「ミシカになかったのか?」
鍛冶師は克己を見る。
「コショウの実はたくさんあったが、コショウの木は見当たらなかったな。木になっているのはレモナばっかりだった」
「レモナ?」
「うん。黄色くて酸っぱい果実、知らない?」
克己はレモナを思い浮かべながら説明する。
「あぁ、あれか」
鍛冶師はゆずを思い浮かべながら答えた。
一方、グラン・チェレパハの甲羅側面、秘境・西から上陸したトリーナ率いる教会騎士団も探索を始めていた。
しかし、上陸して早々、不運にも教会騎士団は鋭く研ぎ澄まされた刃すらも通さぬ黄金に輝く鱗で身を守る黄金ワニの群れに襲われた。
「初手から足止めか・・・」
教会騎士たちは躊躇うことなく剣で黄金ワニを叩く。
叩く度に細かな振動が剣から伝って手を痺れさせ、剣はボロボロになってしまった。
しかし、黄金ワニの群れを撃退することは何とかできたようだ。
「・・・力が・・・どうして・・・」
トリーナは刃こそ欠けないが魔力を一切帯びないスイレンの剣を見て困惑する。




