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Ch.41 アブナイ北の大地 その五

昼過ぎになると結城 克己が二日酔いから復帰した。

「急にお腹空いてきた・・・」

伸びをしてお腹を摩った克己がドアを開けるとそこには仁王立ちしたマデリンが居た。

「スーッ・・・」

克己は静かにドアを閉める。

「ん~・・・」

克己はトリーナが部屋にいたことを思い出す。

「痛っ!!」

その時、勢いよくドアが開いてドアノブが克己に直撃した。

「お主!トリーナと寝たのか!?」

マデリンは西洋扇子で克己を指す。

「さぁ・・・酔ってたからな・・・」

克己はマデリンを見ながらとぼける。

「トリーナめ・・・どこへ行った・・・」

マデリンはぷんぷん怒りながら領主邸から出ていく。

「・・・はぁ・・・」

克己が胸を撫でおろしているとブローニャが来た。

「ユウキ様、フェスティバルの拠点に来てほしいなのです」

ブローニャは克己を見て笑む。

「あぁ、わかった」

克己はブローニャを見て微笑む。


結城 克己はブローニャに案内されてフェスティバルの拠点に到着した。

「拠点って・・・こんなにデカいの!?」

克己は至る所で蒸気機関が稼働する巨大な拠点を見る。

フェスティバルの拠点は作戦指揮エリアを中心に鍛冶場、食事場、医療所、生態研究所がある。

鍛冶場では大量のマスケット銃と銃弾が生産されていて、生態研究所では大量の紙と火薬と火打石が生産されている。

食事場にある巨大な石窯では、ロブスター並みに大きい赤エビが殻ごとじっくりこんがりと焼かれている。

「美味しそうだな」

克己は香ばしいエビの香りを嗅いで思わずよだれを垂らしそうになる。

「どうです?すごいでしょう?」

シェフは石窯の中から突然変異でロブスター並みに巨大化した赤エビ、セルグニーナ・ブラガラードヌィエ・クリヴィェートキを取り出した。

「デカッ!!」

克己はセルグニーナ・ブラガラードヌィエ・クリヴィェートキを見て驚く。

「野生には居ないとても高級なエビなんですよ?」

シェフはセルグニーナ・ブラガラードヌィエ・クリヴィェートキを石窯の中に入れた。

「野生に居ない?」

「えぇ、突然変異した個体同士を掛け合わせて作られたエビなんですよ」

「昔はセルグニーナ王朝が権利を握っていたんで宮廷の貴族しか食べられなかった高貴なエビなんですよ?」

「へぇ~・・・」

克己は興味深そうにセルグニーナ・ブラガラードヌィエ・クリヴィェートキを見つめる。


食事場から離れた結城 克己は鍛冶場に行った。

鍛冶場では凄まじい数の鍛冶師たちが休むことなく金属を加工している。

一方では鉛を型に流し込んで銃弾を作り、もう一方ではマスケット銃に使われる大きな部品を作っている。

マスケット銃に使われる細かな部品を作りながら組み立てられたマスケット銃の検品を行うのは熟練の鍛冶師に限られている。

「これがマスケット銃か・・・初めて触った」

克己はマスケット銃をじっくりと食い入るように見つめて笑む。

「ミシカの英雄殿は剣より銃がお好きなのか?」

熟練の鍛冶師は克己を見る。

「銃の方が好きですよ。剣じゃ自然に対抗できないですからね」

「中々にわかるお人じゃねぇか。あんたみたいな人間は大好きだぜ」

熟練の鍛冶師は静かに笑む。

「職人たち、この武器は自然に立ち向かうために必要な武器だ。ドンドン生産してください。頼みましたよ」

克己は鍛冶師たちを見て笑む。

「おう!!」

鍛冶師たちは気合を込めて返事を返す。

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