Ch.25 アブナイ二人旅 その九
町長の屋敷から出ると、一台の王宮馬車が来た。
「ユウキ!!」
マデリンは馬車から飛び出して結城 克己に抱きついた。
「姫、泣くなよ」
結城 克己はマデリンを見て笑む。
「ご無事で何よりです」
トリーナは結城 克己を見て安堵の笑みを浮かべる。
「なぁ、ゴゼワ様・・・だっけ?」
結城 克己はゴゼワに恐る恐る声をかける。
「マリア・ゴゼワ。マリアでもゴゼワでも好きに呼んでちょうだい」
マリアは結城 克己に笑む。
「あんたのおかげで助かった。ありがとう」
結城 克己はマリアにお辞儀した。
「お礼されるようなことはしていないわ。でも、その心は受け取っておきましょう」
マリアは静かに笑った。
「はぁ~あ・・・王様が情けないばっかりに・・・」
結城 克己は呆れ眼で王を見る。
「ちょっ!」
王は結城 克己を見て驚く。
「父上!ユウキにわがままを言っていいのは妾だけだ!」
マデリンは西洋扇子で王を指す。
「陛下、しっかりしてください」
トリーナは王を叱る。
「すまん・・・」
王はしょんぼりする。
マリアと別れ、王宮馬車に乗ってミノリ領から去った結城 克己たちは、マデリンの提案で少し遅めのバカンスに行くことになった。
馬車はエリウード湖で止まり、シスタートリーナによってドアが開けられた。
「とうちゃーく!!」
マデリンは飛び跳ねるように馬車から出た。
「はぁ・・・疲れた・・・」
結城 克己は深いため息をつきながら馬車から出た。
「大丈夫?」
キーリーは心配そうに結城 克己を見る。
「もう涼しくなってしまったなー・・・水着、着たかった」
マデリンは深い青色に戻ったエリウード湖を見つめる。
「もう青いですね」
結城 克己はエリウード湖を見つめる。
「これだけ涼しくなったのだ。氷の魔石の需要も減るだろう」
王はエリウード湖を見て笑む。




