Ch.23 アブナイ二人旅 その七
結城 克己とキーリーと運転手はミノリ領軍に捕まって小綺麗な地下室に入れられた。
ちょっとした娯楽やワインがある部屋の中でキーリーは泣いている。
「うぉ~ん!やっぱりアブナイ人だったぁ~!」
キーリーは大泣きする。
「面倒なことになったな」
結城 克己はワインを開ける。
「あの・・・よく酒なんて飲もうと思いますね・・・」
運転手は結城 克己を見てドン引きする。
「暇なんだよ。暇を潰すにはこれくらいしかないだろ?」
結城 克己はグラスを見る。
「ねぇ、私たちどうなるの?どうなっちゃうの~!」
キーリーは結城 克己に泣きつく。
「さぁな。俺が聞きたいくらいだ」
結城 克己はいくつかのグラスとワインをテーブルまで持っていく。
「この領地に関して、何か知らないか?」
結城 克己はグラスにワインを注ぐ。
「ミノリ領は盗みで栄えた領地です。被害に遭った土地は数えきれないって記録にもあるんですよ」
運転手はグラスを手に取ってワインを飲んだ。
「ヤバい奴らだな・・・」
グラスを持った結城 克己は運転手の話を話半分に聞きながらワインを飲む。
「よし、わかった。俺たちは交渉の材料なんだろう」
結城 克己はキーリーと運転手にそう話す。
「まぁ、この身なりだ。良いところの出だと間違えたんだろう」
結城 克己は少し黄ばんだカッターシャツと黒いズボンを見る。
「じゃあ、早くただの旅人だって伝えようよ~!」
キーリーは結城 克己に向かって大泣きする。
「そうだな・・・」
結城 克己は少し気乗りしない様子でワインを一杯飲み終えると、兵長を呼びつけた。
キーリーが必死に貴族ではないと説明すると、兵長はある噂話を切り出した。
「王都に入浴という流行を生み出し、勉強嫌いのマデリン王女殿下を勉強好きにした王宮の若き天才、ユウキ。お前のことだろう?」
ミノリ領軍の兵長は結城 克己を見つめる。
「何のことやら」
結城 克己は鼻で笑う。
「まぁ、いいさ。今、ちょうどミノリ領に国王がいる。そこに突き出して交渉するまでだ」
「お前たちは何を求めている?」
結城 克己はミノリ領軍の兵長にそう問う。
「よく聞いてくれた。今、我々の領地には海がない」
ミノリ領軍の兵長は楽しげに答えた。
「メムトか、ミシカか・・・あの辺りが良い」
ミノリ領軍の兵長は不敵な笑みを浮かべる。
「メムトは油で揚げると美味い魚がたくさんいるらしい。ミシカには生で食べて美味い魚がたくさんいるらしい。ミシカが手に入れば王宮貴族が独占する高級果実も手に入る」
ミノリ領軍の兵長は歩き回る。
「ついに領地まで盗むのか!このクズ共め!!」
運転手はミノリ領軍の兵長に怒鳴る。
「なんとでも言え。明後日には国王一行がこの町に来るだろう。その時にまた会おう」
ミノリ領軍の兵長は笑いながら去っていった。




