Ch.20 アブナイ二人旅 その四
九十六番道をずっと進み、トニカ領の町に着いた。
町に着いて早々、結城 克己は日雇いの仕事に出かけた。
「あいつ、元気ありすぎでしょ・・・マジで騎士見習いとかじゃないよね~・・・」
長椅子に座ったキーリーは一人で文句を言う。
「あら。お一人?」
高貴な女性はキーリーに近づく。
「えぇ・・・?また?」
キーリーは高貴な女性を見て驚く。
「あなたのお連れさんのフルネームを教えてくれないかしら?」
高貴な女性は一枚の金貨を机の上に置いた。
「・・・ゆ、ユウキのフルネーム?いや・・・その・・・」
キーリーが困っていると、高貴な女性は机の上にもう一枚金貨を置いた。
「・・・ゆ、ユウキ・・・ユウキ・・・カツミ・・・です」
「ありがとう」
高貴な女性は机の上にもう一枚金貨を置いた。
「スヴェトチカ、ミノリ領へ行きましょう」
高貴な女性は豪華絢爛な扇子を広げた。
「えぇ!?なんであんなところに・・・」
売り子は文句を言う。
「旅行よ」
高貴な女性と売り子は去っていった。
「・・・ど・・・どうしよう・・・」
キーリーは三枚の金貨を見て頭を抱える。
結城 克己が戻ってくると、キーリーは素直にすべて話した。
「はぁ!?金貨三枚で俺のフルネームを教えた!?」
結城 克己は驚きながら三枚の金貨を見つめる。
「だって~・・・無言で金貨を置いていくんだもん・・・あれ、鎌を向けられるより怖いよ・・・」
キーリーはしょんぼりしながら話す。
「・・・よっしゃ!!今夜はパーッとやるぞ!こんなあぶく銭、残しておいたって仕方ねぇ!」
結城 克己は酒や料理を次々と注文する。




