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Ch.18 アブナイ二人旅 その二

エリウード湖をぐるりと約半周して馬車乗り場に着いた。

馬車にかかっている看板には、九十六番道馬車と書いてある。

「馬車乗ってく?」

キーリーは結城 克己に訊ねる。

「金がない」

結城 克己は簡潔にそう答えた。

「お金もない、魔法も使えない、そんなんでよく旅に出たね」

キーリーは呆れたように話す。

「食べ物と水を買うくらいの金はある」

結城 克己は売り子に近づく。

が、しかし・・・

「高くね!?」

結城 克己は飲料水と簡単な食べ物の値段を見て驚く。

「文句があるなら買わなければいいでしょ?値切りには応じないから」

売り子は結城 克己に怒る。

「まぁ・・・食べ物は何とかするか・・・」

結城 克己は財布を取り出す。

「一緒じゃないと売りませーん!」

「じゃあ、なんで値段分けてんだよ」

結城 克己は二つの値札を見ながら問う。

「貧乏人に売るような商品はなーい!」

売り子はそう伝えると舌をベーっと出した。

(なんだこのチビッ子!!人をイラつかせる天才か!?)

結城 克己は怒りと驚きが混じった表情でそっぽを向いた売り子を見つめる。

「スヴェトチカ。いい加減にしなさいね?」

売り子のすぐ後ろにある馬車からサラサラとしながら妖艶で、遊ぶように鳴る鈴のような華やかな女性の声が聞こえた。

「ゴゼワ様!で、ですが・・・」

売り子はもごもごと言い訳を並べる。

「スヴェトラーナ」

女性の声色が変わると、売り子は黙り込んで結城 克己に手を差し出した。

「売ってやる。さっさと金を出せ」

売り子は手を動かす。

「・・・」

結城 克己は黙って数枚の銅貨を乗せた。

「はぁ・・・」

売り子は水を差し出した。

「君、スヴェトラーナっていうのか?」

結城 克己は瓶の封を開けた。

「貧乏人に名乗る名はない!」

売り子はそっぽを向いた。

「北方の人だよな?わざわざ北方から物を売りに来たのか?」

結城 克己が話している間、売り子はそっぽを向き続けている。

「・・・まぁ、いいや。ありがとな」

結城 克己は売り子にそう伝えるとキーリーと共に歩き始めた。

「あなた」

女性は馬車の中から声をかける。

「はい?」

結城 克己は振り向いた。

「お名前は?」

女性は馬車の中から訊ねる。

「ユウキだ」

「フルネームは?」

女性は馬車の中から問う。

「・・・・・・あー・・・そろそろ行かないとな」

その問いを怪しんだ結城 克己はキーリーに向かってそう話すと、キーリーと共に慌てて逃げ去っていった。

「・・・イズモ・・・いいえ、ミノリ人かしら?」

高貴な女性は豪華絢爛な扇子で風を送る。

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