紫×桃 俺なりに謳歌する
外を眺める 。
窓の内側からでもわかる 、外の楽しそうな雰囲気 。
俺が今いるのは 、真逆の静かな雰囲気 。
だが 、いつこのような雰囲気がなくなってもおかしくない 。
昼休憩の時ぐらい 、ゆっくりさせてほしい 。
今日は土曜日 。
他の職場で働いてる奴らは基本休みだと思う 。
しかし 、俺達看護師は 、全くそんなことない 。
土日祝でも 、どこか 1 日は働くことが必要だ 。
それが今日ってわけ 。
さっさと休みたい 。
病院の隣は 、結構有名なアリーナがある 。
土日と 、俺の推しのライブが開催される 。
日曜日は休みだから良いが 、今日は開演直前の時間からしか休みを取れなかった 。
グッズはきっと売りきれているし 、オタ友と会う時間なんて全くないだろう 。
だから 、外で楽しんでいる人達をみて 、すごく羨ましくなる 。
「 どしたん 、紫陽 。 」
「 急に話しかけんなよ 。びっくりした 。 」
「 いやいや 、早く食べなよ 。パスタ冷めるよ ? 」
「 ... お前 、なんでここに来た ? 」
「 ん~ ? 久しぶりに紫陽と昼食べようと思って 。 」
確かに 、こいつの手には 、弁当らしき物をあった 。
話しかけてきた奴の名前は 、桃里 。
一応俺の同期だから 、仲は良い方だ 。
誰にも言っていないが 、桃里とは 、大学だけじゃなく 、高校も同じだ 。
俺のことをよく知っていて 、何でも話せる 。
「 うわ 、めっちゃ人居る ... 」
桃里は 、かわいい物が好き 。
アリーナの周りは 、推し色の髪色や服の人が居て 、とてもカラフル 。
桃里にとっては 、とてもお気に召す物なのだろう 。
病院なのに 、ギャーギャー騒いでいる 。
俺は時間がないから 、いつも通りの感じで参戦 。
本当は 、こんな風に推し色で揃えて 、楽しく満喫したいんだけどな 。
「 今日は 、誰のライブだろーね 。 」
そう言って 、桃里はスマホをいじり出した 。
食事中にしてるから 、行儀悪いのは置いといて 。(
多分 、今日のライブについて 、調べている 。
... そんな 、調べるほど有名じゃないのか 。
こいつ 、結構流行りには詳しい ... はずなんだけど 。
悔しいな 。
「 ... 俺の推し 。今日行くから 。 」
「 嘘 ! 紫陽にも推しが ...
あっ 、だから今日 14 時半から休み取ってたんだ 。
いつも土曜日は 、1 日中と言って良いほど働いてるから 、何があるのか気になってたんだよね 。 」
誰だって 、推しは居るだろ 。
というか 、俺のスケジュールまで見てたんだな 。
土曜日はずっと働いてる 。
あんま気にしたことなかったけど 、確かに日曜日より土曜日に働いてるな 。
俺より詳しいやん 。
「 早く行きなよ 。
どうせ 、羨ましかったから 、ずっと外見てたんでしょ ? 」
図星だった 。
羨ましくて 、暇な時間はずっと外を眺めていた 。
ライブの時間が近づくにつれ 、どんどん増えるカラフルな人 。
X で見た痛バを持っている人 。
俺のオタ友 。
会いたかった 。
早く行きたい気持ちはあるが 、俺にはまだやることがある 。
やる気が出なくて 、書き終わっていないカルテ 。
患者さんの 、薬の確認 。
今日は 、検査もたくさんある 。
そんなものをサボって 、自分の趣味に没頭して良いのだろうか 。
「 俺 、13 時から検査入ってるんだけど ... 」
「 そんなん良いでしょ 。俺が代わりにやるし 。
ライブってね 、本当に立派な思い出になるから !
楽しめる分 、楽しまなきゃだめだよ 。 」
俺は 、パスタが入っていた容器の塵を握り潰して 、急いで駆け出す 。
早く着いて 、まずは友との出会いから楽しむんだ 。
楽しめる分は 、楽しむ 。
今日くらい 、仕事なんて忘れちゃえ 。
俺は俺なりに 、今日という日を謳歌する 。
桃里の言葉通り 、精一杯楽しむ 。




