赤×桃 明るい石
休憩中じゃない 。
けれど 、俺は部活を勝手に抜け出してしまった 。
久しぶりの部活ということもあり 、中々周りに馴染めない 。
先輩には勿論 、同学年の奴らにも 、話しかけられない 。
入りたいと願っていたはずなのに 、いつしか辞めたいと思うようになっていた 。
俺だって 、毎日部活に行きたかった 。
親が統合失調症で 、狙われてるとか言われて 、学校すら行けるのは週 2 くらい 。
早く帰ってこないと怒られるから 、午前授業の水曜日しか部活には行けない 。
もう 9 月なのに 、部員の名前なんて 、一部の人以外わからない 。
こんな性格じゃなかったら 、今頃楽しめてたんだろうな ... 、笑
「 何 、この石 。 」
体育館の横 、中庭をぼーっと見つめていた 。
キラキラ光るものがあって 、手に取ってみると 、岩のように大きく 、重い石を見つけた 。
俺とは真逆 。
存在感があって 、毎日を楽しんでいるような 。
心なしか 、遠回しに 、軽蔑されている気がした 。
「 ここにいた 、なっちゃん 。 」
「 ... 桃里 、先輩 ? 」
後ろから 、急に話しかけられて 、驚く 。
しかも 、変なあだ名だし 。
話しかけてきたのは 、桃里先輩 。
うちの部長 。
自己紹介の時 、激励式の時 、すごく真面目に話していたから 、記憶にある 。
いつも一生懸命練習していて 、今は県選抜にも選ばれている 。
本当に真面目な奴 。
... これ 、部活途中で抜け出したから 、怒られるんじゃね ?
多分 、怒ったらすげぇ怖いタイプ 。
やばい 、やばい 。
「すごいその石 ! めっちゃキラキラしててでかいね ! 」
「 ...そうですね 、 」
「 ... これ 、火星の石だよ ! 万博に寄贈すべきやつだよ ! 」
... 意外に 、怒られなかった 。
先に言われるのは 、俺じゃなくて 、持ってる石だった 。
そもそも 、火星の石ってなんだよ 。
万博にあるのは知ってるけど 。
というか 、元々万博にあるんだったら 、もう要らないのでは ?
でも 、少し迷惑かけてる気がするな 。
俺の反応の後 、間が開いてたし 。
やっぱり 、俺に話しかけたくないんだ 。
絶対 、めんどくさい奴って思ってる 。
さっさと 、辞めた方がいいんかな 。
「 ... 部活居づらいよね 、ごめん 。
1 年生 、なんか仲悪いんだよねぇ 笑
何かあったら 、いつでも相談して良いからね 。 」
... こんなに優しく話しかけてもらえるのは 、初めてだ 。
ぶっきらぼうな俺なのに 。
だって 、話すのすら 、初めてだぞ ?
優しすぎる 、こいつ 。
結構ノリも良いし 。
「 よーっし 。
今から休憩だし 、もうちょっと話そっか ! 笑 」
今まで 、まだ 、休憩時間じゃなかったんだ 。
いつも一生懸命練習しているのに 、探させてしまって 、申し訳ない 。
こんな時間に抜け出した俺のせいだよな 。
俺のせいで 、先輩にまで迷惑をかけている 。
今度からは 、しっかり練習しないと 。
でもな 、これからは部活行くの楽しみだわ 。
好きなスポーツなら 、いくらでも楽しく練習できる 。
それに 、桃里先輩もいるし 。
これからよろしくな 、桃里先輩 。
俺の人生を明るくしてくれた 、恩人 。




