第九十六章 建設して、建設して、実験する
アイリーンに基地の仕組みを理解させることにして、俺はアンネリと一緒にテクガンの基地へ向かった。何しろ、しばらく行ってなかったし、どれだけ変わったのか見て本当に驚いた。
「建設完了」
「建設済み:製材所、石灰岩破砕機、レンガ工房、豆農場、鉄鉱山、炭鉱、製錬所、石油採掘塔、ホップ農場、木製の柵、監視塔×4、住宅×2、船着き場、養豚場」
利用可能な建造物リストを更新中......完了
新規基礎建造物:醸造所、コンクリート壁、防衛塔、道具工房
新規主要建造物:アッペライト鉱山、石炭火力発電所
「テクガン派閥とのシナジー+22%(92/100)」
アンネリにここでもクリスタリットを探してくれと頼んで、俺は状況を把握し始めた。建物の一部は、まあ、アルヴァーのものと重複していると言えるし、使われている資源も同じだ。ただ、せっかく専門家がいるんだから、使わない手はないってことなんだろう。
でも、何よりもまず目を引いたのは、基地を囲む木の壁だった。かなり高くて、きれいに揃った丸太に有刺鉄線が上に張られている。最初の基地とだいたい同じように、監視塔が配置されていて、強化された土台に軽い木造の構造物が乗っかっている。防御力はほとんどないし、森の中にあるせいで見晴らしも最高とは言えないが、木こりたちの頑張りのおかげで、基地周辺はもう開けていた。
さて、製材所は当然ながらかなり大規模だった。電気が要らないってのもあって、製材機は休むことなく働き続け、丸太を次から次へと切っていく。
アルヴァーでも石として石灰岩系の鉱石が使われているから、この資源も原料として共通扱いだ。近くの岩場には採石場のようなものがあるんだが、きれいな石じゃなくて、粉砕機が全部を砕いて細かくしている。そこから、ロートクの砂地のおかげで無限資源扱いされている砂を取って、レンガを作る。これが上級建材ってわけだ。
鉄鉱山と炭鉱は原理的に変わらない。資源そのものがここでも地表にあって、地下に潜ったり大量の岩石をふるいにかけたりする必要がないからだ。製錬所でそれらが鋼に加工されて、こっちが二つ目の上級建材になる。
確か、ライフルは高品質の鋼鉄製だった。つまり、アッペライトが必要ってことだ。まあ、それは今から確認すればいい。
それに加えて、食料資源もあった。もっとも、すでに理解したように、ロートクが第二段階まで成長すれば、住民の食糧問題に頭を悩ませる必要はなくなるんだが。とはいえ、今のところテクガンの連中は、農場で栽培された馴染み深い豆を食べていた。これは実はプラスだった。アルヴァーでは、すべての資源を周辺から探し回らなければならなかったからな。
人工的にできた湖のそばには、ボート乗り場があった。ちょうど今、悪天候が収まり、穏やかな水面の中央に釣り船が一艘浮かんでいた。
近くでは豚たちがブヒブヒ鳴いていた。あの丸々と太ったピンク色の体をいくら観察しても、地球の豚との違いなんて見つからなかった。まったく不思議なもんだ。
そうそう、ホップだ! 薬草を育てるのとはわけが違う、これは本気の仕事だぞ! 酒の生産を軌道に乗せる初めてのチャンスだ。みんなの士気も上がるだろう。
住居は普通の二階建てで、飾り気のない建物だった。まあ、アルヴァーのものとの違いは内装くらいだ。外見は技術的な感じがするが、インテリアに特別なものはない。ベッド、椅子、テーブル、その他の生活用品が置いてあるだけだ。
違いといえば、石油採掘塔があることだ。どうやら、その場所を見つけるのに特別な秘密はなかったらしい。単純な話で、岩だらけの土地で他の鉱山の隣に突き出ていた。
驚いたことに、ケイトはほぼ全員に仕事を割り振ってしまった。まるで管理者じゃないか! 彼女にはもう兵科モデルがあるのがちょっと惜しいな。管理者はやっぱり必要になるだろう、ランク3を取らなきゃいけないし。それに生産量の倍増も役に立つはずだ。
アンネリが湖でクリスタリットを見つけた。
で、何を建てる? 訓練所、兵舎、クリスタリット鉱山、アッペライト鉱山。工場もありだが、石油はケイトに残しておくべきだと思う。なんといっても彼女があんなに頑張ったんだからな。
というわけで、木材が950、レンガが550、道具が80ある。道具の消費が激しいのは気になるが、建物はしっかりしてそうだ。
ここはとりあえずこれで全部だな。俺は彼女を連れて最後の拠点へ向かった。残るはキルハイヴだが、マハがあそこで完璧にこなしてくれている。
「建設完了」
「建設済み――キチン質の壁、幼虫培養器、金属変換装置、吸水装置、ハイヴの守護者×2、金採取装置」
建設可能リスト更新中......完了。
新規基礎建築物――強化壁、酸性タワー、胞子散布装置。
新規主要建築物――
神経中枢・上級変異施設(外皮組織および防御組織、生体兵器)、センサータワー、素材ハイブリダイザー。
「キルハイヴ派閥とのシナジー+8%(89/100)」
資源の量から見て、マハがまだ他に何も建設していないのは理由があるんだろう。既にこれだけで相当使い込んでいる。資源を見る限り、ムタゲンは建設にも消費されているようだ。スライムの上を恐る恐る歩いているアンネリに、ここでもクリスタリットを探してくれと頼んでから、俺は設定をいじってみた。なるほど、ロートクの一レベルにつき反応炉は一つしか設置できないのか。これが発展の足かせになっているわけだ。とはいえ、今あるものを見てみると――壁は低く見えたが、どうやら必要に応じてサイズを変えられるらしい。近づいてみて、そのことがよく分かった。滑らかな表面が蠢き、地中へと沈んでいき、俺の通り道を開けてくれた。
防衛体は地中に潜んでいて、触角だけが飛び出している。以前に何度か見ていなかったら、まったく気づかなかっただろう。
金属変換器は他のものとさほど変わらない。ただ、作業員たちが鉱床から金属の塊を運び込んでいるだけだ。今のところ鉄しかないが、まあ、俺のモデルにはクリスタライトがあったし、もしかしたら使えるんじゃないか?
水分吸収器は膨らんだ球体のような姿で、小さな湖の上に浮かんでいた。水面の上に何にも固定されずに浮かび、同時に水中へチューブを伸ばして、おそらくそれで水を吸い上げているのだろう。アンネリは探索で湖畔を歩き回る間、できるだけそれを無視しようとしていたが、建物は時折悲しげな音を立て、まるでため息をついているようだった。
金採集器――もう一つの変換器で、これには驚いた。ここでは作業員たちが地中から、掘られたトンネルから、本物の金の欠片を運んでいるんだ! まあ、さすがにここで誰かがコインに鋳造し直すとは思えないが、もしかしたらそのまま使い道があるのかもしれない?
孵化施設は大きな建物だった。俺の理解では、他の派閥にある兵舎型コンバーターみたいなものだ。人間を放り込んで、待って、ハイヴに忠実なインセクトイドを手に入れる仕組みだ。
アンネリがクリスタリットの鉱床をマークし終えるのを待ってから、俺はもう一度彼女に礼を言い、一緒に死すべき者の館へ戻った。
彼女は疲れたと言って近くの建物に入っていき、俺はアルヴァーの基地に残っているものを考えてみた。
まだそんなに建物は多くない。ゴリアテの像は完成したが、まだ送り出す場所がない。他に何が残ってたっけ? 壁を強化壁にアップグレードする分だな。加工石材500、鉄500。それと、魔術師ギルド以外は今のところアンロックされてないはずだが、そっちもクリスタリットを大量に使う。そういえば、石油は後回しにしたから、早くモデルを上げないとな。
客の一部はもう帰っていて、俺はすぐに青髪の娘を見つけた。
「ケイト、ちょっといいか?」
彼女は振り返ったが、悪ぶった態度は取らずにさっさと近寄ってきた。
「何?」無関心な声で彼女は言った。俺はただ笑みを浮かべた。
「俺と一緒に来い」
死すべき者の館に戻る途中、やっぱりもう一度言っておこうと思った。
「本当にありがとう。基地の件、完璧にやってくれたな」
少女は鼻を鳴らしたが、口の端で微笑んだ。
「礼には及ばないわ。あんた、忙しいんでしょ」
「ああ、そうなんだ。お前もだろ、カードで随分と人を騙したんじゃないか?」
ケイトは笑い声を上げて、自分の拳を叩いた。
「たんまりとね」
「俺とも一勝負どうだ? 昔は結構やったもんでな。どうする?」
ケイトは疑わしげに俺を見つめた後、マントを揺らして手袋をはめた手を差し出した。
「手打ちだ!」
満足げに、俺は目的地に着く寸前で娘の手を握った。
ケイトがコンバーターの中に入るのを待ってから、俺は彼女の最終形態、『神出鬼没の襲撃者』を石油200、高品質鋼200で発注した。
確認と変換が終わると、少女はすぐさま、軽車両スペシャリストと盗賊女から生まれた更新されたリングを掴み、ひねった。
廊下が手狭になった。かなり大きなバイクだ。太いタイヤ、黒と青の塗装は光の当たり方で色合いが変わる。獰猛な小ぶりの青いヘッドライト、そして攻撃的なデザイン全体が少女を夢中にさせ、彼女はすぐさま新しい相棒に飛び乗ってエンジンをかけた。窓の外から聞こえる深夜のバイク野郎たちの荒々しい轟音に慣れていた俺の予想とは違い、かすかなモーターの唸りが響いた。
俺の蜘蛛旅行の後にできた穴はまだ完全には塞がっておらず、少女はバイクをその開口部へと向けた。
「おい、待て、何する気だ!?」俺はケイトを止めようとしたが、どんどん近づいていく彼女は手を振って俺に「いいね」のポーズを見せただけだった。
「大丈夫だって、パパ」
エンジンを吹かし、ケイトは穴に向かって突進し、その向こうに消えた。危険な角度で飛び降りたんじゃない――まるで消えたんだ!
穴に駆け寄ると、ケイトが壁を走っているのが見えた。まるで当たり前のことのように。
振り返った彼女は俺の表情を堪能すると、笑い転げながらハンドルを切り、上へと走り始めた。さらにかっこつけるために、ハンドルから手を離してサブマシンガンを取り出した。
彼女が再び穴から飛び込んできたとき、俺は飛び退かなければならなかった。
「ふー、めちゃくちゃ最高だった!」娘は嬉しそうに叫び、幸せで輝いていた。まあ、俺も嬉しいけどな。
「気に入ってくれて良かった。これから街中を走り回るつもりか?」
ウインクしながらケイトは頷き、手を振って別れを告げると、再び外へと向かった。
彼女が満足してくれたことに喜びながら、俺は下へと向かった。アップグレードや建設から少し離れようと決めて、館のリビングに行くと、既に多くの妻たちが集まっていた。
「あそこで何の騒ぎだったのよ? 私たち心配になっちゃったわ。もしかしてまた馬鹿なことしてるんじゃないかって」ジェシーが不満そうな口調で言い、エンディスも頷いて同意した。
「ああ、お前の娘さんがバイクを試したのか」
ジェシーはすぐに笑顔を浮かべ、エンディスは彼女を咎めるような目で見た。その様子はまるで「娘の話を持ち出した途端、もう全部忘れちゃって」と言っているかのようだった。
考えてみて、俺はこの穏やかな時間があるうちにポータルを試し始めるべきだと判断した。この後は20日目、襲撃、それから21日目は試練、さらに月末も遠くない。一体何が起きるか分かったもんじゃない。レギの問題だけじゃなく、比較的安全を確保したいなら、どのみち敵の領土で反撃しなきゃならない。ウルカストがテクガンの連中を倒したのかもしれないが、何の知らせもない。フレムテックとも直接の連絡が取れていない。あのイカれたアレックスが舵を取っている限り、平穏な生活なんて望めやしない。
ため息をついて、俺は言った。
「やっぱりカオスポータルで訓練しに行こうと思う」
「またひとりで、なの!?」セフィーナが不満そうに言った。「あなたはもう十分ひとりでいたわ。それで良いことなんて何もなかったじゃない! 今度は一緒に行くべきよ」
他のみんなも同意して頷いた。いや、全員で行くわけじゃないだろ? でもそれはそれで悪くないアイデアかもしれない。
申し訳なさそうに笑って、俺は言った。
「いや、一緒に行こうよ。何たって初めてなんだし、何があるか分からないだろ」
天気がいいうちに、女の子たちは手早く軽食をまとめた。訓練は街から離れた場所でやる予定で、クリスティーナがアバターの実験をしたあたりと同じ場所だ。
行くのは俺、セフィーナ、ジェシー、ケル。エンディスは心配そうにしていたが、子供たちと一緒に残ることにした。フロルガも同様だ。他のメンバーはその時リビングにいなかった。
まず俺は、スコーピオン娘をちらりと見てから、インセクトイドの姿に変身した。彼女の息遣いが荒くなるのを聞かないようにしながら、感覚に集中する。何かを感じているのかどうか判断するのは難しい。そもそも何を探せばいいのか分からないんだから。
結局、自分の脚の一本一本の感覚を確かめながら、順番に動かしてみた。女の子たちは辛抱強く待っていて、俺が指輪を回すまでそうしていた。
少し離れた場所に移動して、構えてからカオスポータルの石材を起動し、それからインセクトイドを発動した。これだ! はっきりしない、むずむずするような感覚で、見えなくてもそれに引き寄せられているような気がする。数百メートル走ってみたが、感覚はまだかなり強い。つまり、射程距離はかなりのものだろう。
人工的に作られたものには安定化のトリックは使えないだろうが、そこに行くのは……戻ってから、俺は女の子たちに意見を聞いた。
「あ、今アーマーで試してみるにゃ!」セフィーナが素早く答えて、術を唱え始めた。
「これはもちろんいいんだが、俺も自分でゲートを通り抜けてみる必要がある。まだ一度もやったことがないからな。鎧は保険だ」
気に入った様子じゃなかったが、試さなきゃいけないのは確かだった。俺たちが中に入ってから2分測ってくれとジェシーに頼み、赤い楕円形に近づいた。万が一精神支配を受けないようドラコニド態を選び、鎧の後に続いて足を踏み入れた。
俺たちは荒涼とした土地に出た。赤い砂があちこちに広がり、血の色をした岩がわずかに点在するだけの殺風景な景色だ。
「繋がりの障害……復旧を開始……完了。繋がり有効」
なんだこれは? 数秒待ったが、他のメッセージは出てこなかった。
アルヴァーの気候の後だと、ここはかなり暖かかった。時折吹く風が砂埃を巻き上げて、暖かさよりもむしろイライラさせられた。
「誰か見えるか?」とセフィーナ鎧に確認したが、鎧は首を横に振るだけで、念のため剣を構えたままだった。
心の中で秒数を数えながら、俺は前に進んだ。もちろん帰還の石材は念のため持ってるが、用心に越したことはない。足早に近くの岩まで駆け寄ると、その先には金属が敷き詰められた空き地が広がっていた。金網みたいなものが、なぜかこの赤い砂の上に敷かれている。遠くには巨大な金属製のアーチが見え、その両脇には両手を広げた顔のない巨人の像が立っていた。こんなシンボル、最近やけに見るな。ここは一体どこなんだ?
特に強い突風が吹きつけ、セフィーナの鎧が揺れた。それを見ると、金属が滑らかに裂けていくのが見え、鎧が横に倒れ始めた。
もう一度突風が――そして俺は脚に鋭い痛みを感じた。くそったれ、また同じかよ。誰がやったのかすら気づけなかった!
翼を羽ばたかせて、次の攻撃を避けようとしたが、何かが頭に当たって、俺は撃ち落とされた鴨のように地面に落ち、意識を失った。
◇◇◇
最初に感じたのは消毒液の匂いだった。目をこすって開けると、自分がいる場所が見えてきた。まあ、常連だから当然すぐにわかった。病室だ。待て、病室だと!?




