第九十四章 やっとの休息だ!
女の子たちは先に行き、俺とブレンはいつもの牢屋代わりの家へ向かった。フレムテックの猫娘が壁に鎖で繋がれている場所だ。普段はこんなことしないんだが、この派閥の標準的な連中がどれだけイカれてるかを考えると、むしろまだ甘い処置かもしれない。
歩きながら、ブレンは奴から聞き出せたことを手短に話してくれた。まあ、情報は少なかったけどな。この工作員は、フレムテックの基地の制御を乗っ取ろうと計画していたらしい。また俺たちにメカやロボット、その他武装した連中をけしかける機会がないうちにってわけだ。
連中がそもそもどうやって基地のことを知ったのか考えてみると、原因はやっぱり俺がドローンや兵科モデルを使ったことだろうな。試練が中継されてたなら、他の誰かも力比べしに来ようって思いつくのも不思議じゃない。この場合、8位ってのはかなり都合がいい順位だ。
まあ、それ以上重要な情報は引き出せなかった。あまり期待せずに、それでも俺は彼女のところへ入った。
マスクを外した顔は、不機嫌で高慢な表情にもかかわらず美人だった。耳はピンと立ち、鼻は上を向き、ぽってりとした唇は固く結ばれている。俺を見ると、彼女は目を細めて尻尾を揺らした。
「で、ケイトリン、どうしてこんな人生になっちまったんだ?」
そんな質問を予想していなかったのか、フレムテックの女は驚いたように俺を見つめて尋ねた:
「なぜ急に俺の運命なんかに興味を持ったんだ?」
ああ、文字通りに受け取ったのか。あそこじゃ会話できる相手もそう多くないんだろうな、きっと。
「まあ、お前は上級クローンだからな、興味があるんだよ。俺が親しく知ってるのは下級クローンだけで、ヴィンセントとの短い会話とアグネスを抱きしめたこと以外はな」
「そういうことだったのね、可哀想なアグネスちゃんを汚しちゃったのね、にゃ!」ケイトリンは耳をぴくぴく動かしながら叫んだ。
「ちょっと違う言い方だと思うが、まあいいか。お前はそこまでアレックスに忠実なのか、それとも何か特典で引き留められてるのか? お前を動かしてるものは何だ?」
目を光らせて、娘は素早く言った。
「命令よ!」
鼻で笑って、俺はすぐに続けた。
「で、お前と下級クローンとどう違うんだ? 飯がちょっとうまい、ベッドがちょっと柔らかい?」
この娘がそんなこと考えたことがないとは思えないが、今その可愛らしい顔には戸惑いが浮かんでいた。余計な考えを振り払うように、ケイトリンは歯を剥き出して俺を睨みつけ、言った。
「口車に乗せられるもんか。お前が誰か一人でも引き抜く前に、アレックスがお前を始末するわ!」
俺は説得なんて得意じゃない。だが、こいつをどうすればいいんだ?
「で、情報についてだが、本当に基地を制圧しに来ただけか? 時間のかかる作戦だ、俺たちが来る時間は十分あったはずだ。さあ、吐け。その方がお前のためだぞ」
娘は目を細めて鼻を鳴らした。
「殺したって構わないわ。でも何も言わない」
拷問については言及しなかったが。で、こいつをどうする? 数日分の寿命を稼ぐか――どうせ上級なら、死んでもすぐに再製造されるだろうからな。それともギルに引き渡すか……。興味深いことに、あいつが肉体を完全に消滅させたら、繋がりから記録も消えるのか? そうなったら、アレックスたちは元のケイトリンを復元できるんだろうか?
指輪を回して、俺は空中に静止した吸血鬼を見つめた。一方、ギルが長い牙を舐めたとき、恐怖で悲鳴を上げた少女の方をそいつは見やった。
「ニコ、親愛なる友よ、本当に、料理がどんどん良くなっていくな! まあ、明日まで取っておくけどね、今日はまだ十分満腹だし。それに、こんな美人が無駄になるのは惜しいな。味わおうとは思わなかったのか?」
おいおい、こいつ何言い出すんだよ! まあ、多少は効果があったみたいだけど、フレムテックの女の顔に初めて恐怖の影が浮かんだのを見た。どうやら、フレムテック連中にとって普通のイカれた死に方なら怖くなかったらしいが、得体の知れない化け物に弄ばれて殺されるのは、彼女にとってあまりにも酷だったようだ。
俺にウィンクすると、吸血鬼は捕虜に近づき、少女の顔に涎を垂らしながら、気持ち悪い指を彼女に伸ばし、布越しに腕に触れた。
「んー、温かい! こんなの久しぶりだぜ!」と、ケイトリンが壁に押し付けられたまま凍りついている間、そいつは息を荒げて恍惚とささやいた。耳が頭にぴったりと張り付いている。まるでこのしゃがれた声をもう一言も聞きたくないかのように。「あんたに必要ないなら、俺がちょっと遊ばせてもらうぜ。それとも、二人でどうだ、え?」
「やめて……あいつを……お願い!」少女はすすり泣き、猫娘に何をするかを次々と語り続ける気持ち悪く笑う吸血鬼から、できるだけ遠くに逃れようとした。
俺は最大限に心から驚いてみせた。
「何で? どうせ死ぬつもりだったんだろ、同じことじゃないか。じゃあ、お二人さんを二人きりにしてやるよ」
手を振って俺は出口に向かったが、ヴァンパイアはケイトリンの胸を掴み、荒い息を吐いた。
「やっ、やめて! 全部話すから!」少女はパニックに陥って悲鳴を上げ、すでにズボンのボタンを外し始めたギルを恐怖に満ちた目で見つめた。
ヴァンパイアが俺に問いかけるような視線を向けてきたので、俺は頷いて指輪を回した。
荒い息をつき、ストレスで汗だくになった少女にゆっくりと近づき、俺はしゃがみ込んで何も言わずに猫娘の目を覗き込んだ。
唇を噛み締めて、ケイトリンは言った。
「私がキュー141と143の制御を奪ったの」
ふむ、そういうことか。どこか心の奥底で、虐げられてきた下級クローンたちが、メックを手にしてるのになんでこの知恵者どもの一味をぶっ潰さないんだって思いが引っかかっていたんだよな。
「で、どうやって解除するんだ?」
首を振りながら、彼女はすすり泣いた。これでポイントが稼げるわけがないと分かっているのだ。
「無理です。入力されたコードは最後の命令の実行を前提としています。実行者の生存は要求されていません」
「なるほど、ありがとう」
俺は飛び上がると、センターに向かって走り出した。途中でブレンに全てを話した。コード自体は簡単に消せるだろう――女の子たちを一度殺して蘇生させればいい。だが、その前に彼女たちが何をやらかしたのか知る必要がある。その情報が、脳みそを修正した後も残っているかどうかは神のみぞ知るだからな。
幸い、豪雨は止んでいた。だが湿度の高さと強風のせいで、ひどく肌寒い。わざわざ炎の姿で走り回る必要もないだろうと判断し、軽くジョギングして体を温めた。
準備はすでに最終段階に入っていた。俺はすれ違う全員に陽気な笑顔を向けながら、テーブルの間を抜けて二人のキューのところへ向かった。
「やあ、二人とも。調子はどう?」
二人の少女は同時に笑顔を浮かべ、料理の手を止めてこちらを向いた。飲み物の準備か?
「ニコ、大丈夫か? ほら、試してみないとわからないだろ、足りないものはないか?」
141は笑みを絶やさず、俺にスパイスの入ったピンク色の地酒をグラスいっぱいに注いでくれた。たぶん、ワインみたいなものだろう。
「ん、いやいや、今飲んだくれたら、後で俺がどうなるか分かったもんじゃないぞ」俺は冗談めかしてグラスを受け取らなかった。「一つ手伝ってもらいたいことがあるんだが?」
「はい、もちろんです!」キューたちは声を揃えて答え、手を拭いて俺の後についてきた。
娘たちを隣の部屋に連れて行き、ブレンを待ってから繋がりを通じて141を殺した。
ブレンがもう一人を掴んだ。
「さあ、お嬢ちゃん、お前らが何をやったか吐いてもらおうか?」男が素早く娘の耳元で囁いたが、キューは何のことだかわからないとでも言いたげに、ただ無邪気に瞬きするばかりだった。
俺はその間にもう一人を蘇生させた。こっちは何が起きているのか、完全に混乱していた。
結局、一人は何も覚えていなくて、もう一人は何も喋らない、という状況になってしまった。
ため息をついて、俺はクリオシタの助けを借りることを提案した。とはいえ、彼女も今はかなりヤバい状態なんだけど……
何事もなかったかのように、半狂乱のキューと一緒に死すべき者の館までたどり着いた。俺の天使ちゃんはもう目を覚ましていたが、暴れることはなく、ただ閉じられた扉の向こうで座っていた。もっとも、扉を開けた途端、エルフの娘は俺に飛びかかるのをどうにか堪えている様子だった。
ブレンはかなり驚いた様子だったが、顔には出さなかった。
「クリオシタ、なあ、もう一回脳みそ覗けないか? まあ、リビにはまた眠ってもらうことになるんだけど、キューの中に入ることはできるだろ?」
少女は黙って頷き、必死に自制しようと緊張していた。俺はテクノコマンドを起動してエルフの娘に頷いた。弾丸が体に入り、俺の方へ飛びかかってきたリビをどうにか受け止めた。睡眠薬に副作用がないといいんだけど、どうやらこれからも何度も使うことになりそうだ。
キューの顔が意味のある表情を浮かべ、指を顎に当てた。
「ふむ、飲み物に毒が入ってるわ。工業用途に使われる粉末で、ネメシスの残骸から取り出したものね」俺が疑問の眼差しを向けると、クリオシタが無関心な口調で説明した。
「他には?」
「いや、間に合わなかった」
正確な飲み物のリストを確認した俺たちは、準備に戻って毒物を全部処分した。
これで全部だよな?
彼女に礼を言ってから、俺たちは配置を手伝って無事に落ち着いた。
驚いたことに人がたくさん集まっていた。ジョニーはよそ者なのに。まあ、俺も興味があったんだ。何と言っても死すべき者じゃない奴の派閥間結婚だからな。もしかしたら皆サユリのために集まったのかもしれないが?
俺は隅っこに陣取って全体をよく観察することにした。何しろ、ここにゲストとして来るのは初めてだからな。
共同生活と料理のおかげで女の子たちはすっかり仲良くなったらしく、今の出来事に興奮したセフィーナ、ジェシー、アンネリ、エンディス、フロルガ、キュー、ケルが何やら熱く語り合っていた。特に赤面している様子もないところを見ると、ようやく俺の話題じゃないらしい。
テクガンからは、天使との戦いを生き延びた若者たちが五人来てくれた。民間人たちは、ジョニーとそこまで親しくないか、単純に忙しいんだろう。
アキルズはラミと一緒に来ていた。二人とも着飾って、抱き合って、時々恥ずかしそうにキスしている。やけに早く進展したもんだが、俺はまだ詳しく聞いてなかったな、二人の間に何があったのか。まあ、幸せそうに見えるし、打算的な結婚だとは思えない。俺がそういう風に仕組んだとはいえ……くそ、今更気づいたんだが、これじゃ俺がもう爺さんになるってことじゃないか!
ワイの姿は見えなかった。まさか、俺の警告を受けて子供のそばに残ったのか? そうであってほしいもんだ。
猫耳姉妹、ラズとマハも何やら二人で話し込んでいる。ソフィアが控えめにその横に座って、時々的確なツッコミを入れては、二人の笑い声を誘っていた。ソフィアもマハも、もう一人ぼっちじゃないってのは嬉しいことだ。ただ気になるのは、マハをやりすぎちまったんじゃないかってことだ。再生能力があるのはいいが、痛みはどこにも消えやしない。
ケイトとアイリーンは少し離れたところに座っていた。ケイトは誰も必要としてないって顔をして、「恐ろしげ」な外見でみんなを追い払おうとしている。一方アイリーンは話したそうにしているんだが、今のところは他の娘たちのおしゃべりを聞いているだけだった。
兵士の数は少なかったが、フェブリモールはもちろん顔を出した。だってここには噂話のネタがあるかもしれないからな! それに独身の男たちはみんな娘たちをちらちら見ている、まったく! とはいえ、全員を王子に嫁がせるわけにもいかないし、くだらない見栄のために処女のまま抱え込んでおくのも馬鹿げている。ここにはまともな婿候補が俺の娘の数より少ないんだ、悪夢だよ。マルコを片付けてここにテレポートさせないとな。それから首都にも行って様子を見てこよう、どうせシアディンが呼んでたしな。
俺たちの仲間は全員集まったようだ。デフールが悲しげな顔でテクガンのナイフを手に握りしめてやってきた。おお、輝き具合から察するに何か細工を施したらしいが、彼の落胆ぶりは想像できる。きっと銃火器の何かをプレゼントしたかったんだろうな。
考えた末、俺はイビスとアイヴィを呼び出した。ギルはここでは派手すぎて浮いてしまうだろうから、やめておいた方がいい。
「おう、ニコニコ、どんな場所だ? 何をやらかせばいいんだ?」アイヴィが感心したように訊いてきた。俺の近くをひらひら飛び回りながら。
「黙って座ってなさい。ご主人様に恥をかかせないで」イビスが彼女を叱りつけ、急いで頭を下げた。「お許しください、ご主人様」
「まあまあ、少しくらいリラックスしろよ。ずっと石の中に閉じこもりっぱなしで、退屈だろ」
「ありがとうございます!」イビスが忠実に答え、近くに座った。
アイヴィは周りを見回していたが、結局角を出して実体化した。俺の腕を掴んで物憂げにため息をついたが、すぐに「きゃっ」と声を上げた。イビスが座り直すふりをして「同僚」の脇腹を剣の柄で突いたのだ。
頬を膨らませて、アイヴィは足を組んで座った。ブレンは反対側に座って、くすくす笑いながらクリオシタ=キューに状況を説明していた。
集まりたい者が全員揃うと、刺繍で飾られた高価なスーツを着たファリンが中央に出てきた。おい、俺のときはこんな格好で出てこなかったぞ。最近買ったらしいな。咳払いをして、彼は始めた。
「親愛なる友人諸君! 今日、我々がここに集まったのにはいくつかの理由がある! まず第一に、もちろん皆も知っての通り、今日は特別な結婚式が行われる。ひと月前、もし誰かがテクガンの男が我々の娘と結婚すると言ったなら、俺はその顔に笑い飛ばしただろう! だが違う、時は流れ、全てが変わる。だから今日のメインイベントはこれだ!」
歓声が上がった。
「それから、今日が襲撃の日だということも重要だ。みんな知ってのとおりだけどな。そしてどうだと思う? 今日は防衛どころか、敵を無傷で完膚なきまでに叩きのめしたんだ! 以前なら笑うか落ち込むかのネタだっただろうが、今日は違う!」
こっちはかなり景気がいい。確かに、五日目のあのクソみたいな雰囲気を思い出せば、今日はもう最高だ。俺のヘマと妨害工作さえなければ、完璧だったんだがな。
ファリンはその間も続けた。
「それから、これも特筆すべきことだが、我らがアキルズが美しきラミ姫と結婚したんだ! これもまた前代未聞のことだぞ。俺たちみたいな半分イカれた冒険者が」(満足げな笑い声が漏れた)「突然、首都の住人と親戚になるなんてな。新郎新婦を祝福しよう!」
二人は照れくさそうに立ち上がり、一斉のはやし立てに礼をした。
謎めいた微笑を浮かべ、ファリンは少し間を置いてから静かに言った。全員が耳を傾けざるを得なくなる。
「これが全部現実になったのは、誰のおかげか知ってるか?」
セフィーナは飛び上がり、俺の方に向き直ると、両手を叩きながら大きな声で叫んだ。
「ニコ、にゃ!」
「そうだ! ニコ、ニコ!」
全員が彼女の叫びに加わり、俺は急に注目の的になって居心地が悪くなった。いや、というより、自分がこんなに評価されているとは思ってもいなかったことの方が理由かもしれない。
アイヴィが笑顔で俺の脇腹を小突き、俺は立ち上がってお辞儀をした。
「みんな、ありがとう!」
少しずつ静まり返り、全員が元の状態に戻った後、ファリンがジョニーを呼んだ。アルヴァーの服を着た彼を見るのは妙な感じで、ちょっと面白くもあった。緊張した様子でテクガンのやつは長老の隣に立った。
そして花嫁が姿を現した。白いドレスがサユリの赤茶けた毛皮と美しく対照をなし、仕立てがほっそりした体型を見事に引き立てていた。一体どこでこんなにドレスを調達しているのか聞いてみるべきだな……
同意を交わし、指輪を交換すると、二人は全員の喝采の下でキスをした。ジョニーには経験があるのが見て取れた。つまり、あだ名が嘘じゃなかったってわけだ。まあ、サユリの様子を見る限り、彼女にとってもこれが初めてじゃなさそうだったが、きっと長いこと先延ばしにしていたんだろう。俺のためだけにファリンが速攻で指輪を出してくれたってことか。
「二人を夫婦と宣言する!」ファリンが叫び、俺たちは一斉に席を立った。
「さあ、飲むぞ、イーッヒャー!」ジョニーが叫ぶと、彼の同僚たちが運んできたのは……音楽プレイヤーだ! しかもバッテリー付き。これは驚きだ。テクガンのポップスが流れ始め、その場にいた全員が明らかに喜んだ。
続いて酒の入った箱が運び込まれると、その周りにすぐさまデフールが現れ、大声で叫んだ。
「おいおい、みんな止まれ!」
全員が固まった。
ドワーフは満足げな顔で近づくと、箱から瓶を一本引っ張り出し、栓を抜いてそれを差し出しながら言った。
「ほれ、その、新郎新婦に」
他にも何か毒を盛られてないかって考えが頭をよぎったが、デフールは一気にボトルを空にした後も平気そうだった。
残りのメンバーも慌てて小さなグラスに注いでから、みんな揃ってテーブルに向かった。




