第八十九章 最後の準備と皆への驚き
ワイのところから出て、まだやっていないことを考え始めた。やっぱり家族モデルを上げてみる価値はありそうだ。フロルガは今のところランク不足で無理だが、エンディスとクリスティーナなら十分いける。ケイトは自分で何とかするはずだから、俺は口を出さない。
ただ、エンディスには鋼が必要だったんだが、俺はバカみたいに全部使い切っちまった。まあいい、朝になったら試してみよう。襲撃があまりにも早朝に始まらなければの話だが。
センターに着くと、ファリンに猫娘たちがどこにいるか聞いてみた。どうやら、まだ熱心に訓練しているらしい。
兵舎に向かうと、エヴィナとアルビがマネキンをバラバラに切り裂いているのが見えた。二人ともかなり上達している。時々、あまりにも素早い動きで、目で追うのがほぼ不可能なほどだ。
クリスティーナも頑張っていて、彼女のゴーレムたちはもう生きているみたいだった。でも、何か悩んでいるようにも見える。たぶん自分が直接戦闘に参加しないせいで、まるで何もしていないような気持ちになっているんだろう。
「やあ!」
「あ、パパ、にゃ!」汗だくの少女たちが作業を放り出して俺のところに駆け寄ってきて、みんなで抱き合った。
「なあ、ランク4まで訓練を受けていかないか? 今見た限りじゃ、モデルの扱いはもうかなりのものだ。全体的な能力を底上げする価値はあると思うぞ」
「うーん、いいかも」エヴィナは少し考えてからそう言うと、他の面々に目を向けた。姉妹たちは揃って頷き、賛成の意を示した。
「それじゃ決まりだな。行こうか?」
準備を整えると、少女たちは俺の後に続いた。風が容赦なく吹きつけ、やがて歯がカチカチ鳴る音が聞こえてきた。アルビがため息をついて指輪を回すと、辺り一面が彼女の炎で照らされた。エヴィナとクリスティーナは嬉しそうに声を上げ、近くに寄り添った。一方、白い子猫ちゃん本人は不機嫌そうに眉をひそめている。きっちり温度を一定に保つのは、彼女にとってかなりの労力なんだろう。
死すべき者の館の最上階に辿り着くと、俺はクリスティーナを呼び止めてコンバーターを指差した。
「あ、パパ、やめといた方がいいんじゃない? あそこ、大量のリソースが入ってるんだよ!」
「それには理由があるんだと思うぞ、違うか? それに今の俺にはクリスタリットの使い道がない。あそこに入れておけば、その頃にはまた稼いでくれるだろう」
少女は迷ったようだったが、姉妹たちは彼女の考えを待つことも問いただすこともせず、さっさと中へ押し込んでしまった。
「アルヴァーのアバターの女主。クリスタリット500、アッペライト250、クリスタライト200」
「了解」
光が収まった。クリスティーナは自信なさげに外へ出て、俺たちが披露を待っているのに気づくと、渋々指輪を回した。
特に何も変わらなかった。クリスティーナは唾を飲み込み、目を閉じた。彼女の両手の周りにターコイズ色のリングが輝き、腕を振り上げて……ビクッと身を震わせると、慌てて指輪をオフにした。
「たぶん、にゃ、今は試さない方がいいかも」
「何があったんだ?」と俺は尋ねてみた。そんな反応をする理由がよく分からなかった。他のみんなはモデルに問題なかったはずなのに。
「あ、大丈夫。ちゃんと動くんだけど……明日の方がいいかな」猫娘はぎこちなく微笑んで、俺はそれ以上追及するのをやめた。
女の子たちにトレーニングを開始させると、俺は考え込んで繋がりを開いた。アキルズとラミはまだ無事だ。もしかして、心配しすぎなのかもしれないな?
もう一つ用事を思い出して、俺は薬草師のところに駆け込み、胞子を渡した。彼はすぐに苔を山ほど作ってくれると約束してくれた。まあ、悪くない。
あまりにも濃密な一日だったので、明日はまた防衛戦だし、寝てみることにした。どうせ全部の用事なんてこなせやしない。
ベッドに横になって、俺は指輪を眺め、ついドラコニドの指輪を回してしまった。そのとき、少し裏切り者のような気分になった。愛着を持った妻はたくさんいたが、これは押しつけられた感情で、それでも手放したくなかった。今もまた、どこか遠くにいる最愛の人への喜びと優しさが溢れてくるのを感じた。
「やあ」
「やあ、ニコ! ごめん、明日は攻撃があるの。長く話せないわ、王族の仕事よ、もう」
この言葉で、俺は彼女を殺して自分の拠点で蘇らせるという執拗な考えを完全に押し殺した。もちろん、彼女は喜ぶだろうが、あまりにも身勝手すぎる。それに、彼女がいなくなったら派閥がどう動くか分からない。
「分かった、俺も準備してる。ただ、君の声が聞きたかっただけだ」
彼女は嬉しそうに笑った。
「すごく嬉しい! 私もあなたの声が聞けて最高に嬉しいわ。もうすぐ会えるといいわね!」
「絶対にな。じゃあ、また」
「また、愛しい人」
やっぱり明日は取り組まないとな。インセクトイド……俺はどうなるんだろう?
考え込んでいるうちに、いつの間にか眠ってしまった。
◇◇◇
ザラは他の皆と同じように固まってしまった。今さら慌てて何かをしても意味がないため、女王はただ神経質に唇を噛みながら待つしかなかった。
シアディンが若者たちに近づき、微笑みながら片手をアキルズの肩に、もう片方の手をラミの肩に置いた。
彼女に続いて、様々な文様で飾られた金色の重装鎧を身に纏った戦士たちが駆け寄り、円陣を組んで周囲を囲んだ。彼らは金属の羽根飾りのついた兜を被っており、細い目の部分から淡い光が見えていた。盾は銀色の金属で輝き、武装は長剣と巨大なハルバードだった。
「光の戦士たち……」ラミが息を呑んだ。ランク5の兵士たちをこんな間近で見るのは初めてだった。これほどのエリート戦士を軍に抱えることが許されているのは、王直属の親衛隊とエメラルドの女王だけだ。
後ろには弓兵、弩兵、魔導士たちが整列しており、その中から一人、金髪の男が前に出た。肩には緑のリボン――他の兵士たち全員と同じものをつけている。
「マルコ、お願い」シアディンが優しく言うと、弩兵が頷き、弩に円筒形のドラムを装着した。武器がかすかに火花を散らして光り出し、白いリボンをつけた兵士たちが全員緊張した。弩兵がザラに狙いを定めたのだ。
「何のつもりだ……?」狼娘の女王が歯の間からかろうじて絞り出すように言い、思わず一歩後ずさった。
「この結婚を認めるか、それとも私たちの愛しいアンがもうすぐ一途な男になるか、どっちかよ」シアディンがエメラルドを手の中で揺らしながら、何でもないことのように言った。「どうするの?」
狼娘は邪魔者を憎々しげに睨みつけてから答えた。
「自分が何をしているか、分かっているんだろうな」
「もちろんよ。あなたは過去に生きていて、風向きが変わったことに気づいていないのよ」シアディンが自分の爪を眺めながら無頓着に告げた。
その後、ザラはまだしばらく考え込んでいたが、結局、鼻を鳴らして降参し、自軍を引かせた。呆然としたアキルズとラミは、大勢の護衛部隊に囲まれながら、ゆっくりと前へ進み、門をくぐった。
第二防衛線も越えた頃、皇女はやはり黙って微笑んでいる女王に尋ねた。
「どうして?」
シアディンはラミの耳に触れて、アキルズも自分を見ているのに気づいてにやりと笑った。
「ふむ、そうね、数日前だったら私も駄々をこねてたわね。でも今日という日は色々と変えてくれたから、心配しないで。シアディン叔母さんがついてるわよ」
ラミは顔をしかめた。それまで一度も会ったことがなかったはずなのに、こんなに急に態度が変わるのはあまり信用できなかった。アキルズの方は完全に黙り込んでしまい、権力者たちに囲まれて極度に居心地が悪そうだった。
「あら、もう、二人とも力抜いてよ。お祝いでしょ、違うの!?」女王は陽気に言ったが、二人は弱々しく微笑むだけだった。起きたすべての出来事に疲れ切っていたのだ。
そう簡単には気分が上がらないと悟って、シアディンは試みを止めた。さらに二つの強力な塔からなる防衛施設を問題なく通過すると、一行は立ち止まった。
「あとは二人でね。幸運を祈ってるわ!」女王はそれだけ言うと、手を振った。
男と女はゆっくりと前へ歩き出し、ある程度離れたところで、アキルズがささやいた。
「なあ、なんでこんなことする必要があったんだ? 俺の家に戻って、そこで結婚式を挙げて、それから女王に事後報告すればよかっただろ。どうせお前、女王とそこまで仲良くないんだし」
ラミは首を横に振り、男の乱れた髪に手を通しながら答えた。
「あなた、あんまり外に出てなかったから知らないんでしょうけど、結婚式は花嫁の居住地でしか挙げられないのよ」
男はどうにかしてその制約を回避できないか考えたが、ラミはようやく自分たちへのプレッシャーが弱まったのを感じて、楽しそうにくすくす笑いながら婚約者の腕に絡みついた。アキルズもそれでリラックスした。
前方に巨大な神殿が見えてきた。首都の建物とは違い、照明はなく、ただ暗い巨大な塊となって周囲の岩山と一体化していた。近づくと、アキルズは様々なサイズの彫像が数多くあるのに気づいた。それらは顔のない男が両腕を広げ、まるで周囲の世界全てを抱きしめようとしているかのような姿を表していた。その正体不明の人物の像は、壁にも、神殿の中庭にも、そして岩山そのものにも刻まれていた。
さらに近づくと、二人は高さ十メートルほどの巨大な門の前に立った。その中には人間の背丈に合わせた小さな扉も作られていたので、こんな巨大な入口が一体何のために必要なのか、想像するしかなかった。
専用の小槌で扉のノッカーを慎重に叩くと、若者たちは待ち始めた。やがて扉が開き、見た目18歳ほどの若いエルフが現れた。金色のマントを身に纏い、すでに見慣れた顔のない人間の図柄が装飾されている。
「ああ、どうぞどうぞ、お話は伺っております。さあ、お入りください!」穏やかで柔らかな声で神殿の従者が告げ、扉を大きく開いた。
礼を言って、二人は中に入った。実のところ、どちらもここに来るのは初めてだったから、この建造物の壮大さを理解するのに一分以上かかった。
先日見た宮殿に匹敵する高さの巨大な天井は、あまりに遠くに感じられた。そこには現地の星座が描かれており、すべての星が順番に瞬いて、美しく魅惑的な光景を作り出していた。この星空の一角には、白い帯に包まれた大きな青い球体が描かれていた。その上にはいくつかの大陸が見え、近くには一回り小さな球体が浮かび、さらに遠くには二つの明るい点があった。その点と最も大きな球体の間には、さらに二つの小さな球体――一つは赤みがかり、もう一つは明るい色――が配置されていたが、最初の球体のような細部はなく、図式的に描かれていた。この系全体を、簡素な線で描かれた顔のない男が両腕で抱いていた。
ホールにはいくつもの大きな柱があり、その間には長椅子がびっしりと列を成して並んでいた。少し先には演壇があり、その近くにも彫像が配置されていた。
壁には様々な場面が描かれていた。あるものには血生臭い戦闘が、あまりにも派手に描かれていて何が起きているのか理解するのが難しいほどだった。別のものにはアルヴァーのシンボルが。さらに別のものには、顔のない男たちから何かを受け取る人々の集団が描かれていた。
この豪華さのすべてが何百もの魔法のランプに照らされ、柔らかな金色の光を放っていた。そのせいで部屋全体が金で作られているように見えた。
エルフが咳払いをして注意を引こうとすると、二人は急いで演壇へと向かった。
「えーと、確認だが……皇女ラミとアキルズ・ヴィノグラードフだな?」
「はい」二人は同時に答えて、気まずくなった。
「興味深い、興味深い。死すべき者の子供が二人とは、誰が想像できただろうな……」エルフはぶつぶつと呟いた。「ちょっと待ってくれ」
興奮で慌ててマントを直すと、エルフは入口から最も遠い壁にある扉へと駆け込んだ。何かがカチッと音を立て、開口部から光が見え、それが闇に変わった。
「何の用だ?」別世界から響くような声が聞こえ、アキルズとラミはびくりと震えた。
エルフの返事は聞こえなかったが、その後、声が高笑いしてこう言った。
「これは面白い、彼はきっと喜ぶだろう」
闇が消え去り、嬉しそうに笑みを浮かべたエルフが、指輪の入った小箱を手に握りしめて急いで戻っていった。
エルフは二人の間に立ち、咳払いをしてから始めた。
「アキルズ、ラミを妻に迎えることに同意するか?」
「ああ」男は迷いなく答え、耳と尻尾を落ち着かせようとしている少女を見つめた。
「ラミ、アキルズを夫に迎えることに同意するか?」
「同意します!」狼娘はやけに大きな声で言い、尻尾を床に激しく叩きつけた。
エルフは微笑み、小箱を開けて新郎新婦に差し出した。
二人は慎重に互いの結婚の証を嵌め合い、笑顔を浮かべ続けるエルフを見上げた。
「あ、そうだ、キスしていいぞ!」
男が女の子に近づき、しっかりと腰を抱いて引き寄せた。二人の顔が近づき、そっと唇を触れ合わせてから目を閉じた。短く優しい口づけ、それからもう一度、もう一度。
エルフは自分が邪魔だと感じて、小声で言った。
「あの、部屋もありますけど……」
二人は真っ赤になって首を横に振った。
「すみません、待ってる人がいるんです! 本当にありがとうございました!」アキルズが慌てて言うと、花嫁と一緒に神殿から飛び出していった。
急いで塔まで戻ると、女王と取り巻きが辛抱強く待っているのが見えた。
「あら、どうだった? うまくいった?」二人が近づくと、シアディンが尋ねた。
「はい、ありがとうございます!」
「それなら、ニコのところに戻った方がいいんじゃないか。明日は攻撃だ、彼にとって手伝ってくれる人間は誰でも役に立つはずだ」
「ええ、もちろん。でも、夜中にどうやって移動するんです? 一気に全部の距離を飛ぶのは無理だし、道を間違えるかもしれない……」とアキルズが言いかけたが、シアディンが指を振って、話を聞くように促した。
青年が黙ると、彼女は魔術師たちの方を向いて幻影を解くよう命じた。新婚夫婦は目の前に現れたものを見て、同時に驚きの声を上げた。
◇◇◇
目が覚めたのは、窓から眩しい光が叩きつけてきたからだ。だが、この眠気からすると、まだ夜中のはずなんだが。
動揺した叫び声を聞いて、俺はベッドから飛び起きて窓に駆け寄ったが、顔に直接叩きつけてくる眩しい光のせいで、何が光源なのか全く分からなかった。
サユリが全速力で部屋に飛び込んできて、敵かもしれないと慌てた様子で話し始めた。
俺は急いで指輪のステータスを確認し、テスラ歩兵が回復しているのを見て、素早く起動して窓から飛び出した。ヘルメットの光フィルターが視界をクリアにすると、巨大な空中艦が見えた。他に呼びようがない。飛行船のゴンドラに似ているが、気嚢はない。船体の側面には連装砲が並び、前方に近い部分――その下にキャビンの窓が見える――には大きな円が配置されていて、その内側で青緑色の巨大な球体が絶え間なく回転し、色を次々と変えていた。実際、この光のせいで周囲がよく見えなかったわけだ。
推進力を起動させると、俺は上空へと飛び上がった。船の大きさは長さ百メートルくらいだろうか、ヘルメットに内蔵された測定器を見る限りでは。
上部に着地すると、そこには整備用ハッチのようなものがいくつか見つかった。その一つを軽々とこじ開けて、俺は内部へと滑り込んだ。簡素な作りの通路を駆け抜け、長い階段を降りていくと、今度はもっと人が住んでいそうな場所に出た。かなり広々とした廊下で、床には絨毯が敷かれ、壁には照明が取り付けられている。慎重に前へ進んでいくと、ガラス張りの部屋に出た。そこからさらに二つの廊下が伸びていた。
さて、まずはどっちに行くべきか――そう考えを巡らせていた矢先、廊下を誰かが駆けてくる足音が聞こえた。そして嬉しそうな声が叫ぶ。
「やあ、お父さん!」




