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第八章 他者に尽くし、我が身を燃やす

こんな知らせを聞いて、俺は正直言って呆気に取られた。誰がやったんだ? まだ一日目だぞ。それに何かおかしい、銃声が聞こえたはずだ。ということは、誰か別の奴ってことか。


長老と娘たちに屋敷に留まるよう命じて、俺は家から飛び出した。そしてすぐに騒ぎの原因を目にした。建設中の柵を巨大な蜘蛛が乗り越えようとしていた。いや、正確には蜘蛛のような何かだ。


黒く光沢のある外殻、小さな頭胸部は巨大で丸い腹部と比べると貧相に見える。それでも、この蜘蛛がトラックほどの大きさだということを考えれば、その小さな頭についた鋏角でさえ恐ろしいほど巨大で、奴はそれをガチガチと貪欲に鳴らしていた。


頂上まで登り切ると、奴は飛び降りた。剃刀のように鋭く見える脚で石畳に凹みを残しながら。


一番近くにいたのはエルフの狩人たちで、弓で蜘蛛を覆う外殻を貫こうと必死に試みていたが、アラクニドはシャーッと音を立てて彼女たちを脚で突き刺した。


「市民ステータス:-2(27)」


歯を食いしばって、俺は村の中心で残った住民たちの避難場所を組織しているフェブリモールの方へ駆け出した。彼と一緒にいたのはブレン、フロルガ、それにドワーフたち。そうだ、その通りだ。二人が警備、三人が訓練中、合計五人。


「フェブリモール、何だあの化け物は? あんなのが出るかもしれないって、なんで教えてくれなかったんだ?」


「珍しいんです、きっと誰かが棲み処から追い立てたんでしょう! どうされますか、死すべき者?」


「包囲する。人里まで行かせるわけにはいかない」


頷いたエルフが兵士たちをまとめている間に、俺は剣と盾を取りに走った。


戻ってみると、戦士たちはすでに交戦していた。エルフがハルバードの一撃で化け物を挑発し、蜘蛛はエルフに食らいつこうと繰り返し脚を振り下ろしては、盾に甲高い音を響かせていた。


ドワーフたちは小柄な体格を活かして脚の攻撃を器用に避けていたが、接近することはできずにいた。一方、ブレンとフロルガは二人一組で動き、交互に注意を引きつけながら蜘蛛の側面に回り込むと、隙を見計らって脚の一本を斬り落とした。


モンスターは咆哮を上げて二人の方へ向き直り、糸の網を射出した。ブレンが妹を突き飛ばして攻撃から逃がしたが、自分は網に捕らわれてしまい、身動きの取れないところを三本の脚で同時に貫かれた。


「市民ステータス:-1(26)」


すべてがあまりに速く起きたせいで、俺は何もできなかった。というより、できなかったんだ。唸り声を上げて、俺は勝手な気まぐれでこの世界で生き延びる俺の可能性を減らそうと決めた化け物に飛びかかった。前に躍り出て、剣で斬りつけた。が……脚の一本すら斬り落とせなかった。俺はどれだけ弱いんだ?


生きもしなかった人生を使い果たして、ほんの数分だけ神になる――それしかできないのか?


「攻撃能力不足。アルヴァー派閥――力の基本エンチャントを発動しますか? はい/いいえ」


ああ、くそ、発動しろ!


腕に力が満ちるのを感じて、もう一度振りかぶり、二本の脚を斬り落とした。だが、蜘蛛のそばに棒立ちでこんなに長く居続けるのは許されることじゃない。


「致命傷。治癒(繋がり):コスト選択:寿命-4年/市民の命0~4」


これが繋がりってわけか。俺のミスは全部、他人の死で支払える。だが、戦闘で俺自身が何の役にも立たないなら、それに何の意味がある? 何度も何度も住民を殺して、一人ぼっちになって、どこかの溝で死ぬまで。それとも、やっぱり住民を大切にして、成長した彼らに、俺の命を縮めるような奴を誰一人近づけさせないようにすべきか?


どちらにせよ、自分のミスは自分で償わなきゃならない。


「寿命-4年。33(+26)」


まだ力が体に残っている。俺は突進して、さらに二本の脚を切り落とした。化け物は横倒しになった。


蜘蛛はもがきながら体勢を立て直そうとしたが、フェブリモールは盾に守られながら反対側に回り込み、速度の優位を失ったモンスターの残った脚を一本ずつ、着実に切断していった。


やがて残ったのは、巨大な身をくねらせ、顎を凶暴にカチカチ鳴らす胴体だけになった。


俺はもう力が抜けていたので、エルフに頷いた。彼は数撃で首を切り落とした。化け物が動かなくなると、俺たちはようやく息をつくことができた。


人差し指に一瞬光が走るのに気づいて、俺は蜘蛛の死体に近づき、触れた。


「『動物の知識』、進捗1/2」


住民たちが少しずつセンターから出てきて、恐る恐るモンスターの死体を眺めていた。誰かがエルフの娘たちの遺体を運ぶのを手伝ったが、フロルガは誰も近づけようとせず、ブレンの体を蜘蛛の糸から引き離そうと必死にもがいていた。結局、彼女は狼の胸に頭を乗せて、静かに泣き出した。


「お兄ちゃん、ダメだよ、そんな……約束したじゃない、覚えてる? 私が素敵な人間を見つけて結婚したら、お兄ちゃんが二人の子供たちを教えてくれるって……いや、何もいらないから、ただ生きていて!」


俺はもうこれ以上見ていられなくて、近づいて少女の肩に手を置いた。


一瞬振り返ったフロルガは、すすり泣きながら、俺にだけ聞こえるよう静かに話しかけてきた。


「お願いします、死すべき者。あなたなら何でもできるんでしょう? 助けてください、お願い! お願いします!」


俺は心の中で苦く笑った。まったく、俺も大した英雄だな。だがチップが点滅して、まだ何か可能性があるんじゃないかと思わせた。


ため息をついて、俺はブレンの身体に触れた。


「死亡した市民。蘇生(繋がり):寿命-1年」


なるほど、繋がりは逆方向にも機能するのか。自分の命を一年差し出して、ほとんど知らない他人が再び愛する者たちのもとへ戻れるようにするのか?


簡単だ。ここに来てたった一日でこんなにも不思議なものを山ほど見つけたんだ。他にも寿命を補充する方法があるかもしれない、そんな希望がまだ俺の中で燃えている。だから今からこれに数日使ったところで、大した問題じゃないと思う。


「寿命-1年。32(+27)」


「アルヴァー派閥とのシナジー+10%(60/100)」


「死すべき者の心臓の新しい強化が利用可能:アルヴァーの自己犠牲」


ブレンの傷が塞がり、彼は目を開けて瞬きをしながら、同時に蜘蛛の糸から抜け出そうとした。


「お兄ちゃん! そうよ、お兄ちゃん!」


フロルガは狼少年に飛びつき、自分も蜘蛛の糸に絡まりながら彼を強く抱きしめ始めた。ブレンは照れて少し顔を赤くしながら、彼女を押しのけようとした。


だがフロルガは飛び上がり、長い蜘蛛の糸の切れ端をまとわりつかせたまま目を輝かせて俺のところに駆け寄ると、興奮気味にこう尋ね始めた:


「何? どうやって? あなた、何をしたの?」


俺は肩をすくめて控えめに答えた。


「ただ、自分の寿命を一年分あげただけだ」


その場で固まった彼女を残して、俺はエルフたちに対してやったのと同じことを繰り返した。


「寿命-2年。30(+29)」


あまりにもきつい一日だった。モンスターへの勝利と奇跡の治癒を喜ぶ住民たちを残して、俺は屋敷へとよろよろ戻った。


どうやら客たちは皆、騒ぎを聞いて飛び出したらしい。俺はテーブルを片付けて、地下室のクリスタルのところへ降りていった。


「死すべき者の生命管理:繋がり1、起動中。


利用可能なアップグレード:


繋がりレベル2――クリスタリット500単位。


アルヴァー固有アップグレード――利用不可(アルヴァー派閥出身の妻が必要)。


1.アルヴァーの自己犠牲――クリスタリット100単位」


なるほど、これにも妻が必要なのか。随分と血縁関係に拘ってるんだな、あいつら。まあ、悪いことじゃないと思うけど。家族を作る絶好の動機付けじゃないか。


寝る前にもう一つ確認しようと思い、俺は三階へ上がった。部屋の一つの上から、シナジーについての表示が消えて、新しいものが現れていた。


「兵科モデル訓練ターミナル。設置しますか? はい/いいえ」


「はい」


木材-50、石材-100、道具-20。


ほぼ一瞬で設置が完了し、部屋には兵舎と同じ石造りの扉が取り付けられた。で、何が違うんだ? わざわざ出向くのが面倒な時に、兵士を自分の部屋に呼ぶためか?


全部どうでもよくなって、俺は扉を叩いてから立ち去ろうとした。その時、機械音声が聞こえてきた。


「こんばんは、死すべき者。改造を受けますか?」


「ああ、そうだな」


「ターミナル内へお入りください」


扉が開き、真っ暗な闇が俺を出迎えた。中に足を踏み入れると、閉じ込められた。


「兵科モデルを選択してください――戦士ですか?」


「いいぜ」


「金貨50枚だ」


「ああ」


部屋が白い光に包まれて、俺の筋肉が少しずつ変化していくのを感じた。光が消えた。


「改造完了。兵科モデル2の選択:シールダー/剣士?」


「シールダー」


「金貨75枚だ」


「ああ」


前回と同じ流れだが、今度は更にパワーアップした感覚がある。エンチャントをかけられた時ほどじゃないが、これまでにないくらい強くなった。


「変換完了。兵科モデル2の選択:剣士?」


「二つ目も選べるのか?」


「金貨75枚だ」


「頼む」


同じように進んだが、特に変化は感じなかった。金の無駄遣いか? それともバグ? テスターとして報酬くれよ。


「変換完了。新たな成長ルートが解放されました。死すべき者の兵科モデル――剣と盾の達人」


「おお、いいね。頼む」


「金貨100枚、寿命一年だ」


「なんてこった。まあいいか」


光が俺を包み、再び力が漲ってくるのを感じた。


「変換完了。射手ラインの変換を実行しますか?」


「いや、今はこれで十分だ」


「戦士ラインの指輪をお取りください」


扉が開き、闇を押しのけた。俺の目の前に、盾と剣が描かれたシンプルな指輪が浮かんでいる。それを指にはめて外に出ると、自分の体を見回した。そう、俺の痩せた体は明らかに筋肉質になっている。走ってみると、動きも少し速くなっているのが分かった。


指輪をよく見てみると、表面の紋章が回転するようになっているのに気づいた。試しに回してみると、俺は完全武装の鎧を纏い、背中には大きな金属製の涙滴型の盾が現れた。鞘には長剣が収まっている。それでいて装備の重さは全く感じない。ふう、案外役に立つかもしれないな。


指輪を回すと――手袋の上から不思議と現れていた指輪をもう一度回すと、俺は再び普通の服装に戻っていた。


あまりにも色々ありすぎたが、希望はある。さて、寝るとするか。


◇◇◇


「現在の残存寿命――29+(29)」


「倉庫№1。状態:


木材――275単位――採取中、収支+


石材――350単位――採取中、収支+


道具――790単位


鉄――70単位


鋼――125単位。


高品質鋼――105単位。


クリスタリット――165単位。


金――200。


アルヴァー派閥とのシナジー(60/100)。


死すべき者の現在の兵科モデル:剣と盾の達人。


現在の建設:


木製の柵、鉄鉱山、クリスタリット鉱山。


軍隊:


ランク2:1体


ランク1:9体


ランク0:0体


訓練中:3体」

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