第八十二章 残党を始末する
「もちろんだよ、レギ」
急いで治癒を施したが、俺の治癒は弱すぎる。
「前方に敵です、我が主よ!」ロランが叫びながら前に飛び出した。本当だ。俺は少女を抱えたまま後ろに下がり、寄せ集めのチームが防衛に出る間に身を引いた。アイヴィを加えるため、指輪を回した。
「う、ニコニコ、今度はそういうわけね! あんたが女の子をベタベタ触ってる間に、あたしが苦労するってわけ! う~~~!」
レギは笑ったが、すぐに顔をしかめて咳き込み、血を吐いた。
「可愛い助手がいるのね、ニコ」
それまで頬を膨らませていたアイヴィは少し態度を軟化させた。満足げな顔でにやりと笑い、黙ったまま鎧を召喚した。
繋がりが機能した。まあ、普通に頼めばよかっただけなんだが。
「市民ステータス:+1(165)」
「繋がり:市民の統計情報。
名前:レギ・アルヴァ
種族:人間‐ドラコニド
年齢:25(680)
役職:キルハイヴの女王/ドラコニドの女王
兵科モデル:ドラコニドの女王
婚姻状況:未婚。
派閥:キルハイヴ、アルヴァー」
その間に、エルフの女性が察知した敵が近づいてきた。大きな紫色の鎧で、かなり変わった見た目の装甲パーツを纏っている。肩当ては貝殻が重なり合うように何層にも折り重なっていて、やたらとごつくて実用性に欠けるように見える。籠手や手袋も同じ構造で、肘に向かって各層から一対ずつ「角」が伸びていた。兜には四つの光る眼が左右に二つずつ配置されていて、見た目は昆虫の頭部を思わせる。しかもかなり大きな角が生えていて、そのイメージを完璧に補完していた。
胸当てには青白いエネルギーが輝く線条が無数に走っていて、時々その間を放電が飛び交い、さらに先へと進んで角の部分に留まり、角と角の間を飛び移っていた。まるでスタンガンみたいだ。兜じゃなくて。
アルヴァは俺に体を寄せてきて、目を見つめながら言った。
「もう大丈夫、ニコ、離してくれていいわ。初対面であまり良くない姿を見せちゃったけど……でも、あなたの腕の中で出会いを始められて嬉しかった」
くすっと笑いながら、彼女は手を振って緑色のポータルを召喚した。そこから二体の小さなドラゴンが現れた。小さな、って言っても、俺はドラゴンなんて見たことないから、本来どれくらいのサイズなのか知ったこっちゃないが! こいつらは全長六メートルくらいで、銀色の鱗と大きな皮膜の翼、それに平たい頭蓋骨を持っていた。
彼女は近くにいた一体にぴょんと飛び乗ると、楽しげな笑顔で俺をもう一体の方へ呼んだ。どうやら本当に楽になったらしい。それとも、俺のために無理して元気に見せようとしているのか。
俺はすぐにネクロマンサーに切り替えてアクティブスロットを確認した。戦闘終了後、空いた場所には予備から自動的に戦士たちが補充されていた。ユリウス、イシラ、ローランドを呼び出すと、ドラコニドの姿に戻ってレギが召喚した獣に飛び乗った。
当然、こういうのにも慣れが必要なんだな……絶え間なく翼を羽ばたかせるドラゴンから転げ落ちそうになりながら、アンジュヘルの戦士が二体に分裂するのが見えた。片方のコピーが鮮やかに輝き、接近してきたムカデに向けて一撃を放った。大きな破裂音とともに虫が弾け、周囲に熱い内臓をまき散らした。
もう一方のコピーはコレクターのようなマント状の翼を広げ、俺とレギの方へ飛び上がってきた。
俺の下のドラゴンが頭を振り、もう一匹の仲間と同時に緑色の球を吐き出した。
マルムはその場で身を翻し、一つの球をかわしたが、もう一つに直撃した。酸が音を立てて装甲の表面を溶かし、かなり大きな穴を開けていく。俺は腕を変化させ、自分の酸の塊を内部に叩き込もうとしたが、無駄だった。
ドラゴンが接近を決め、俺はその首にしがみつきながら、近づいた瞬間に爪を発動させた。トカゲのスピードで強化された一撃が、飛行するアンジュヘルの戦士の首を吹き飛ばし、俺の指を何本か折った。
下では別の戦いが繰り広げられていた。フレッシャーが前進し、稲妻の一撃は彼を加速させるばかりで、目に見える損傷を与えていなかった。素早く距離を詰めると、ハルバードを振り上げてマルムの鎧に叩きつけたが、武器は甲高い音を立てて跳ね返り、傷一つ付けられなかった。するとモンスターはハルバードを投げ捨て、不意に飛び上がってアンジュヘルの戦士の頭に飛び乗り、角に突き刺さった。アンデッドの体に電撃が走ったが、彼は全力で、目にも止まらぬ速さの一撃で変異した腕をヘルメットに叩き込み、フェイスガードを凹ませて内部へ侵入した。変異した筋肉が内部に侵入し続け、やがて鎧から肩当てが外れ、内側から破壊された。やはり内部は空洞だったんだ!
マルムは厄介な客を振り落とそうと、ガントレットでアンデッドを叩きまくり、蓄積した電気を死体に放電し続けたが、すべて無駄だった。
自分の問題に手を焼いている敵に、パラディンと女王が駆け寄り、揃って剣で鎧の継ぎ目を叩き始めた。アイヴィの戦士たちも祭りに加わり、磁石のように胸甲にへばりつき、すべてのエネルギーを自分たちへ引き寄せ始めた。
飛行していたコピーが地面に落ち、バラバラに砕け散った。残りのコピーたちも鎧を破壊し終え、今やそれはスクラップの山にしか見えなかった。
「ニコ、早く!」レギが叫びながら手を振り、俺は片手でドラゴンにしがみつき、もう片方の手の指が再生するのを待ちながら、部下たちに進路を指示した。
来たぞ、最後の戦いだ! マルムのコピーがあと四体。
「もう二体倒したんですか?」と確認してみた。
「ええ、もちろん」
「あら、やっと来たのね。嬉しさのあまりどこかで交尾でもしてるのかと思ったわ」脳裏に、やや不満げな響きを帯びた荒っぽい女の声が響いた。
「あっ、グリシよ。ニコ、気にしないで。いい子なの」アルヴァが少し恥ずかしそうに慌てて説明した。
「大丈夫だって」俺は苦笑しながら答えた。
四体相手にどれだけ苦戦していたか考えれば、確かに急ぐべきだった。
マルムの一体が信じられないほど巨大化していて、高さ四メートルはある。そして今、石から枯れ木まで手当たり次第に、自分と比べれば小さな人影めがけて投げつけていた。
長い白髪と黒い鱗を持つ少女。小さな革のような翼と長い尻尾。それ以外は、鱗のような布地(もしかしたらケルみたいに体の一部かもしれない)が胸と左腕を覆っている。そして、いつものように同じ布地がショーツ風に、そして珍しくストッキング風に配置されていた。
飛んでくる弾丸を避けながら、少女は長い骨の剣でもう一体の飛行型――今度は鉤爪を持つやつ――を迎え撃っていた。飛行型マルムは急加速してから攻撃直前にわずかに減速する。そのおかげで少女は回避するか、攻撃を弾くかする余裕があった。
残り二体のコピーは落ち着いて立っているだけだった。つまり、そいつらからはろくでもないことしか期待できないってことだ。
ドラゴンたちが前に飛び出し、今回は同時に吐き出す息吹に加えてレギが放った炎の球も加わった。これら全てが、ちょうど飛行者が減速したタイミングに重なったので、攻撃は見事に命中し、突然溶け始めた装甲に混乱したマルムは動きを止めた。その隙を逃さず、グリシは柔らかくなった金属を刃で削り始め、大きな塊をこじ開けていった。
その間に他の面々が近づいて巨漢を取り囲み始めたが、それまで離れた場所で怠そうに立っていたマルムの複製体たちが動き出した。一体が広場全体を白い霧で覆い、もう一体は素早く自分で作った裂け目に飛び込み、巨大な複製体の傍に現れるとユリウスを仕留めた。俺が召喚した残りの兵士たちは新たな敵に素早く反応したが、この複製体はあまりにも機動性が高く、全ての攻撃が空を切り、マルムはすでに裂け目を使ってグリシの近くに現れ、鋸歯状の籠手で翼を殴りつけて膜を突き破り、地面に落とした。まあ、本人も派手な音を立てて転んだが、それはあまり気にしていないようだった。一方、少女の脚は明らかに損傷を受けていた。
全ての標的が地上に降りたことで、ドラゴンは急降下を決め込んだ。どんどん速く、この野郎!
「トルーク・マクト!」思わず俺はそう叫んでいた。ドラゴンが巨漢マルムに接近し、強烈な一撃で叩き伏せたときだ。
飛び降りた俺は自分の翼で飛行を続け、ドラゴンの酸で柔らかくなっている敵の兜へと急いだ。炎の魔術師に切り替えて、巨漢が動かなくなるまで中に炎の球をいくつも放り込んだ。
背中に水流が直撃して、よろめいて下に落ちた。霧がすぐに俺を包み込もうとしてきたので、足元に火球を投げつけて、図々しい湿気を追い払った。
素早くドラコニドに戻ると、アンデッドたちが互いに戦い始めているのが見えた。アイヴィの鎧が止めようとしているのに。残念だが全員を呼び戻した。この戦いにまだ辿り着けていなかったフレッシャーも一緒に――どうやら損傷が酷すぎたらしい。
亀裂の技の後に倒れたマルムから流れ出た霧がグリシに移り、今や少女は再生を終えて、レギを追いかけている。何て強力な制御なんだ!
残ったのはアイヴィだけ。非物質性のおかげで無傷だ。俺まで届かなかった霧が、徐々に傷ついた大男の中に流れ込んでいく。完全に回復する前に俺は急いで大男の上に降り立ち、イビスを召喚して、動けなくなるように鎧を切り刻むよう命じた。
中にもう一発火球を投げ込んで、ドラゴンに乗って急降下するレギを追った。両手を横に広げた少女が、爪先に炎の火花を溜め込み、地面のすぐ近くまで来ると、両手を振るって広場に途切れない炎の流れを浴びせた。
瞬く間に霧は全て追い払われた。イビスが大男の鎧をバラバラにし、アイヴィは自分の戦士たちで亀裂使いの「身体」を解体していた。
「いけ、ニコ! 残りはグリシだけ! 彼女は許してくれる、間違いない!」
ドラゴンで急旋回したレギは、もう一体も呼び寄せて、マルム=グリシを防御に追い込んだ。
スナイパーアーチャーを選んで、俺はドラコニド娘に狙いを定め、ライフルを撃った。弾丸が翼を貫通し、魔法が広がって周囲の組織を凍らせ始めた。
少女は再び下へ落ちていった。レギは俺に知り合いを殺させることはせず、代わりにドラゴンを送り込んできた――俺がしばらく乗っていたやつだ。少女は剣で応戦しようとしたが、機動性を失った彼女は、爬虫類の電光石火の噛みつきを避けきれなかった。
「マルム、グリシ・ポンティ――脱落」
俺は助っ人たちを引っ込めて、ドラコニドに戻った。
「終わり?」――レギの自信なさげな声が、訪れた静寂の中でやけに大きく響いた。
「ああ、まだ悪魔が二匹ほどいたけど、そいつらも必要か?」
「ああ、そうだ、もちろん。行こう」
血まみれの口をした爬虫類が俺に近づいてきて、従順に頭を下げた。ため息をついて、俺はその首に飛び乗り、前へと飛び立った。
巨人たちの戦い。甲高い悲鳴を長く響かせながら、怠惰は音波攻撃で悪魔の機械を押し返していたが、失われた頭部の一つを見る限り、常に成功しているわけではないようだった。暴食の方はといえば、巨大な剣を何度も振り回し、時折紫色の球体を発射していた。球体は着弾すると爆発し、周囲のあらゆるものを吸い込み始め、そして再び爆発した。ただし、鋏の片方は食いちぎられていたが。
頭の中で今使えるものを全て洗い出し、俺は奴らの位置に砲撃を要請した。轟音とともに砲弾が両方の悪魔に降り注ぎ、耳をつんざくような爆発を起こした。どちらの化け物も体の一部を抉り取られたが、それでも戦い続けていた。剣が突き出され、それに応えて強靭な顎が噛み合い、いくつもの刃が折れた。暴食の足元では皇女の透明化した部下たちが駆け回っていたが、大きなダメージは与えられていないようだった。
レギに空を任せて、俺は下に飛び降りてロケットランチャー付きのバギーを召喚した。次々とロケット弾を暴食に撃ち込むと、状況が動き始めたのが見えた。穴の開いた皮下装甲は今や爆発をよく通すようになっていて、レギが酸と炎を加えると、悪魔は間抜けなおしゃべりを止めた。だが俺たちに気を取られることもできなかった。というのも、怠惰が奴の動き全てを監視していて、すぐさま前に飛び出して無防備な場所に食らいつこうとしていたからだ。
全ての弾薬を撃ち尽くすと、俺は装甲兵員輸送車を呼び出して機関銃で撃ちまくり始め、合間にロケット弾を撃ち込んだ。同時に残っている全てのアンデッド、イビスとアイヴィを召喚して、もう一体の悪魔に取り掛からせた。
レギと俺のロケット弾が何度も叩き込まれた後、暴食がよろめき、膝をついた。周囲に立ち込めていた煙が止み、巨体が完全に崩れ落ちて、砂の雨を降らせた。
もはやお馴染みとなった手伝い魔たちとアンデッドが、怠惰を几帳面に切り刻んでいく。イビスが手際よく最後の首を切り落とすと、すべてが静まり返った。
「上級悪魔撃破、ボーナス獲得」
レギが着地し、ドラゴンたちをポータルへと戻した。俺も同じように自分のドラゴンを引き上げた。
近づいてきた彼女は、俺の爪のある手を温かい手のひらで包み込み、自分の露出した腹に押し当てた。
「さあ、ニコ、私を殺して。勝者になって」少しの悲しみも見せず、彼女は静かにそう言いながら俺の目を見つめた。瞳に揺れる炎が誘うように、永遠に見つめていたくなる。
「でも、お前の寿命が削られるだろ」
「あなただって、私が勝てば同じよ。ニコ、あなたは死すべき者なんだから、常に危険にさらされてる。でも私にはまだ何百年もあるの、心配しないで。さあ!」
彼女は目を閉じて唇を噛みしめ、俺の爪で自分の腹を引き裂こうとした。強化を発動させて、俺はなんとかその拘束から抜け出し、手を引いて緊張している彼女を抱きしめた。唇が触れ合った瞬間、まるで喜びと至福の波が一気に全身を駆け巡った――頭のてっぺんから尻尾の先まで。レギも同じことを感じたようで、力強く抱き返してきて、情熱的に俺のキスに応えてくれた。尻尾が絡み合い、俺たちは立っていられなくなって砂の上に倒れ込み、押し寄せる感情に笑い出した。
「ソウルメイト――達成!」
「ステータス更新中......完了」
「新たな配偶者が登録されました:レギ・アルヴァ、キルハイヴ派閥」
「キルハイヴ派閥の妻スロット使用状況:2/3」
「レギ・アルヴァ、新たなランクなし変異が利用可能:(???)解放にはランク5の変異を5つ取得する必要がある」
「形態強化――緑のドラコニド。
ボーナス:
高速再生
膨大な力
敏捷性向上
速度増加
長時間飛行
拡張サイオニック無効化オーラ。
ドラコニドのメンタル繋がり。
酸のブレス
生得能力:「酸の球(腐食)」
小竜召喚
封印――(ドラコニドの塔が必要)
封印――(ドラコニドの塔が必要)」
「アルヴァー-キルハイヴ――引き分け」
「アルヴァーがポイント差で試練を制す」
「終了まで10......9......8」
「ニコ、お願い、約束して、約束して、絶対来てくれるって! あなたなしじゃ生きられないの!」レギが俺をじっと見つめながら、慌てて言葉を紡いだ。
「ああ、ああ! 約束する!」
答えを得た彼女は再び唇を重ねてきた。俺たちは泥の中に横たわり、悪魔の残骸の傍らで、キスを続けながら互いの肌を優しく撫で合った。最後の一秒、そして......
気がつけば、また迷宮の中だった。顔を赤らめたシアディンが口を開けたまま立っていて、俺が戻ってきたのを見ると涙を拭った。マルコはただ呆然としていて、隠そうともしない。俺たちでショーをやらかしたってわけか?
「ランク3。
アルヴァー:2ポイント――勝利、3ポイント――効率性、3ポイント――観客性
ランク4。
アルヴァー:2ポイント――勝利、3ポイント――効率性、3ポイント――観客性
ランク5。
アルヴァー:2ポイント――勝利、3ポイント――効率性、3ポイント――観客性」
「ボーナス:上級悪魔撃破×2――20ポイント」
「アルヴァー:各参加者はレアリティ9~10のランダムな神の石材を獲得」
「アルヴァー:各参加者は神々の写本のページを1枚獲得」
「総合結果アルヴァー:107」
「アンジュヘルとデウスレギオは試練から脱落、寿命-10%!」
「キルハイヴは試練から脱落、寿命-5%!」
石の板が横に動いて、俺たちの前に短い廊下が現れた。
本の上に文字が浮かび上がった。
「アルヴァー陣、最終試練のため従者の門へ進め」
◇◇◇
現在の残存寿命――16+(165)。能力発動用ボーナス年数:66(6)(係数0.4)(捕虜――8)
死すべき者の現在の兵科モデル:エリートヘビータクティカルナイト(土)、アイススナイパーアーチャー、テクノコマンド(回復中)、ドラコニド、テスラ歩兵(回復中)、ハイネクロマンサー、エレメンタルメイジ(火)、エレメンタルメイジ(風)
アンデッド:
アクティブスロット:ローランド、ロラン女王、ニドゥエン皇女、フェラグ
キルハイヴ派閥とのシナジー(81/100)




