第八十章 最終決戦?
「なあ、つまり俺たち、お前と敵対するってことだよな」
彼女は悲しげにため息をついて言った。
「ええ、こんな出会いになっちゃったわね。でも……他の連中に対抗して手を組んで、それから決着をつけるってのはどう? 素敵なあなた」
素敵なあなた? 「偽物のドラコニド」で引かれるんじゃないかと心配してたが、どうやら大丈夫らしい。
「いい作戦だ」
「じゃあ、また近いうちに」
「ああ、じゃあな」と俺は答えたが、レギの気配はもう感じられなかった。
シアディンは、休憩までのカウントダウンタイマーを指先でつつきながら、じっと俺を見つめた。くそ、分かったよ。そんなに長くはかからないと思うけどな。
タイマーを切って、俺は二人と一緒に廊下を歩いた。基地に残っちゃいけないのかよ。ここにいる連中は揃いも揃って食い意地張ってやがるのか?
シャドマー派閥は敗退したにもかかわらず、即座に帰されることはなく、合同の会合に招待されていた。イリエルはテーブルから少し離れた場所に膝をついており、伯爵夫人は怠そうに皿へ料理を盛り、大きめの塊にかぶりついていた。十分だと判断したのか、彼女は食べ物を男に投げつけ、男は床に散らばったそれを感謝の言葉をぶつぶつ呟きながら貪るように拾い集めていた。
一方、ステラは何か飲んでいたが、フレムテックのマスクを外した俺を見た瞬間、目を丸くし、口に含んだばかりの飲み物が危うく気管に入りそうになった。咳き込みを収めた少女は、俺に指を突きつけた。
「あんた! あんただったのね、このクズ野郎!」
録画は見ていなかったらしい。そうでなければ、少なくとも魔法使いの姿で、とっくに俺を認識していただろう。
「あら、シャドマー派閥に知り合いがいるの、ニコ?」シアディンが驚いたように尋ねながら、半裸同然の少女を値踏みするように眺めた。
「いない場所を挙げる方が早いくらいだな。あんたの方こそ、同じくらいいるんじゃないのか?」俺は女王に逆に質問を投げかけた。
「無視するんじゃないわよ、このクソ野郎!」とステラが金切り声を上げた。
伯爵夫人は興味深そうに彼女を見た。なぜ突然こんな男に構っているのか、明らかに理解していない様子だった。マルコは足踏みしながら、戦闘的な娘たちと一緒に座るのを渋っていたが、やがて決心して暖炉の方へ向かった。イリエルだけは料理から髪の毛を吹き飛ばし続け、夢中で頬張っていて、他のことなど何も気にしていなかった。
「ああ、お前の言う通りだ。これが最初の試練じゃないんだから、当然と言えば当然か……」女王は何かを考え込みながら答えた。「写本の断片はいくつ集めた?」
「そうだな、今のところよく分からない。神の力とか、そういうやつだ」俺は最初の方に出てきたフレーズを挙げて答えた。
歯ぎしりしながら、ステラは立ち上がり、ゆっくりと俺に近づいてきた。
「無視するんじゃないわよ、このクズ!」我慢できなくなったのか、娘が俺の脳内に入り込んできた。どうやら以前はもっと楽にできていたらしく、もう脳内をスパムで埋め尽くしていたはずだ。モデルの変更がこんな影響を与えたのか?
俺はドラコニドの指輪をカチッと鳴らすと、娘は頭を抱えた。
「この野郎!」シャドマーの娘が俺に飛びかかってきたが、強化されたドラコニドの俺の方が速く、素早く捕まえて腕をねじり上げた。どうやらこれは傷害行為とは見なされないようで、警告は出なかった。それとも、もう参加者として扱われていないのか?
俺は娘の尻を思いっきり叩いた。
「やめて、やめてよ!」無力感に泣きそうになりながら、少女は喚いた。伯爵夫人は驚きで口元を手で押さえて座っていた。イリエルでさえ食事から目を離し、この光景を見ていた。ヘルメット越しで目は見えなかったが、承認するような視線を感じた。
俺はステラの耳元に近づき、誰にも聞こえないように素早く囁いた。
「ビッチみたいな真似はやめろ。今この瞬間から、俺がお前を監視する。お前がもう二度死んだこと、それも俺が指を鳴らすだけで済んだことを理解してるか? 少しでも気に入らないことがあれば三度目だ。だが今度は試練じゃなく、本物だ。お前は俺のものだ。分かったか?」
少女は固まったが、俺が手に力を込めると素早く頷いた。
彼女を離すと、少女が慌ててテーブルに戻る際にもう一度尻を叩いたが、ステラは何の反応も見せなかった。
こっそり息を吐いて、俺は思考を整理した。こんな扱いは好きじゃないが、連中には他の方法じゃ通じないだろうし、シャドマーの拠点は役に立つ。残念なのは、今見られた後じゃ伯爵夫人に触れることは許されないだろうってことだけだ。
マルコは素早く暖炉の方を向き、ずっと炎を眺めていたふりをした。シアディンは興味深そうに俺を見た。
「面白いわね、あなた、夫を思い出させるわ。ロランも色々と偉そうにしていたけど、夫の前ではおとなしくしていたものよ」
「王と比較されるなんて光栄だな。まあ、俺たちには違いがあるけどな」
女王が疑問の眼差しを俺に向けた。
「俺は、自分の領土が荒らされて仲間が殺されてる時に、尻に根を生やして座ったままじゃいないってことだ」
休憩終了のアナウンスがあり、俺たちは戻ることにした。シアディンは首を横に振って言った。
「彼には理由があるのよ。死ぬのはバカな連中だけだもの。アルヴァーのほとんどは首都で安全なんだから!」
「バカな連中、ね? いったいどんな奇跡で、アルヴァーは昔トップに立っていたんだろうな?」
マルコは目を見開いたが、何も言わなかった。女王は唇を噛みしめ、再び否定するように首を横に振りながら囁いた。
「お前は何も分かっちゃいない。ランキングでトップに立つのはまだ終わりじゃないんだ……だってプロエリアには大陸が一つじゃない、これからもっと複雑になる。まあ……」
俺は思わず立ち止まった。聞き間違いか? シアディンを疑問の眼差しで見たが、彼女は続ける気はないらしく、何かの思考に完全に沈み込んでいた。手を取ろうとしたが、彼女は手を引っ込め、険しい目で睨みつけてきた。
「触るなって言ったでしょ! 意味ないから」彼女は今度は小声で、ぶつぶつと付け加えた。
余計な話題は明らかに終わったと判断したマルコが咳払いをした。
「ああ、そうだった」女王は我に返り、指に髪を巻きつけた。「チーム対抗デスマッチ――四チーム全てが同時に戦う。計算は前と同じだから、引きこもってちゃダメだ。他のチームが先に潰し合って、俺たちに獲物が残らなくなるかもしれない」
「キルハイヴには今のところ手を出さない。約束があるんだ」俺は不意に宣言した。
「は? 何で急に? お前、何企んでるの?」シアディンは目を細めて言った。
「俺には計画がある。忘れたのか、前回の戦いであんな素晴らしい結果が出せたのは計画のおかげだろ。だから文句言うんじゃねえ」
マルコは女王を見ながら俺の方に顎をしゃくり、女王もすぐに折れて頷いた。
「分かったわ」
「これが最後の戦いか? 全部の切り札を使っていいんだな?」
「ええ。ただし、相手も同じことをしてくるわよ」女王は警告するように指を立てて言った。
「見ものだな」
さて、残りの表を見てみよう。
「デウスレギオ派閥:
リーパー――サイバーハンター
再生者――予言者――計算者
カーディナル――裁きの右手」
「アンジュヘル:
アクワイア――テルシア
ベリス――クワルタ
マルム――オクターヴァ」
刈り取り屋もここにいるし、コレクターもいる。どうやら、二人とも昇格を急がなかったらしい。アクワイアは自分の拠点まで持ってて、装備も揃えてる、それでランク3なんだから、他の連中はどれだけのもんなんだろうな?
「最終戦。死闘チーム戦、戦場――神々の荒野。ランク3~5。
アルヴァー――キルハイヴ――アンジュヘル――デウスレギオ」
俺はネクロマンサーに切り替えてスロットを確認した。アクティブが5つ、誰を選ぶ? 女王とその眷属たち、そうだな。ランクで圧倒させよう。
「あら、ネクロマンサーでもあるの? 意外ね」女王が驚いたように言いながら指輪を確認している。どうやら彼女も何か仕込んであるらしい。
「ああ、俺は驚きに満ちてるんだ」乾いた、ぞっとするような声で言ったら、自分でもびっくりして身震いした。くそ、このモデルで喋るの試してなかったな、はは。
開始が告げられ、俺たちは廊下を通って荒野へ出た。俺は騎士に切り替えてルーンをアクティベートした。
「一緒に行くわよ」女王が釘を刺した。「マルコが先頭。あんたが死んでも惜しくないし」
男はさりげなく顔をしかめたが、素直に俺たちを追い越して前へ出た。そして矢筒からボルトを取り出して空中に放った。数秒飛行した後、弾丸は鷲に変わり、小さく鳴いて翼を広げ、近くの岩山の向こうへ飛んでいった。
クロスボウ使いが片目を閉じて走り出し、俺たちもその後を追った。遠くで爆発音と人ならぬ悲鳴が聞こえたが、すぐに止んだ。メッセージが来ないってことは、全員無事だな。
「前方に敵だ」マルコが歩みを緩めながらそう告げた。
俺たちは二つの大きな岩の間を抜け、石の袋小路に出た。その中央には、まるで世界全体を抱きしめているかのような見知らぬ人物の像が立っていた。その前では、リーパーが膝をついて記念碑に向かって両手を上げていたが、俺たちに気づくと立ち上がり、翼を広げると同時に両腕を刃へと変えた。
「対象の解析……完了。楽しませてもらおうか!」
「ああ、楽しんでくれ、おバカさん」シアディンがエメラルドを振りかざしながらそう毒づいた。
フィールドがクリスタルで満たされ始めたが、リーパーはすでにエンジンを轟かせながら突進してきた。女王が指輪を回すと、目の前に三メートルの石のゴーレムが現れた――巨大なエメラルドが埋め込まれている。クリーチャーが咆哮を上げ、宝石が煌めき、シアディンの従者の口から緑色の閃光が噴き出した。それはリーパーに直撃し、突き出ていた翼を切断した。金属には赤熱した痕が見えた。まるでレーザーで切り裂かれたかのように。
俺は強化外骨格「カロン」を召喚した。分厚い装甲と頑丈な脚部を持つ、人型に近い機体で、高さは二メートル半ほどだ。中に飛び込むと、二分間のタイマーが表示された。急いでエンジンを起動する。シールドなし、左マウントにはツインレーザー兵器、右マウントには円盤ノコギリとマグネット地雷発射機、それに背部ジャンプシステムが搭載されている。
マルコを援護するために防御ロボットをもう一体呼び出してから、俺は上空へと跳躍し、今度は地上を突進してくるリーパーに向けて地雷を投げつけた。地雷は装甲に張り付いて耳をつんざくような爆発を起こし、デウスレギオの奴の軌道を変えて像の方へと吹き飛ばした。損傷した脚の代わりに金属の一部を再配置して、リーパーは再び立ち上がる。その間、俺は跳躍後の着地をなるべく柔らかくしようとスラスターの調整に励んでいた。その時、何かが横から猛烈な勢いでぶつかってきて、俺を吹き飛ばした。
「左パイロン故障。ジャンプシステム再起動中」
全力で岩壁に激突した俺は、素早く立ち上がってセンサーで周囲を走査した。リーパーはマルコに狙いを定めていたが、クロスボウ使いは武器に予備のドラムを装填し、今や誘導ミサイルのように飛び回るリバーサイト・ボルトの雨を放っていた。ボルトはロボットの装甲を貫通し、その後戻ってきてもう一つ穴を開ける。
ゴーレムは俺から見えない誰かに狙いを定め、そちらにはシアディンも盾で身を守りながら注目していた。
俺の目の前にいたのは、手に剣を握った、擦り切れた赤いマントを纏った三メートルの巨体ロボットだった。背中からは、まるで天使の翼――もちろん金属製だが――のような巨大な翼が生えていた。片側に四枚ずつの大きな「羽根」があり、その間から青白い光が漏れている。
ロボットの頭部は上に伸びていて、顔のある位置には黄色がかったスクリーンのようなものがあった。その上を光が走り、機械的な声が聞こえてきた。
「主よ、罪人を殺めることに祝福を。あなたが選びし道へと我を導きたまえ。御心の道具となり、御身の裁きの刃となり、御身の裁きの御手となり、プロエリアより全ての不信心者を追放せんことを」
そいつが祈っている間に、俺はレーザー砲を加熱してトリガーを引いた。低い唸りを上げて光線が信心深いロボットに向かって飛び、ど真ん中に命中したが、目に見える損傷は与えられなかった。
デウスレギオの奴は俺に突進してきて、翼を前方に展開し、「羽根」を刃のようなものに変えた。
俺は上に飛び上がったが、刃がエグゾスケルトンを掠め、カーディナル(恐らく第五位だ)が回転斬りで俺のエンジンを損傷させた。
火花を散らして唸りを上げながら、エグゾスケルトンは数メートル飛んだ後、故障したエンジンを咳き込ませながら下へ落ちていった。
「システムダウン……システムダウン……」
「テクガンのスクラップ修理――起動しますか? はい/いいえ」
俺にまで効くエンチャントか? 恐らく身体に直結していないからだろう。ああ、勿論だ。
エグゾスケルトンは瞬時に修復され、タイマーも元に戻った。俺はスイッチから手を離し、アイヴィの石を回した。
「もう、意地悪! またピンチの時だけ呼んで!」と、俺がカーディナルに向けて地雷を放ち、再びレーザーで狙いを定める間、彼女は不満そうに叫んだ。
「ああ、そうだ、お前の仲間を呼んでこい」
指輪を魔術師のものに替えて、少し離れた場所から雷撃を叩き込んでみたが、カーディナルは翼を上に掲げて電気を吸収し、翼の間のフィールドはさらに明るく輝いた。どうやら、この手は通用しないらしい。
「リーパー、脱落」
ちらりと視線を向けると、蜂の巣みたいになったロボットの機体が地面に崩れ落ちるのが見えた。マルコの方は真っ青になって、切り落とされた腕の傷口を押さえている。
俺の防御ロボットも少し離れたところに転がってるな。まあ、十分役に立ってくれたと思いたい。
アイヴィが鎧を召喚すると、それらが一斉にカーディナルへ向かって走り出した。だがデウスレギオの奴は翼を広げたまま、その場でくるくると回転し始めた――まるで刃の竜巻だ。
アイヴィは両手で電気の球を弾ませ、鎧たちが同時に敵へ突進した瞬間、チャージを発動させた。
翼がチャージを吸収し続けた――が、カーディナルの内部で何かが破裂した。黄色い「スクリーン」が爆発し、デウスレギオの奴は翼を移動させると、鎧の群れを振り払おうと空中へ飛び上がり、巨大な緑のポータルを召喚した。そこから鋏のような形をした、でかい機械の腕が姿を現す。
俺はレーザーの一斉射撃でカーディナルを狙い、強引に着地させた。何発かは頭部に命中して、金属が溶けている。
「マルコ、脱落」
俺は地雷をポータルから突き出た足に投げつけ、急いで女王の救援に向かった。そこには見覚えのないデウスレギオの兵士がいたが、ゴーレムの攻撃を受けて再構成する様子を見て、娘たちの話を思い出した。どうやら、エヴィナの腕を切り落としたやつらしい。
ゴーレムの攻撃のタイミングを見計らって、俺は地雷とレーザー斉射を放った。ロボットの装甲にかなりでかい穴が空き、再構成している間に俺はスラスターを吹かして間合いを詰め、デウスレギオの兵士の首を切り落とした。
細かいパーツに分解された機体が数瞬地面に転がった後、また動き出した。小さな突起が点滅しているのに気づいて、俺は急いでエグゾスケルトンから脱出した――もう時間がほとんど残っていなかった。
ドラコニドに切り替え、腕を変化させて酸を吐きかけたが、何も起こらなかった。よし、酸腺だ。
腕が膨れ上がり、再構成されて、もう一度酸を吐いた。シューッという音とともに突起が溶け始め、やがてメッセージが現れた。
「再生者、脱落」
「ニコ、大丈夫?」――心配そうなレギの声が頭の中に響いた。愛情と気遣いがこもっている。
「ああ、大丈夫だよ。ただ、カーディナルがなんかヤバいもん召喚しやがってさ。まだどうなるか分からない」
「あたしだって助けが必要なんだけど……早く来てよ、こんなイカレた連中に殺されたくない。どうせ死ぬなら、あんたに抱かれて死にたいわ……」
「まあ、そう悲観すんなよ。もうすぐ着く」
シアディンがカーディナルに向けて複数のクリスタルの槍を放ち、損傷した頭部を貫通させた。装甲に動きを封じられた彼はもはや軽々とその場で回避することもできず、格好の餌食となった。
俺の酸の唾液とさらに数本のクリスタルの槍――ロボットの機体がぐらついて、翼が消えた。ただし、ポータルは消えなかった。
「カーディナル、脱落」
轟くような声が響いた。あの世のものと電子音が混ざったような、他に形容のしようがない声だ。
「喰らえ! 喰らえ! 貴様ら喰らいたいのか? 全てを喰らえ、己を喰らえ、己の魂を喰らえ。そして私が貴様ら全てを喰らってやる!」
ドームの下から出てきてカーディナルに攻撃していた女王が、口に手を持っていって自分の指を噛み千切るのを見て、俺は彼女に駆け寄り、急いで治癒を施した。だが、ポータルから這い出ようとしている者の影響から彼女はなかなか抜け出せず、呆然と俺を見つめていた。
俺は彼女を抱き上げ、ドームの中へと運び込んだ。頼む。あと20秒。10秒。
「エラー! 強制イニシエーションに失敗! 市民は既に他者の繋がり下にあります」
◇◇◇
現在の残存寿命――16+(164)。能力発動用ボーナス年数:65(37)(係数0.4)(捕虜――8)




