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第七十三章 ゴーストヴィルの用事を片付ける

いきなり何なんだ、この頭のおかしい男は。理由もなく俺に食ってかかってきやがって。まあ、見た目から判断するに、こいつもあのクソ忌々しいエルフ一族の一員ってところか。もしかしてロランの親父か? 娘が宮殿の部屋でくつろいで、いや、休息を取ってる間、こんな穴倉で燻ってるわけだ。とはいえ、俺の身分確認のためにここに連れてこられたってことは、こいつはここじゃ偉いさんなんだろうな。


父親を落ち着かせようと、俺は穏やかに微笑みながら自信たっぷりに言った。


「彼女はとても疲れていたので、すぐに休みに行きました。元気を取り戻したら、真っ先にあなたのところに顔を出すと思いますよ」


だが残念ながら、エルフは頑固だった。


「私のロランは半死半生でも私のところに這ってくる! 娘にとって父親は休息なんかより大事なんだ!」


はあ。クソ野郎のローランドがドアの向こうに立って盗み聞きしてやがるんだよな。


俺は両手を上げて、二人の親子の絆に降参するような仕草を見せた。


「報告書を受け取り次第、すぐにお嬢様のところへ行って、なぜこんなことをしたのか確かめることをお勧めします」


「くそったれ! 地獄に落ちろ、この青二才! お前が現れるまで、こんなこと一度もなかったんだぞ!」


怒鳴り声を聞き流しながら、俺は彼の機嫌を窺っていた。どうやら家族間の微妙な問題を解決できる見通しが立ったことで、エルフも少し落ち着いたらしい。再びテーブルに座り、記録の詰まった分厚い本を開いた。


合計:住民298人。一見すると町にしてはかなり少ないが、働くアンデッドの存在と村との比率を考えれば、まあ悪くない。ボーナスはたくさんあるんだが、どうすれば素早く派閥に取り込めるだろうか? 一人あたり一分かかるとすれば、かなり時間がかかる。とはいえ、それだけの価値はあるんだが。


それに、力の増強にどう反応するかも気になる。兵士たちは、今のところまだ気づいていないようだが。


資源について。理解した限りでは、首都へ送るキャラバンを準備していたが、女王の気まぐれで守備隊の大半が攻撃に駆り出され、残った者たちは戦力を分散させず、町の警備に集中することにしたらしい。それで、キャラバンには何が積まれているんだ?


数千単位の木材。よく使うものだから、これは助かる。


魚、果物、少しの肉。よくわからないな。ロートクのレベル2から食料生成があるのに、なぜ必要なんだ? 贅沢な美食家でもいるのか?


この辺りには岩山がないから、金属には困っている。だが、クリスタリットがあるんだ! 450単位もな。


工房で作っている道具は、地元で使うものばかりで、持ち込まれた鉄を使ってその時々の必要に応じて作られている。


それに金貨だ。どうやら資源の一部はすぐに隣の集落に売っていたらしく、首都へは金貨3000枚持っていく予定だったようだ。良い剣や弓が大体千枚くらいするらしい――俺たちがロートクで商売した時の相場から判断すると――首都の大物たちにとっちゃはした金だろうな……。どうやらエルフの一族の台所事情は本当に苦しいらしい。まあ、俺みたいなささやかな人間にとっちゃ、悪くない額だけどな。


労働用のアンデッドが20体以上。よくまあこれで森を全部伐採しちまわなかったもんだ! 維持しているのは5人のネクロマンサーだ。


だったら人間なんていらないんじゃないかって思うかもしれないが、よく考えたらアンデッドに魚を釣らせたり、クリスタリットを丁寧にふるい分けさせたりするのは想像できない。どうやら奴らは荒仕事専門らしい。


状況を把握した俺は宣言した。


「予定通りキャラバンを準備しろ。ただし今度は女王の新しい拠点に向かう」


扉の向こうで騒ぎが起こったが、すぐに静まった。エルフは満足そうにうなった。


「おお、ということは俺の娘がやっぱりやり遂げたってことか? 素晴らしい、素晴らしいぞ!」


ベルを鳴らすと、管理者(多分それ以外の何者でもないだろう)は小さな少年を呼び出し、中に手紙が入った封筒を手渡した。どうやら荷物の回収指示らしく、すでに事前に準備されていたようだ。


使者の後ろでドアが閉まりかけた瞬間を利用して、ローランドが中に滑り込んだ。


「すみません、ですが、『スティレット』の方々は……」


最後に声が震え、パラディンは急いで顔を隠すように頭を下げた。


「護衛に参加しろなんて頼んでないぞ、俺たちだけで何とかなる」と、苛立ちを滲ませながら答えた。


「いやいや!」とエルフが憤慨した。「俺の娘は完全な護衛付きで行くんだ、それ以外はあり得ない!」


「お待ちください、街を無防備にするおつもりですか?」と、ローランドは唾を飲み込みながら尋ねた。自分のためではなく市民の命を心配しているのだと必死にアピールしようとしていた。


「ははっ、くそったれ、全員くたばっちまえ!」管理者が笑い転げながら、ヒステリックに拳で机を叩き始めた。


あいつがもう忘れたことを期待しつつ、俺は頭を下げて、このヒステリックな笑い声を背に部屋から逃げ出そうとした――が、エルフが急に黙り込んで支度を始めたのが聞こえた。


ため息をついて、俺は待つことにした。ローランドは小刻みに震えながら鎧をガチャガチャ鳴らし、剣に手をかけては離すのを繰り返していた。この野郎に気づかれないように癒し手の「鼓舞」をかけてやりたくなった頃、エルフ様がようやく支度を終えた。支度といっても、紫がかった赤色のちぐはぐなカムゾールを羽織って、つま先がくるりと巻いた靴に足を突っ込んだだけだが。


俺たち三人は外に出て、女王の居館へと向かった。住民たちは俺たちのトリオを警戒した目で見ていたし、大半はできるだけ目立たないようにしていた。酒場から転げ出てきた酔っ払いでさえ、エルフの姿を見た途端、慌てて中に飛び込んでいった。結局、特に問題もなく目的地にたどり着いた。俺たちが道を見つけて無事だと確認すると――実際には、あまり愉快じゃない命令を軍に伝えに行く瞬間を引き延ばしていただけだが――ローランドは逃げるように去っていった。


俺とエルフは中に入って、女王の部屋へと向かった。


「娘!」親父が怒鳴った。「入るぞ、裸でいることを期待してるからな!」


俺は今、聞き間違えたんじゃないよな?


周りを見回して誰もいないことを確認すると、俺は急いで親父の後を追って、ドアを閉めた。


ロランは部屋の中央に立ったまま、微動だにしなかった。クリオシタがまた脳をいじくり回しているに違いない。


「娘よ、どうしたんだ!?」エルフが叫びながらアンデッドに駆け寄った。俺はテクノコマンドに切り替えて、睡眠弾を撃ち込んだ。


倒れかけるエルフを受け止めて、慎重にベッドへ運んだ。殺すのはいつでもできる。


手を握って、繋がりに追加した。本当だ、管理者じゃないか。メアル・クルアナードという奴だ。55歳、なるほど、確かに見た目はよく保ってるが、どうやら外見だけらしい。家族構成――妻と死別。まあ母親に鉢合わせしなくて済むだけマシか。


ナイトに戻って、俺は帰ってきた武器を再び隠し始めた。暗視装置を折り畳んでいると、ロランがようやく意識を取り戻して、驚いた様子で尋ねてきた。


「ニコ? あなた、どうしてここに?」


「ぼーっとしてんじゃねえよ、もう少しでバレるところだったぞ」


首を傾げて髪を揺らしながら、彼女が確認してきた。


「見つかったのか? 火事か何かか?」


「危うく捕まるところだった。ロランがいつも到着後に父親のところに来ることを、どうして見逃してたんだ?」


エルフの女は申し訳なさそうに後頭部を掻いた。


「ごめんなさい。大したことじゃないと思ったの。子供と親の絆は私には複雑すぎて理解できないわ。あなたたちの種族にはいつも驚かされるもの」


「待て待て。どういうことだ、『あなたたち』って? お前、エルフじゃないのか?」


ロランがくすくすと笑った。


「おバカさんだけど、好奇心旺盛なのね。いいえ、もちろん違うわ」


俺はやっぱり、霧ちゃんは能力であって、実体じゃないことを願ってたんだけどな……


「お前、一応女なのか?」


ロランは指先を顎に当てた。え、そんなこと考え込むなよ、待て! もうどんな答えが来ても嬉しくねえぞ。


「まあ、性徴はないんだけど、リビとガウディは間違いなく女の体でいるのが好きなのよ。私も、そっちの方が居心地いいかな」


少女は指を厚めの唇へと滑らせ、少しだけ開いて真っ白な歯を覗かせると、悪戯っぽくウインクした。


「この雌犬の死体越しにこんなの見たくないわ。ほら、出てきて男を確認しな。ちょっとばかり演じてもらうことになるぜ」


唇を膨らませて、ロランは口から霧を吐き出した。再び魂の抜けたアンデッドとなり、女王は気をつけの姿勢で直立し、俺をまっすぐ見つめた。だが、その霧の塊は寝息を立てているエルフではなく、まっすぐ俺へと飛んできた。


息を止めて、俺は素早くテスラ歩兵に切り替えると、否定するように首を横に振った。


「そういう冗談は勘弁してくれ」


霧ちゃんがくるりと向きを変えて、ベッドへ飛んでいった。メアルが目を覚まして起き上がる。


「ニコ、いつか必ずお前の脳みそに潜り込んでやるからな。一体何を隠してるんだ、気になって仕方ないぞ?」エルフが腰に手を当てて、しわがれた声でぼやいた。


「考えとくよ。結婚したらな……」


メアルが俺に飛びついて嬉しそうに抱きついてきて、それからしゃがれた声で囁いた。


「今すぐでもいいぞ!」


吐き気を抑えながら、俺は気持ち悪いエルフを押しのけた。


「家で話そうな? お前が自分の体に戻ったときに」


くすくす笑って、メアルは部屋の真ん中に立って静止した。女王が固まった姿をうっかり見られないよう、ポータルに戻しておく。俺はドアに近づいて、遠ざかる慌ただしい足音を耳にした。畜生め!


ナイトにスイッチして、俺は銃器を投げ捨て、無料の加速を起動した。素早く周囲を見回すと、廊下の奥で銀色の鎧が煌めくのが目に入った。


そっちへ駆け出すと、なんとか角を曲がって、スパイの姿を捕らえることができた。ローランド、畜生め!


あいつはもうすぐ外へ飛び出す。何を聞いたのか、神のみぞ知るだ。繋がり――市民を殺す。


轟音が響いたが、召使いたちが角から顔を覗かせる前に、俺は駆け寄ることができた。力を発動させ、パラディンの体を持ち上げて蘇生を押した。


意識を取り戻したローランドが最初に見たのは、俺の笑顔だった。「友好的に」しっかりと抱きしめ、俺は彼をゆっくりと出口の方へ連れて行った。病人を介抱しているふりをしながら。


「お前たちは何者だ?」パラディンがかろうじて聞こえる声で囁いた。俺を見ようとせずに。


「友達さ。お前が友達らしく振る舞ってくれればな」


パラディンは神経質に頷いたが、俺は信じなかった。このろくでもない人間は、危険が迫れば真っ先に俺たちを裏切るだろう。


彼と一緒に駐屯地まで歩いた。そこにはすでに準備万端の部隊が待機していた。道中、俺は何度目かになる暗視装置のネジを外した。


ローランドがそわそわし始めるのを見て、俺は彼の耳元で囁いた。


「何かやらかしたら、真っ先に死ぬのはお前だ。これは保証する」


きらりと光るクリスタライトの短剣を見て、男は急にしょんぼりした。力なく整列の命令を出すと、彼は俺をほぼ積み込みが終わっている隊商の場所へ案内した。木材を積んだ大量の荷車、食料を積んだ数台、そして金とクリスタリットを積んだ装甲車が一台。馬の代わりには……蜘蛛だ。


ただ、管理官の直接の指示がなければ、誰も出発しようとしなかった。ため息をついて、俺は再びパラディンを連れて行った。


まず、俺たちの兵士が休んでいる棟へ向かった。リクルーターに採用活動を始めるよう指示を出した。優先順位はネクロマンサーだ。ローランドを監視下に置いて、俺は女王の居室へ戻った。


「準備はできたわ」入口からエルフが告げた。


「素晴らしい。で、お前が離れた後、あいつは眠るのか?」


「ああ、そうだ」


「で、何も覚えてないんだな?」


「ああ」


クリオシタを褒めてから、俺は女王を呼び出して、全員揃って隊商のところへ向かった。


メアルがしわがれ声で叫んだ。


「おい、さっさと行くぞ! 何をぐずぐずしてやがる! さっさと動け、ネクロマンサーどもに送られたくなかったらな!」


隊商の連中が慌ただしく動き出し、蜘蛛たちが不満げにシューシューと鳴きながら荷車を引きずっていった。こっそり俺にウィンクしてから、メアルは後方へと向かい、俺はローランドの部隊を援護するために手持ちの兵を配置した。


進軍速度はかなり遅く、少なくとも森まで辿り着くのに二時間近くかかった。その間に例の霧が戻ってきて女王に憑依したが、それ以外は特に何も起こらなかった。


この森はそれほど深くもなかったが、蜘蛛たちが荷車と一緒に木々の間を縫うように進むため、最適なルートを探しながら進まなければならず、歩みは遅かった。


森の奥に入ると、兵士たちはひどく神経質になった。俺も注意深く周囲を見回していたが、矢の唸り声が響いた瞬間を見逃してしまい、数人の剣士が地面に倒れた。


「スティレットだ! 円陣を組め!」ブレードダンサーの一人が叫んだ。その間、ローランドは膝をついて頭を両手で覆った。


魔法使いの一人が閃光を放ったが、返ってきたのは矢で、身を隠す間もなく、男は倒れて動かなくなった。


距離を取って下がった俺はテクノコマンドに切り替え、フィルターを熱探知に変えた。いたいた、木の上に潜んでやがる。


サイレントモードに切り替え、何人かの弓使いを静かに仕留めていると、背後から短剣を二本持った男が襲いかかってきた。なるほどな……刃先が装甲板に当たると、男は跳ね返されて体勢を立て直した。俺はライフルで男の頭を撃ち抜き、少し離れた場所に潜んでいたもう一人も撃った。


弓使いを片付けると、味方の被害は止まり、勝利の雄叫びが良い結果を告げていた。すべてが静まると、死体を確認して先へ進んだ。戦場が見えなくなったところで、俺は基地での蘇生を発動させた。味方が理解して失敗しないことを願いながら。


さらに二時間余り進んで、ゲフールの村に到着した。ここは丘陵地帯だったが、蜘蛛たちにとっては軽い障害でしかなく、進行速度は少し上がった。


不意に先頭の蜘蛛が空転し始めた。まるで荷車を動かせないみたいに。その後ろも立ち止まり、やがて全てのアラクニドがただ無力にシューシューと音を立てるだけになった。


何が起きているのか理解できず、皆が荷車を動かそうと手伝い始めた。


激痛に身体が跳ねた。腹を貫いて光る刃が突き出ているのが見えた。


刃は素早く俺から抜けると、ローランドへ向かった。パラディンは地面に崩れ落ちた――ついに自分の恐怖が現実になったわけだ。次はロラン――刃は正確に突き刺さったが、女王は動じなかった。クリオシタは動揺せず、信じられない速さで自分の剣を引き抜くと、自分の腹に突き刺した。周囲は唖然とした。喘ぎ声を上げ、それまで見えなかった敵が姿を現し、刃を血で染めた。その血は剣に急速に吸い込まれていった。


囚われた敵の力で回復し、俺は立ち上がった。奴らは一体どこへそんなに急いでいるんだ。ここに黄金の山でもあるとでも思ってるのか? だが、蜘蛛たちがまだ動かないところを見ると、まだ終わっちゃいない。


森から新たなスティレットたちが飛び出してきた。そしてその後ろには――顔を隠すフードを被った誰かが。奴には装飾的な鎧のパーツが付いていた。巨大な赤い宝石で飾られた優雅な胸当て、棘のついた肩当て、エキゾチックな形の刃が取り付けられた篭手――二本がハサミのように前方に突き出し、さらに二本が側面に配置されている。見知らぬ敵は白地に赤の装飾が施された服を着ていた。フード付きマントのようなものだ。弓兵たちの矢が新たな敵に向かって飛んだが、全て空中で砕け散り、標的に届くことはなかった。


篭手の刃が鮮紅色に輝き、フードの下から赤く光る目が見えた。派手な登場にもかかわらず、見知らぬ敵は何も言わず、突然攻撃を仕掛けてきた。


◇◇◇


現在の残存寿命――16+(154)。能力発動用ボーナス年数:61(35)(係数0.4)(捕虜――12)

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