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第六十八章 悪夢の夜の終わり

バンカーへ入ると、飛行機のエンジン音が聞こえてきた。航空機関砲の射撃音が一つに溶け合い、悲鳴が響き、続いてミサイルの唸りと爆発の轟音。バンカーが激しく揺れたので、俺はセフィーナと一緒に急いで上へ向かい、キューを下に残した。


火災の名残と死体の山を駆け抜けると、航空攻撃で破壊された通りに出た。ナノロボットのちびっ子たちがクレーターだらけになった『芽』の表面を修復し始めた。俺は辺りを見回しながら生存者を探そうとしたが、近くに見えるのは無惨に引き裂かれた死体ばかりだった。


「ニコ!ニコ、こっちだ!」聞き覚えのある声が聞こえた。


振り向くと、ジェシーとエンディスが負傷したアルドを引きずっているのが見えた。


「無事か?もうここは落ち着いたのか?」俺は急いで尋ねながら、半死半生の肉屋を支えた。


エンディスは唇を噛み、神経質に周囲を見回しながら、慌てて言った。


「この辺のどこかに、あいつらの頭、狼娘がいるはずだ。死んだかどうかは分からない」


全員で傭兵をポータルまで急いで運び、俺はフロルガに彼の治療を試みるよう頼んだ。


テスラ歩兵の姿で空中に飛び上がり、いくつかのフィルターをカチカチと切り替えて、使い慣れたサーマルビジョンに落ち着いた。注意深く周囲を見渡すと、ゆっくりと動いている人影を発見した。


近くに着地すると、そこで這っていた片足のない狼族の女を驚かせてしまった。牙を剥き出しにして、彼女は剣を引き抜いた。俺は即座にライフルを構えて連射した。ところが女は突然砂に覆われ、弾丸の雨はすべてその砂に突き刺さるだけで、目に見える損傷を与えなかった。


なるほど、そういうことか。よし、見てやろう。ポータルから三人全員を同時に呼び出そうとしたところ、システムウィンドウが開いた。


「アンデッドステータス:


アクティブスロット:3/4


イシラ――負傷、召喚可能。


アイロール――完全稼働中。


リネル――完全稼働。


予備スロット:1/6


ユリウス――召喚不可、回復中……」


どうやら、もっと早く新しいのを追加してみるべきだったらしい。予備があるのは嬉しいし、全部揃えば時々入れ替えることもできるってことだよな?


ともあれ、これには大して時間がかからなかったので、真っ先に現れたイシラは既に砂の狼娘にたっぷり水をぶっかけていた。次の水の一撃が防御を洗い流した。どうやらあの娘には四位の魔術師と戦う力すら足りなかったらしい。


再び武器を構えると、狼娘が叫ぶのが聞こえた。


「待って!お願い、頼むから!私は女王の襲撃を指揮しただけで、自分から参加するつもりはなかったの!」


恐怖のせいなのか、本当にそうなのか知らないが、そう叫んではいるものの、あいつの剣は明らかにトマトジュースで汚れてるわけじゃない。コマンドに切り替えて睡眠弾を選び、娘のむき出しの首に二、三発打ち込んでやった。結局のところ、他の連中は本当にエルフだったが、こいつは違う。


もう一度確認して誰も残っていないことを確かめると、俺はイシラを捕虜と一緒に回収し、他の連中と共に急いで地下壕へ向かった。


ここで明かりの下、ジェシーもエンディスも負傷しているのが見えた。


「ふざけんな、さっさとフロルガのところへ行け!」


くそったれ、何てざまだ。プロの人手不足のせいで、俺は自分の大切な奴らを危険に晒している。立派な守護者様だな、まったく。


二人の娘は断固として首を横に振った。ああ、もういい。捕虜を屋敷に引き渡すと、俺たちは最後の拠点へと向かった。


そこに現れた途端、骨の髄まで染み渡るおぞましい遠吠えが聞こえてきた。


悪魔的な、半ば喘ぎ、半ば囁くような声――まるで悪魔の囁き手が俺の耳元に張り付いて、自分の意志を押し付けようとしているかのようだった。


「さあ、ニコ。お前の命を断ち切れ。永遠の甘美な抱擁に身を委ねろ。お前は疲れた、そこには永遠の安らぎが待っている……」


不条理で非常識な論拠だったが、俺は心の中で見えない話し相手に同意し始めていた。もちろん、本気でその言葉を受け入れたわけじゃない。


素早く立ち上がると、ゴーレムたちと戦っている怪物的な化け物が見えた。エヴィナとアルビは遠くで焼け焦げたシルエットのような何かと戦っていて、その近くにはニヤニヤ笑いを浮かべたエルフの女が本を持って陣取っていた。また自信過剰な連中への奇襲をやりたいところだが、地面はコンクリートだ。守護者は這い出られない。いや、待てよ。地中じゃなくても召喚できるんじゃないか?狙いを定めて、少し高い位置に百足を呼び出した。すると不満げにシューシューと音を立てながら、エルフ女のそばにドスンと落ちて、見えない化け物どもを下敷きにした。その甲殻を誰かの爪が引き裂き始めたが、目標を見つけた虫は猛然と大顎をカチカチ鳴らしながら突進した。途中で何かを噛み千切りながら進んだものの、群れに動きを封じられ、見境なく周囲に噛みつき、見えない体に巻きついて狂ったように暴れ始めた。


どこまで手がつけられない状況になってるんだ。援護にドローンを呼び出し、コマンド用のグレネードをいくつか取ると、テスラ歩兵に切り替えてエルフ女の上空を飛び、上から爆弾を投げつけ、自分からも雷撃を加えた。エヴィナとアルビは俺の動きを見て、慌てて遠くへ逃げた。


巨大で醜悪な化け物が俺に強い興味を示し、ゴーレムたちを無視し始めると、中央の顔で俺を凝視し、その後、長く吠えた。


下の爆弾が爆発し、周囲に死体を撒き散らした。あの生意気なエルフ女も吹き飛ばされた。連鎖の最後の雷がちょうど彼女を直撃したから、吹き飛ばされたあの女はもう立ち上がらなかった。


想像を絶する騒音が俺に襲いかかってきた。声、叫び、囁き、泣き声のカオス。ヘルメットのノイズキャンセラーじゃ太刀打ちできない。集中を保とうとしたが、AIのおかげでどうにか何かにぶつからずにジェットパックで浮いているだけだった。


「ニコ!死ね!殺せ殺せ殺せ!すべてから解放されろ、自分の命を終わらせろ!」


この恐怖を止めようと、俺はヘルメットを引きちぎった。頭から思考が吹っ飛んで、ただこれを終わらせたかった。ライフルを取り落とし、AIの衝突警告を無視して全速力で下へ突っ込んだ。


コンクリートに叩きつけられて、ようやくあのおぞましい声が聞こえなくなった。


持ち主が死んでも消えないとは、なんて悪魔の落とし子だ。治癒を終えると、すぐにドラコニドの指輪をカチッと鳴らした。信じられないほど心地よい静寂。あの化け物がジェシーに向かって叫んでいるのが見えた瞬間、俺は急いで彼女に駆け寄った。彼女はもう銃口を自分の口に突っ込んでいた。


俺のオーラの範囲内に入ると、彼女は戸惑ったように瞬きをして、素早く口から銃を抜き、それを理解できないという表情で見つめた。


「ジェシー、エンディス、さあ離れろ。ついでに治療も受けてこい。もう議論は無しだ!」


「だが……」とテクガンの娘たちが言いかけたが、俺の真剣な眼差しに選択の余地はなかった。


標的の一部を失った怪物は、猫娘たちに集中することに決めたようだ。だが彼女たちは皆、耳を頭にぴったりと押し付けて聴覚を制限していた。直接攻撃には役立たないだろうが、絶え間ない囁きに対してなら、きっと効果があるはずだ。


セフィーナは、この姿のままじゃ役に立たないと悟ると、鎧を召喚して戦場へ急いだ。


エルフの女の死体に素早く近づくと、俺はモデルをネクロマンサーに切り替え、呪文の呟きに耳を傾けないよう努めながら、塊を死体に叩き込んだ。ついでに皇子と魔法使いも呼び出す。


「新たなアンデッド生成。


皇女ニドゥエン(5)。怠惰の悪魔学者(ランクなしモデル)。


残りスロット:0/4(予備1/6)」


これってつまり、その、怠惰ってやつか? 死ぬまで何もするなって説き伏せてくるのか? 悪夢じゃないか。


少女は俺の前に立ち、指示を待っている。アイロールとイシラは攻撃に飛び出した。


「そのバケモノを引っ込めろ」俺は素早く言った。ゴーレムどもを遊び半分で蹴散らしてる化け物を見ながら。


「どうかお許しください」と、アンデッドは静かな声で言った。「怠惰は追い払えません。破壊されるか、必要な数の命を集めるまで消えないのです」


「じゃあ他の何かを召喚して、この化け物を始末してくれ」


頭を下げ、皇女は魔導書を大きく開き、詠唱を始めた。


化け物が悲鳴を上げた――アルビが効果範囲に入ってしまったのだ。立ち止まった少女は剣を前方へ投げ、弱々しく微笑みながら戻ってくる剣に飛び乗った。崩れ落ちながら、彼女は灰になった。


「エヴィナ、離れろ。お前まで危険に晒すわけにはいかない。今あるもので何とかする!」


頑固に抵抗しながら、少女はどうにか化け物に近づいて前脚を切り落とすことに成功した。だが四肢はすぐに再生し、怠惰は猫娘に注意を向け、金切り声を上げる準備をした。鎧が割り込んで化け物の顎に剣を突き立てたが、鉤爪のついた前脚は召喚された存在を、その前のゴーレムたちと同じように弾き飛ばしただけだった。


両方の指輪を回して、俺はイビスとアイヴィを召喚した。


「さっさと前に出ろ。命で支払うなんて口にするやつがいたら、そいつの石は肥溜めにぶち込んでやる!」


俺を恨めしそうに見つめると、アイヴィはむくれて、キラキラ光る玉を放り投げ、ボロボロの戦士たちを召喚した。彼女の兵士たちは勢いよく突進し、悪魔の体に飛びかかって肉片を引きちぎっていく。皇子の鳥たちも同じことをやり始めた。そんな攻撃を予想していなかった化け物はエヴィナから気を逸らし、余分な足という足を総動員して侵入者どもを振り払おうとした。


イビスは怠惰に一礼し、刀身を抜き放った。見た目は何の変哲もない剣だったが、アイヴィが身震いして、また俺の後ろに隠れようとしたことを除けば。


前に飛び出したフクロウ娘は舞い上がり、まるで空気を蹴ったかのように二段ジャンプを決めた。化け物の側面の頭の一つが貪欲に獲物へと伸び、牙をカチリと鳴らしたが、空間を噛んだだけだった――イビスはすでに空中で姿勢を変え、鋭い一閃で化け物の頭を真っ二つに斬り裂いた。


鎧の兵士たちはもう一つの側面の頭にたどり着き、ベッタリと張り付いて身動きを封じた。


玉をカチリと鳴らし、アイヴィは放電を発動させた。兵士たちが火花を散らし、空気にオゾンの匂いが漂った後、この頭蓋骨野郎の九つの目が全て弾け飛んだ。頭が金切り声を上げ、燃え上がり、すぐに力なく垂れ下がった。


頭が一つだけになった怠惰は防戦しようとしたが、クリスティーナの制御下にあるゴーレムたちが隙を突いて化け物の足を一本残らず掴み、機動力を封じ込めた。


必死にもがきながら、悪魔は四方八方に絶叫を放っていたが、エヴィナは俺の言うことを聞いて安全な場所まで逃げてくれた。仲間たちとアンデッドは気にも留めていない。


灰の中からアルビが現れた。彼女にも逃げるよう命じたはずなんだが。セフィーナは念のため、叫び声が偶然当たらないよう鎧の表面で彼女を庇った。


アイロールとイビスが両側から本体の頭に飛びかかり、角を切り落とした。イシラが地中から強力な水流を噴き上げ、悪魔の顎を横に逸らし、噛みつきを阻止して誰も傷つけさせなかった。


俺は腕を変化させ、時々開いた化け物の口に毒を流し込んだ。もちろん、強化なしじゃ大した威力じゃないだろうが、この生き物が早く死ぬ手助けにはなるだろう。


皇女の方からやってきた不可視の存在たちも、かつての仲間に飛びかかり、その体を引き裂き始めた。今は俺にも見えるようになっている。見失わないようにってことか。


アイヴィの兵士たちが本体の頭に群がり、再び火花を散らし、空気を爽やかさで満たした。目玉は溶け落ちていたが、化け物自体はまだ生きていた。イビスと皇子がもう一度共同攻撃を仕掛けると、頭が吹っ飛んだ。体は急激に一点に収縮し、緑のポータルの中に消え、引き裂いていた全員がコンクリートに転がり落ちた。


テクノコマンドに切り替えて、周囲を確認したが誰もいなかった。終わったのか?


アンデッドを引き上げ、近づいてきたイビスと、俺の背後から再び飛んできたアイヴィを見た。


「ありがとうございます」


「お仕え出来て光栄です、ご主人様!」 イビスはそう言い切ると一礼し、自分の「同僚」を睨みつけた。


「まあまあ、そんなに堅苦しくしないでよ。どういたしまして、ニコニコちゃん。ねえ、そんなにムスッとしないで、五年くらいくれてもいいんじゃない?」とアイヴィが誰のことも気にせず囀った。


俺は嬉しそうに微笑んだ。


「もちろん、ダメだ」


そしてリングを切った。


もう夜が明け始めている。損失を数える時間だ。アキルズ、ジョニー、サユリ――ここにいる。ケル、アルドの妻、それにエルフの女。六人か。もっとひどいことになると思っていたが、それでもこれは……まずい。今すぐ反撃に出ても意味がない。ボーナスがあまりにも少なすぎる。それに明日にはもう試練があるかもしれない。とはいえ、二度も敗北した後で、また戻ってきたいと思うだろうか? それには相当なしつこさが必要だろう。


屋敷に戻ると、俺は皆に手短に問題ないと伝えた。客間ではフロルガがアルドの治療を仕上げていて、彼の様子を見る限り、明らかに良くなっている。まあ、少なくとも彼に一年も費やす必要はなさそうだ。


それにしても、この件についてだが。確か、蘇生は俺の年数を直接使う場合だけ許可されていたはずだ。追加分は計算に入らない。つまり、捕虜を取ったところで、直接的には俺の助けにならないということだ。


フェブリモールたちが基地を完全に制圧し、敵兵を全員閉じ込めたことを確認してから、俺は牢獄と化した建物に入り、次々と強制的にイニシエートし始めた。自主的な加入についての交渉は明らかに時間がかかりすぎるからだ。


二十三人相手に三十分ほど時間を費やした後、俺は捕らえられていた狼娘も繋がりに加えた。脚には包帯が巻かれていたが、それでもかなり酷い状態だった。


繋がりを確認してみると、彼女も皇女だと分かった。


「市民ステータス:+1(131)」


「繋がり:市民の統計


名前:皇女ラミ


種族:獣人、狼娘。


年齢:20(75)


役割:軍人


兵科モデル:サンドスピリット


婚姻状況:未婚


派閥:アルヴァー」


アイヴィを呼び出した。あいつの方がまだ話が通じるからな。だが目の前に現れたのは、そっぽを向いた背中だけだった。わざとらしく不機嫌そうにフンと鼻を鳴らして、それっきりだ。


「そんな態度を続けるなら、もう一度召喚を解除するぞ」


「何の用?ニコニコ?」――俺の言葉の直後、焦ったような返事が返ってきた。


「余剰の寿命年数を使って、市民を蘇生させることは可能か?」


アイヴィは口ごもり、顎を撫でながら、渋々といった様子で言った。


「まあ、そうだな。でも直接じゃない。知りたきゃ教えてやるが、タダじゃないぞ!」


「ああ、じゃあな」


ふむ、思い返せば、直接蘇生は触れるだけだった。転送も同じ方法でできるんじゃないか?


チェリストを引き上げてから、兵士の一部が目を覚ますまで待った。さて、無駄に湧いてくる六人の野郎どもを見つけるのは実に簡単だった。


そのうちの一人を女王と戦った基地まで連れて行き、息子の遺体のところまで案内した。隣に寝かせて銃床で殴って気絶させると、アキルズに触れてみた。


ああ、普通の蘇生だけか。じゃあ両手で同時に二人に触れたら?


「死亡した市民。蘇生(繋がり):寿命-1年/追加寿命-1年(警告! 二人目の市民は繋がりから切断され、蘇生不可能な状態で死亡します)」


承認すると、敵の剣士が動かなくなった。


「市民ステータス:-1(130)」


「市民ステータス:+1(131)」


アキルズが生き返り、俺は嬉しくて彼を抱きしめた。だが、ほんの一瞬だけだ。奴がまた恥ずかしがったのもあるし、それに俺はできるだけ早く全員を復活させたかったからな。


時間を無駄にしないため、俺は戦闘現場まで走った。イシラを復活スロットから外し、ネクロマンサーを選んで、あの青白いクソ女の切り落とされた首にエネルギーの塊を叩き込んだ。


女は復活し、従順に俺の前で膝をついた。


「新たなアンデッド生成。


ロラン女王(5)。ブラッドクイーン(ランクなしモデル)。


残りスロット:0/4(予備2/6)」


◇◇◇


「現在の残り寿命――17+(131)。能力発動用ボーナス年数:52(26)(係数0.4)」


まだ蘇生していない者:ジョニー、サユリ、ケル、クテアス、リネル。


アンデッド:皇子アイロール、ユリウス(回復中)、イシラ(回復中)、皇女リネル、皇女ニドゥエン、ロラン女王

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