↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

58/142

第五十七章 村の防衛

俺は他のみんなと一緒に家から飛び出し、隊長が指差した方角へと向かった。


即席のはしごを使って石壁によじ登ると、スナイパー・アーチャーを発動させた。もう薄暗くなりかけていたが、残光だけでも敵軍の姿を見分けるには十分だった。


アルヴァー派閥か、やっぱりな。もし他の連中だったら、この世のあらゆる災厄が俺一人に集中してるのかと泣きたくなるところだったが、これは予想通りだ。


兵科モデルの大半は見覚えがある。整然と並んだ剣士たちが盾で身を固め、そのやや後方には――多種多様な射手を守るシールダーたち。どうやらランク2もランク3も混じっているようだ。ざっと見て、五十人は下らない。


さらに後方には――数体の二メートル級の巨体が立っていた。頑丈な鎧に身を包み、人間の体格とは不釣り合いに見える。腕が異常に長くて太く、がっしりとした短めの脚に、分厚い胴体、そして兜に守られた小さな頭部。いったい何者なのか、見当もつかない。


そのさらに奥では、技術者風の制服を着た人間たちが二基のカタパルトの周りで慌ただしく動き回っていた。カタパルトは鋼鉄の壁で守られている。もちろん、一人か二人なら狙撃できるかもしれないが、そうすれば味方の準備が間に合わなくなる。


兵士の何人かは旗を掲げていた。黒地に、棘と複雑な文様で飾られた真紅の血の雫が描かれた旗印だ。


群衆から一人の兵士が離れ、門に向かって足早に近づいてくるのが見えた。交渉役か?


この辺りの習慣についてはあまり詳しくないが、俺が何を言おうと結果は同じになる気がしてならない。


下に降りて、騎士に転職した。フェブリモールと他の兵士数名を集め、門へと向かった。


ただ、敵の使者は中に入ろうとはせず、壁の向こうから叫んできた。


「アイロール皇子の名において、この村の住民に提案する。直ちにこの集落から立ち去れ」


「断ったらどうなる?」俺は叫び返した。


「その場合、貴様らは全員、女王の栄光のために殲滅される」


答えずに、俺はすぐさま指示を出し始めた。近接戦闘の戦士は全員、壁の近くに分散配置。突破された場合に備えてだ。射手、エンディス、セフィーナ、ジェシーは壁の上だ。


「返事がなければ拒否とみなす!」 俺たちのトンデモ外交官が叫んだ。


なら加速するしかない。


キューたち、ワイ――ライフルを持って陣地へ、壁の上だ。


ケル――周囲の警戒を頼む。


錬金術師――煙幕と毒を。


技師――マンゴネルだ。


必死に考えながら、俺は足りない人間を探し始めた。


「ジョニーはどこだ、畜生!」 俺はフェブリモールに訊いた。


「テクガンの居住区に仲間を迎えに行きました。数分で戻ります」


「エヴィナたちはどこだ?」


「わかりかねます、死すべき者よ、申し訳ございません」エルフは申し訳なさそうに答えた。


「後だ。一番大事なことは、もし死んだら――俺が命令するまで、二度と戦いに飛び込むな」


俺が黙ったのを見て、フェブリモールは頷くと走って指示を出しに行った。


一分かそこらが過ぎた後、もう一つ憎しみのこもった叫びが響き、その後遠ざかる足音が聞こえてきた。


「貴様ら全員、終わりだ!」


スナイパーライフルの銃声が響き、矢の唸りが鳴った。


ラズが駆け寄ってきて、早口で話し始めた。


「パパ! わたしも戦えるよ!」


娘の決意に満ちた瞳を見つめたが、俺は首を横に振った。


「ランク0じゃ無理だ。本当にどうしようもなくなったときだけだ」


うなだれて、少女は渋々頷いた。


「お前、こんなときに姉妹たちがどこにいるか知ってるか?」


びくりと肩を震わせて、ラズは視線を逸らし、小さな声で答えた。


「知ってる。神々の荒野に」


え……何だって? でなくても俺たちを殺そうとしている奴らが山ほどいるのに。一体何を考えてたんだ!


「分かった、後で話を聞く。隠れて他の連中を見張っててくれ」


頷くと、彼女は走り去った。ドカンと轟音が響いた。崩れ落ちた石の破片から察するに、カタパルトで砲撃を始めやがったらしい。くそったれ、エンジニアを誰か一人くらい仕留められたと思ってたのに!


城壁まで駆け上がって見ると、カタパルトが盛んに石を投げつけている。防壁に守られて射手の射程外だ。そういうことか。


攻城兵器を狙うのを諦めて、エンディスは他の敵に狙いを切り替えた。一発撃つごとに敵兵が倒れていく。ジェシーは最初マシンガンで敵を掃射しようとしたが、この距離じゃ命中精度がお粗末すぎる。だから今は様子見だ。フレムテックのライフルも同じ問題を抱えている。


イヴェットを見つけて、一緒に曲射攻撃の調整をすることにした。矢の一斉射撃、俺のも混ざっている――カタパルトの一つが動かなくなった。


もう一斉射撃、二台目の機械に向けて。矢は同じように飛んだが、着弾直前に風で吹き飛ばされたようになった。反撃の石が城壁に命中し、でかい塊を削り取った。敵の矢の一斉射撃が無差別に俺たちの陣地を襲う。リアレフが頭を撃ち抜かれて城壁から転落した。こっち側のマンゴネルも撃ってこない。一瞬振り返ると、エンジニアも矢で殺されていた。


もう一度一斉射撃――同じだ、全く効果なし。あいつら、魔術師まで連れてやがるのか?


もう一つの石材――城壁の一部が崩れ落ち、通路が開いた。歓声を上げながら歩兵たちが駆け出し、敵の射手は数を減らしながらも途切れることなく射撃を続け、俺たちを顔も出せないほど釘付けにしていた。


壁の陰から覗くと、敵の射手たちを守るシールダーはもうそれほど残っておらず、ほとんどの射手が無防備な状態だった。ライフルを構え、次々と狙撃していく。位置を変えながら撃ち続けていると、すぐにエンディスも加わってきた。ジェシーとフレムテックの連中も俺に倣って移動しながら接近する敵兵に発砲し、一斉射撃で大量の敵を薙ぎ払っていった。


敵の歩兵が目と鼻の先まで迫ったとき、俺は開口部の前に壁を立てた。これほど近距離にいた兵士たちは、マシンガンとフレムテックのライフルの連射で数十人単位で倒れていった。


一方、敵の射手は大きな損害を受けながらも射撃をやめず、イヴェットとデリオまで撃ち抜いてきた。


突然、二人のキューが動きを止め、ふらついて城壁から転落した。まったく別の方向から飛んできた矢に射抜かれたのだ。


視界の端で、もう一本の矢が森の方から飛び出し、鋭く方向を変えて別のキューに命中するのが見えた。そいつも仕留められた。森の方に狙いを定めたが、どんどん濃くなっていく暗闇の中では誰も見えなかった。だから俺は壁を走りながらそっちへ向かい、移動中にテクノ歩兵へと変身した――森の中にいくつかの熱源が見つかった。大体の位置を記憶してから、再びスナイパーライフルを手に取り、何発か撃ち込んだ。返答として、常に軌道を変え続ける矢が二本飛んできた。ドラゴニドに切り替えて、それらを飛び越え、翼を力強く羽ばたかせて十分な高度まで上昇し、着地した時には森の中にいた。


こんな展開を予想していなかった風の射手たち――アルドと一緒にいたエルフ女と同じような服装から、そうだと分かった――は、もう軌道変更なんて面倒なことはせず、次々と矢を放ってきた。一本を肩に、もう一本を腕に受けながら、俺は咆哮を上げて奴らに飛びかかり、鋭い動きで喉を切り裂いた。


矢を引き抜いてから、急いで戻った。重装甲の大男どもが壁をほとんど壊しかけているのが見えた。傷が少しでも塞がるのを待ってからテクノ歩兵に切り替え、数発の連射を叩き込んだが、装甲は俺の攻撃でへこみもしなかった。舌打ちして、再びスピード重視でドラゴニドに変身し、加速のエンチャントを発動させてからクリスタライトのダガーを抜き、最も近い大男に飛び乗って、その小さな頭にナイフを突き刺した。


金属の塊が崩れ落ちた後、俺は二体目に狙いを切り替えた。銃声から判断すると、フレムテックの女たちは全滅したらしい。残っているのはエンディスとジェシーだけだ。


この大混乱の中では、もう味方の兵士の数がどう変動してるかなんて追いかけてる余裕がない。全員基地で蘇生させてるとはいえ、俺の足を引っ張らないだけの知恵はあると信じたいところだ。


それにしてもジョニーのやつ、一体どこに行きやがった……。


基地の方から叫び声が聞こえて、振り返ってみると、またデカブツを一匹倒した直後、壁を這い上がってくる蜘蛛の群れが目に入った。その背には長槍を構えた兵士どもが乗っている。まだこんなのが出てくるのか……。


最後の装甲車を仕留めて、俺は翼を羽ばたかせて拠点の中へと飛び込んだ。騎手たちは槍を振るって軽装甲の奴らを皆殺しにしている。蜘蛛どもはそれを手伝うように、刃物みたいに鋭い脚で俺の仲間を串刺しにしていた。


フェブリモールは長い武器と頑丈な盾で持ちこたえていて、五人の騎手のうち二人を引きつけている。もう一人の周りをアルドが旋回し、四人目は狐の狂戦士に手を焼いていた。そして五人目は、アルドの妻であるクテアスの死体を脚から振り落として、ケルに狙いを定めようとしていた。


で、まあ、残ってるのはこいつらだけだった。他の連中はもう一度ずつ死んでる。


「システムメッセージ:テクガン拠点――攻撃を受けています;キルハイヴ拠点――所有者変更が試みられています」


くそったれが……。


ここにはそれなりに強い奴らが残ってると判断して、俺は屋敷へと走り出した。走りながらテクノ歩兵に切り替える。フェブリモールの敵の一人に弾丸の雨を浴びせて、武器をオーバーヒートさせてから、そのまま走り続けた。


早くしろ、テクガン!


テレポートした先で、銃声が聞こえた。通りに飛び出すと、ジョニーと二人の仲間が、豹に乗った騎兵から逃げながら応戦しているのが見えた。たった一つの村に対して、なんでこんなに戦力を送り込んできやがるんだ!


銃撃に加わりながら、俺は難しさの理由に気づいた。動物たちは銀色に輝く金属の装甲板で覆われていて、そこに命中させても無駄だった。


「兄弟、兄弟! もっとちゃんと狙えよ!」テクガンの奴が神経質に俺に叫びながら、短い連射を続けて基地内を走り回っていた。


冷却を待ってから、俺は弾丸の雨を撃ち込み、動物の一匹がビクッと震えて倒れるのを見た。つまり、こんな密集した射撃も効果的ってことだ!


二匹目のライダーも倒してオーバーヒートしたので、騎士に挑んでみた。短い連射を十発撃ってようやく動物に命中させることができたが、その時にはジョニーと俺以外は全員噛み殺されていた。


「これで全部か?」息を切らせて走り回っていたジョニーに俺は素早く尋ねた。


「ああ、たぶんな」


ジョニーと一緒にバンカーに戻って走りながら、俺たちをキルハイヴの基地に転移させた。


外に飛び出すと、中央ターミナルのところに痩せて青白いエルフがいた。赤い目に長い黒髪。煙に包まれたような黒い鎧を身につけていて、それは絶えず位置を変えていた。鎧には赤く光る宝石がいくつか埋め込まれている。肩当てとベルトに。背中にはほとんど透明な長いマントが見え、肩越しに剣の柄が見えた。肩当ての一つには黒い羽根が結びつけられていた。


エルフは無感情に俺たちを一瞥すると、手を振った。それまで気づかなかったが、重装甲に身を包み両手に剣を持った兵士が二人、俺たちに飛びかかってきた。


ジョニーが発砲したが、敵の装甲はまだ持ちこたえていた。俺はこういう相手と戦った経験があったので、ドラゴニドに変身し、短剣を抜いて加速を発動した。


最初の敵の二段突きをわざと受けるような体勢を取りながら、俺は急激に軌道を変えて敵の足元に飛び込み、回転しながら短剣で敵の腹を突き刺した。


ジョニーは絶えず位置を変えながら、剣を舞わせる敵の防御を突破しようと必死だったが、俺が攻撃に加わって短剣を構えて突進するまで無駄だった。俺の突きに反応した剣士は横に転がり、一瞬動きを止めたところで、より薄い装甲で守られた後頭部をジョニーの射撃に晒した。弾丸が内部に飛び込み、血と脳漿をヘルメットの前面に飛び散らせた。面頬の隙間から液体を垂れ流しながら、敵は地面に崩れ落ちた。


何十もの羽ばたきが、束の間の勝利から俺たちの注意を逸らした。カラスの群れが襲いかかり、爪で掴みつき、嘴で肉を食いちぎろうとしてきた。俺は素早く騎士に変身して狂乱した鳥たちから身を守ったが、ジョニーは辺り構わず銃を乱射し、痛みに叫んでいた。彼の肌は既に血痕だらけになっていて、俺は耐えきれず繋がりを通して彼を殺した。


ニヤリと笑うエルフに向けて一斉射撃を放つと、奴は透明なマントに身を包んで消えた。


カラスたちは上空へと飛び上がり、俺が隙を見せる瞬間を窺っていた。テクノ歩兵に切り替えると、すぐ近くに熱源の痕跡が見えたので撃った。驚いたように叫び声を上げて、エルフは剣を振るったが、焦っていたようで、俺は楽々と飛び退いた。カラスたちが俺に襲いかかり、装甲プレートのない箇所のユニフォームを引き裂き始めた。奴らを払いのけながら、もう一度弾丸を撃ち込み、鳥の身体を血まみれのミンチに変えてやったが、完全に生きた盾となってエルフへの命中を防いでいた。


俺は自分のほぼ真横に支援物資の投下を要請し、突然の障害物でカラスたちを散らすと、再びグレネードを狙って配送物を撃ちまくった。


轟いた爆発がカラスを吹き飛ばし、俺とエルフをかなり遠くへ引き離した。敵は重々しく立ち上がると、足を引きずりながら森へと急いだ。俺はドラゴニドに切り替えて後を追い、走りながら打撲や他の負傷の可能性がある箇所を治していった。だがエルフは明らかに加速し、もう俺では追いつけなくなっていた。スナイパー・アーチャーに切り替えて、ライフルを構えて撃ったが、敵はまるで察知したかのように木の陰へ飛び込んだ。そこで俺は走るのを止めず、弓を掴んでリバーサイトの矢を放った――進路上のあらゆる木を貫通する矢だ。標的を通り過ぎた矢は急反転し、全速力でエルフの腹に突き刺さった。叫び声を上げて、敵は地面に倒れ込んだので、俺はすぐに追いつき、駆け寄りながらフレムテックに切り替えて弾を撃ち込んだ。


どこからともなく現れた鳥の群れが、またしても逃走者を仕留めるのを邪魔してきた。さらに強力な勢いで俺に襲いかかり、羽根だらけの生き物で完全に詰め込まれた部屋に閉じ込められたかのように、身動きが取れないほどびっしりと体にまとわりついてきた。全身の筋肉に力を込めても、その場から動くことができない!


体が持ち上がっていくのを感じて、俺は力を込めたが無駄だった。抵抗を続けているうちに、体にまとわりついた鳥たちの密度のせいで息すらできなくなってきた。諦めて、こうやって死んで二年で治癒する方が、力を使って助かるかどうかも分からない試みに四年費やすよりましだと判断した。


だが、鳥たちが弱まり始め、徐々に消えていった。落下していることに気づいて、ドラゴニドの指輪に手を伸ばそうとしたが、まだ強く俺を掴んでいる鳥たちのせいで届かなかった。


どんどん速度を増しながら数瞬間落下し続け、地面に激突した。


痛みと灼熱感。目を動かすと、エルフが地面に倒れたまま動かず、腹を押さえてガラス玉のような目で俺を見つめている。カラスたちは全て消え失せていた。まるで最初からいなかったかのように。


体の感覚がない。手も足もないみたいだ。背骨が折れたのか? それなのに治癒も発動しない。くそったれの非致死的損傷め!


呼吸困難になるはずなんだが、それも感じない。それにラズとも連絡が取れない。


パニックになり始めた。まさかあの毒のときよりもひどい状態なのか? いい教訓になったな。


真っ暗闇の中で一時間ほど横たわっていると、妙なことを考えている自分に気づいた。


誰か……俺を殺してくれ……


◇◇◇


「現在の残存寿命――20+(92)。能力発動用ボーナス年数:27(2)(係数0.3)」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。