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第四十八章 時間戦争

ジョニーが一瞬ポータルの中に消えて、すぐに戻ってきた。その後ろから私服姿の人たちが走り出してくる。


「こいつらのこと、頼んだぜ、兄弟」


俺は頷いて、第二の村の部隊長アデルに合図を送った。彼女は自分のランク0を何人か集めると、避難民たちと一緒にテクガンの拠点へ向かった。通路が空いた途端、俺たちは駆け足で中へ飛び込んだ。


アルヴァー集落の近く(ポータルが岩場にあったとはいえ)の少し湿った空気から、いきなり乾いた荒れ地に出るのはなかなか慣れないもんだ。とはいえ、完全な荒れ地ってわけでもない。周りを見渡すと、門が見えた。どうやら拠点の外に建設されてるらしい。防衛が面倒になる点ではあまり実用的じゃないが、逆に車両を中に入れるのは楽なんだろう。いずれにせよ、すぐ近くにはテクガンの軍事拠点があった。見慣れない建物がいくつも並んでいるが、一部はジョニーと試練を回ってた時に見たことがある。ただ、その多くが半壊していて、穴の周りには見覚えのある小型作業機械が飛び回っていた。いったいどんな破壊があったんだ、この自動修復システムが五日経っても直ってないなんて?


近くには戦車が二両、装甲兵員輸送車が四台、ロケットランチャー搭載バギーが三台、対戦車砲が数門、それに兵士が三十人ほどいた。


「残念だが、俺たちの他にもう一つのギルドしか説得できなかった」ジョニーが怒りと後悔の混じった声で吐き捨てた。


「いやいや、それでも十分すごいって。敵はどっちから来るんだ?」


「ああ、知るかよ。ポータルは不安定なんだからな。前回はまさに基地のすぐそばに転移してきやがった、クソ野郎どもが。ああ、そうだ、これ持ってけ」


ジョニーは俺にヘッドセットを放り投げると、自分の部下たちのもとへ走っていった。俺はレジナルドに壁を築くよう命じた。フレムテックの兵器に対してどれだけ役立つかは分からないが、遮蔽物が全くないのは悲惨すぎる。


イヴェットには射手たちのために有利な位置を探すよう任せ、フェブリモールには彼らの防御を手伝うよう指示した。


指示を出し終えて、少しでも多くのテクガンの連中を繋がりの下に置こうと試みようとしたその時、突然、俺たちから約300メートルの距離に黄色い光点が現れた。拠点から少し離れた場所だったが、実質的には俺たちが出現した地点からの直線上だった。


「見えるか、ジョニー?」


「ああ」


砲塔が動き始め、旋回した。幸い、レジーがすでに設置した壁は非常に有利な位置にあった。俺はサユリを壁の近くへ送り、壁の陰に隠れて不意打ちを試みるよう指示した。ベルトラムには発煙筒を作るよう命じた。


ジェシー、セフィーナ、ケルも壁へ向かい、俺はテクガンの連中の方へ近づいた。アルドと彼のチームは一緒に行動する方が都合がいいと報告してきて、拠点の反対側から回り込むことにした。


俺はポータルの下にクラスター地雷を設置した。その間にテクガンの装備は互いに近づきすぎないよう分散していった。兵士たちは散り散りになった――壁際に身を寄せる者もいれば、装甲の陰に隠れる者もいた。


バギーたちはポータルの背後に回り込もうと前方へ突進した。


楕円が開いた。俺はスナイパーアーチャーに切り替えて、全体をよく見えるようにした。


ポータルから小型の球状ドローンが飛び出し、地面に落下して地雷を全部誘爆させた。このクソ野郎め。


その後ろから、俺も見覚えのあるシールドジェネレーターの群れが飛び出してきた。ドローンたちは奇妙なジグザグの線を描いて並んだ。まさかフィールドを重ね合わせるためか?


その背後から、これまた見覚えのある白い連中が現れた。テクガンの奴らが発砲したが、弾丸は空中で静止してから地面に落ちるだけだった。砲撃の斉射が轟き、戦車砲の鈍い咆哮が響き、装甲兵員輸送車のミサイルが唸りを上げた。最前列のドローンのシールドが点滅したが、機体は素早く入れ替わった。


「なあ兄弟、なんかおかしいぜ。あいつら今までこんな戦い方しなかったぞ」


「で、いつもはどうやって突破してたんだ?」


「ええと、まあ、今みたいに、総攻撃で突破してたんだ」


なるほどな……


三人組――アグネス抜きで、予想通りだ――がシールドの下に並んだ。隻眼の男が背中から大きなコンテナを取り出して地面にドスンと置き、何かをカチカチと素早く操作した。箱が変形を始め、やがて台座になった。中央に小さな光の柱が灯り、そこから突然テクノ歩兵たちが現れ始めた。全部で五人――これはフレムテックの連中がポーズ重視の「四人まで」ルールから離れたってことだな。歩兵たちの後から、光の中からロボットが飛び出してきた。2メートルの角ばった機体で、片手に大型シールド、もう片手に二連装の武器を持っている。五体のロボットが壁を作り、頭部中央の赤いダイオードを点滅させながら並んだ。テクノ歩兵はその後ろに隠れた。そしてこの集団全体がシールドに守られながら前進を開始した。全部が文字通り数秒の出来事だった!


俺がそれを眺めている間に、ピッタリスーツの女がブーツの何かを押した。足元に光が生まれ、彼女は地面から数十センチほど浮遊し始めた。邪悪な笑みを浮かべながら、でっかい剣を引き抜いて猛スピードで俺たちに向かって突進してきた。ドローンを二機引き連れて。


赤毛の方はというと、ポータルから大きなコンテナがキャタピラで転がって来るのを待っていた。それを開けると、中から簡素な銀色のエクソスケルトンを取り出した――腕と脚に装着する骨格フレームのような見た目だ。素早くそれに飛び乗る。その間にコンテナが変形し、3メートルほどの人型ロボットになった。流線型のボディと四肢、全身に散りばめられた無数の青いLED――まるで有名なリンゴ会社が開発したみたいな外見だ。左手は普通の五本指だが、右手の代わりには巨大なロータリー砲――もしくはそれに似た何か――が付いていて、妙に青い光を帯びて煌めいている。武器からロボットの背中へと弾帯が伸びているところを見ると、どうやら予想は当たっているようだった。


赤毛がその場で動き始めると、機体が彼の動きをそのまま真似た。


テクガンの攻撃は続いたが、効果は出なかった。あの娘には重火器が当たらないし、銃弾も届かない。他の連中はまだあのジグザグ状のフィールドに守られたままだ。


技術歩兵の側からサラサラという音が聞こえ、次の瞬間、テクガンに向かって小口径弾の雨が飛んできた。装甲車から軽率に身を乗り出していた何人かの兵士が血の霧になって空中に飛び散り、崩れ落ちた。


「兄弟、頼むぜ、お前なら何かできるだろ、今がその時だ!」


危険を冒して――だってまだメカが来るかもしれないんだから――俺は砲撃支援を要請し、ボーナス15年を使った。残りはあと5年だ。


遠くのどこかで砲が轟き、数瞬後、耳をつんざく唸りを上げてフレムテックの陣地に12発の砲弾が飛来した。3斉射で4発ずつだ。あたり一面が強力な爆発で舞い上がった砂に覆われ、ドローンが何機か耐えきれずに大きな音を立てて爆発し、残りは機能停止して地面に落ちた。まったく、全弾使ってシールドを剥がすだけとはな。


スナイパーライフルが一発鳴った――隻眼の頭が弾け、血飛沫と脳漿のかけらが周囲に飛び散った。赤毛の方は自分のロボットの陰に隠れて反撃を開始した。甲高い唸りを上げて機関銃が回転し、装甲兵員輸送車の装甲を缶詰みたいに引き裂いていく。装甲車のエンジンが唸りを上げ、運ちゃんたちは射線から逃れようとした。その間に射手たちはロボットに向けて何発かロケット弾を放った。


この時、2メートルのシールダーたちはテクノ歩兵の援護を止め、ロボットに向かって突進を始めた。走りながら二連装の砲を持ち上げる。かすかに見えるマイクロレーザーの連射が一発目のミサイルに、二発目に、三発目に向けられた。結局、一発も着弾しないまま、赤毛のロボットは暴れ続けた。


大砲と戦車の斉射――シールダーたちが揺らいだが、それもかすめただけのようだ。数発の砲弾がロボットに命中し、装甲にいくつか穴を開けた。だが見た目には、それが戦闘能力に何の影響も与えていないようで……。


「ローラー」の娘はドローンを一機解き放ち、それは塹壕に陣取ったロボットたちの援護に向かった。そして彼女自身は全速力で装甲車両の脇を駆け抜け、身を隠していた兵士たちの真っ二つの死体だけを残していった。装甲兵員輸送車が機銃の照準を彼女に合わせようとしたが、砲塔の旋回が間に合わなかった。


茶色がかったシルエットが図々しいフレムテックの女に躍りかかった。サユリは女に飛びつくと、まずクリスタライトの刃で、次に薙刀で斬りつけた。相手は鋭く息を吸い、刃を受けた血まみれの腕を掴むと、薙刀の一撃の下を潜り抜けてすり抜け、同時に鋭く身を翻して自分の剣を大きな弧を描くように繰り出した。狐娘は避けきれず、柄で攻撃を受け止めたが、燃える刃を持つ剣は柄を貫通して少女の体に深々と突き刺さり、サユリは血を咳き込んだ。武器が敵の体に食い込んだフレムテックの女は速度を失い、剣を引き抜くのに気を取られて、盾の下に機関銃を構えて突っ込んできたジョニーへの反応が遅れた。テクガンの男は咆哮を上げ、ほぼ密着するまで武器を近づけて女を蜂の巣にした。主人を失ったドローンは残った者たちの方へ飛んでいき、ジョニーは血まみれの少女を慎重に抱き上げると、素早く最寄りの戦車の陰へ運んだ。


「市民ステータス:-1。残存兵士17名」


「拠点で蘇生」


「くそったれが!あんなクソ女のせいで、こんな可愛い子が死んじまった!」ヘッドセットから憎しみに満ちた叫びが聞こえた。


「生きてる奴らのことを心配しろ、狐娘は大丈夫だ」


バギーが二台、ポータルの陰から飛び出してきて、後方のロボットに向けてロケット弾を発射した。シールダーたちは素早く振り向き、そのロケット弾も撃ち落とした。技術歩兵たちが運ちゃんたちを撃ち抜き、車は制御を失って走り去った。


イヴェットが放物線射撃を命じると、ロボットたちは矢には反応しなかった。歩兵が二体地面に倒れ込み、残りは身を隠した射手たちに照準を合わせた。ドワーフたち、ブレン、そしてフェブリモールが前に出て、盾で仲間たちを庇う。ベルトラムが煙幕を張った。あとは祈るしかない……


俺はテクノ歩兵に乗り移って走り出した。煙幕に期待して。だがすぐに舌打ちした――ヘルメットにはフィルターが付いていて、別のスペクトルで煙越しにも見えてしまう。


小さな弾丸が徐々に盾を削り、やがて金属の隙間を見つけて肉体に突き刺さった。フェブリモールの盾だけはまだ持ちこたえていたが、全員を守るには足りなかった。


ドワリン、イングヴィルド、ブレン、リアレフが死んだ。


「市民ステータス:-4。残存兵士13名」


「拠点で蘇生」


歩兵同士が戦っている間に、ロボットは破損した車両の弾薬に射撃を浴びせ、装甲兵員輸送車二台を爆破した。残り二台はタイヤをズタズタに引き裂かれ、その場で動けなくなった。


なんてクソみたいな混戦だ。俺にできることがほとんどない。頭の中で予想されるあらゆる選択肢を巡らせながら、俺は最寄りの戦車にたどり着き、シールダーたちに向けて小口径弾の連射を放った。無駄だ。あいつらの武器も盾を貫通しない。セフィーナの幽霊の矢も同じだ。視界の端で、彼女が絶望して壁の陰に身を縮めているのが見えた。何も影響を与えられずに。


ケルが近づいてきたのが見えた。きっと酸を使いたいんだろうが、シールドが邪魔をしている。彼女と一緒に、壁の反対側からアルドの妻クテアスが飛び出してきた。銀色に輝く盾を掲げ、彼女は前へと突進し、アルドがその後に続く。ロボットは彼らには反応せず、歩兵に任せた。静かなざわめきが一斉射撃へと変わったが、少女は命中を気にせず走り続けた。シールドは射撃を見事に防ぎ、装甲だけが少しずつ崩れ始めた。防御圏内に飛び込むと、アルドは刃の旋風となって回転し、歩兵たちを血みどろの肉塊に変えていった。シールダーが反応し、レーザーの一斉射撃を放った。クテアスの鎧が白熱し、狂ったように叫びながら、彼女は地面に倒れ、過熱した金属を引き剥がそうともがいた。


「市民ステータス:-1」


アルドは歩兵を片付け終えると、冷酷にシールダーを次々と斬り倒していった。その動きはまるで踊りのようだった――足払い、宙返り、スライディング、鋭い回転からの上段攻撃。不器用なメカニズムは彼に追いつけず、ついには赤毛のロボットまでもが、その五本指で生意気な奴を掴もうとした。


ケルは隙を突いて、シールドの下に飛び込んだ。シールドは大砲の連続射撃にもかかわらず、まだ持ちこたえていた。加わったロケット弾の一斉射撃でドローンの一機が火花を散らし始めたが、まだもう一機残っている。時間の問題だった。


ケルはメカニズムに飛び乗り、変異した腕からロボットの内部に酸を吐きかけると、尾を頭部に突き刺した。防御兵たちを片付けたアルドは赤毛に駆け寄り、鮮やかな剣の一撃で奴の頭も切り落とした。ただ、ロボットが動き続けているところを見ると、別の制御手段もあるらしい。


大きな破裂音が響いた――酸がさらに深く浸透したようだ。ロボットは膝をついて倒れ込み、最後にもう一度マシンガンを轟かせて砂に向けて弾幕を放った。ケルは骨格に飛び乗ると、跳躍して尾で最後のドローンを叩き落とした。


「終わったか?」ジョニーが不安げに訊いた。


「分からない。ポータルはまだ開いてる」


俺の言葉を裏付けるように、ポータルから三体の小型メカが飛び出してきた。3メートルほどの長い脚を持つ胴体に、短く低い横に引き伸ばされた機体。右腕の代わりに二連装の大口径マシンガンが二門、左腕の代わりには流線型の謎の突起物が装備されている。


「エンジェルズ・ウィングだ!」ジョニーが叫んだ。「撃て! 撃て!」


ロボットたちは走るというより地面を滑るように、驚異的なスピードで移動していた。三体のマシンすべてがその「切り株」から斉射し、エネルギービームで残りの装甲兵員輸送車を爆破した。ネメシスのものよりずっと速く、正確だった……


翼たちはテクガンのポータルに向かって走っていた。大きな音を立てて、マシンガンが設置された壁を撃ち抜き、巨大な凹みを作った。大砲の一斉射撃がメカの一機のシールドを撃ち抜き、速度を落とさせた。その場で急旋回したメカニズムは元の位置に戻り、壁に向かってエネルギー弾を発射した。その隙を突いて、ジェシーがグレネードランチャーから弾を放ち、装甲の薄すぎるメカの脚を吹き飛ばした。だが、それでも――レジナルド、ベルトラム、フロルガは死んだ。


「市民ステータス:-3。残存兵士9名」


「拠点で蘇生」


ポータルの前に見慣れた姿があって、俺は混乱した。畜生、エヴィナとクリスティーナ、それにアルビじゃないか……何だってんだ!俺は無料の加速を発動させて、少し近づくと自分のチャージも放った。ウィングの一体が爆発した。


エヴィナが前に走り出した。俺は恐怖を感じながら、残りのメカが機銃で彼女を狙っているのを見た。生きた壁。機械たちの前に、甲殻か外骨格か、そんな感じの4メートルの壁が出現した。壁にぶつかってゴンと音を立てたウィングたちは、慌てて回り込もうとした。その時、半透明のエヴィナのシルエットが壁をすり抜け、最も近いメカの脚を長剣で斬りつけた。予期せず部品を失った機体は慣性で前に飛び、胴体を砂に突っ込んだ。腕の向きが射撃を許さなかったので、エヴィナは二体目に向かい、同じトリックを繰り返した。動きを封じた後、彼女はウィングたちの武装を切り落とし、無力に転がるままにした。


「ふう、兄弟、お前の女の子たちはすげえな。でも油断するのは早いぜ、ウィングは単独では来ない」


「ああ」


ポータルからネメシスが二体出てきた。その後、楕円が急激に拡大し、10メートルの巨体を通した。鳥の脚のような巨大なメカで、腕の代わりに連装砲、肩に大砲、平たい胴体にはミサイルのバッテリーが二基。


「エンジェルか?」


「いや、タナトスだ。どっちにしてもろくなもんじゃない」


それに続いて、ポータルはさらに大きく広がった。長く引き伸ばされた、物悲しい唸り声が響いた。


「で、今度は――エンジェルだ」ジョニーは唾を飲み込んでから、俺にそう告げた。


◇◇◇


「現在の残存寿命――31+(83)。能力発動用ボーナス年数:24(5)(係数0.3)」

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