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第四十三章 視野を広げる

女の子たちを休ませ、俺は川で体を洗いながら、メッセージを読んでいた。


「新しい一日の始まり。基本料金(繋がり):支払方法選択――寿命1年/市民の命1名」


さようなら、アグネス。


「市民ステータス:-1(67)」


明日の連中は相当怒ってるだろうな……。まあ、この女のせいというより、弱小派閥に負けたことへの怒りの方が大きいんだろうけど。ジョニーが裏切らないことと、俺が戦力を強化するための何かを間に合わせられることを祈るしかない。


「基本料金が支払われました。現在の残存寿命――31+(67)」


「現在の派閥分布表:

1.アンジュヘル派閥。

2.デウスレギオ派閥。

3.エクスマッハ派閥。

4.キルハイヴ派閥。

5.シャドマー派閥。

6.フレムテック派閥。

7.テクガン派閥。

8.アルヴァー派閥」


おお、一位はコレクターか? 見た感じ、確かに強そうなタイプだ。でも、順位は力だけで決まるわけじゃないだろう。都市の数とか資源とか、他にも要素があるんだろうな。


よし、ボーナスは同じだ。


「市民2名が成人に達しました。職業選択が可能です」


まあ、子供はそんなに多くないし(俺の子じゃないけどな、へへ)、これはたぶん漁師のネコちゃんたちだろう。


「建設が完了しました」


「建設完了:支援兵舎。


利用可能建造物リスト更新中……完了。


新規基幹施設:薬草農場、ポーション工房。


新たな兵科モデル(ランク2):見習い治療師、見習い錬金術師。


新たな兵科モデル(ランク3):治療師、癒し手、錬金術師」


おっ、ヒーラーが来たか。味方が即死しない限り、少しは楽になるかもしれないな。


「試練に参加していた間の重要なメッセージを再表示しますか? はい/いいえ」


ああ、本当はもっと早くやるべきだったんだが。


エンジニアと新しい建物についての通知が表示されたが、それはもうクリスティーナが教えてくれていた。


「ステータス更新中……完了。


新たな配偶者が登録されました:キュー、フレムテック派閥。


フレムテック派閥の妻スロット使用状況:1/3。


フレムテック派閥とのシナジー+15%(15/100)。


「キュー、新たなランクなし兵科モデルが利用可能:(???)『軽量メカのパイロット』ラインでランク2を取得すると開放される」


ああ、そっちも上げなきゃいけないな。でも、たぶん後回しだ。ネメシダはどうせぶっ壊れてるし。


川で体を流してから、俺はタオル一枚で腰を隠しただけの格好で水から上がった。そこへ、水場から慌てて逃げてくるフロルガとばったり出くわした。


「覗いてたのか?」


「あ、い、いえ、その、完全にってわけじゃ」


狼娘はしどろもどろになって、視線を逸らした。


「なあ、悪い。呼び出しといて消えちまって。なんか格好つかなかったな」


「いいえ、分かってますから」フロルガは小声で呟いて、また逃げ出そうとした。


「じゃあこうしよう。明日俺たちが勝ったら、夜にやっとデートに行く。いいか?」


「はい!」少女は張り切って大きな声で答え、勢いよく頷きすぎて、尻尾を両手で掴むと笑顔で走り去った。


今度こそ何も起きないといいんだが。


俺は屋敷に戻って上階へ上がった。まず最初に、ちゃんと運転を学ぶべきだろう。


コンバーターに入り込んで、俺は選んだ。整備兵――運ちゃん。


「金貨50枚。全兵科モデルへの運転経験統合」


終わった時、俺は何の変化も感じなかったが、まあ、これは実際に試してみないと分からないんだろう。


もちろん、乗り物用のモデルもあったんだが、今のところ金は取っておくことにした。


屋敷内をぶらついて、運良くケルとラズを見つけた。みんなと一緒に居間にいる。どうやら朝食の準備が始まるらしい。


ジェシーとセフィーナが台所で楽しそうに笑い合っていた。まあ、派閥は違うけど、二人の距離は確かに縮まったんだろうな。キューは椅子に座って、うっとりとお腹を撫でていた。何も言わなくても、その仕草だけで全員に何が起きたか伝わってしまっている。この子供が自分のステータスを上げるためだけに欲しいわけじゃないことを祈るばかりだ。あまりにも必死だったからな。


「パパ、朝からずいぶん疲れた顔してるわね。大変な朝だった?」


「ああ、まあそんなところだ」


「ママもそういう朝が欲しいって」少女が続けた。


「何言ってるのよ!」ケルが慌てたが、ラズは偉そうに母親を手で制止した。


「健康にいいんだから問題ないでしょ。私がそういうのを奪われるんだから、せめてあなたの世話くらいさせて」


アンネリは母娘を物思わしげに見つめていたが、ようやく首を横に振ると尋ねた。


「すみません、何の話をしてるのか全然わからないんですけど」


ケルはため息をついた。


「ラズは最初から悪い結果を覚悟してたのよ。ドラコニドは恋愛事情が複雑なの」


「待てよ、卵はハイヴから支給されたって言ってなかったか?」


「ええ、でもだからこそ私に卵が回ってきたのよ。育てられる大人のドラコニドが見つからなかったから。もちろん、私が悪い親だってわけじゃないけど、やっぱり私じゃない方が価値があったのよね。ラズはすごく大きな可能性を持ってるんだけど、それには拠点も結婚も必要なの」


ケルが以前はあまり知らなかった用語を自由に使いこなしているのは頼もしい。他の連中も彼女を見習ってほしいもんだ。


「そういえば拠点のことだけど、今から軽く食べて出発しよう」


ラズの目が輝き、嬉しそうに尋ねてきた。


「本当!? やっぱりキルハイヴの集落ができるの?」


「もちろんだ」


女の子たちがキッチンから出来上がったおつまみを持って戻ってきた。


朝食を済ませ、俺はセンターに駆け込んで二つの「ロートク」を回収した。そこには暇そうにしている猫耳娘が二人いた。彼女たちを端末のところまで連れて行き、職業を見ていった。二人とも違う工房に才能があるようだった。どうやらやっぱり全部建てて、どんなものか見てみる価値がありそうだ。射手と防具を選び、女の子たちを訓練に送り出してから、バギーに乗り込んで以前よりずっと自信を持って屋敷まで乗りつけた――とはいえ、そのためには騎士を起動する必要があった。それなしだと壁に激突しかけたからな。やっぱりモデルとの連携は必ずしも便利とは限らない。


ケルとラズが乗り込むと、俺はテクガンの拠点とは反対方向を選んで勢いよく走り出した。浅瀬で川を渡り、平原を走り抜けてから速度を落とし、ケルにどこがいいか尋ねた。


「最初のうち労働者の確保を楽にしたいなら、森の近くね。それ以外は、もう言ったけど、大した違いはないわ」


「で、森の中に労働者なんているのか?」


「あそこには生き物がたくさんいるのよ」少女は謎めいた笑みを浮かべて顔を背けた。


まあいいか。俺は遠くに見える森に向かって車を走らせた。でこぼこ道で車体が跳ねるたびに、ラズが嬉しそうに声を上げる。そうだよな、これが初めてなんだもんな。


数分後、森の手前に到着して俺たちは車を降りた。辺りを見回すと、まあ悪くない場所だ。近くにはテクガンの拠点の近くにあったのと似たような小さな湖もある。


岩場はないが、ケルを信じよう。どうせあとで改築できるだろう。バギーを少し離れたところに停めてから戻り、場所を選んだ。


杖を地面に突き刺し、回転させてからキルハイヴのチップを埋め込んだ指で触れた。


「スキャン:キルハイヴ派閥。プラットフォーム準備中」


木々が倒れ始め、大地が変化していく。やがて俺たちの足元に、黒い粘液と渦巻く胞子の霧に覆われた巨大な円形の地面が出来上がった。


「拠点建設を開始しますか? はい/いいえ」


ああ。


「基本建造物リストをロード中。


新規建造物:基本ハイヴ、死すべき者の私室、ムタゲン反応炉、幼虫培養器、居住ロイ。


新規兵科モデル:インセクトイド、ドラコニド。


新規突然変異能力:超アドレナリン腺、ケラチン改造、心臓増幅器。


キルハイヴ派閥とのシナジー+20%(60/100)。


警告! 他のロートクシステムを検知。倉庫を統合中……完了。


テレポートのシジルを手に入れろ」


まったく、明らかに何か新しいものだな。見た目には建物が少ないし、それに変異まである。その代わり、見たところ建設は速いし、ハイヴと俺の家だけじゃなく、リアクターとインキュベーターまで無料だ。


俺は円の中心にハイヴの場所を選んだ。何か生物学的な変態でも見られるかと思ったが、違った。ただ地面の下から這い出してきた「ナノロボット」が、大きな紡錘形の骨組みを作り上げただけだ。俺は先に進んで私室を注文しようとして、滑りやすい表面で転びそうになった。振り返ると、ケルが満足そうにこの土地のぬめりの上を何の不便もなく歩いていて、ラズはただぬめりの上を走り回って滑りながら、環境の変化を楽しんでいた。


慎重に歩きながら、俺は端まで辿り着き、やっとのことで押しボタンパネルを見つけて、支柱を呼び出して私室を注文した。ちなみに、この土地のディスプレイは膨れ上がった肉の塊を甲羅で覆ったようなものだったが、嬉しいことに、俺が操作を始めると普通のものに変わった。


それからリアクターとインキュベーター。すぐ隣に設置した。建物は小さくて、小屋より大きくない。骨組み一つだけじゃ、何を表しているのか判断しづらい。でも、注文した建物が全部15分で完成するってのは嬉しいことだ。


俺はとりあえず娘たちのところに戻って、ケルに尋ねた。


「で、結局ドラコニドの特性って何なんだ?何がそんなに複雑なんだ?」


「単純に、生まれた時から人生の伴侶が決まってるんだ。成人したら探し始めることができる。問題は、その相手がどの派閥の人間かわからないってことと、その相手とじゃなきゃ子孫を残せないし、ラズの能力も強化できないってことだな」


ああ、なんてこった。こんな運命を背負わされたいとは思わないな。まあ、ある意味では安定してるとも言えるか。人生のパートナーに困らないって分かってるんだから。ただ、一生見つからない可能性もあるけど、それは副作用みたいなもんだ。


「まあ、俺は死すべき者だし、ポータルを巡って探し回ってみるのもいいかもな。もしかしたら愛しの人が見つかるかもしれないし」


自分のことで忙しいふりをしていたラズが、俺のところへひょいと跳びついて抱きついてきた。


「ありがとう、パパ! 手伝ってくれるって言ってくれたことだけじゃなくて、全部。今日は私の人生で一番楽しい日だと思う」


ケルが微笑んで俺たちのところへ近づいてきて、三人で抱き合った。まるでピクニックに出かけた家族みたいだ。いや、実際そうなんじゃないか?


「ラズ、他の女の子たちとはうまくやれてるのか?」


「うん、まあまあね。悪くない感じで接してくれてると思う」少女は再び無関心な口調で言ったが、時折こぼれるあの意地悪そうな笑み……キルハイヴはシャドマー派閥を嫌ってるけど、実際のところ、共通点はあるんだ。ただ、影遣いは超常の能力で自分の身を隠し、キルハイヴは恐ろしい戦闘性や無関心という仮面で本当の自分を隠してるってだけで。


「じゃあ他の姉妹や兄とはどうだ? うまくやれてるか?」


ラズはニヤリと笑って答えた。


「パパだって、あの子たちとうまくやれてないじゃん」


まったくその通りだ。俺は反省している。


だが彼女は続けて、少し俺をフォローしてくれた。


「まあ気にしないでよ、まだ小さいんだから。大きくなったら分かってくれるって」


ああ、そしてその頃には、もう俺のことを親だと思ってくれないだろうな。


「どうだろうな。お前とは本当に会う機会が少なかったけど、俺のこと、どう思ってる?」


あまり良い質問じゃなかった、分かってる。そんな風に首を傾げて俺を見るなよ。


「父親として。尊敬してるし、大切に思ってる。学びたいとも思ってる。それに……愛してる」


なんでわざわざ最後の言葉を強調したんだ?


「お父さんがいい加減でも」


ラズがくすくす笑った。


「そうだよ、パパ、たまにすごくおバカさんだもん。でもね、子供は理由なんかなくても、傷つけない親を愛するものなの。それに、お父さんが姿を見せなくても、ずっと感じてた。お父さんはいつも一緒にいてくれたって思ってる。それに、私たちママと妹のために拠点を作ろうって決めてくれたこと、すごく感謝してるんだから」


ラズが近づいてきて続けた。


「だからもう家族のことで悩むのはやめて、明日の夜にはみんなで集まって妹たちの成人を祝えるようにしてよね!」


俺は微笑むしかなかった。


その間に建物が建ち上がった。俺は全部が完成するまで待った。


「建設完了」


「建設済み――基本ハイヴ、死すべき者の私室、ムタゲン反応炉、幼虫培養器。


利用可能建造物リスト更新中――完了。


新規基本建造物――キチン質の壁、訓練所、労働ハイヴ、インセクトイド孵化槽、クリスタリット抽出機、木材変換炉、バイオマス変換炉、胞子農場、ハイヴの守護者。


訓練所1棟を検知――モデルリスト更新中。キルハイヴ、テクガン、アルヴァーのランクアップが全訓練所で利用可能。


新規変異オプション2――酸性腺、骨強化因子、蛋白質触媒」


炉は何とも言えない「呼吸する」構造物で、どことなくホコリタケに似ていた。表面の小さな穴から、時折緑色の雲がぷしゅっと噴き出している。


孵化装置は大きな卵の塊のようで、木製の骨組みの中に収まっていた。卵の一部はすでに割れていて、中から小さな幼虫が飛び出し、猛スピードで森のどこかへと逃げ去っていった。


とりあえず今起きていることを考えるのは後回しにして、俺は居住区へと向かった。そこは巨大な昆虫の甲殻で作られたような、大きくて歪んだ建物だった。


膜のような扉がぐちゅっという音を立てて開き、俺たちは中に入った。内装は思っていたほど奇妙じゃなかった。家具が床から直接生えているものの、見た目はかなり普通だ。テーブル、椅子、何やらふわふわしたもので覆われたソファのようなもの。苔だといいんだが、この毛のようなものがなんだか妙に動いているんだよな。


女の子たちを地元の珍しいものでキャッキャ言わせておいて、俺は膜状の出口を見つけ、慎重に下へと降りていった。階段も「地下室」全体も粘液で覆われていたからだ。


物の配置は見慣れたものだった。テレポートと心臓を置く場所。シジルを転送装置の中に入れ、床の紋章へと近づいた。


「死すべき者の生命管理:『死すべき者の心臓』を設置しますか? はい/いいえ」


はい。


「死すべき者の生命管理:『死すべき者の心臓』を設置しました」


「繋がりを起動しますか? はい/いいえ」


はい。


「注意! アクティブな繋がりが既に存在します。クリスタリット500を支払い、繋がりレベル3へアップグレードしますか?」


はい。


「繋がりレベル3へアップグレード中」


「繋がりレベル3のボーナス:


現時点での追加寿命年数:67年(係数0.3、ボーナスポイントへの再配分)。派閥能力起動用ボーナス年数――20年。


市民強化×4」


発動、アルヴァー派閥:


-力のエンチャント(1日1回無料使用)→(1日2回無料使用);


-上級力のエンチャント――寿命5年→寿命4年;


新規!-範囲上級力のエンチャント――寿命10年;


-加速のエンチャント――(1日1回無料使用)→(1日2回無料使用);


-上級加速のエンチャント――寿命5年→寿命4年;


-元素魔法――寿命20年→寿命15年;


新規!-幻影魔法――寿命20年。


全体的なアクティベーション:


治癒――寿命3年→寿命2年。


アクティベーション、テクガン派閥:


―バギーの呼び出し(1日1回無料使用)→(1日2回無料使用);


―装甲兵員輸送車の呼び出し――寿命5年→寿命4年;


新登場!―戦車の呼び出し――寿命15年;


―支援物資の投下(弾薬、医療品、装備)(1日1回無料使用)→(1日2回無料使用);


―地域のクラスター地雷敷設――寿命5年→寿命4年;


-砲撃――寿命20年→寿命15年。


新機能!-絨毯爆撃――寿命30年。


発動、キルハイヴ派閥――


-一時変異:鉤爪(1日2回まで無償使用可能)。


-一時変異:胞子腺(毒)――寿命4年。


-巣の守護者召喚――寿命4年。


-一時変異:酸性腺(腐食)――寿命10年。


-生ける壁の生成――(1日2回まで無償使用可能)。


-胞子による地域汚染。寿命-15年


-女王の護衛召喚。寿命-25年


利用可能な強化:


繋がりレベル4――クリスタリット750+稼働中の心臓4個。


アルヴァー派閥固有の強化:


1.アルヴァーの自己犠牲――習得済み。


2.強制イニシエーション――習得済み。


3.部隊へのパッシブ・エンチャント(魔術師ギルドが必要)。


4.ロック中、建物が不足しています。


テクガンのユニークアップグレード:


1.アップグレードはまだ発見されていません。


2.強制イニシエーション――シナジー100が必要。


3.ロック中、建物が不足しています。


4.ロック中、建物が不足しています。


キルハイヴのユニークアップグレード:


1.アップグレードはまだ発見されていません。


2.強制イニシエーション――シナジー100が必要。


3.ロック中、建物が不足しています。


4.ロック中、建物が不足しています」


いやはや、これはなかなかいいじゃないか。ただ残念なのは、もう一つ通信のアップグレードには足りないってことだ。ちょっと料金の計算を間違えたな、へへ。


だがそれでも、フレムテックの拠点を探す価値はある。どのみちバギーをポータルに突っ込むわけにはいかないんだからな。


◇◇◇


「現在の残存寿命――31+(67)。能力発動用ボーナス年数:20(20)(係数0.3)」

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