第四十二章 かくして彼は、三つの美に囲まれた
ベッドに辿り着いた俺は、心地よく横になって眠りについた。枕に頭が触れる前に意識が落ちたんじゃないかと思う。
久しぶりに夢を見た。最初は荒野の悪夢や、おぞましい動く死体どもの姿が生々しく浮かんできて、何度か目が覚めた。だがその後、心地よい夢を見るようになった。でも、九日目に寝坊なんて許されないと思い出して、渋々と目を覚まし始めた。それでも心地よい感覚は消えなかった。
薄目を開けると、ジェシーとセフィーナが微笑みながら、俺のすぐそばに寄り添っていた。
「おはよう、愛しい人」二人は少し恥ずかしそうにそう言った。
「ああ、おはよう。なかなかいい目覚めだ」
俺は二人を抱き寄せ、しばらく静かにその温もりを楽しんだ。視線を部屋の隅に向けると、椅子に座ったキューが目を丸くしてこちらを見つめていた。
「えーっと、彼女は何でここにいるんだ?」
ジェシーはニヤリと笑って答えた。
「彼女ったら、あなたの遺伝子コードがどうとか、ずっとブツブツ言ってたんだけど、妻の役割をやってみない?って提案したら、断固拒否してきたのよ。下品だって。だから、セフィーナと私で楽しみと実益を兼ねることにしたの。彼女のためにサンプルを採取しつつ、私たち二人の仲も深めようってね」
フレムテックの女は目を見開いて俺をじっと見つめていたが、俺が見ているのに気づくと、顔を背けて薄く頬を染めた。
「もう、ニコ。始めていい?」セフィーナが小声で尋ねた。
「ああ、もちろんだ。みんなで今日を楽しもう」
俺は妻たちを順番に抱き寄せ、キスを交わした。ジェシーは俺の首に腕を回し、セフィーナは俺の胸に頬を寄せてくる。二人の温もりと甘い香りに包まれながら、俺はしばらくそのままでいた。
やがて、俺は二人の手を取ってベッドへと誘った。セフィーナは喉を鳴らし、ジェシーは悪戯っぽく微笑んだ。
「ニコ、今日は本当に長い一日になりそうね」
「ああ、そうだな。でも、その前に――」
俺は部屋の隅で固まっているキューに視線を向けた。
「おい、そこに座って見てるだけか?」
「わ、私は別に……」キューは慌てて立ち上がろうとしたが、セフィーナとジェシーが両側から彼女の腕を掴んだ。
「いいから、こっちに来なさいよ。一人だけ蚊帳の外なんてつまらないでしょ」ジェシーが囁いた。
「でも、下品だって言ったじゃない……」
「あら、それは最初だけよ」セフィーナがクスクス笑った。「うちの旦那様は、そういうのを丁寧に教えてくれるから」
キューは抵抗をやめ、頬を赤らめながらベッドへと招き入れられた。
……
やがて、俺は三人の妻たちに囲まれて、汗だくになりながらベッドに横たわっていた。ジェシーは俺の左腕に、セフィーナは右腕に、キューは俺の胸に、それぞれの頭を預けている。みんな満足そうな表情で、静かな寝息を立てていた。
「ありがとう、ニコ」キューが小さく囁いた。「こんなの、初めてだった」
「俺もだよ、みんな。こんなに恵まれた朝は初めてだ」
「またこういうの、やりましょうね、にゃ」とセフィーナが甘えるように言った。
「ああ、そのためにはまず、今日を生き延びないとな」
そう言って俺は、三人の髪を順番に撫でた。窓の外では、二つの太陽が昇り始めていた。
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