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第三十七章 長すぎる一時間

俺は辺りを見回し始めた。広場の真ん中で突っ立って、他の参加者がここに集まってくるのを待つわけにもいかない。もちろん、連中が遠すぎる場所にいて一時間以内に俺のところまで辿り着けない可能性もゼロじゃないが、そんな甘い考えは持たない方がいい。


「なあ兄弟、お前はスナイパーライフル持ってあの高層ビルに登ってくれ。俺はいざとなったら囮になる」


ジョニーが高層ビルの方を指差した。そのビルは、ほとんどのフロアで窓ガラスが失われていた。


広場へのアプローチは三方向もある。そうでなければ地雷を仕掛けるんだが……まあ、残った連中が乗り物を使ってるかどうかも分からないし、ボーナスの5年を無駄に消費するだけかもしれない。


テクガンの男に頷いて、俺は建物への入口を探した。ひび割れた敷居を越えてエントランスホールに入ると、埃まみれの待合用ソファと受付カウンターがあった。これだけ多くの違いがあるのに、地球世界とこんなにディテールが似通っているのはどういうわけだろう。


ポストアポカリプスの観察に気を取られるのはやめようと決めて、俺は上階へ続く階段を見つけ、床の穴を注意深く避け、建築廃材の山を乗り越えながら5階まで素早く上がった。


廃墟となったオフィスフロアを駆け回り、位置を確認してから、ようやく目的の窓際へ出た。ジョニーに向かって手を振ってから、俺は使いやすそうな場所を選んで腹ばいになり、スナイパーライフルを両手でしっかり握った。


今のところ静かだ。村の方はどうなってるんだろう? 丸一日が無駄になるわけだが、ジョニーがうまく交渉してくれることを祈るしかない。そうじゃなきゃ……今回は誰かを置いていくことになるな。


まだ一週間しか経ってないのに、もうずっとここにいたような気がする。それに、こんなところで武器を抱えて転がってるより、家族と一緒に暖炉の前で静かに座っていたい。窓の外には涼しい夜が広がってる。暖かくて、居心地がいい。


下から口笛が聞こえて、俺は素早く周囲を見渡した。遠く、超高層ビルの真正面、俺たちが来たのと同じ道を、シルエットが動いている。まあ、戦車とか得体の知れない歩行兵器じゃないみたいだから、少しは安心した。俺はスコープに目を寄せた。


体格から見て男だな。大柄で、身長は2メートル近い。黒いマント、膝にプロテクターがついた黒いパンツを着ている。顔は布製のマスクで隠されていて、ただ、ええと、目が赤く光ってる?


たった一つの違いだけで、もうこいつは簡単じゃないってことがわかる。俺は頭に狙いを定めて、息を吐きながら静かに引き金を引いた。静かな発射音――見知らぬ男の頭が後ろに弾かれた。そして元の位置に戻った。


男は立ち止まり、背中からロータリー機関銃を取り出した。なるほど、あんな広い背中があれば便利だよな! たくさんのサプライズを隠せる。武器を手に取ると、敵は引き金を引いて超高層ビルを派手に撃ちまくり始めた。しかも全フロアを手当たり次第にだ。どうやら俺にはまだ気づいてないみたいだが、それでも俺は流れ弾を食らわないように遠くへ這って移動した。


男は撃ちながら近づいてきて、もうすぐポータルに辿り着くところだった。突然爆発音が響いた――ジョニーの手榴弾だろう――そしてそれと同時に機関銃の射撃音が止んだ。


広場は舞い上がった砂埃に覆われ、敵の姿を見失った。だが砂埃は徐々に落ち着き始め、やがて再び赤い光が目に入った。今度はもっと慎重に狙いを定め、明るく光る目を標的に選んだ。カチッ。赤い光が消えた。時間を無駄にせず、もう一発撃ち、二つ目の目にも命中させた。


機関銃の無秩序な射撃が始まり、弾丸は文字通り行く手を阻むもの全てを粉砕していった。もう敵は何か具体的な標的を選んでいるわけじゃなかった。砂埃はすっかり収まったので、見知らぬ男の姿をはっきりと確認できた。爆発でかなり損傷した服を着ている。だが服だけじゃない。肌もひどく傷ついていて、敵の本質が露わになっていた。金属の腕、脚、頭、そして胴体も、恐らく。まさか全身そうなんじゃないだろうな!精巧な金属パーツに、腕と胴体には赤いLEDが光っている。


機関銃がカラカラと乾いた音を立て、弾切れになった。サイボーグは役立たずの武器を投げ捨て、腰のポーチから三つの球体を取り出した。何かのスイッチを押してから、球体を空中に放り投げた。赤いランプが点灯する。俺は一番近い球体に向けて撃ったが、ランプには当たらず、金属の表面を掠めただけだった。正体不明の装置から、ギザギザのついた長い触手が這い出てきて、その未来的な幾何学図形が猛スピードで俺の方へ飛んできた。


俺は何発か撃ったが、こんなスピードじゃ無駄だった。急いで横に転がると、触手が床に突き刺さり、コンクリートの床に穴を開けた。球体が武器を引き抜くのにもたついた瞬間、俺は更に数発撃ち込んだ。どうやらこのクソ野郎、装甲持ちらしい。ナイフを取り出して飛びかかり、球体を斬りつけたが、やつは身をひねって触手を一本切り落とすだけで済んだ。これ以上俺を攻撃しないと決めたのか、丸っこいやつは距離を取った。そこで新しい音が聞こえてきた。サイボーグが超高層ビルに辿り着き、空っぽの眼窩で上を見上げながら、何度も何度も手をコンクリートに突き刺して登り始めた。今になって気づいたが、やつの背中には鞘がいくつも付いている。どうやら俺を斬り刻むつもりらしい。反対側からは激しい自動小銃の発砲音が響いていた。ジョニーが攻撃的な球体二体を相手に必死で応戦しているようだ。


俺は弓を取り、リバーサイト・アローを取り出した。狙いを定めてサイボーグの頭を撃ったが、やつは俺の動きを見たらしく、最後の瞬間に金属の頭蓋骨を少しずらした。矢は外れて鋭角に旋回し、敵の腕を貫いて俺の元に戻ってきた。そこは装甲がないか薄かったらしく、矢はかなりの穴を開け、真っ白な骨を露出させた。黒い液体が流れ出した。サイボーグは損傷した腕を確認し、首を振ると、下に飛び降りて超高層ビルの入口へ向かった。


奴がどれだけタフなのか分からない以上、一発の矢で仕留められると期待するのは愚かだ。さっき俺が傷つけた、空中で静止している球体に弓で矢を放ち、破壊した。それから矢が戻ってくるのを待ち、スナイパーライフルを手に取ると、別の下り道を探し始めた。


触手が開けた穴から慎重に4階へ飛び降りると、周囲のオフィスを手早く調べ上げ、別の穴を見つけてそこから飛び降りた。それから3階へ――だが、ここはよりにもよって無傷だった。サイボーグはあの馬鹿力でもっと上まで登ったはずだと考え、俺は階段にたどり着いた。周囲を見渡してから下へ走り出したが、数段駆け下りたところで、目の前に見覚えのある球体が浮かんでいた。咄嗟に身を屈めて触手の一撃をかわし、反撃でナイフを振るったが外れ、バランスを崩して階段を転がり落ちた。


床に叩きつけられると、横へ転がって床が砕ける音を聞いた。よし! 俺はナイフで間抜けな球体を斬りつけ、今度は一撃で仕留めた。だが、上から響く素早い金属音から察するに、持ち主が突進してくるらしい。


俺は階段を数段飛ばしで駆け下り、サイボーグより一フロア先行したところで手榴弾を投げ、さらに走り続けた。


爆発で階段が崩れ始めたため、俺は無料の加速エンチャントを発動させ、全速力でビルから飛び出した。数秒後、サイボーグが片手で剣を振り回しながら追ってきた――もう片方の腕はやはり吹き飛んだらしい。


最後の球体がここへ飛んできて、その後ろからジョニーが駆けつけ、サイボーグに次々と弾丸を叩き込んでいた。


鋭い風圧――サイボーグが十メートル以上吹っ飛び、壁に派手に激突した。


敵がいた場所に、新たな客が現れていた。


華奢な体つき、身長は2メートル近い。全身が金属に覆われている。ただ、胴体と四肢の接合部の装甲の継ぎ目がやけに細いところを見ると、これは相当痩せた人間か、それとも……そもそも人間じゃないかのどちらかだ。


細い胴体は肋骨状のプレートで覆われ、細い脚には膝当てとして機能する鋭い突起が付いている。痩せた腕に細い指。背中の腰のあたりには、二本の長い剣。肩越しには翼か、あるいは単なる装甲パネルのようなものが見えるが、一番近いのは飛行中に開いた甲虫の翅と上翅といったところか。


細く尖った兜、あるいは頭蓋骨は、平坦な顔面に両脇に配置された眼窩があり、青白い光を放っている。


見知らぬ奴は俺とジョニーには一切目もくれず、起き上がろうとしているサイボーグの方へ向かった。音が響いた。遠く聞こえるのは――へっ――ダイヤルアップ接続か? 懐かしいモデムのあのギーギー音だ。どうやらキルハイヴの連中のクリック音と違って、この言語は俺のシステムでも翻訳が楽なようだ。


「対象解析。笑いをこらえる懸命な試み。致命的エラー、実行失敗。ハハハハハ」


「てめえ野郎、リーパー、何しに来やがった? 俺はただ石ころが欲しいだけなんだよ」サイボーグが低い声で答えた。おお、喋れるのか、こいつ。


再びあのギーギー音。


「弁解の解析。却下。反論仮説の生成。情報収集。ステータス確認。完了!仮説:錆びつくなよ、肉とボルトの缶詰め野郎。どうせズボンの中を排泄物でいっぱいにしたんだろう」


「ビッチが、ってことは諦めねえのか?」サイボーグは憎悪を込めて答えると、剣を取り出し、残っていた球体を自分のもとへ呼び寄せた。


「回答を解析。補足情報を生成。完了! お前が死ぬまで諦めない」


翼のある奴の両腕が変形し始め、一体化した刃へと変わった。急激に前へ飛び出すと、刈り手――俺の理解が正しければそう呼ぶんだろう――は腕を振り下ろしたが、サイボーグはなんとか回避し、自分の剣の刃先で軌道を逸らした。


「なあ兄弟、一体何が起こってんだ?」ジョニーが頭を掻きながら俺のそばに歩み寄ってきた。


そういや、こいつには誰も通訳してやってなかったな。手短に会話の要旨を伝えてやった。


「ふむ、要するに、こいつら仲が悪いってことか。まあそれは好都合だが、新入りが赤目野郎を片付けた後はどうする? 俺たちまで始末しようとしないって保証はあるのか?」


「そこが難しいとこなんだよな。実際、もうやろうと思えばできたはずだ、俺たち攻撃の間合いにいたんだから。だが、早まって挑発する気にもなれねえ。装甲兵員輸送車を呼ぶことはできるが、保証なんてない、こんな相手と戦ったことねえんだからよ」


その間に、対峙する二人は駆け引きなしの近接戦闘で激突していた。鋭い踏み込みの連続だ。正直、サイボーグは片腕でもよく立ち回っている。まあ、球体がサポートしてるってのもあるが、相手は巨大な刃を振り回してるんだからな。


どうやらリーパーは飽きてきたらしく、「翼」を動かして急激に跳躍した。リアクターエンジンの轟音が響き、肩から数秒間炎が噴き出し、その後リーパーは猛スピードで降下し、両剣をサイボーグに向けた。サイボーグは最後の瞬間に飛びのこうとしたが、敵は軌道を修正して正確に一撃を加えた。サイボーグの剣は衝撃で砕け散り、リーパーの刃はさらに進み、敵の体を三つに切り裂いた。サイボーグの胴体は火花を散らし、痙攣して力なく地面に落ちた。


リーパーは倒れた敵の服で刃を拭い、それから腕を通常のものに戻し、背中の翼を畳んだ。


俺とジョニーは身構えた。だが見知らぬ奴は、ガチャガチャと音を立てながら俺たちの横を通り過ぎ、軋むような声で言った。


「脅威分析。昆虫。要請生成。完了。次回ハ更ニ強クナレ」


リーパーはゆっくりと道を歩いて行ったが、興味をそそられた俺は叫んだ。「ありがとう!」


ジョニーが俺の脇腹を小突いた。


「おい兄弟、何やってんだよ、機嫌損ねたらどうすんだ」


リーパーが立ち止まった。ゆっくりと頭を振り向けると、ひどく歪んだ機械音声でこう言った。


「どういたしまして」


その後、広場の端まで歩き続け、中央のターミナルに向き直って立ち止まった。


「なあ、あいつ今度は何であそこに突っ立って見てんだ?」とテクガンの男が俺に囁いた。


「知るかよ! なあ、でもあのガキ、石材持ってたかもしれねえぞ。お前、死体漁りはどうだ?」


「俺の死体じゃなきゃ、大賛成だ」


刈り手を盗み見しながら、俺たちはサイボーグの残骸に近づいた。念入りに探した結果、ベルトのポケットから灰色の石を引っ張り出した。


「神の石材――コミュニケーション」


なんか地味な名前だが、ないよりはマシか。


ポータルに戻った。残り時間は15分だ。


俺は自分の場所に戻って、再びライフルを抱えて横になった。ジョニーに大丈夫だと手を振ってから、遠くを見つめる。すると突然、横から聞き慣れない声が聞こえて、俺の中が冷え切った。


「ふむ、誰を見張ってるんだ?」


◇◇◇


「感じるって? 自分で分からないなら説明するのは難しいと思うけど。でも試してみるわ」ラズは眉をひそめて、胸の前で腕を組んだまま歩き回った。「ああ、そうだ。二人とも、こっちに来て。隣に並んで」


アルビとクリスティーナは顔を見合わせ、肩をすくめてから姉の両脇に並んだ。


「行きましょう」


ゆっくりと歩きながら、少女たちは拠点の中を移動した。


「さあ、目を閉じて」ラズが指示を出した。


娘たちは素直に従い、おとなしく先へ進んだ。


「ほら、あなたたちには私が見えないけど、ここにいるってわかるでしょう?」リカが尋ねた。従順な姉妹たちを興味深そうに眺めながら。


「ええ、もちろん」


「はい、もう目を開けていいわよ!」ラズが叫び、十歩ほど先を行く困惑した猫娘たちに向かって手を振った。「つまりね、こんな感じ。見えないけど、近くにいるかどうかはわかるの。ママも同じ。ママが言うには、この能力はもっと強くなれるんだって。でも、それにはここじゃなくて、私たちの故郷の村が必要なの」


クリスティーナが眉をひそめて、それから尋ねた。


「キルハイヴ?」


ラズが嬉しそうにその場で飛び跳ねた。


「そう、あなた本当によく知ってるのね! すごく頭がいいわ」


照れたクリスティーナは慌てて尻尾を掴んで、無事かどうか確かめた。


「考えてみれば、キルハイヴの拠点を発注することもできたよね、アルビ?」


白い子猫は否定するように頭を振った。


「お姉ちゃん、少し熱意を抑えた方がいいと思う。パパはまだ二つ目の村も整備してないのに、もう三つ目を作ろうとしてるじゃん。この村に集中しようよ!」


しょんぼりしたクリスティーナは耳を頭に押し付けて、少し考えてから頷いた。


「わかった、にゃ」


不意にフロルガが少女たちに近づいてきた。狼娘は微笑んでラズの頭を撫でた。


「もう子供じゃないもん!」リカは鼻を鳴らしたが、手を払いのけようとはしなかった。


フロルガはクスクス笑って言った。


「ええ、そうそう。やあ、みんな! あのね、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」


その言葉の後、狼娘は顔を真っ赤に染めて慌てて頭を横に向けた――どうやら恥ずかしさを半減させようとしたらしい。


「ええ、もちろん、聞いてるわよ」クリスティーナが彼女を励ました。


「あの、ニコはどこに行ったのかしら? その、彼と、えっと、昨日会う約束をしてたんだけど」


ラズが目を輝かせた。


「ねえ、フロルガおばさん、パパの新しい女の人になるの?」


狼娘は息を呑んで、自分のふさふさした尻尾で身を隠そうとした。耳がピクピクと絶え間なく震えている。


「まあまあ、リカちゃん。そんな恥ずかしいこと言うなんて」フロルガが小声で答えた。


「知らないけど、あなたは可愛らしく見えるし、パパは強い男で、そういう女性に弱いのよ」ラズが平然とした口調で言った。すでにクリスティーナまで顔を赤らめているのにも気づかずに。


フロルガは尻尾の陰から顔を覗かせ、慎重に尋ねた。


「つまり、私は彼の好みなの?」


ラズは自分の角の一本を考え深げに触り、それから放心したように言った。


「うーん、たぶんね。私、彼とあまり話してなかったし、今はもっと分からない。だって完全に消えちゃったんだもの」


フロルガはその場で固まった。耳がぴくんと立った。


「消えたって、どういうこと?」


◇◇◇


「現在の残存寿命――15+(68)。能力発動用ボーナス年数:13(8)(係数1.2)。


アルヴァー派閥とのシナジー(100/100)。


テクガン派閥とのシナジー(60/100)。


キルハイヴ派閥とのシナジー(40/100)。


フレムテック派閥とのシナジー(15/100)。


死すべき者の現在の兵科モデル:ヘビータクティカルナイト(回復中)、スナイパーアーチャー。


現在の建設:リバーサイト鉱山。


軍隊:


ランク2:15体。シールダー、ロングボウ射手×3、戦士×4、闘士×3、スナイパー、セフィーナ、ジェシー、ケル。


ランク1:3体。闘士×3。


ランク0:4体。闘士×4。


訓練中:3。


待機中:0」

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