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第二十三章 襲撃の日が終わりに近づく

まずい。早急に何か手を打たないと。だから俺はケルに急いで説明した。


「今回は正々堂々なんて言ってる場合じゃない。俺が先に行くから、お前は攻撃のタイミングを見計らってくれ。全体を見張って、隙があれば仕留められるかもしれない」


「待って、ニコ!」少女が俺の腕を掴んで止めようとしたが、俺は振り払った。


「文句言うな。この戦いじゃお前の武器の方が俺のよりずっと役に立つんだ。だからもうちょっとだけ体力を温存しておいてくれ」


飛んでくるドローンに少し近づくように、ポータルに一番近い壊れた装甲兵員輸送車に隠れながら移動し、自動小銃で二連射して機体を粉々にした。すぐに隠れる場所を変える。ロボットがビクッと反応し、機関銃を甲高い音で回転させながら、さっきまで俺がいた場所に弾幕を張った。聞き慣れた金属音と眩しい閃光――装甲車の残骸が爆発し、俺を横に吹っ飛ばした。ただの自動小銃兵一人に全火力で来やがって……


遮蔽物を失った俺は、転倒の痛みに耐えながら立ち上がり、自動小銃を捨てて両手を高く上げた。ここでもこのジェスチャーが通じることを祈って。再び機関銃の甲高い音――俺の防護服が穴だらけになっていき、大量の弾丸が命中した衝撃で俺は吹き飛ばされた。


「おいおい、待てよアグネス、ネメシスを止めろ。何で降伏しようとしてる野蛮人一人に百発も弾を無駄遣いしてんだよ?」見知らぬ男の声が聞こえた。


四人が俺に近づいてきた。赤毛の男がしゃがみ込んで、俺をじっくりと観察し始めた。体からじわじわと血が流れ出て、この辺りの荒涼とした大地を赤く染めていく。片腕はもぎ取られちまったし、他にも傷だらけだ。だが、まだ生きてるってことは、もうしばらく苦しまなきゃならないってことだ。


もう痛みを感じる神経すら残ってないんじゃないかと思う。いや、もしかしたら全部が一つの巨大な痛みの塊に融合しちまったのかもしれない。でも、まだ見ることも聞くこともできる。それに、盾の破片とそこに隠した拳銃は、まだ無事な方の手の中にあった。


「ん、こいつアルヴァーだよな?」赤毛が尋ねた。


「っぽいね」剣を持った女が軽いノリで言い放ち、辺りを見回した。


「私のデータによれば、そうです」ヘッドセットをつけた女が落ち着いた声で報告した。


「そうかよ。じゃあ、そんなに頭がいいなら教えてくれよ。なんでこいつの手に自動小銃があったんだ?」赤毛が皮肉っぽく他の連中を振り返って尋ねた。


「うーん、そのデータはありません」ヘッドセットの女が眉をひそめながら、相変わらず落ち着いた口調で答えた。


「おい、相棒。さあ、吐いちまいなよ」剣を持った女がにやりと笑い、切っ先で俺を突いた。また一つ傷が増える。「お前が最後か? ロートクはどこだ?」


「最後の一匹じゃない。ネメシスのシールドが酸性の塊の着弾を検知した。誘導システムは攻撃後に新たな個体を検出していない。ここには他にも誰かいる。言え、アルヴァー、魔法使いはどこだ?」ヘッドセットをつけた女が冷たく言い放った。


「お前ら鬼畜だな、おい。この男は死にかけてて、痛みで苦しんでるってのに、何か聞き出そうとしやがって。頑張れよ、相棒!」長髪の男が同情的な笑みを顔に貼り付けて俺に近づき、小さな銀色の筒から何かを注射した。痛みが引いていった。


「あいつは逃げた。ロートクがどこにいるかは知らない」俺は力なくぼそぼそと答えた。


「おいおい、俺たちが助けてやったのに、そんな恩返しかよ? アグネス、自分たちで探すぞ」赤毛がヘッドセットの女に声をかけた。


「ネメシス、スキャンモードに移行。武装システムと防御システムからエネルギーを再配分」女がマイクに向かってきっぱりと命令した。


ロボットが動き出し、背中からアンテナのようなものを展開した。


「で、こいつはどうする? アレックスに合うと思うか? 珍しい標本みたいだが」長髪が尋ねた。


「サンプルを取れ。まあ、あいつはぶつぶつ文句を言うだろうがな、お前も知ってるだろ」赤毛が笑みを浮かべた。


隻眼の男が笑い声を上げて、細長い探針を手に俺へと近づいてきた。身を屈めて、その道具を俺の頭に突き刺そうとしたところで、俺は力を振り絞って盾を振るい、クソ野郎の頭を殴りつけた。飛び退いた長髪の男は、血まみれの頬骨を押さえた。


「てめえ、この野郎!」男が吠えながら剣を抜いたが、俺は盾を投げ捨て、拳銃を抜いた。


一発――白髪の男の額に、綺麗な穴が開いた。


他の奴らが剣で俺を貫いた。


「致命傷。治癒(繋がり):コスト選択:寿命-4年/市民の命0~4」


「で、どうする?」


「ロートクは見つけたのか?」


「あと数分よ」


声が少し離れたところから聞こえる。よし、もし全部合ってれば、破壊されたモデルは交代後に修復中になるはずだ。でも俺がその中で死んだなら、復活時に機体も修復されるってことだ。


「寿命-4年」


あいつら、文字通り数メートルしか離れてない。俺は前に飛び出し、シールドの下に滑り込んで、剣を持った生意気な女に弾倉を全弾ぶち込んだ。そして赤毛野郎に飛びつき、後ろから掴んで銃口をこめかみに押し付けた。


ヘッドセットをつけた女が呆然と俺を見た。その瞬間、ロボットに酸の塊が飛んできた。「アンテナ」が煙を上げて溶け始める。機体は跳ね起き、機関銃を回転させて、塊が飛んできた場所を薙ぎ払った。だが、左側の二門しか動いてないところを見ると、やっぱり何かが壊れたらしい。


「市民ステータス:-1(22)。残存兵士0」


「ロボットを止めろ。さもなきゃこの赤毛を始末する」俺は女に言った。


「いいよ、殺せば? その前に教えてよ、あんた一体何者なの?」女は興味津々といった様子で俺を眺めながら答えた。


なんだ、こいつ、あいつらの指揮官じゃなかったのか……


役立たずの若造の脳みそを吹き飛ばして、俺は最後の招かれざる客に自動小銃を向けた。


「自分に対しても同じくらい無頓着なのか?」


「今のところはな」


「それは結構」


俺は少女を掴んで、ケルが死んだ場所へと一緒に向かった。


「解析中……アルヴァー派閥への強制イニシエーションが可能。実行しますか? はい/いいえ」


ついに一分が経過したわけだ。


「市民ステータス:+1(38)」


「その場で蘇生」


ロボットが再び機関銃を唸らせたが、弾丸は俺たちの上に展開されたドローンのシールドに突き刺さった。


「早く早く、ロボットを止めろ。バカなことすんな」


アグネスは閉じかけた黄色いポータルを見て悲しげに微笑み、俺の方に顔を向けた。そして哀しげに囁いた。


「死は終わりじゃない。ドローン、シールドを解――」


くそったれ、死ぬ気かよ。俺たちまで道連れにしやがって。俺は引き金を引き、頑固な女の脳みそを吹き飛ばした。


ドローンが機械的な声で告げた。


「フレムテック派閥メンバー、未検出。シールド解除、3…2…」


「アルヴァー派閥の自己犠牲(無料、1回/日・1人につき):拠点へ帰還させて蘇生/その場で蘇生」


「その場で蘇生」


「シールド解除、キャンセルされました」


俺は女の口を塞ぎ、剣を放り投げて、タブレットを奪い取った。


ロボットがもう一度こちらに向けて掃射してきたが、効果はなかった。その後、左腕のマニピュレーターを展開して、こちらに近づいてきた。


「ケル、後ろに回り込めるか?もしかしたら、少なくとも背後なら防御が甘いかもしれない」


あるいは、さっきのダメージで弱ってる可能性もある。


「やってみる」


シャザは盾の陰から飛び出したが、ロボットは彼女を追わず、俺か人質――今は抱き合ってる状態だから、どっちを狙ってるのか判別しづらい――に集中していた。


背後からまた酸の唾が飛んできて、ロボットがよろめいて火花を散らした。急に向きを変えると、周囲に機関銃を撃ちまくり、悲鳴が聞こえた。


「市民ステータス:-1」


「畜生」


俺は人質を抱えて機械から離れるように走り出し、テクガンの連中が残していった使えそうなものを探したが、今回は重火器を持ってきてる奴が少なかったらしい。


岩だらけの平原の端近くまで走り、背後でロボットのずしんずしんという足音を聞き続けながら、見覚えのあるシルエットが目に入った。生ける鎧だ!


俺に手を振ると、その存在はロボットに駆け寄り、剣で腕を薙ぎ払ったが、盾に当たってしまった。二倍以上の高さがある機械は、マニピュレーターで鎧を掴んで地面に押しつぶそうとした。


聞き慣れた口笛のような音が響き、格闘中の二体に迫撃砲弾が飛んできた。鎧から数個の破片が飛び散り、ロボットはよろめいて、シールドが点滅して消えた。完璧だ。これで背後だけじゃなく、全方位から攻撃できる。鎧は剣を持ち替えてもう一度マニピュレーターを薙ぎ、指を二、三本切り落とした。


もう一発迫撃砲弾が着弾し、ロボットがぐらつき、倒れこんだ。赤いライトが点滅し、消えた。機体が停止したんだ。


ジェシーとエンディスを乗せたバギーが俺のところに転がってきた。二人は飛び降りて俺に近づいた。


「何よ、新しい花嫁でも見つけたの?」と赤毛が皮肉っぽく聞いてきた。


「いや、別に、まあ……」


俺は人質を放した。彼女は口が自由になるのを待って、叫んだ。


「コード108!」


ドローン式シールドジェネレーターが爆発し、小さな金属球を撒き散らした。ドローンの真下にいたアグネスは、散弾に蜂の巣にされて即死した。俺は装甲に救われたが、ジェシーとエンディスは一分後に死んだ。


この自爆野郎をどうやって予測できるっていうんだ。くそったれの女め。


鎧は空気に溶けて消え、数分後にセフィーナが駆けつけてきた。周囲を見渡した彼女は、口元を手で覆った。耳がぴくぴくと震えたが、それでも彼女は尋ねてきた。


「ニコ、何があったの……?」


「俺たちの勝ちだ」


「でも……」


「ああ、心配すんな」


マイナス3年。ジェシー、エンディス、ケル。


さて、自己保存本能のないあのクソ野郎を蘇らせる価値はあるのか? 一方では、あいつと一緒だとロクなことがない。もう一方では、フレムテックとのシナジーも役に立つだろう。


あれこれ天秤にかけた末、俺は無残な姿の死体に近づいた。


「死亡した市民。蘇生(繋がり):寿命-1年」


あー、蘇生か。


「エラー!市民アグネス・ブーリンは生存しています」


え、何?この肉塊になっちまった状態でか?


もう一度試してみたが、結果は同じだった。


おかしいな。他の連中には、こんなエラーが出ないといいんだが。


俺たちは村に戻った。勝利したとはいえ、まだ誰も祝っていない。いや、拠点に残っていた連中は嬉しそうな顔をしていたが、今日自分の死を経験した兵士たちの雰囲気を察していた。もちろん喜んではいるが、体験した感情があまりに強烈で、そう簡単に忘れられるもんじゃない。明日になれば、全部が恐ろしい夢だったみたいに思えて、もっと明るくなるだろう。


集まった希望者たちを引き連れて、俺は何とかトラクターを戦場まで運転し、武器を積み込み始めた。ついでにバギーとバイク二台も回収した。セフィーナがテクガンの領域から盗み出したロートクを見つけて、少し探したら俺たちの手に入ったもう一台も見つかった。それから、フレムテックの連中が装備していた剣も回収した。


みんなが積み込みを手伝っている間、セフィーナが静かに俺のところへ近づいてきて、不安げに耳をぴくぴくさせながら囁いた。


「この中に誰かいる気がするの」


「ん?どれのこと?」


彼女は転がっているロボットを指差した。


俺たちはそれに近づいて、注意深く調べ始めた。なるほど、確かに機体の「腹」に沿って隙間があるが、これはどうやって開くんだ?


セフィーナが杖を振ると、ロボットの中から恐怖に満ちた叫び声が聞こえた。


シューという音とともにパネルが上にスライドし、怯えた表情の少女が姿を現した。


◇◇◇


「現在の残存寿命――17+(38)」

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