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第十九章 バトル・ラブ

第十九章 戦闘的な愛

俺は指でスコーピオン娘の露わになった腹を撫でた。


「なあ、俺が本気を出して怪我させたりしても平気なのか?」俺の動きを見つめている彼女に、挑発的に訊いた。


「はっ、平気だよ。あんたが乱暴しすぎても回復できるし。まあ、そもそもそんなことになるとは思わないけどね、弱虫くん」娘はニヤリと俺を睨んだ。


「じゃあ今すぐ行って確かめてみるか」


「もう?」ケルは驚いたようだった。


「どうした、怖気づいたか? 断ってもいいんだぞ。余計な手間なしで、俺の条件を呑むってことでさ」


娘はビクッと身を引き、「冗談じゃない!」と叫んだ。


俺は彼女の枷を外してやった。契約なんか無視して飛びかかってくるんじゃないかと思っていたが、どうやら彼らの派閥にとってこういうことは本当に重要らしい。


扉を開けて、俺は警備兵たちに事情を説明し、他の連中にも伝えるよう頼んだ。少女は痺れた手足をほぐしてから、俺の後についてきた。


驚きや不安、あるいは単に困惑した視線に見送られながら、俺はケルと一緒に門を出て、見慣れた戦場跡へと向かった。そこには今や半ば干からびた死体が転がっている。この土地の連中には埋葬の習慣がないのか、それとも死体が腐らずに干からびるのはなぜなのか、後で確認しようと心に決めつつ、俺は少女をこの生気のない平原の奥へと連れて行った。


シャザは興味津々といった様子で、死体の山と破壊された装備を眺めていた。


「ふーん、いったい誰がこんな大虐殺をやらかしたの?」少女が静かに尋ねてきたので、俺は控えめに「俺だ」と答えた。


「マジで、本当に?」サソリ娘は疑わしげな目で俺を見た。


「何に誓ってもいいぞ。俺は見た目ほど単純じゃない。すぐに自分の目で確かめられるさ」


「いいわよ」少女はくすくす笑って、「準備はいい?」


俺は戦士の指輪を起動させ、盾を手に取った。


「準備完了だ」


咆哮を上げて、ケルは尾を前方に突き出し、最後の瞬間に飛行軌道を変えた。俺は横に転がり、盾で毒針を弾いた。自分の腕を変化させると、彼女は俺に向かって酸を吐き出してきたが、俺は上手く盾で塊を受け止めた。盾は溶け始めたが、耐久性の余裕はフェブリモールの盾に劣らなかった。


俺はモデルを突撃兵に切り替え、相手に向けて一斉射撃を放った。彼女は避けようともせず、ただ体で弾丸を受け止めただけだった。数秒後、弾丸がカチャリという小さな音を立てて岩だらけの地面に転がり落ち、彼女は再び酸を吐く構えを取った。戦士に切り替えると、俺は盾で塊を受け止め、前方に突進した。


牙を剥き出しにして、ケルは威嚇するように尾を激しく振り、かなり腐食した盾を狙って前方に突き出してきた。俺は全身を動かし、両手で盾を支えた。強烈な一撃が筋肉に鈍く響き、痛みを引き起こす。毒針は金属を貫通したが、幸い俺には当たらなかった。


また酸の一撃。受け止めるものがない。俺は射手に切り替えた――このモデルには専用の鎧があるからな。塊を受け止めると、それが鎧を腐食し始めたので、素早く戦士に戻した。


目を細めながら、俺は「繋がり」のウィンドウを開き、穴だらけの盾で身を守りながら前方に突進した。


ケルと俺の距離が数メートルになったとき、彼女は構えを取った。どうやら前回の戦闘と同じように、俺を捕まえて尻尾で貫くつもりらしい。最後の瞬間、俺は跳び上がり、盾で上から打ち下ろしながら、同時に「繋がり」メニューのボタンを押した。


「市民を殺害する:はい/いいえ」


はい。


少女の目が閉じ、地面に倒れ込んだ。


俺はバギーまで走り、無料の筋力強化を発動させて外装の一部と防護フレームを構成する支柱の一本を引き剥がした。少女のところに戻ると、金属片で毒針を包み、無力化した。スコーピオン娘の両腕を背中に回し、フレームから引き抜いた棒で縛り上げ、尻尾も同じ場所に押し込んで動きを制限した。


これで、彼女は完全に無力だ。


俺はケルの前に立ち、ずっと表示されていたメッセージを発動させた。


「アルヴァー派閥の自己犠牲(無料、1回/日・1人につき):拠点へ帰還させて蘇生/その場で蘇生」


ケルが目を見開き、力のエンチャントの残滓で地面に押さえつけられている俺を、ショックを受けた様子で見つめた。


「な、何を……」


俺はにやりと笑って、彼女の言葉を最後まで聞かなかった。


「これで決着だ。約束は守ってもらうぞ」


彼女は何か叫ぼうとしたが、途中で声が途切れた。そして、二人だけの時間が始まった。


……


やがて、俺は彼女の隣に横になり、荒い息をついた。夜の冷たい空気が、火照った肌に心地よい。


「さあ、言ってみろ。黙っちまったのか?ちゃんと頼めば、イかせてやるぞ」


「はい、お願いします……」弱々しい声が聞こえた。


「聞こえないな」


「あなたの名前は……?」相変わらず小さな声で。


「ニコ」


「ニコ、あなたは証明したわ。本物の男だって。私は誓う――あなたの女になる。あなただけの」


「キルハイヴ派閥とのシナジー+15%(15/100)」


「ステータス更新中……完了。


新たな妻が登録されました:ケル・シャザ、キルハイヴ派閥。


死すべき者の心臓――固有の強化が習得可能:


エラー。適合する強化が存在しません。


キルハイヴ派閥の妻スロット使用:1/3」


俺は満足げに息をつき、彼女の縛りを解いてやった。ケルはしばらく身動きもせず、ただ空を見上げていた。それからゆっくりと体を起こすと、自分の脚の間から流れ出るものを、変異した腕の中に慎重に集め始めた。


「私の旦那様の種、私たちの子供のために」ケルは夢見るように呟きながら、俺に身を寄せてきた。

※第19章の完全版(R-18版)は、ノクターンノベルズにて公開中です。

続きが気になる方は、プロフィールのR-18版リンクからどうぞ。

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