第十七章 バグフィックスと計画的な準備
少し時間が経過した。機械的な声が再び響いた。
「変換完了。ランクなし兵科モデル2――上位精霊使い。選択する? クリスタリット100」
「ああ、頼む!」
光が消えると、声が再び告げた。
「変換完了。精霊の指輪を取得せよ。新たな発展ラインが開放――セフィーナの兵科モデル、ゴーストアロー(必要条件――繋がりレベル2)」
メッセージが流れている間に、俺の美しい嫁さんはもう外に出て指輪を受け取っていた。石を回すと、彼女は変身した。首元から背中へ腕の下を通って伸びる二本の赤いラインが入った、黒い短めのドレスを着ている。動くたびに隠されたものを全部見せてしまいそうな、何枚ものアンダースカートが付いたふんわりしたスカート。脚には膝上までの黒いニーソックスで、太ももの広い範囲が露わになっている。少女の手には、複雑で凹凸のある表面を持つ杖が握られていた。
「おお、セフィーナ、何か感じるか?」
少女は杖を見つめた。一振りすると、小声で呟いた。「小さな精霊の召喚」。目の前に揺らめく幽霊のようなシルエットが現れた。その存在は微動だにしなかった。少女がもう一度振ると、精霊は消えた。
杖を嬉しそうに見つめながら、セフィーナが話し始めた。
「練習すれば、あなたの助けになれると思うわ、ダーリン。とっても嬉しい! これでもっと一緒にいられるわね!」
少女は俺に駆け寄って抱きついてきた。
「おお、俺の魔法使いちゃんじゃないか。なあ、その格好……」
「どうかした?」セフィーナが不思議そうにワンピースを見下ろしながら言った。
「刺激的すぎるんだよ」
俺は少女を背中側に向けて後ろから抱きしめ、ワンピースの上から胸を愛撫した。それから壁際に移動して、ワンピースの下に手を滑り込ませ、妻のパンティを引き下ろした。結局、俺たちがベッドに入ったのは、ずっと後のことだった。
まあ、魔女の体を堪能した後、ふとあることを思い出して地下室に降りた。そしてクリスタルに近づいた。
「アルヴァー固有の改良:アルヴァー派閥への強制イニシエーション。クリスタリット100」
あのサソリ女をアルヴァーに強制加入させた方がいいと思うんだが、自発的に同意してくれるとは思えない。改良を発動させてタイマーを確認すると――十時間――テレポートに向かい、シジルをニッチの一つに設置した。
「新しいテレポート地点が利用可能になりました。注意!目的地にはポータルが存在しないため、建設されるまで即座の帰還は不可能です」
ふう、まあこれで全部だな。そろそろ寝るか。
◇◇◇
四日目。
寿命一年。市民から。蘇生。
「寿命-1年。残存寿命――26+(33)」
ああ、残りは昨日と同じだ!
「現在の派閥分布表:
1.不明な派閥。
2.不明な派閥。
3.不明な派閥。
4.キルハイヴ派閥。
5.不明な派閥。
6.不明な派閥。
7.テクガン派閥。
8.アルヴァー派閥」
落ちこぼれへのボーナスは前と同じ。獲得物も変わらず。
「兵士1名がランク2に昇格」
よし、これで全部かな。伸びをして辺りを見回すと、またセフィーナの姿がない。階下に降りてみて、俺は呆気に取られた。キッチンを皿やナイフ、食材の欠片が飛び交っている。よく見ると、それは全部幽霊で、朝食を作ろうとしているらしい。部屋の隅っこの椅子にちょこんと座ったセフィーナが、指揮棒を振っていた。
「あら、ダーリン、もう起きたの? 私、朝早くから少し練習しようと思って、えへへ」
「感心だな。で、成果は?」
「まあまあかな。でもこれ、私ができるようになったことの全部じゃないのよ。家の中で安心して使えるものを選んだだけ」少女が申し訳なさそうに微笑んだ。
「大丈夫だよ」
朝食を済ませて、俺は出かける準備を始めた。資源も貯まったことだし、そろそろアップグレードに取り掛かる時だ。
だが、出ようとした矢先、緊急メッセージが表示された。
「月額料金の引き落とし処理にエラーを検出……
エラーを検出。該当行:パラメータの競合。月額料金/アルヴァー派閥の自己犠牲。
競合の解消中……完了。
変更内容の説明:
アルヴァー派閥の自己犠牲が更新されました。死すべき者の生命コストを回避しての適用は不可能です(効果:月額料金、効果:治癒(繋がり))。
ご迷惑をおかけして申し訳ございません……
お詫びといたしまして、現在適用された変更はそのまま有効とさせていただきます。
ありがとうございました!」
なんて連中だ、バグじゃなくて仕様だと言い張りやがって。油断も隙もありゃしない。
まあ、カウントダウンが再び始まったわけだ。できれば死にたくないんだがな。もう解決したと思ってたのに、くそっ!
そんなことを考えながら、俺は訓練所まで戻った。
そこでは友好的な冗談が飛び交っていた。エルフの射手リアレフが他の連中から離れて立っていて、仲間たちから祝福と冷やかしを受けている。断片的な会話から察するに、どうやら彼は昨日ハンターの一人と結婚して、今日にはもう娘が生まれたらしい。俺が補充の知らせを見逃したのか、それとも単に連絡が来なかっただけなのか?
だがいずれにせよ、フェブリモールが自分の扇動を始めたってことだな、はは。しかもあの永遠のドワーフコンビ、ドワリンとイングヴィルドまで結婚したらしい。だが二人は一緒に警備に出されたから、冷やかすこともできなかった。どうやら俺の一件でみんな事態を真剣に受け止めるようになったようだ。昨日は派手な宴会もなかったみたいだし。まあ、俺の場合は長老の娘と関係を持ったからってのもあるのかもしれないが?何にせよ、俺もエルフを祝福してから、彼と二人目の射手デリオと一緒に兵舎へ向かった。ついでに新婚のドワーフたちと交代してくれるよう頼んで、彼らもアップグレードに来られるようにしてやった。
結果、今度は長弓を持つ射手が二人増えて、ドワーフたちは戦士になった。
まあ、全部それなりの出費になって、また金属が少なくなっちまったんだが。木材150、鉄170、鋼鉄70、それに高品質鋼鉄が20だ。
それを片付けてから、俺はジェシーを探しに行った。兵舎で見つけた。
「よう、聞いてくれ、昨日のことなんだけど」
彼女は驚いたように俺を見た。
「昨日って何よ?あなたが私と結婚して、その後死にかけたことを思い出せってこと?」
「まあな。お前がそんなに真剣に受け止めるとは思わなかったんだ」
彼女は深くため息をついた。
「なあ、あんたにとっちゃ偽装結婚、いや、なんて言ったっけ、形だけの結婚なんだろうけど、私はそうはいかないんだ。あんたがそれを提案した時、私のことなんて考えてなかったよね?」
ああ、当然だ。俺はただ仮説を検証したかっただけなんだ。
「そうだね。でも、もしあんたにとって本当に空っぽの言葉じゃないなら、見直そうよ。屋敷に引っ越してきて、全部ちゃんとやろう」
ジェシーは首を横に振って、弱々しく微笑んだ。
「分かった、あんた多分、私が脅されたから承諾したって思ってるんでしょ? まったく馬鹿なんだから。ああ、もういいよ、そこまで言うなら引っ越すわ。本当、荷物なんてないから、すぐ済むけどね」
少女が立ち去ろうとしたところで、俺は尋ねた。
「で、あんたの友達は? 入隊に同意したのか?」
「ああ、うん。みんなと一緒に兵舎に入れてくれって頼んでおいたよ」
「ありがとう、ジェシー」
彼女は俺に「オッケー」のサインを見せて、立ち去った。俺はエルフの娘を探しに向かった。拠点は小さいけど、誰かをすぐに見つけるのは意外と難しいんだ。
エンディスは体を丸めて沈んでいた。俺が声をかけると、びくっと震えた。
「あ、ニコ」
「よう、エンディス。新しい場所に慣れないか?」
「それどころじゃないわ。いつか慣れるかどうかも、正直わからない」
「まあ、最初はそう思うもんだよ。それでも加入する気があるなら、手を出して」
エルフの娘は恐る恐る、その華奢な手を俺に差し出した。俺はチップを起動した。
「市民ステータス:+1(35)」
「ほら、終わったぞ。大したことなかっただろ。これでお前も俺たちの仲間だ」
「ああ、なんだか実感が湧かないわ」エンディスは注射の痕を見つめながら小さく呟いた。「ねえ、ニコ、あなた、私とも結婚してくれる?」
なんだ、みんなこの話ばっかりじゃないか。でも、もうちょっと丁寧に断らないとな。
「うーん、テクガンから二人目の嫁をもらうことは、まだ考えてなかったな。ジェシーとだって、そこまで上手くいってるわけじゃないし」
「そう。分かったわ。ただ、私……なんだか、寂しくて」
「でも、ここには結構人数いるだろ。他の男の中で気になる奴はいなかったのか?」
「ん、悪くない人はいるけど、でもね、彼らって、私のことを"よそ者"って目で見てくるの。でも、あなたからはそういうの感じないのよ。ジェシーだって、きっとそれで承諾したんだと思う」エンディスは静かにそう語ると、自分で自分を抱きしめた。
なるほどな。くそ、同情で全員拾ってたら俺の身が持たねえ。今は必要な機能性と派閥シナジーの有用性に留めて、余計な色恋沙汰は控えるべきだろう。
少しでも彼女の気を紛らわせようと、俺は彼女を連れて訓練用端末のところへ向かった。だが、全て無駄だった。アルヴァー派閥の端末では彼女を訓練させてくれない。俺がテクガン派閥の兵科モデルを持っているにも関わらずだ。別れを告げ、俺は自動小銃と予備マガジンをいくつか持って家に戻った。ドアを開けると、奇妙な光景が目に飛び込んできた。
「ほら、こうやって。舌を出して」俺の猫娘の嫁の声が聞こえてくる。
セフィーナとジェシーが目を閉じてキスをし、舌を絡め合っていた。赤毛の娘がセフィーナの指示通りに舌を出すと、セフィーナはそれを吸い始め、少しちゅぱちゅぱと音を立てていた。
やめると、二人は再び普通のキスに戻り、数分後にようやく俺に気づいた。互いから離れると、二人は恥ずかしそうに顔を背け、切れた唾液の糸だけが彼女たちが何をしていたかを物語っていた。
「楽しそうじゃないか」
いや、俺は堅物じゃないし、百合は確かにセクシーだが、こんな展開は予想外だった。
「あなた、私はただジェシーにあなたのキスを教えてたのよ。彼女がすぐに分かるように、戸惑わないようにってね」
「あ、そういうことか。まあ、ありがとう」
赤毛の彼女は恥ずかしそうに床を見つめるだけだった。そうだな、初めて会った時は明らかにもっと生き生きしていたが、男女関係のことになると彼女は調子を崩してしまうらしい。
「よし、二人とも、新しい拠点を見に行こう。セフィーナは訓練場所ができるし、ジェシー、お前は何かあったら教えてくれ」
「はい、わかりました!」俺の妻たちが声を揃えて答えた。なんて慣れない響きなんだ。
彼女たちが準備している間に、俺は上の階に上がってコンバーターに入った。
ああ、安心したことに、テクガンのモデルが出現していた。俺は金貨50枚で突撃兵に変身し、自動小銃が描かれた指輪を手に入れた。変身すると俺は弾薬でパンパンに詰まったポーチと自動小銃を持った迷彩服姿の普通の兵隊になる。
降りてから、俺は鹵獲した自動小銃をジェシーに渡し、二人を連れてテレポーターへ向かった。
鮮やかな閃光――そして俺たちは目的地にいた。相変わらず中央に標柱が立ち、半径ごとに円が描かれた砂の平原だ。ただし、完全に同じではなかった。直径が大きくなったように見えるし、森の向こうに湖があった。俺が出来事の過密さで気づかなかったのか、それとも一日で出現したのか。
食料庫を湖の近くに、倉庫を少し離れた丘の近くに配置して、司令部は大体中央に発注した。残るはバンカーだが、これは端の方に置いた。建設に三時間かかるから、わざわざ座って待つ意味もない。司令部の建設が終われば新しいモデルが解放されるんじゃないかと期待するくらいだった。
「いい配置じゃない、ニコ」建設中の建造物に見入りながら、ジェシーが褒めてくれた。
「あんたたちの拠点も『ロートク』の上にあるのか、それとも普通のもあるのか? ただ、聞いた話だと、テクガンが俺たちを襲うのは大体『ロートク』を奪うためだって言ってたから」
「うーん、まあ色々よ、ギルドも多いし。でも基本的にはそうね、普通のは少ないわ。ポテンシャルが違うもの」
「ねえジェシー、あんたたちを襲ってくるのって誰なの? どんな連中?」突然、セフィーナが興味を示した。
赤毛の女は口ごもり、自動小銃の点検を始めた。
「正直、分からないの。連中はいつも私たちの領地の反対側に現れるから、そっちに行ったことがなくて」
「え、噂すら聞いたことないの?」
「確かに噂は聞いたことがある。でも、正直あまり信じられないんだよな。奴らは通常四体以上来ることはないって話だが、それでも俺たちの部隊を全滅させるには十分だったりするらしい」
セフィーナの耳がぴくぴくと震えた。
「ニコ、大丈夫だよね?」猫娘は不安げに俺にしがみついて言った。
「何とかするさ」
だが、目の前で赤い点が広がり始め、ポータルへと変わっていくのを見た瞬間、俺の闘志は消え失せた。
◇◇◇
「現在の残存寿命――26+(35)年」
「倉庫№1。状態:
木材――425単位――採取中、収支+200(10単位/時×2);
石材――750単位――採取中、収支+200(20単位/時);
道具――770単位
鉄――40単位――採掘中、収支+100(10単位/時);
鋼――40単位。
高品質鋼――75単位。
クリスタリット――28単位――採掘中、収支+5(0.5単位/時)。
金――150。
アルヴァー派閥とのシナジー(100/100)。
テクガン派閥とのシナジー(35/100)。
死すべき者の現在の兵科モデル:剣と盾の達人、マスター・シューター、突撃兵。
現在の建設:なし。
軍隊:
ランク2:12体。シールダー、ロングボウ射手×3、闘士×2、闘士×5、セフィーナ。
ランク1:0体。
ランク0:2体。ジェシー、スナイパー。
訓練中:0。
待機中:0」




