第百三十九章 第三試練の終わり
待つことなく、ララは素早く前に飛び出し、「ターニャ」の体に剣で斬りかかった。メッセージが現れた。
「参加者保護が有効です。戦闘外での暴力行為はお控えください」
なんだそれは? 俺は奴らとダンスバトルでもやれってのか?
「1分間の待機」
「コーリャったら、もう、いなくなっちゃって、電話もくれないし、メールもくれないし」少女は喋り続けた。明らかに今の状況を楽しんでいる。
カーディナルの方は今回は説教を垂れず、ただ少女の近くで固まっている。まあ、悪魔はもう出現しているから、俺は皇女に怠惰を召喚するよう命じた。
確か、デウスレギオはテクガンと一緒のはずだ。だが、姿が見えない。奇襲をかけるつもりか? この辺りは相変わらず、何の変哲もない砂漠とまばらな岩だらけだ。その気になれば、隠れることもできるだろう。
オペレーター役に切り替えて、偵察ドローンを起動し、サイラスにも同じことをしてくれと頼んだ。
そうして俺たちは向かい合ったまま立ち、戦闘の準備を整えていた……
「セフィーナ、そっちはどうだ?」
「ああ、ニコ。襲撃は何とか凌いだけど……死者があまりにも多くて、フロルガも全員は蘇生できないわ」猫娘が泣きそうな声で言った。
「俺ももうすぐ行く。もうちょっとだけ持ちこたえてくれ」
「他にどうしろっていうのよ、にゃあ!?」少女は感情を抑えきれず叫んだ。「ごめん、あなたのせいじゃないのに」
確かに、俺は全ての試練に呼んでくれとは頼んでいない。だが一方で、もし俺が死すべき者でなければ、彼らが襲撃されることもなかっただろう。とはいえ、そもそもそこに彼らがいることもなかったわけだが、そうだろう? 難しい問題だ。ここで犯人探しをしても意味はないと思う。必要なのは、平穏を乱す奴ら、つまり元凶を排除することだ。
「気にするな」
意識を切った俺は身構えた。一分が経過するはずだ。
「フレムテック派閥+アンジュヘル派閥 対 シャドマー派閥+キルハイヴ派閥――三位決定戦」
どうやら、俺たちのところまで来る前に間に合わなかったらしい。
「アルヴァー派閥+エクスマッハ派閥 対 デウスレギオ派閥+テクガン派閥――一位決定戦」
「敵チーム:
カーディナル、裁きの右手、ランク5。
シャドウ、サイバーゴースト、ランク5。
マディ、アーセナル、ランク5。
サディ、スクォール、ランク5」
「戦闘開始まで3、2、1……スタート」
マディ、繋がり――殺せ
シャドウ、繋がり――殺せ。
「マディ、脱落!」
「シャドウ、脱落」
「チェロを!」俺は皇女に叫ぶと、カーディナルに向かって駆け出した。デーモンたちはいつも通り内輪揉めを始めたが、皇女はカーディナルと違って透明化した奴らまで召喚していて、そいつらがじりじりとデウスレギオの野郎に背後から忍び寄っていた。
「お前は――唯一神が定めた完璧なる世界秩序への、ただの冒涜だ」機械的な声が響いた。神よ、俺を祝福したまえ……
「前にもう散々聞かされたよ、ありがとうな」と俺は宣言し、騎士に標的を切り替えた。グレネードランチャーの一発がカーディナルを吹き飛ばしたが、奴はかなり素早く翼を使って飛び上がった。
「ニコ、そのクソ野郎は私たちに任せて。もう宗教の愚痴にはうんざりなのよ」とララが笑みを浮かべて言った。「五日おきに来ては説教垂れるんだから」
とはいえ、彼女がそう言っている間に、皇子たちが押し寄せてカーディナルを両側から容赦なく殴りつけ、大量の鳥の群れで息つく暇も与えなかった。フェラグが背後から忍び寄り、刃に力を込めて、デウスレギオの翼を切り落とした。機動性を失ったカーディナルは慌てて剣を抜こうとしたが、女王も既に接近しており、息子たちと共に奴の黄色いディスプレイを叩き割った。俺はさらに三体の助っ人を呼び出し、最終的にイビスがアンデッドに動きを封じられたカーディナルの体を真っ二つに切り裂いた。
「カーディナル、脱落」
「ギル、アイヴィ、テクガンのもう一人の女を見つけろ。あの岩の上にいる」と俺はドローンからのデータを受け取って、必要な方向に手を振った。
「もう、怖い顔して、あなたったら……」
「早く」
瞬きをして、アイヴィは黙り込んで頷くと、ヴァンパイアの後を追って飛び去った。
「転位適用。解析中……完了。応答形成中……完了。」
少女型ロボットの体が動き出したが、カーディナルを片付けた後、戦士たちの群れは今度はシャドウに襲いかかった。「ターニャ」は急いで煙幕に身を包んだが、すでに剣の一撃が彼女を捉え、ボディを貫いていた。イビスの出番すらなかった。より脆弱だったシャドウの体は火花を散らし、地面に倒れ込み、赤いディスプレイが消えた。
怠惰は暴食と互角に戦っていたが、アンデッドの群れと助手の登場で、天秤は俺の悪魔側へと大きく傾いた。俺が瞬きする間もなく、両方のクリーチャーは倒れ、その後、俺は召喚獣たちとイビスを引き戻した。
どこか近くで肉が引き裂かれる音がして、アイヴィの嫌悪に満ちた叫び声が響いた。
「サディ、脱落」
「アルヴァー派閥+エクスマッハ派閥の勝利!」
サイラスとララは顔を見合わせて笑い出した。
「いやはや、こんなに早くて楽な試練は見たことがないな」サイボーグは首を振りながら言った。
「どうやらニコにとっては家族が本当に大事なんだな、そんなに急いでるなんて」とララは興味深そうに俺を見て言い、ウインクした。
娘の方は、あまり戦えなかったことをそれほど気にしていないようだった。嬉しそうにポータルが大きくなっていくのを見つめていたが、従僕が現れ始めるとすぐに恐怖の叫び声を上げ、俺に抱きついてきた。
「怖がるな、これは、ええと、古い知り合いだ」と俺は言いながら、ポータルからあまりにも長々と這い出してくる鈍重な怪物を心の中で急かした。
「うむ、こんにちは」と従僕が異界の声で告げた。「勝利おめでとうございます。ただし、サイラスさんとララさんは、あちらのポータルからあなた方の従僕のもとへお進みください」
おや、これは俺にはVIP待遇ってわけか。どこにも行く必要なしだ。
別れの挨拶を交わし、サイボーグたちは出現したポータルへと入っていった。そして骸骨は俺とソフィアをじっと見つめた。
「三度目の勝利だ、ニコ。彼は疑わず、君を待っている」と従僕は厳かに宣言した。「恐らく、謁見で彼が君に質問をするだろう。そこで報酬について決めることになる、君たち二人の分をな。ああ、奇妙な時代が訪れつつある……」と従僕は考え込むように言葉を伸ばした。
「ありがとう、もちろん感謝するが、俺は家に帰らないといけない。しかも急いでな!」
「パパ」娘が怯えた声で囁いた。従僕が身を震わせたのを見たのだ。
「なあ、ニコ、謁見ってのはパーティーじゃねえんだぞ。行きたきゃ行く、嫌なら行かない、ってわけにはいかねえんだ。お前は偉大なる栄誉を授かったんだぞ」従僕はいつもより大きな声で話し始めた。「それなのに、ここで家のことを持ち出そうってのか! 彼はきっと、ひどく失望なさるだろうな」
怪物の目が鈍く光った。疑わしげな視線を意味している。
「まあ、今回の試練は、それを抜きにしてもあまりに奇妙だったがな。特にアレク……いや、まあいいか」そう言って、従僕は牙だらけの口を少し開けた。笑みを意味する仕草だ。明らかにわざと「口を滑らせた」のだろう。
もう何も言わないだろうと思って話し始めようとしたが、従僕は大きく指を鳴らすと、地面を指先でトントンと叩き始めた。
「だが、チャンスはある。アルヴァー派閥の領域内には船がないから、輸送手段は……提供される」骸骨はゆっくりと言葉を引き延ばしながら続けた。「そうなりゃ、お前のところまで辿り着くのに時間がかかるかもしれねえな」
片目だけが鈍く光ったが、すぐにまた輝きを取り戻した。ただ、口は大きく開いたままだった。
「ありがとう。じゃあ、行っていいか?」
ゆっくりと頷くと、従僕は指を鳴らした。目の前にポータルが現れ、俺はソフィアと一緒にそこへ飛び込んだ。
◇◇◇
瓦礫の下から這い出したマルコは、埃を吐き出すように咳き込んだ。雨水が天井の穴から容赦なく降り注いでいたが、彼の「牢屋」は穴から遠く離れていた。手足を確認してから、クロスボウ使いは指輪を回して装備を戻した。もう数回咳をすると、足元を確認しながら瓦礫の山をゆっくりと進み始めた――うっかり下の階に落ちないように。
何度か、かつて囚人が閉じ込められていた部屋に遭遇したが、今ではそこに見えるのは上から落ちてきた天井の破片の下の血だまりだけだった。耳を澄ますと、マルコは周囲でまだ戦闘が続いているのを聞いた。だがそれよりもはるかに鮮明に、苦痛に満ちた呻き声が聞こえてきた。
慎重に建築廃材の山を越えて、クロスボウ使いは目的の部屋へとたどり着いた。天井が崩れ落ち、シアディンは床に横たわっていた。彼女の両脚は落ちてきた瓦礫に押し潰され、ほとんど千切れかけていた。少女はただ横たわり、痛みで意識を失わないように必死だった。
「マルコ、あなたなの?」足音に気づいて目を開けた少女が囁いた。
だがクロスボウ使いは答えず、代わりにこう言った。
「これがあんたの夢見てたものか? 死体の山の上に立つ女王ってのは」
笑おうとしたシアディンは、唇を歪めて半分だけ笑みを浮かべた。
「マルコ、全部お前が思ってるより複雑なんだ……」
「俺にはシンプルに見えるけどな」弓兵はそう言い捨てると、立ち去りざま腕の緑のリボンを引きちぎって女王の死体に投げつけた。
マルコが去った後、シアディンはそのリボンを手に取り、じっと見つめてから目を閉じて黙り込んだ。
◇◇◇
「一斉射撃だ野郎ども、気を抜くな、ウィングを叩け!」
ジョニーはハッチから飛び出すと、肩にグレネードランチャーを担いで接近しすぎたメックに発射した。シールドを明滅させながら、ウィングがマシンガンを回転させたが、テクガンの戦士はすでに戦車内部に身を隠していた。戦車が主砲を轟かせる。よろめいたウィングが倒れ、エンジンを唸らせた戦車がその機体を踏み潰し、次の標的に砲を向ける準備を整えた。
残り二機のウィングは戦車の側面を回り込むことに成功し、プラズマの一斉射撃で装甲車両を見事にスクラップへ送り込んだ。反撃の斉射が来る前に森の陰に隠れることができた。
「てめえら、ファッションショーですっかり気が緩んでやがるな、装甲兵員輸送車はどこ行きやがった!」ジョニーが無線で怒鳴りつけると、ほどなくしてテクガン基地の方角から何台かの装甲車両が出撃し、逃げたウィングを追って走り出した。
メックたちは地表を無音で滑空しながらプラズマを発射し、装甲兵員輸送車を一台撃破した。だが残りの二台がミサイルを発射してシールドを破壊し、三台目がとどめを刺した。
さらに装甲兵員輸送車が一台減り、ペアで放たれたミサイルが二機目のメックのシールドを破壊した。その後、両機はプラズマを避けるべく機動を開始した。
プロペラの音が響き、ウィングに向けて二機の攻撃ヘリコプターが無誘導ロケット弾の斉射を放った。素早く向きを変えてマシンガンを回転させ、ウィングは空へと機体を向けたが、その瞬間、戻ってきた装甲兵員輸送車がミサイルで叩き込んできた。
タナトスの護衛下に逃げようとしていた残りのウィングたちは、戦車の斉射を浴びた。そしてシールドが破損すると、数体のドラゴンが急降下し、酸のブレスを浴びせかけた。装甲が泡立ち、やがて酸に焼かれながら生きたまま死んでいくパイロットたちの、苦痛と恐怖に満ちた叫び声が響いた。
タナトスは既に手当たり次第の標的を選びながら後退しようとしたが、間もなく足元の地面が崩れ落ちた。ワームの巨体が適切な角度から圧力をかけると、両機の脚部が折れ曲がった。至近距離から連装ランスを発射し、一機のタナトスは巨大なワームの体に大穴を開けることに成功したが、その傷は見る見るうちに再生し始めた。激怒した化け物は大きく口を開き、コックピットに噛みつくと装甲を歯で押し潰し、ついには前部装甲板を引き剥がした。少し頭を動かすと、ワームは側面の角を内部に突き刺し、パイロットを貫いた。
もう一匹のワームは何度も装甲の破片を引き剥がし、ついにコックピット内部に到達した。ヴァイをコンソールごと引きずり出すと、ワームは喉の奥から咆哮を上げ、少女を噛み千切って半分にすると、損傷した肉体を飲み込んだ。
◇◇◇
全ての近くにいた兵士を凍らせたザラは、彼らを門を守る射手や魔術師たちからの盾として利用した。彫像の間をすり抜けた少女は、いくつかのつららを作り出すと魔法で勢いよく投げつけ、数人のレンジャーの頭を貫いた。彫像の陰を駆け抜けたザラは、凍った地面を滑りながら前方へと飛び出した。
豹に跨った騎兵たちが彼女に向かって跳びかかってきたが、その場でくるりと回転した少女は、自分に向けられた槍の攻撃を器用にいなした。跳び上がったザラは、大きく振りかぶった一撃で鎌の刃を豹の頭蓋骨に叩き込み、武器をそのままぶら下げたまま、二頭目の豹の脚の間をすり抜けて、その腹に指先を触れさせた。
獣の皮膚はあっという間に霜に覆われ、ザラは獰猛に吠えると、指を獣の腹に食い込ませて、凍りついた内臓を引きずり出した。
指輪を回して鎌を手元に戻した少女は、急いで前へと進んだ。
端末にたどり着いたザラは、武器を大きく振るって、自分に向かってきた剣を振るう者たちを数人なぎ倒し、氷の壁を作り出した。砲撃を受けて急速に縮小していく壁の陰で、メニューから必要な項目を選んだ。金色の石材を引き抜くと、少女は飛びのいた。その瞬間、門が突然爆発し、破片が近くにいた全員を仕留めた。
◇◇◇
「私の計算では、残った兵力では首都の占領には不足しています。ポータルは閉じられました」AIがアレックスに報告した。
「いい仕事がしたきゃ、自分でやるしかないってことだろ?」フレムテックの長は苦々しく笑うと、三位の報酬を選びながら言った。「まあいい、今日は確実に何かが変わるさ」
◇◇◇
屋敷のポータルから飛び出した瞬間、俺は耳を澄ませた。静かすぎる。全部終わったのか、それとも……ああ、終わったんだ、別の意味で。
家から出て、俺は愕然とした。激しい雨が降っているにもかかわらず、基地がほとんど残っていないのがはっきり見える。ナノロボットが瓦礫の上を慌ただしく這い回り、建物を修復しているが、これにどれだけ時間がかかるか想像もつかない。
「派閥順位変動:
フレムテック:7位。-1ランク。
テクガン:6位。+1ランク」
一体どれだけの犠牲を出したんだ!? 軍勢が集まっているセンターに向かって走り出すと、様々な声が聞こえてきた。俺が来たことを喜ぶ者もいれば、当然ながら、俺が自分の部下を守れなかったと考える者もいる。
気にせず、俺はフェブリモールを目で探し出して駆け寄った。
「被害は?」
無言で頷いたエルフはセンターに向かって走り出し、俺もその後を追った。何十体もの遺体を目にして、俺は歯を食いしばり、壁を拳で力任せに殴りつけた。手が血まみれになった。
俺の後を追ってきたソフィアが息を呑んだ。音に振り向くと、涙を流したセフィーナが駆け寄ってきた。
「ニコ……ニコ、やっと、ひどい悪夢だったにゃあああ……」
俺に抱きついて、彼女は泣き崩れた。ソファから立ち上がろうとしたフロルガは、そのまま倒れ込んで申し訳なさそうに力ない笑みを浮かべた。汚れてはいるが、どうやら無事らしいジェシーとアキルズ。エヴィナとクリスティーナは抱き合いながら、毛並みがピンク色に染まったアルビの遺体の傍に座り込んでいた。
アンネリは傍に立って爪を噛んでいたが、結局俺のところに来て寄り添った。
「すまない……俺はまたすぐに連れて行かれる。できるだけ多くの人を蘇らせなきゃいけないんだ」
ヒルダに支えられながら、フロルガが俺に近づいてきた。
「ニコ、私は12時間に制限されてるの。回復して誰か蘇らせられると思うから、だから……」
少女は嫌な言葉を最後まで口にしなかった。「ええ、もしそれほど重要じゃない人なら私に任せて。でも、もしかしたらその人を永遠に失うかもしれないけど」
でも俺は自分の限界を知らない。いつXデーが来るんだ?
「誰が?」俺は短く訊いた。
セフィーナは床に横たわるファリンを見下ろし、何も言えずに再び俺にしがみつき、嗚咽で体を震わせた。
「あの人、生涯ハエ一匹傷つけたことないのに、あのくそったれシャドマーどもがただ殺しちゃったのよ……それにデフールも……」
俺の質問を先回りして、フェブリモールが言った。
「アーギとルビーがエヴァを連れて行った。ヴァイは消えた。キュー138は逮捕、念のため他のキューたちも。ケイトリンとマルコは逃げた。シアディンは死んだ」
頭を振って、俺は信じられなかった。ただの攻撃ならまだしも、こんな混乱……押し寄せる感情の波を飲み込んで、俺は損失について改めて訊いた。
フェブリモールは感情を押し殺し、はっきりと口にし始めた。
「エンディス、ケル、ケイト、ラミ皇女、シェフィカ皇女、アラーラン皇子、イソルトゥール皇子、アルビ、クテアス、サユリ、レジナルド、アイアン、ファリン、デフール、弓兵全員五人、突撃兵全員五人、剣士全員五人、インセクトイド全て。労働者の半数と他の捕虜たちを除いてもだ……」
俺の仲間たちの多くが生き残ったのは嬉しいが、残りは……確実に蘇生できない。
妻と子供たちを蘇生させたあと、ファリンとデフールを復活させた。それから皇子と皇女たち――彼らが俺の家のために命を捧げてくれたという事実は、どんな言葉よりも雄弁に彼らを物語っている。サユリ。レジナルドも、話を聞く限り彼の壁がなければここまで持ちこたえられなかったはずだ。クテアスも、でなければ傭兵たちの戦闘力が落ちる。弓兵は全員。指揮官としてアデルも。
十九年。捕虜を除けば、命を無駄遣いする余裕はない。剣士たちにはもうすっかり愛着が湧いてたんだが。それとアイアンだが、騎兵が一人だけじゃ……いや、待てよ、彼女はポータル探しも手伝ってくれてたじゃないか、くそっ! 歯ぎしりしながら、彼女のところへ行って蘇生させた。
軍を集め、村の中心へ出ると、俺は順番に殺して蘇生させていった。ケイトリンはすぐに鎖で繋がれた。マルコは手枷をはめられながら、俺に黙って頷いた。ヴァイは俺を怯えた目で見つめていた。彼女が今や牢獄と化した無事だった家の一つへ連行されていく間も。
最後にエヴァを殺して蘇生させた。彼女はすぐに俺のところへ駆け寄って泣き出した。近くに立っていた喜びに満ちたデフールは帽子を取り、目に何か入ったふりをした。
エヴァをエンディスに預けてから、俺はしばらく狐娘たちを返さない方がいいと判断した。そうしないとラズがずっと付きっきりでいなきゃならなくなる。念のため、彼女にそのことを伝えておいた。
「シアディンはどうするんだ?」とフェブリモールが尋ねた。
髪から余分な水を拭い取りながら、俺は少し考えてから言った。
「彼女の子供たちに決めさせよう。前向きな結論が出れば、フロルガに残す」
新たな質問を待たず、俺はリッチに変身して飛び上がり、遺体を探し始めた。そしてすぐに必要なものを見つけた。
「新たなアンデッド創造――ヴィンセント、ハミルトン、クリムゾン、ヴァイオレット、ブラッキー、セバスティアン、ミランダ」
俺が他の連中のところに戻ったちょうどその時、水たまりを跳ね飛ばしながら、アイリーンが全速力でこっちに走ってきた。彼女の顔には、あまりにも本物の恐怖が浮かんでいて、全員が一気に緊張した。
「何かが! 何かが近づいてくる、上から!」
低い轟音とともに、俺たちの上に巨大なシルエットが浮かび、雨から俺たちを覆い隠した。何か透明なもの、数十メートルはある長さで、かすかに光を反射している。ちらつきとともにその膜が消え、飛行機と宇宙船の中間みたいな何かが姿を現した。
船体の側面には几帳面に描かれていた。「スペーステック、航空宇宙防衛軍」
「俺のためか」と呟きながら、残骸の上に着陸した船に近づいた。
◇◇◇
「現在の残存寿命――27+(211)。能力発動用ボーナス年数:105(105)(係数0.5)」




