第百十九章 子供じみた分断
転移を終えると、俺は塔に辿り着いていた。だが、外に出て少し歩いただけで、不機嫌そうな女たちに囲まれてしまった。
今にも襲いかかってきそうだ。しかも、恋愛的な意味じゃない方向で!
「何か問題でも?」俺は目の前にいた女の一人――光る弩を持ったエルフに訊いた。
男が直接話しかけてきたことに驚いたのか、その女は歯ぎしりし始めた。
「てめえ、ゴミが、よくもノコノコと現れやがって……」
「いや、ゴミじゃなくて、アイゼンヴェルド家の新しい男なんだけど」
瞬きをして、その女は他の連中と顔を見合わせた。別の女が近づいてきて、どうやら思考を読み始めたようだった。
「うーん、そうだな。こいつの言う通りだ」
エルフ娘は青ざめると、すぐさまみんなを追い払いにかかった。それから俺の方を振り返って、小声で言った。
「伯爵夫人様にこの小さな……出来事のことを知られないようにしていただけたら、とても感謝します」
「夫人のところへ向かう俺を足止めしたことをか?」
彼女は渋々といった様子で頷いた。
「それと、俺をゴミ呼ばわりしたことも?」
またもや頷く。ただし今度は、顔にさらに悲痛な色が加わっていた。
「それから俺を殴ったことも? 俺が命乞いするまで殴り続けて、『ああ、伯爵夫人様の旦那をボコボコにするのって最高! どうせあのバカは気づかないんだから、へへっ』とか叫んでたことも?」
少女は俺から飛びのき、怯えた様子で言った。
「そ……そんなの嘘よ!」
謎めいた笑みを浮かべて、俺は答えず城の方へと歩き出した。
「待って! 待ってください、お願い!」と後ろから叫び声が聞こえたが、俺はただ手を振るだけだった。
それ以上誰も俺を引き止めようとはしなかったので、無事に城まで辿り着いた。まあ、道順は覚えてなかったんだが、幸いここでは俺のことを覚えていてくれたらしく、髪をポマードで固めた真っ白なシャツ姿の若い奴が、広い応接間まで案内してくれた。
暖炉のそばの柔らかい肘掛け椅子にどかっと座り込むと、ひんやりした朝の冷気がすぐに抜けていった。
三十分ほどすると、使用人が戻ってきて俺を呼び、会計係たちを連れてきた。金を渡してから、俺は世話焼きな若い奴の後についていった。
いくつもの冷たい廊下を抜けると、広々としたホールに出た。ここは驚くほど清潔で、いくつものベッドの周りを真っ白な服を着た娘たちが動き回っていた。ファリンや狼娘たちの出産介助が下手だとは言わないが、ここは遥かに現代的な雰囲気だった。
フリーダはベッドの一つに横たわり、二人の子供を抱きしめていた。男の子と女の子で、妙なことに、どちらも黒髪だった。もちろん、遺伝というのはここでは独特なものだったが、それでも俺も伯爵夫人も黒髪を自慢できるような髪色じゃなかった。
俺が近づくと、フリーダは嬉しそうに微笑んだ。
「ニコ、朝から早いのね? 意外だわ。私たちの子供たち、どう?」
何度こういう評価をしてきたことか。だが、あまり意味はない。この年齢じゃ何とも言えず、「可愛い」と評するのが精一杯で、あとは結局どんな風に育つか待つしかないんだ。
「可愛いね!」俺は明るく言って、隣に腰を下ろした。子供たちは驚いたように俺を見たが、すぐに興味を失った。
「もう名前を付けたの」フリーダはくすりと笑いながら素早く言った。「エヴァとアルグス」
「市民ステータス:+2(297)」
「シャドマー派閥とのシナジー+25%(60/100)」
「ステータス更新中……完了」
「新たな子が登録されました:エヴァ・ゴストヴィン・ボス・アイゼンヴェルド、シャドマー/アルヴァー派閥。
新たな子が登録されました:アルグス・ゴストヴィン・ボス・アイゼンヴェルド、シャドマー/アルヴァー派閥」
「で、育て方はどうするんだ? なんだかんだで子供は育つのが早いし、当面俺たちが一緒に暮らすことはないだろ」
「あら、もちろん私たちのところで育てるに決まってるじゃない」フリーダが鋼のような声で言った。笑顔のかけらもない。
これ以上子供の再教育なんてごめんだ。萎縮した息子と女王様気質の娘、きっとそういう風に育てるつもりなんだろう。
「うーん、ニコ、大げさよ」フリーダが穏やかに言った。「私の息子に酷い扱いをする者なんていないわ。娘は……まあ、確かに父親や弟を下に見るかもしれないけど、それは当然のことよ。私たちは何世代もそうやって生きてきたし、ほら、私たちの地位はアルヴァーより上なんだから」
「知るか、俺は納得しねえ」俺はフリーダの目をまっすぐ見つめながら突っぱねた。
伯爵夫人は弱々しく微笑むと、俺を可愛い馬鹿でも見るような目で見てきた。別に怒るようなことじゃないんだが、なんかイラッとする。
「ねえ、あなたシャドマーの子供が何なのか全然分かってないでしょう。試練の最中に私たちのゾーンと遭遇したことはある?」
「ある」
少し驚いた様子で、彼女は続けた。
「遭遇したことがあるなら、そこで誰が襲ってきたか見たはずよ。憑依された者たち。狂人たち。シャドマーが自分の能力を制御せず使い続けると強くはなるけど、知能は動物以下に落ちるの。子供から目を離したら、あっという間にそういう存在になってしまうのよ」
これはかなり重い理由だな。とはいえ、本当にそこまで酷いとは思えないが。
「俺には狐の使用人たちがいる。彼女たちが見張ってくれないか?」
フリーダは目を閉じた。
「アルグスは私と一緒よ。選択の余地はないわ。エヴァは持っていってもいいけど、警告しておくわね。もしあの子が憑依されたら、あなたが私の夫だろうと容赦しないから」
声には脅しが込められていたが、俺は譲るつもりはなかった。俺が長期間不在になっても、誰かが拠点を管理しなければならない。狐娘たちにはその役目は任せられない。もちろん、身分が低くても彼女たちの一人を妻に迎えるか、息子の誰かと結婚させる手もあるが、実の子供の方が適任だろう。
目を開けないまま、フリーダはテレキネシスで慎重にエヴァを俺の腕に渡してくれた。
「信頼してくれてありがとう」
鼻を鳴らして、彼女は目を開けると、残ったもう一人の子供をぎゅっと抱きしめた。
「まあ、いいわ。労働者も必要なの? ロートクに聞いてみなさいよ、私が全部把握できるわけないでしょ。いざとなったら、ファミリーの名前を使えばいいわ」
「ありがとう」
フリーダと息子にキスをすると、職員から十ほどの驚いた視線を浴びた。その後、娘を大事に抱えながら隣の部屋へと進んだ。
セレナが小さく喉を鳴らしながら、耳のついた女の子をあやしている。髪も黒い。無意識にこの世界の家族システムに身を委ねることにして、俺は嫁さんのところへ近づいた。
「やあ」
俺に視線を向けて、セレナが耳をぴくりと動かした。
「お帰りなさいませ、ご主人様」
ベッドの端に腰を下ろして、安らかにすやすやと寝息を立てる女の子を眺めた。どうやら何か夢を見ているらしく、耳が可愛らしくぴくぴくと震えている。こんな穏やかな光景を目にすると、ここでどんな掟が支配しているのかさえ忘れてしまいそうだ。
「渡さない」セレナがかすかに囁いて、わずかに首を横に振った。「お願いされても無理」
まあ、予想通りだ。何と言っても子供は一人なんだから。
「分かった。それで、名前は……」
「ノクスよ」
「市民ステータス:+1(298)」
「ステータス更新中……完了」
「新しい子供が登録されました:ノクス・ヴェスモルズ・ボス・アイゼンヴェルド、シャドマー/アルヴァー派閥」
「わかりました。ゆっくり休んでください、邪魔はしませんから」
セレナは首を傾げたが、俺はその間に数多くの廊下を歩いていった。
ロートクに戻ってきた俺は、女の子を優しく揺らしながら、こっちに駆け寄ってくるエルフの娘を見て笑顔になった。
「ふう……言ってませんよね?」と娘は息を整えようとしながら、不安そうに尋ねた。
俺は驚いた顔をして、素早く振り返りながら言った。
「やべっ、そうだった、思い出させてくれてありがとな!」
「やめてくださーい!」
微笑んで、俺は立ち止まった。
「俺には労働者が必要なんだ。多ければ多いほどいいが、まずは数十人でも」
エルフの女は固まった。俺が沈黙の代価を告げたと悟り、彼女は額に皺を寄せて必死に考え始めた。
「えっと、わかったわ。近いうちに送るから。塔でいいのよね?」
頷いて、俺は自分の家に向かい、屋敷に転移した。また屋根を雨が叩いている。だから俺はとりあえず居間に留まった。ケイトは肘掛け椅子でうとうとしていた。雨音に誘われて眠くなったらしい。朝食はちょうど運ばれ始めたところだった。料理を見る限り、妻たちがメイドたちを圧倒したようだ。
セフィーナ、フロルガ、エンディスが皿を全部運び込んで席に着いてから、ようやく狐娘たちが姿を現す勇気を持った。俺に近づくと、彼女たちは深々と頭を下げた。
「申し訳ございません、ご主人様。朝食を用意できませんでした」アーギが報告し、満足げなセフィーナの顔を憎々しげに睨んだ。
「気にするな。座って食べろ」
娘から目を離さずにいたフロルガが、尋ねることにした。
「ニコ、これって……」
「ああ、シャドマー伯爵夫人との間にできた俺の娘だ。エヴァって言うんだ」
曖昧に唸り声を上げた狼娘は、垂れ下がった耳で気持ちを露わにしていた。セフィーナは微笑みながらオムレツの欠片にフォークを外し、エンディスだけが興味深そうに少女を眺めて、俺の隣まで席を移してきた。
「あら、可愛い子ね。ニコ、まさか自分で育てるつもりなの?」
質問が宙に浮かんだまま、俺以外は誰もフォークを動かさなくなった。
「何て言えばいいかな。最初からそういう役割を引き受けたかったんだけど、また他の人たちに頼らざるを得ないかもしれない。ところでルビー、アーギ、シャドマーの子供の発育の特性って知ってるよな?」
アーギは唇を引き結び、赤い狐娘に素早く視線を投げかけた。
「はい、ご主人様。わたしにお任せください!」ルビーは微笑むと、床で尻尾をぱたぱたと揺らした。
「ありがとう。でも、君には相談役だけをお願いしたいんだ。メインの教育は他の人に任せる」
きっとスーパーおじいちゃんのファリンだろうな。エンディスも興味ありそうだけど、彼女の子供たちはもうかなり大きいし。
俺から赤ん坊を受け取ったエンディスは、嬉しそうに赤ちゃん言葉であやし始めた。他のみんなは黙って見守っている。
「ところで、最近は朝食に集まる人が少ないのはなんで?」
話題が変わったことに喜んだセフィーナが、すぐに話し始めた。
「みんなバラバラなのよ。ケルはいつもすごく早起きで、何か軽く食べちゃうの。キューとワイは逆で、みんなが食べ終わるまで待って一人で食べるのを好むのよ。アンネリはセンターで食べてるわ、他の子たちと一緒にね。クリオシタは見てないわ」
考えてみると、あることに気づいた。
「ジェシーは?」
セフィーナの耳がぴくりと震えたが、彼女は冷静を保とうとした。
「喧嘩しちゃったのよ」彼女の代わりにケイトが溜息をついて答えた。
どうせセックスがらみの揉め事に決まってる。で、どうすりゃいいんだ? 寿命を全部分離に注ぎ込んで、片っ端から寝て回るか? まあ、最悪の案ってわけじゃないが、明後日には襲撃なんだぞ。
「いいか、お前ら。これじゃまずい。今日もう一回テクガンに行く予定だ。今回はあまり隠れないで行く。行きたい奴は全員連れてく。喧嘩してる女子は留守番な」
「にゃあ! ニコ、そんなのずるいにゃ! あたしが始めたわけじゃないのに、にゃ!」セフィーナが胸の前で腕を組んで、不満そうに騒ぎ立てた。
「好きにしろ。俺はただ提案しただけだ。朝飯ごちそうさん」
立ち上がると、とりあえずエヴァをエンディスに預けたまま、地下室へ向かった。
テクガンの基地に移動して、バギーを二台発注した。石油200、高品質鋼500、普通の鋼150、道具40。
製造は意外と早く進んでいる。ガーディアンたちがどうしてしくじったのか不思議なくらいだ。たぶん、もっと高度なものを注文したんだろう。
その間に、俺はアンジュヘルの基地へ移動した。
エネルギーの祭壇が完成していた。だが俺はまず、オビテリへ向かった。
「おお、ニコ! 俺の最愛のヤリ友! 相棒、イェーイ!」
クリオシタはあらゆる姿で俺を歓迎してくれた。アマンディも駆け寄ってきて、エルフの娘の力強い抱擁に加わった。
「パパ!」
二人が十分にスキンシップを堪能したところで、俺は尋ねた。
「で、なんでみんなと一緒じゃなくてこんなところにいるんだ?」
「ああ、ママが故郷のこと話してくれたの。それと、あなたが来るのを待ってたのよ。そろそろディファーを追加する時期だって」
眉をひそめて、俺はクリオシタを見た。彼女は無邪気に微笑んで、首を傾げた。
「わかった、やろう」
家を出て、シンテシスの近くに場所を選び、ディファー・コンデンサーを発注した。触媒とエネルギーを全部使い切って加速をかけたら、ちょうど15分待つだけで済んだ。
我慢できなくなって、俺は訊いた。
「アマンディ、お前自身はこれを望んでるのか? ママが苦しんでるのを見てるだろ。他の奴らを抑え込もうとして、いつもあんなに苦しんでるのに」
羽ばたきながら、少女は俺の方へさっと振り向いて、満面の笑みを浮かべた。
「ああ、父さん。これが僕の本質なんだ。もしかしたら、理解して受け入れるのは難しいかもしれない……僕らは違うんだ」
「それじゃ、アンジュヘルもプロエリア出身じゃないのか?」
「おお、ニコ、いい質問ね!」クリオシタが叫んだ。好奇心が他の人格を押しのけたようだ。「ねえ、これって五分五分なのよ。インペルとディファーは別の世界から来て、ホスト体はこっちの出身。正確に言えば、私たちのために作られたの」
本当に奇妙な話だった。この惑星の一体何がそんなに特別なんだ? あらゆる連中がここに集まってくる理由は。そこで、俺にひとつのアイデアが浮かんだ。
「なあ、別世界から来たっていうなら、派閥全体が召喚されたわけじゃないだろ?」
エルフの娘が頷いた。俺がまだ何か言うのを待っている。
「ってことは……お前たち、かなり発達した宇宙船を持ってるってことか?」
まばたきを繰り返しながら、彼女は言った。
「もちろんあるわよ! 私が知る限り、どの派閥にもあるはずよ。謁見の場合に備えて、ってアクワイアが教えてくれたわ。あら、この可愛いお顔を見て! さっきのは何だったの、私ったら気が散っちゃっただけ?! ねえ、教えてよ!」
ということは、従僕は俺を宇宙に放り込むつもりなのか? しかも21日後、すぐそこじゃないか。まあ、試練をクリアできればの話だが。
その間に、建設が完了した。
「建設完了」
「建設済み:ディファー・コンデンサー」
建設可能リストの更新中……完了
新規基本施設:訓練所。
「訓練所を検出……モデルリストの更新。アンジュヘルのランクアップが全訓練所で可能」
「新兵科モデル1:プリマ」
「新兵科モデル2:セクンダ」
「新兵科モデル3:テルシア(ランク3へのアクセスが必要)」
「アンジュヘル派閥シナジー+2%(72/100)」
「新インペル(2)――コントローラー・リストアラー(天使保有者のみ)、ディヴァイダー(悪魔保有者のみ)、プライム・コントローラー(虚無保有者のみ)」
地元の訓練所にはリソースもないし、今のところ意味もないから、俺たちは揃って屋敷のファミリーターミナルへ向かった。75ゴールドを使ってアマンディのランクを2に上げると、彼女はコンバーターの中へ入っていった。
「インペルをコントローラー・リストアラーへ昇格させますか? 100ゴールド」
「はい」
光が消えた後、娘は満足げな様子で変換装置から飛び出してきて、俺の頬にキスをした。
「ありがとう、パパ!」
嬉しそうに羽をばたつかせ続ける娘のせいで少し寒くなってきたが、それでもくそったれ可愛かったんだ!
帰り道、俺は娘の様子をずっと見守っていた。特に変わったことは起きていないようだった。
「パパ、私のこと大好きなのはわかってるけど、その視線はちょっと居心地悪いわ」アマンディは照れながら言った。「心配しないで。ただママと同じインペルを手に入れただけよ。生き物を蘇らせたり治療したりできるの。まあ、蘇生は一時的だけど……」
「ああ、ごめん。心配なだけなんだ」
アマンディは俺の手を取り、目を覗き込んで微笑むと、理解したように頷いた。
その間に、俺たちはもう新しい建物に入っていた。
広々とした空間の天井には、無数のガラス製フラスコが吊り下げられていて、その向こうに街の明かりが透けて見えた。時折、火花がフラスコの中を走り抜け、いくつかはもう放電が踊っていた。
居心地が悪くなって、俺はクリオシタの動きを目で追うことにした。エルフの彼女はコンテナ型ベッドに近づいた――アマンディが「育った」のと同じようなやつだ――そして娘に横になるよう声をかけた。
娘が横たわると、クリオシタはリングを解除して、アマンディを完全に素っ裸にした。
端末をカチカチいじりながら、エルフは待った。やがて、火花を散らすいくつかのフラスコが天井から降りてきて、リボルバーのシリンダーみたいに、アマンディの頭の高さに配置された。コンテナはガラスの蓋で閉じられ、フラスコのサイズに合わせた小さな穴が開いていた。
「おーい、ニコ、近くに来る? それとも興味ない?」
クリオシタは完全に作業に没頭していた。だから俺は近づいて、ただ見守ることにした。
「ディファー統合準備中……完了。
ディファー検出……3……5……6。
最適な適合性を選定中。
担い手の解析……完了。
インペルの人格解析……完了。
ディファーの選定完了。統合しますか? はい/いいえ」
クリオシタは俺を振り返り、俺が頷くのを待ってからボタンを押した。
フラスコが並んだ「ドラム」がその場で回転し、必要なものが開口部の前に来た。下部が開き、稲妻が下へと迸り、娘の体を貫いた。
アマンディが悲鳴を上げたが、数秒後には静まり、落ち着いた。
「ディファー統合完了」
蓋が外れて、目を開けたアマンディがゆっくりと起き上がった。クリオシタは鼻を鳴らして俺を見ると、娘の指輪を回して服を戻した。
エルフが手を振って、試してみろと促した。
アマンディは頷くと二つの分身に分かれた。驚いたように自分自身を見つめながら、少女は俺たちに駆け寄ってきた。
「ママ、パパ、大好き! ありがとう、もう強くなった気がする!」
もう一人の少女が丁寧にお辞儀をした。
「ありがとうございます。あなた方の娘でいられることは、私にとって名誉です」
初回からやり過ぎないように決めたのか、少女は元に戻った。
「あ、そうだ、私は今アマンディ・ホノです。どうぞよろしくお願いします」
◇◇◇
「現在の残存寿命――53+(298)。能力発動用ボーナス年数:149(149)(係数0.5)(捕虜――41)」




