第百十章 アンジュヘルについてもう少しと、豪華な生活への移行
クリオシタの言葉にもかかわらず、俺にはまだ信じられなかった。いや、もちろんSFは見たことがある。マルチパスポートとか、そういうのもな。だが、それが画面の中じゃなくて目の前で起きてるとなると、なんだか落ち着かない気分になるんだ。
「もしあんたたちがそうやってゼロから人間を作り出せるなら……じゃあ、なんであんな実験をする必要があったんだ?」
クリオシタは恥ずかしそうに微笑むと、自分の股の間で手のひらを滑らせた。
「あら、ニコ。言っておくけど、こっちの方が私たちの普段のやり方よりずっと面白いのよ。これには同意するわ。セックス万歳!」
「つまり、あんたたちは新しい住民を何千何万と作り出すことはできないのか?」
クリオシタは首を横に振ると、俺に近づいてきた。
「もちろん無理よ。二体の個体が必要なの。それで、たまたま異性同士だったわけだけど、正直言って、私たちにとってそれは別に重要じゃないのよね……」
どうやら俺の表情がすぐに俺を裏切ったらしく、エルフの女は慌てて言い直した。
「おっと、もちろん、言ったでしょ、私は女の体の方が好みなの。だから気にしないで。ねえ、それよりもう一回ここで私たちを組み伏せたいんでしょ? そうでしょ!」
「ってことは、娘も娘じゃなくて、心は息子ってこともあるのか? それに、本質的には誰でも作れたってことだよな?」ますます疑念を深めた声で俺は尋ねた。筋肉が形成を終え、脂肪と皮膚組織に置き換わっていくのを眺めながら。
クリオシタは弱々しく微笑むと、渋々といった様子で頷き、他の者たちが口を挟む隙も与えずに早口で言った。
「ただね、あなたと私、どっちも女の体の方が好みだと思って、だから遺伝子テンプレートに女性の性別を組み込んだの。全部はインペラ次第だけど、普通は保有者と一致するわ。それ以外は、心配しないで。この体にはあなたと私の特徴が織り込まれてるから、立派な私たちの子供よ」
後頭部を掻きながら、俺は溜息をついた。
「妙な話だが、まあ、慣れるだろう」
その言葉を聞いて、彼女は微笑み、俺に寄り添ってきた。
光線の唸りが止んだ。俺の目の前には裸の少女が横たわっていた。長い淡いピンクがかった髪に縁取られた可愛らしい顔立ち。豊かな胸を持つすらりとした体、真っ白な羽毛の天使の翼。濃い睫毛の大きな瞳は閉じられていて、かすかな胸の上下がなければ、目の前にいるのは人形だと言えただろう。あるいは死体か、まあそんなことは考えたくなかったが。目を引いた変わった点は――耳だった。長くなかった。
俺の質問にクリオシタは照れながら答えた。
「ああ、その……あなたからももう少し受け継がせたくなったのよ。ほとんど全ての種族が母系遺伝なんて、これがなくてもあまりに不公平だと思ったの。そう、だって男たちはあんなに頑張ってるのに、残念ながら稀だけどね。全部正しくやったわよ、友よ、彼の嬉しそうな顔を見てごらんなさい、ゆーふー!」
どうやら、本当にあまりにもあからさまだったらしい。急いで話題を変えようと、俺は尋ねた。
「それで、これからどうする? なんで目を覚まさないんだ?」横たわったまま動かない娘を見ながら俺は訊いた。まるでガラスの棺の眠れる森の美女みたいだ。それとも白雪姫だったか? ああもう、この手の翻案ものときたら。
「まだ早いわ。シンテシス・インペロフを建造なさい、まあ、たぶん今はエネルギーがないでしょうけど。少し待つか、それとも狩りに行きましょうよ! ああもう、あなたたちはくだらないことばかりして、その間にチュッチュしてればいいのに。やったー、獣を殺しに行くわよ!」
裸のままで走って行くクリオシタの後を追って洞窟から出ると、俺は彼女に服を着た方がいいんじゃないかと柔らかく示唆した。
小さく悲鳴を上げて、エルフの娘は慌てて戻り、すぐにいつもの姿で帰ってきた。黙ったまま俺たちは森まで歩いた。誰かを見つけるまでどれだけここをさまよい歩くことになるのか見当もつかなかったが、そもそも俺は狩りなんてできなかった。
しかし、俺と違ってクリオシタは自信たっぷりに歩いていたが、突然立ち止まった。目を閉じると、彼女は三つの分身に分かれた。
そのうちの一人が、耳まで裂けた笑みを浮かべながら、不意に空中から眩しく輝く白い短剣を取り出した。もう一人は腕を胸の前で組み、ゆっくりと前へ進んでいった。やがて、娘が何を見つけたのかわかった。でかいスパイダーラだ。もちろん、キルハイヴの変異で生まれるやつよりは小さいが、それでも堂々たる体格だった。茂みの奥に隠れて、どうやら待ち伏せから飛び出すつもりらしい。まあ、こんなでかい図体だと糸は使いづらいんだろう。あんな量の糸、気づかないわけがない。
「こっちにおいで、可愛い子ちゃん!」リビが色っぽい声で言いながら、手からエネルギーの塊を放った。蜘蛛は避けきれず、攻撃を受けて見えないロープに引き寄せられるようにゆっくりと近づいてきた。その間にガウディが前方へ駆け出し、アキルズのような短い位相ジャンプを繰り返していた。ただ、方向は完全にランダムだった。娘は近づいたり遠ざかったりしていたが、すぐに接近するのは明らかだった。
そばまで来ると、狂ったように笑いながら、ガウディは素早く蜘蛛の脚を切り刻み、巨大な胴体を地面に転がした。リビに這い寄ろうと、切り株になった脚を動かし続けていた。
クリオシタ自身が近づき、霧に変わって蜘蛛の体内へ侵入した。アラクニドがびくりと痙攣し、突然騒々しく金切り声を上げたが、次第にその悲鳴は消えていった。さらに数分――そして敵は完全に静まり返った。
リビが俺に近づき、俺の筋肉を撫で始めると、羽をぱたぱたさせた。
「クリオシタが忙しい間に、私たち、あれこれ、しちゃう?」
「お前の一部が忙しいんだから、邪魔はしないぞ。つーか、俺が初めてだったなら、お前はどこでそんなエロい知識を仕入れてきたんだ?」
リビは俺に抱きつきながら、鈴を転がすように笑った。
「そうね、当然の疑問だわ、ダーリン。でも本当に、あなたが私の初めてなのよ、それなのに今さら制限するなんて酷いじゃない!」唇を尖らせながらリビが囀り、足を擦り合わせた。「質問の件だけど、もちろん全部うちの賢い子に任せたいところだけど、特別にサービスしてあげる。私はディファーだから、他の子たちと同じで、精神感情界から基盤を得たの。強い感情、性格の特徴、カリスマ的な人格の欠片さえも、それが凝縮してディファーになることがあるのよ。だから、すっごくスケベな女の子が私の基盤になったってわけ。あなたは今後ずっと私と付き合っていくのよ、そういうこと!」可愛らしく声色を変えて締めくくると、リビは俺をぎゅっと抱きしめた。
答えに礼を言ってから、俺は蜘蛛の死体へ向かった。それに変化が起き始めていたからだ。明らかに干からびていき、やがて塵の山に変わった。
普通より遥かに大きな霧の塊が基地の方へ飛んでいき、俺は二体の分身と共に急いでその後を追った。倉庫に飛び込むと、霧の塊は大きなガラスのフラスコの中に入った。他の倉庫では見たことがないものだ。ゆっくりと大きさを縮めた霧の塊は外へ飛び出し、クリオシタへと変わり、全ての分身が一つに統合された。
ふらつきながら、少女は必死に翼をばたつかせたので、俺は急いで彼女を支えた。
「あ、ニコ、ありがとう。すごく消耗しちゃって、ごめんね……」クリオシタは俺の腕の中でぐったりしながら、苦しそうに微笑んだ。「もう十分だと思う。早く建設して」
「そんなに早く娘が欲しいのか?」
黙って頷くと、エルフの娘は目を閉じた。
彼女をオビテリへ運んでから、倉庫を確認した。エネルギーは300。加速装置の類は持っていないが、シンテシスなら200で発注できる。4時間か。加速を適用して、1時間になった。その間にクリオシタが休んで、俺は他の用事を片付けるには十分だろう。リストを見て、エネルギーの祭壇をもう一つ100エネルギーで発注したが、加速はかけなかった。古い方と同じく12時間だ。
建設を発注してから、俺は自室に戻り、ポータルを通って屋敷へ移動した。
外へ出ると、メッセージを受信した:
「システム『ロートク』――拠点アルヴァー:第三レベルへの拡張準備完了。適用しますか? はい/いいえ。注意! 全員、建物内に留まってください!」
周辺を駆け回ってみんなに警告を出してから、俺は家に戻って確認ボタンを押した。これが二回目だったから、今回は前ほど怖くはなかったが、それでも十分ほどかなり揺れた。この局所的な地震が収まると、俺は外へ出た。
円周がさらに大きくなり、奇跡的に資源が移動していた。壁はさらに高く頑丈になり、巨大な多層構造の石造りの塔が追加されていて、そこには複数の兵器が設置されていた。中間階にはバリスタ、上層部にはマンゴネルか、それに似た何かが置かれている。
中央部は本当に中心部と呼ぶにふさわしくなり、大きさはハイパーマーケット並みだ。三階建てで、今や部屋数がどれだけあるのか、必要になっても誰かを探すのは至難の業だろう。
振り返ると、驚きの声を上げずにはいられなかった。屋敷は今やVIP級の高層マンションと化していて、急いで数えてみると八階建てになっていた。念のため中に入ってみた。リビングルームは豪華な調度品で飾られ、家具は全員分余裕であるだろう。床には絨毯が敷き詰められ、暖炉では薪もないのに炎が穏やかにパチパチと音を立てている。壁には触るとかなり温かいプレートが取り付けられているのを見つけた。感触からして、ここには本格的な暖房設備が整っているようだ。
本格的な浴槽とトイレ、しかもお湯まで出る。キッチンには拡張メニュー付きの新型「冷蔵庫」があり、さらにミニバーまで追加されていた。
階段の近くにシャフトと踊り場を見つけた。そこに乗って目的の階のボタンを押すと、かなり速く滑らかに上階の「変換装置ゾーン」へと到着した。訓練用のベッドは今や九台になっていた。
降りていくと、嫁たちの歓声が聞こえてきた。とりあえず放っておくことにして、俺は外へ戻った。住居棟も成長していたから、どうやら当分は新しく建てる必要もなさそうだ。
メッセージに注目してみる。
「第三レベルのロートク。
強化された自動防衛砲――起動中。
要塞化強化――起動中。
堀――起動中。
資源収集四倍化(管理者ボーナスと重複)――起動中。
ポータル系建造物へのアクセスが解放された。
ランク5が解放された。
新たなエリート建築物:リッチの研究所(ダークオベリスク必要)、魔法騎士団、エリート射撃学校、生命のアカデミー、魔術師の塔3、騎兵学校、精密科学アカデミー、輸送門、都市間テレポート、攻撃門。
新たな基礎建造物:ダークオベリスク」
おお、やたらと建物を増やしたな。どうやら兵種ごとに専用のエリート建造物が必要で、それで五段階目のモデルにアクセスできるようになるらしい。
とりあえず俺は、興味を引かれたそのオベリスクを注文しに行った。値段はシンプルだった。クリスタリット50個と、命10人分。年数じゃない、文字通り誰かの命だ。
まあ、俺は最初から奴らに死刑宣告を下したようなものだけどな。だから俺は「建設」を選んだ。
オベリスクはすぐに出現した。かなり大きなつや消しの黒い石板といった感じだ。あの十人の人間のための巨大な墓石、とでも言うべきか。
「ハイネクロマンサーの維持費が一日1に低下」
「新たな建造物:オベリスク増幅器」
それを選ぶと、メッセージが表示された。
「リソース不足:呪われしクリスタリット」
また始まったよ、何もないところで邪魔しやがって。それにクリスタリットにはもううんざりだ、一体どこでそんなに掘る時間があるんだよ。
確認してみると、研究所や他の建物に必要な分が足りないことがわかった。俺はシアディンを探しに行った。すぐに彼女を家の一つで見つけた。
「おはよう、ニコ。調子はどう?」広い笑顔で彼女が挨拶してきた。
「ああ、まあまあだ。ちょっと話がある」
女王の目が輝き、彼女は囁いた。
「あら、やっぱり可哀想なシアディンに宿代を要求するつもり? 優しくしてくれるわよね?」
手を振って払いのけ、俺はすぐに言った。
「なあ、試練のときのお前の振る舞い、面白かったぜ。その安っぽい高級娼婦ごっこはやめろ。俺が必要としてるのは、影響力があって狡猾なシアディン、その行動を推測することしかできないような奴であって、この紛い物じゃない」
俺の言葉を飲み込んで、女王は様子を窺うように俺を見つめた。
「それで?」
「クリスタリットは持ってるか? 買いたいんだが」
その言葉に、少女はかすかに身震いしたが、すぐに好意的な表情の仮面を顔に張り付けた。
「残念だけど、この辺じゃそれは不足してるの。テクガンと交渉してみたら? あっちではあまり使われないから、在庫を持ってる人がいるかもしれないわ」
まあ、俺もそのつもりではあった。どうせ男爵夫人たちの支援を取り付けるなら、彼女たちと取引もできるだろう。ただ、もっと早く手に入れたかったんだが……
「わかった、ないならないでいい。魔法使いはいるか? ギルドはがらんどうだったんだが」
「ああ、それなら手配できる。指示を出しておこう」
「じゃあ、今のところはこれで」
もう帰ろうとしたとき、ふと尋ねた。
「なあ、結局のところ、どうしてここにいるんだ?」
シアディンは俺の目をまっすぐ見つめて、静かに言った。
「ただ争いたくないの。そのためにはあなたと縁を結ぶ必要があるから」
誠実に聞こえる。だが、それが唯一の理由だとは限らない。頷いて、俺はアンジュヘルへ向かった。
十分ほど待ってから、クリオシタの様子を見に行った。彼女はだいぶ良くなっていたが、まだかなり弱っていた。俺を見ると立ち上がって急いで近づいてきたが、また倒れそうになった。
「おっと、そんなに急ぐなよ、な?」
エルフの娘は素直にうなずいた。俺たちは新しい建物へと向かった。シンテシスが完成したんだ。
「アンジュヘル派閥とのシナジー+4%(43/100)」
建物は前より近代的な造りだった。だが最初、クリオシタはまた俺を中に入れてくれなかった。さっさと服を脱いで入っていった。
彼女は十分ほど姿を消していたが、やがて満足げな顔で出てきた。服を着直すと、俺の腕に寄りかかりながら一緒に創造の洞窟へと向かった。
娘の入ったコンテナのところで何かを操作すると、クリオシタは底部の小型エンジンが唸り始めるのを確認した。俺に取っ手を持つよう促し、自分ももう一つの取っ手を握った。コンテナは地面から十センチほど浮いていて、押すのは難しくなかった。まるで少し抵抗のある空気を手で押しているみたいだ。
とはいえ、運ぶ距離は短かった。創造の洞窟の壁にある小さなハッチまでだけだ。コンテナはぴったりそこに収まった。俺たちがシンテシスに入ると、もう娘はそこに運ばれていた。
コンテナの上には唸る音を立てるフラスコがあり、紫色のアーク光が揺らめいていた。その中では霧が渦を巻いていた。
「お前の特徴が優性だから、お前が元になる」――クリオシタがそう言った。他の人格たちが黙り込むほど興奮していた。
俺をコンテナまで連れて行くと、娘はフラスコのバルブを開けてさっと離れた。俺とコンテナの周りでエネルギーフィールドが唸りを上げ、それから霧状のものが外へ飛び出して俺の中に飛び込んできた。
何も感じたり理解したりする間もなく、それはすぐに出て行って、コンテナの筐体で紫色に光りながら唸る換気扇に吸い込まれていった。
体の中に入り込んだ塊は消えた。ガラスパネルが開き、娘から花の香りが漂ってきた。エネルギーフィールドが消えた。
娘は鋭く息を吸い込んで、濃紺の目を見開いた。周りを見回してから、俺に視線を留めた。微笑むと、コンテナから飛び出して俺をぎゅっと抱きしめ、羽をずっとばたつかせていた。
「パパ!」
クリオシタが近づいてきて、彼女に気づくと、娘はエルフの娘も抱擁に引きずり込んだ。
「ママも。愛してる!」
娘からのキスの嵐を浴びた後、俺たちはどうにかこうにか抱擁から抜け出した。
俺が裸の娘を見ないようにしているのに気づいたクリオシタは、フッと鼻で笑って娘の指の指輪を回した。
娘は明るい赤色のゆったりとしたストラップドレスに細いベルトを締めていた。脚には暗い色のタイツ、靴は無骨な感じのブーツ。全体的に母親ほど女性的じゃないけど、外見と合わせて娘はとても可愛らしく見えた。
「名前は何て言うの?」クリオシタが尋ねた。
再び俺たちを抱きしめた娘は、頬をすり寄せながら言った。
「アマンディ」
「市民ステータス:+1(250)」
「ステータス更新中……完了」
「新たな子が登録された:アマンディ、派閥アンジュヘル/アルヴァー」
「アンジュヘル派閥とのシナジー+25%(68/100)」
◇◇◇
「現在の残存寿命――53+(250)。能力発動用ボーナス年数:125(122)(係数0.5)(捕虜――43)」




