第百六章 テクガンへ、前進!
俺たちがちょうど帰ってきたとき、車から降りる瞬間に雨が降り始めた。
急いでセンターに駆け込んで、みんな揃って休憩室へ向かった。
「ふう、ありがとうパパ! 最高だったよ!」とヴィクが言い、他のみんなもそれに続いた。
みんなで抱き合って別れを告げた。そして俺はテクガンの連中を探しに行った。
邸宅にジェシー、エンディス、ジョニーを集めて、拠点の場所について聞きたいことを尋ねた。
みんな額にしわを寄せて頭の中で思い出そうとしていたが、俺は紙とペンを取りに行った。俺の「執務室」の机に置いてあるやつだ。そこには精々2回くらいしか来たことがないんだけどな。
「えっと、思い出すと……」とジョニーが口を開いた。「俺の拠点はポータルゾーンのほぼ最南端にあったんだ。お前はそこから北へ向かって、最終的にイカレ野郎どものところに辿り着いた。あれは奴らの二次拠点で、本拠地はもっと遠くて東の方にある。うーん、正しく理解してるなら、お前の拠点、兄弟、この辺だな」
走り書きだらけの紙切れを眺めて、何がどこにあるのか読み解こうとした。まあ、だいたい分かる。中心部に近くて、ポータルゾーンからもそう遠くない場所だ。
「さっき襲ってきた連中は守護者ギルド、下位ギルドの一つよ」ジェシーが自信ありげに言い、エンディスが賛同するように頷いた。「ってことは、ほぼ最北端ね。ウルカストがそこにいたのは確かだと思うけど、その後どこに向かったのか、しかもあれだけ時間が経ってるとなると……大きな疑問よね」
「それは現地で調べよう。他の連中はどうだ? 男爵夫人は、できれば触れたくないな。マディもだ」
「誰かマディって人知ってる?」エンディスが他のメンバーを見回して尋ねた。全員が首を横に振る。「新入りみたいね。まあ、ペインを知ってるってことは、たぶん彼の同盟『荒野の支配者たち』の下位ギルドの誰かじゃない? 『コヨーテ』か『ウラン棺桶』あたり」
「『棺桶』がもうペインのところに? マジかよ、ハッ!」ジョニーが驚いた様子で言ったが、ジェシーの苛立った視線に気づいてすぐに黙った。「わかったわかった、姉さんたち、続けて続けて」
「そうよ、ニコが欲深いギルドの数を減らした後、多くの小規模ギルドが慌てて大手に加入したの。辺境じゃもう稼げないって悟ったのよ」
「同盟がリソース不足になって、結局アルヴァー派閥を攻撃するってことにならないか? そういうの、過去にあった?」
顎に手を当てて考え込んでから、ジェシーは赤い髪を揺らして不安げに言った。
「なあ、ニコ、お前が現れてからは、もう何も予測できなくなったよ。覚えてることを頼りにするしかないな」
「了解。で、その先は?」
ジェシーがエンディスを見ると、彼女は咳払いをしてジェシーの代わりに続けた。
「ああ、その男爵夫人は『デッドリー・ビューティー』のリーダーなの。彼らは中心部に近い、ここよ」
エルフの娘が地図の一点を指した。俺の拠点からはかなり離れた場所だった。
「ただ、うちの拠点から直接行くとなると、途中にいくつか別の派閥があるのよね。でも、そいつらのことはよく知らないから、男爵夫人に忠実かもしれないし、敵対してるかもしれない。確実にわかってるのは『サンド・エニグマ』ね。東の方にいて、そこも男爵夫人が仕切ってるわ。あんたの男の魅力を発揮して、そっちも虜にしちゃえば?」エンディスはくすくす笑いながら、また別の点を描き込んだ。
「はは。虜にするのはできるけど、枠は一つだけだからな。襲撃のリスクを最小限に抑えられる派閥を選ぶ必要がある」
ジョニーが笑い声を上げた。どうやらあまり賛成していないようだ。
「手に入るうちに、ヒヨコちゃんたちを全員ゲットしとかなきゃだぜ、兄弟!」
「それをつい先日結婚したばかりの人間が言うのか。サユリを呼んでくるよ」真面目な口調でそう言って、俺はすでにドアの方へ一歩踏み出していた。するとジョニーが怯えた顔で俺の前に立ちはだかった。
「おいおい、兄弟、ただの冗談だって、そんなマジになるなよ」無理やり笑顔を作りながら、テクガンの奴は俺の肩を叩いた。「お前の言う通りだ、完璧だよ!」
まあ、狐娘は夫にあと二人妻を持たせるような女じゃないんだろうな。
「まあ、それはいい。ペインについてはどうだ、彼の拠点はどこにある?」
顔を曇らせて、ジェシーは北部寄りのほぼ中央に点を描いた。
「ここだけど、でも、やっぱりそこには余計に近づかない方がいい。噂によると、彼は感情的な人間で、簡単に挑発できちゃう。そうなったら悲惨な結末、つまり攻撃を受けることになる」ペイン本人に聞かれるかのように言葉を選びながら、ジェシーは言った。
「了解、だいたい分かった。他に誰か知ってるか?」
「『天空のハンター』、『ナルコ・エクスプローダー』、『ドクターズ』……」ジョニーが挙げていく拠点は、どれも東の遥か彼方にあった。
女の子たちは驚いた様子で彼を見つめた。どうやら、なぜ彼がそんなことを知っているのか疑問に思っているようだった。
「ああ、ジョニーはあっちこっち行ってるからな。俺のことはほとんどどこでも知られてるんだ、ははは!」
彼が出入りしてたギルドには頼らない方がいいんじゃないかって思ったが、口には出さなかった。
「あと民間人を基地に集めようと思ってるんだけど、何かアイデアある?」
「そうね、基本的にはどこのギルドでも問題になるわよ。民間人への負担がかなり大きいから、彼らはよく条件のいいところを探してるの。何か特別なもので引き寄せないと、どこでも断られるわ。特別な気候を強調してみたら? なんといっても、暑さに文句を言わないテクガン人なんて死んだテクガン人だけだもの」エンディスは微笑みながら言った。
「え、今も暑いの?」
「いつだって暑い。時々もっと暑くて、ごくたまにクソほど暑いんだ」ジョニーは自分の記憶を思い出して顔をしかめながらぼそっと呟いた。
ああ、まあ大体分かった。近いうちに出発するつもりだ。ジョニー、お前はここに残ってくれ。俺たちは身軽に行く。余計な注目を集めずに済むからな。ああ、それとケイトも一緒に連れて行こう。
ジェシーとエンディスは頷くと、準備に向かった。
女の子たちが準備している間に、俺は金庫から『コミュニケーション』の石を取りに走った。もちろん、もっと早く仲間に渡しておくべきだったんだ。そうすれば、アキルズのことであんなに心配しなくて済んだかもしれない。まあ、あの時は一日で戻れるなんて思ってもいなかったんだが。
ファリンのところへ行くと、指輪のことを尋ねた俺に彼はひどく驚いた様子だった。その顔には「なんだ、また?」って言葉が浮かんでいるのが見て取れた。
だが、どんな指輪でもいいと分かると、彼は俺に安物の――確かそうだったはずだ――アッペライトの指輪を渡してくれた。まあ、見た目は銀に似ていたから、なかなか悪くない。とはいえ、俺の目的にはどうでもいいことだったが。
上の階へ駆け上がり、その装飾品と石を結合させた。俺の「石材」とこっちを繋げて、リンクを張った。これでやり取りができるようになるはずだ。
ちょっと考えてから、俺はその指輪をセフィーナに渡した。
「あら、プレゼント? 私に、にゃ?」
無邪気そのものに可愛らしい驚きを浮かべているが、俺にはわかっていた。これがまた自慢のネタになるんだろうな。まあ、少なくとも絶対になくさないだろうけど。
「ああ、しかも特別なやつだ。いざとなったら、これを使って連絡が取れる。ちょうどいいタイミングだ。俺、テクガンの領域に行くことになったから」
最初は喜んでいたセフィーナが、急に沈んだ表情になった。
「ニコ、にゃ。どうして今、みんなで穏やかに過ごそうとしないの?」少女はあまりにも小さな声で言ったので、俺は思わず聞き耳を立てなければならなかった。
「なんでこの先、何もかもうまくいかなくなるって思うんだ?」わざと元気よく、明るく言ってみた。少しでも嫁さんに自信を分けてやろうとしたんだが、正直言って、俺自身にそんな自信があるわけでもなかった。
尻尾を手に取った少女は、物思いにふけりながらそれをくるくると回していたが、突然耳をぴくりと動かし、俺の目をじっと見つめて言った。
「シアディンが教えてくれたの。三つの試練の勝者は謁見に向かうことになるって、にゃ!」
このおしゃべり野郎め。
「ああ、だから何なんだ? 俺は帰ってきたんだぞ、今さら何でパニックになるんだよ?」
セフィーナは黙り込み、唇をきゅっと結んだ。何かに苛まれているようだが、それを口にすることはできないらしい。やがて彼女は唾を飲み込み、弱々しく微笑んだ。
「なんでもないにゃ。ただあたし、何かあるたびに心配しちゃう馬鹿な猫ちゃんなだけ」
「おい、何そんなこと言ってんだよ……」
近づいて、俺はセフィーナを抱きしめ、優しく撫でてやった。満足げな喉を鳴らす音が聞こえるが、彼女が注意を引くためにこんな芝居を打ったとは思えない。きっと何か別の理由があるんだろう。
考えを巡らせていると、アイビスの話を思い出して気づいた――俺は妻たちの過去について何も知らないんだ。彼女たちはどうやって今の状況に至ったのか? どんな秘密を背後に残してきたのか? もしかしたら、関係が壊れるのを恐れて、俺には決して話してくれないかもしれない。
俺にできるのは、いつか攻撃の危険という言い訳なしに、ちゃんと話し合える時間が見つかるよう、状況を整えることだけだ。
それから二十分ほどして、俺たちは「テクガンの四人組」で屋敷の地下に立っていた。ケイトは少し興奮していた。というのも、彼女にとってはここが、いわば故郷への初めての訪問だったからだ。
ジェシーとエンディスは簡素な迷彩服に着替え、早々にモデルを使うのは避けることにした。ケイトはいつも通りの格好で、俺はスナイパーアーチャーのモデルを起動した。
テレポートを抜けて、俺たちは岩に隠された俺の拠点が誰にも発見されていないことを確認した。
砂まみれのトラックまで走り込んだ頃には、もう汗だくだった。アルヴァー派閥の領域で吹き荒れていた冷たい風と豪雨の後では、ここは本当に暑すぎた。
弓を寝台に放り込んで、俺は運転席に腰を下ろした。ケイトが母親に哀願するような目を向けると、ジェシーはため息をついて後部座席に移動し、娘に窓際の席を譲った。
エンジンをふかして、俺は目の前に殴り書きだらけのメモとコンパスを配置してから、アクセルを踏み込んだ。
イカレ野郎どもの拠点がどこにあったか大体思い出して、俺はその方角に向かった。もし記憶が正しければ、一直線に突っ走ればいい。この辺りは基本的に誰もいないはずだ――俺の仲間だったテクガンの連中が合流して以来、何か変わっていなければの話だが。
ただ、そうなると半日近く走ることになる。もう結構な時間が経っていて、たぶん夕方の5時か6時ってところだろう。他にどうやって連絡を取ればいい?
フレムテックの周波数を片っ端から試してみることもできるが、あいつが誰でも聞ける公開周波数を使っているとは思えない。そんなことをすれば、無駄に自分の位置を晒すだけだ。暗号化されたやつは、最初から聞いておくべきだったんだろうが、あいつったら気が狂ったみたいにいきなりポータルに飛び込んじまったからな。
故郷の派閥領内を走るという最初の喜びにもかかわらず、ケイトはすぐに退屈してしまった。まあ当然だ。一面の砂、たまに岩、そしてエアコンのない車内の猛烈な暑さだ。
考えた末、俺は女の子たちの誰かにハンドルを譲ることにした。実験も兼ねて、車を止めて、フィールドテレポーターを呼び出した。もちろん、装置自体はサイズが小さい。歩兵以外には使えないだろう。まあ、いざとなれば戻れる。すぐには消えないんだから。
ステーションを設置して、俺はテスラ歩兵にスイッチし、テレポートの信号とシンクロして前方へ飛んだ。高度を取っても、この辺りの景色は全く嬉しくない。
ただ、今になって気づいたが、ここの領域は明らかに広い。思い返せば、ゴーストヴィルへの遠征では本当にわずかな距離しか進んでいなかったんだ。ここはなおさらだ。スケールを見て、俺は自分の推測が正しいと確信した。やはりこのテレポートは奇襲用であって、輸送用じゃない。
引き返して、俺はジェシーが運転するゆっくり走るトラックの屋根にかなりのんびりと着地した。
「じゃあな、お前ら。俺は偵察に飛んでいく。何かあったら戻る。そのまま真っすぐ走っててくれ」
ジェシーは頷いてスピードを上げた。俺は再び飛び上がり、今度はもっと高度を取って前方へ向かった。
十分、いやそれより短い時間で、ジェットパックのエネルギーが半分ほどになったことに気づいた。俺は周囲を見回した。ここからそう遠くないところに、大きな村か小さな町か、すぐには判断できない場所があった。いずれにせよ、それはロートク製ではなかった。
後ろに飛んでから、俺は急いでトラックまで戻って助手席に乗り込んだ。AIモデルが計算してくれたところによると、今の速度だと目的地まであと一時間ちょっとかかるらしい。俺はまたスナイパーに切り替えて、後部座席に陣取った。
この一時間、仮眠を取ることもできたんだろうが、女の子たちはそれどころじゃない様子だ。
「なあ、近いうちに大きなピクニックでもどうだ? できるだけ大人数で行こうぜ! 家族みたいに集まってさ」
ケイトはフンと鼻を鳴らして窓の外を見つめていた。ジェシーが厳しい視線を向けているのには気づいていないようだ。エンディスは娘の肩に手を置いて、優しく言った。
「ケイトちゃん、何よ。たまにはみんなでリラックスできるのって、いいことじゃない?」
「ううん、別に悪いとは思ってないわよ」娘は相変わらず窓の外の景色を眺めながら、早口で答えた。「ただ、パパが今さら家族みんなで集まろうって言うには、もうタイミングを逃しちゃった気がするの」
「何も逃してないわ。こっちから歩み寄る必要があるだけよ。彼は私たちみんなのために頑張ってくれてるんだから」ジェシーがハンドルを握りしめながら、きっぱりと言った。
「いや、まあ、行きたくない奴がいたら無理に来なくていいぞ。うちの家族はあまりにもバラバラすぎて、全員が本当に仲良くやれるかって言われると微妙だしな」結局、俺は答えることにした。「トランプでもやって、そういう感じでさ」
「ああ、わかったわよ、カードゲームくらいなら……」ケイトがわざとらしくゆっくりと言いながら、俺の方を振り返ってウィンクした。何だこの芝居は、他の連中に説得させたいのか?
「あ、そうだ、聞き忘れてたんだけど、あんた本当に男爵夫人とヤりたいわけ?」
ジェシーは思わず体を横に逸らした。ケイトからそんな言葉が出てくるとは思っていなかったのだ。実際、彼女は何も言えず、ただ疑問の眼差しを娘に向けるだけだった。
娘の方はというと、鼻で笑いながら答えた。
「だって、エンディスおばさんが言ってたもの」
エルフは身を小さくしようとしながら、静かに反論した。
「私、そんな言い方してないわよ……」
「はいはい、妻にするって、結局同じことじゃない!」
「正直なところ、俺の場合は必ずしも一つから他のことが起こるわけじゃない。お前の母親に聞いてみればいい」娘の勢いを少し抑えようと思い、今度はジェシーを座席に押し込む形になった。「そもそも俺たちは最初『形だけの結婚』だったんだ。それが後になって色々回り始めただけでさ」
「へえ、面白いじゃない、ママ」ケイトは意地の悪い笑みを浮かべてジェシーを見つめ、過去の話を期待していた。
だが、話は始まらなかった。無駄話に夢中になっているうちに、俺たちはすぐに目的地に着いた。右に曲がり、歪んだ文字で「ブハロヴォ」と書かれたボロボロの看板を通り過ぎると、バラバラに建てられた二十軒ほどの家々が見えてきた。木造建築のほかに、レンガ造りの建物もいくつかあり、さらに小さな丘の陰には本物のテント村が隠れていた。あちこちにホップ畑が見られた。近くに水場は一つも見当たらなかったが、よく見ると井戸がたくさんあった。おそらく、この程度の人口ならそれで十分なのだろう。
車を降りて、俺たちは長年踏み固められた埃っぽい道をゆっくり歩き始めた。
この変わった名前の集落で最初に見つけた建物の一つは、奇妙なことに居酒屋だった。「片脚のジョー」という看板を読んで、俺たちは中に入り、鈴を鳴らした。
どうやら今は時間が悪かったらしく、客は誰もいなかった。ジョー本人と思われる男がゆっくりとカウンターまで足を引きずってきて、白髪の顎髭を掻きながら、不機嫌な目で俺たちを見つめた。
「何の用だ?」
「ビールを。ジョッキ四つ」
金のことは何も考えてなかったが、まあ、何とかなるだろう。
親父が酒を注いでいる間に、俺はカウンターに近づいて身を乗り出し、尋ねた。
「なあ、背の高い金色の目をした男がここに来なかったか?」
もちろん、こんなふうに直球で聞くのはあまり賢くないが、ここでうろうろするよりは先に進んだ方が楽だ。
ジョーはびくっと震えたが、すぐに持ち直して、ビールを注ぎ終えると笑顔で振り返った。
「はい、どうぞ。ああ、そうだ……質問の件だが」
答えの代わりに、俺にリボルバーが突きつけられ、バックヤードから足音が響いてきた。だが、これでウルカストがここで知られているってことは分かったぞ!




