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第百四章 ピクニック

俺は立ち上がって服を着始めた。クリオシタは目を閉じたまま横たわり、至福の笑みを浮かべている。靴を履くだけになった時、彼女が不意に言った。


「ねえ、ニコ、もう私たちの拠点の建設を始めたの?」


他の奴らは会話に割り込む気力もないようで、彼女は問題なくおしゃべりを続けた。


「ああ、ただまあ時間がかかるんだよな、色々と」


少女は眉をひそめて、頭の中で何かを計算した後、こう言った。


「わかった。じゃあ今のが終わったら、創造の洞窟を建ててくれる?」


「ああ、お前が頼むなら。というか、助けてもらえると助かるんだけどな」俺は頬を掻きながら答えた。


クリオシタはゆっくりと立ち上がり、近くに寄ってきて俺の腕を抱き締め、身を寄せてきた。どうやら今は寒いらしい。だから俺は彼女を抱き寄せ、翼を少し押さえつけた。


「もちろん手伝うよ。洞窟ができたら呼んでくれ。そうしたら何とかしよう」


「わかった」俺は静かにそう言って、少女の頭を撫でた。三人分暴れてないときは、こんなに穏やかで可愛いんだな。


だが、彼女は彼女だ。顎に指を当てて続けないわけがない。


「ところでニコ、あなたの頭の中に入らせてくれるって約束したわよね。いい?」


嫁に脳みそを掻き回されるって愚痴ってる男たちのことを思い出した。ああ、お前らの悩みが欲しいよ。


気まずく笑いながら、俺は小声で言った。


「それなら後にしよう。今はまだやることがあるんだ」


少し強く俺を抱きしめてから、彼女は俺の手を離し、その場でくるりと回ると、再びベッドに倒れ込んだ。どうやら、これが承諾の証らしい。


別れを告げて部屋を出た。そういえば何のために来たんだっけと思い出し、一応コンバーターを覗いてみたが、やはりまだ新しい派閥に関するものは何もなかった。


リビングに戻り、キッチンを覗いてみる。フロルガが几帳面にいくつものバスケットを詰めていた。どうやら「軽い」という概念には「車で簡単に運べる」という意味が込められているらしい。


「いや、ありがたいんだけど、こんなに食べ物があるなら、やっぱり一緒に来ない?」


狼娘は微笑みながら首を横に振った。


「いえいえ、もし余ったら持って帰ってくれればいいから。その代わり、みんなお腹いっぱい食べてね。頑張ってね、ニコ、楽しんできて!」


妻に礼を言って、俺は車を取りに走った。三往復してバスケットを全部運び、バギーに積み込むと、センターまで車を回した。


休憩用の快適な小さなホールの一つに入ると、俺の家族たちを見つけた。どうやらみんな朝から待っていたようだ。そして俺はというと、あー、その。まあいいか、結局のところ、朝の9時きっかりに出発するわけにもいかなかっただろうし。


「パパ!」四人が――いや、五人か? そうだ、アダムはもう五歳だから、ワイがしばらく俺に押し付けてきたんだった。まあ、嫌じゃない。最終的にはアイリーンより楽かもしれないし。


エルフの姉妹が真っ先に俺のもとへ駆け寄ってきた。二人とも以前の髪型のままで、目の色も変えていない。それでも、少女たちは明らかに大人びて見えた。ロレインは丈の長い緑色のワンピースと短いジャケットを選び、靴はヒールが低めのパンプスを履いていた。一方のウェンディは、すでにテクガンの血を存分に発揮していて、迷彩パンツと大量のポケットが付いた丈夫なジャケットを着込み、足元には真新しい白いスニーカーが光っていた。


二人はきつく抱きついてきて、矢継ぎ早に質問を浴びせてきたが、俺は現地に着くまで待ってくれと頼んだ。小さい子たちに場所を譲り、姉妹たちはソファの方へ向かった。ウェンディは大きなリュックを、ロレインは小さなバッグを手に取った。


狼娘たちは相変わらず元気いっぱいで、俺の周りが空くや否や飛びついてきて、尻尾を嬉しそうに振りながら抱きついてきた。面白いことに、ヒルダは明らかに弟より体が大きかった。もちろん、女の子の方が成長が早いが、ここまでくると体格の違いだろう。ヴィクも妹も、アルヴァーの標準的なアウトドア装備を着ていた。ただし、当然ながら子供サイズだ。肌を露出した部分は一切なく、ただ機能性と暖かさだけを追求した服装だった。


アダムは俺のことを、まあ、生まれた直後を入れても二回目しか見ていないわけだが、それでも慎重に近づいてきた。短く刈り込んだ髪と目の色は俺に似ていたが、この年齢じゃまだ何とも言えないだろう。どうやら、アルヴァーとテクガンの要素を組み合わせた服装を見る限り、他の子供たち全員が彼の準備に関わっていたらしい。


「父さん」少年は静かに言った。まるで自分の言葉が信じられないみたいに。俺はしゃがみ込んで、彼と同じ高さになった。


他の世代の多くと違って、今回の子供たちはかなり仲が良かったにもかかわらず、アダムはどうやら孤独を感じているようだった。まさかフレムテックの遺産のせいじゃないよな?


息子の頭を撫でながら、俺は黙って頷いた。坊主の顔から悲しげな表情が消えていくのを、嬉しそうに見守る。


「さあ、みんな準備はいいか!?」俺は立ち上がりながら大きな声で尋ねた。


「はーい!」五人全員が応えて、俺たちは揃って出口へと向かった。


もちろん、家族用の車じゃ足りないんだが、後部座席は結構スペースがある。結局、狼娘たちが俺の隣に座り、アダムを膝の上に乗せて、バスケットを足元に丁寧に詰め込んだ。エルフの娘たちは後ろで少し詰めて座った。まあ、ウェンディは固定式の武器の後ろにいられて嬉しそうだったけどな。


あまり飛ばすつもりはなかった。それに、そんなに遠くまで行くわけじゃないしな。村の近くの丘よりちょっと先、川が二つに分かれる場所まで。そこなら草もあるし、近くに木も生えている。


車を停めると、俺たちは揃って降りた。こんな短い移動でも、子供たちにとっては感動の連続だったらしい。そもそも、子供たちはどこにも出かけたことがなかったから、いきなり自然の中にいるのが楽しくて仕方ないんだろう。


すぐに準備に取りかかることにして、俺はバスケットから大きな敷物を取り出し、地面に広げた。もちろん、もう結構涼しくなってたが、テーブル代わりに使うにはいいだろう。


食料を漁って、刻んだ野菜、小さなサンドイッチ、果物、それから下味をつけた肉を取り出した。シャシリク……ああ、随分食べてなかったな。それにしても、こんなにたくさん持たせてくれたのか。やれやれ。


「じゃあ、誰か火起こしできる奴いるか?」


「パパパパ、パパ、あたしできる!」喜んだウェンディが俺のところに駆け寄ってきて、走りながらリュックを下ろした。中からキャップを取り出すと、ツバを後ろ向きにかぶり、それから紙とライター、さらには小さなシャベルまで取り出した。妹は驚きと感心が入り混じった表情でウェンディを見つめ、時々自分の小さなバッグに目をやっていた。


「よくやった! じゃあ、薪拾いに行こうか。ウェンディがリーダーだからな!」


エルフの少女は誇らしげに俺に敬礼し、残りのメンバーで近くの小さな森へ向かった。幸い、折れた小枝がたくさん落ちていたので、焚き火に十分な量をすぐに集められた。


戦利品を持って戻ると、全部ウェンディに渡した。彼女は地面に小さな穴を掘ってから、枝を並べ始めた。アダムとロレインは夢中になって彼女の作業を見守り、子狼たちはお互いの尻尾から、森を歩いている間についた色々なゴミを引っ張り合っていた。


ライターから上がった炎は大きな歓声と拍手で迎えられ、ウェンディはその瞬間を利用して、芝居がかった仕草でみんなにお辞儀をした。


さて、今度はどこで焼くか考えないとな。そんな思案から俺を引き戻したのはアダムだった。ズボンの裾を引っ張ってきた。


「パパ、これ! アイリーンお姉ちゃんから預かったんだ」


息子の手から細い金属板を受け取り、俺はしばらく表面を眺めて、金属とほぼ一体化したボタンを見つけた。押すと、箱は急激にサイズを増し、バーベキューコンロみたいなもの――というか、ただの便利な鉄板に変わった。やるじゃないか、アイリーンは本当に天才エンジニアだ。ガラクタからいろんな物を作り上げる。なるほど、彼女もきっと一緒に来たかったんだろうな。俺ったら馬鹿だ。もっと大規模なピクニックを企画して、希望者全員が行けるようにすべきだな。この辺の物資調達なら毎日でもパーティーできるんだから、襲撃とかそういうクソさえなければ。


ため息をついて、俺はアダムの頭を撫で、「お前の姉ちゃんは本当にいい子だな」と言ってから、装置を火の周りに配置した。残りは串だ。


子狼たちはもう肉の周りをウロウロしていて、生のままでも食べそうな勢いだった。俺の視線をとらえたヒルダは、考え込むように耳を触り、何かを思い出したようにバギーへ包みを取りに走った。さすがフロルガ、よくやった。


最初のバッチを串に刺し終えると、俺たちは火の周りに座り、炭が熾きるのを待った。サンドイッチをつまみながら、ウェンディが尋ねてきた。


「ねえパパ、あなたってこの世界の人じゃないんでしょ?」


「ああ」


どうやらこの話題は多くの人の関心事だったらしく、全員が静まり返った。


言葉を選びながら、娘は少し間を置いたが、やがて続けた。


「ここは、あそこより怖い場所なの?」


「攻撃を心配してるの? 大丈夫よ、そんなに心配しなくていいわ。俺がそばにいる限り、安心していいからね」


「でも……もしお兄ちゃんがそばにいなかったら?」ヴィクも質問に加わった途端、姉からすかさず耳を弾かれた。


もちろん、今の比較的恵まれた状況を考慮してもなお、俺はすべてがいつでも終わる可能性を想定していた。ああ、くそったれ、今だって何かが起きて子供たちの死を目の当たりにするかもしれないと考えている自分がいるんだ。


だが、かすかに微笑んで、俺は答えた。


「たとえそんなことになっても、お前たちにはいつもお互いがいる。俺たちは大きな家族なんだ。そこから目を背けなければ、みんな一緒にどんなことだって乗り越えられる」


子供たちは静かになり、考え込むように、なんだか互いにぎゅっと寄り添って座った。


俺が何かを考え込んでいるのを見て、ロレインは妹の脇腹を小突いて、話題を変えようと訊ねた。


「パパ、女の子と付き合ったことたくさんあるの?」


なんだいきなり、ははっ。


「俺の世界でってことか? それともここで?」


そんな話題を振ってしまったことに恥ずかしくなったのか、ロレインは小さな声で言った。


「あっちの、別の世界で」


「まあ、正直に言うと、付き合った人は多いけど、真剣に付き合ったのは誰もいないな。ただ、俺の世界は生活のペースがもっとゆっくりしてて、結婚する前に何年も付き合うのが普通なんだ。それに、本当のことを言うと、こっちの女の子の方がずっと可愛い。そこから生まれた娘たちもとっても可愛いしな」


「もう、パパったら、何言ってるのよ!」娘たち全員がくすくす笑いながら、気まずさを隠そうとした。ヴィクは妹をじっと見つめて、品定めでもするような目つきをしていた。アダムはこの会話が何のためなのかよく分かっていなかったが、笑って話に乗った。


「はいはい」俺は笑って言った。薪はもう炭になっているのが見えた。最初の分を持ってきて、料理ができるのを待っていると、ヴィクが質問してきた。


「父さん、もう色んなモデルを試してきたんだろ? 見せてくれないか? ヒルダと賭けをしたんだ」


「おいおい、待てよ、俺たちも見たい!」エルフの娘たちが割り込んできた。「ねえ、何を賭けたの?」


ヒルダは心配そうに耳をぴくぴく動かしたが、何とか言葉を絞り出した。


「結婚よ。負けた方は、成人したその日に結婚しなきゃいけないの」


「相手が誰もいなくても!?」ロレインが顔を引きつらせた。表情から察するに、どこかの不細工と結婚式を挙げる自分を想像してしまったらしい。


年上組が言い争っている間に、俺はアダムを首に乗せてやった。満足げな顔で、みんなを見下ろしている。


ヴィクは得意げに頷くと、手を差し出した。エルフの娘たちは渋々と、少年の掌の上に自分たちの手を重ねた。その上からヒルダがぱんと手を叩いた。


おかしいな。指輪の数で簡単に分かるはずなのに……まあ、確かに俺のは多いけどさ。


「さあ、父ちゃん、発表して!」ヴィクが、緊張した面持ちの少女たちを見回しながら言った。彼女たちが小さな紙切れに数字を走り書きした後のことだ。


「9だ」


ヴィクは勝者の笑みを浮かべ、「9」と書かれた紙切れを見せた。


「知ってたな! この野郎、知ってたんだろ!」ヒルダが兄に飛びかかり、尻尾を引っ張ったり耳を弾いたりするものだから、ヴィクは草原を駆け回って逃げるしかなかった。満足げな笑い声から察するに、妹の疑念は正しかったらしい。


エルフの娘たちは緊張した面持ちでオオカミたちの帰還を待ち、結果を確かめた。判明したのは、ヒルダの結果が一番遠かったということだった。


「父ちゃん、王子様見つけて! お願い!」娘が今にも泣きそうな声で言い、恨めしそうにヴィクを見た。一方、エルフの娘たちは嬉しそうに顔を見合わせていた。


俺も堪えきれず、くっと笑って答えた。


「ああ、探してみるさ。ただ、全員分はいないかもしれないぞ。もしかしたら、ヒルダはこの賭けのおかげで逆に勝ち組かもな」


ロレインの顔に再び恐慌の色が浮かんだが、ウェンディは手を振って、どうやら「王子たちのことなんかどうでもいいわ」と考えたようだった。


上から小さな声が全員を遮った。


「お父さん、見せてくれる? モデルを?」


他の皆に尋ねるように視線を向けると、全員が賛成するように頷いているのが見えた。狼の子供たちなんかしっぽを地面に擦りつけてガサガサと音を立てている。


最初の肉を串から外して二回目の肉を刺したので、串を手にした連中は「ショー」を待ち始めた。


余計な言葉は省いて、俺は騎士を起動し、それからルーンを発動させた。アダムは感嘆しながら石の殻を叩いていたが、ウェンディはライフルに気づいて他の誰よりも興味を示した。


妹と一緒に本を読んでいたことを思い出して、俺は娘に武器を持ってみるよう勧めた。


自分の耳が信じられないといった様子で、ウェンディは飛び上がり、慎重にライフルを手に取った。遠くを狙って照準を合わせ、疑問の眼差しで俺を見つめ、俺が頷くと発砲した。それが周囲の連中に感情の嵐を巻き起こした。


「あ、私もいいですか?」ロレインが小さな声で尋ねながら、ドレスを直した。姉が彼女にもライフルを手渡すと、新たな銃声が響いた。外見は違っても、二人とも武器の扱いは悪くない。


ヒルダも負けじと、剣を貸してほしいとねだってきた。確かに重い剣だが、繋がりの下にある者たちには問題ない。


柄に触れた瞬間、娘はまるで花開いたように輝いた。瞳にいたずらっぽい光が宿り、尻尾が激しく揺れ、耳がピンと立つ。


見えない敵に何度か突きを繰り出した後、娘は剣を返しながら甘えた声を出した。


「う〜、いつになったら大きくなれるの!」


「もうすぐだよ、心配すんな」


他のみんなも巻き込まなきゃな、と思って炎のモデルを起動した。すると今度はヴィクとアダムも寄ってきた。ヴィクはどこからともなく現れる炎に夢中になり、アダムは輝く鎧に惹かれていた。


「よし、魔法使いになる! バカな剣士なんてくそくらえだ!」狼少年がきっぱりと言い放ち、姉の張り手をかわした。


「俺、パパみたいになる!」とアダムが宣言した。


みんな静まり返り、それから一斉に笑い出して賛同した。


休憩を取ることにして、俺はモデルを切ってみんなと一緒に座り、肉に取りかかった。ついでに一つ思い出したことがあった。アシスタントの指輪を回すと、イビスが現れた。どうやら彼女とアイヴィは、俺が死んだ後に呼び戻されたらしい。だって結婚式に彼女たちを残して、その後ポータルの実験に突っ込んでいったんだからな。


彼女はいつもの調子で挨拶しようとしたが、子供たちの群れを見て固まった。


「パパパパ、俺も大きくなったら呼び出しお姉さん持てる?」とヴィクが尋ねた。嬉しそうに尻尾を振りながら、みるみる赤くなるイビスの顔を眺めている。


「ああ、見つけられるならいいんじゃないか」と俺は無関心な口調で言った。内心では笑っていたが。「それで、何でお前にそれが必要なんだ?」


イビスはますます赤くなり、子供が何を言い出すか恐れていた。


獰猛に笑みを浮かべて、ヴィクは素早く言った。


「あいつは俺に肉を作ってくれるんだぞ!」


「だったら結婚しろよ、このバカ!」またしてもヴィクに向かって平手が飛んできたが、狼っ子は慣れた動きでひらりと身をかわした。


「ねえ、もしかしてパパの愛人さん?」ロレインが興味津々といった様子で、イビスのかなり軽装な服装を眺めながら尋ねた。


ちょうど俺のそばに近づこうとしていた助手は、ぴたりと足を止めた。そのまま行けば確実に親密な女として見られると悟ったのだろう、慌てて説明を始めた。


「あ、えっと、ニコは私のご主人様なの。それに、私の未来の婚約者でもあるのよ! 私たち、本気なんだから!」イビスはいくぶん自信ありげに言うと、胸元の服に挿していた羽根を取り出した。ああ、そういう意味だったのか。俺はてっきりただくっついてるだけだと思ってたんだが……


ロレインは両手で頬を押さえ、その場で体を揺らし始めた。


「わあ、すごく素敵! こんな美人さんなんて、パパったら鳥さんにまでモテるんだね!」


誇らしげな態度を保とうとしつつ、イビスは子供たちの脇を通り抜け、俺の隣に立った。俺は彼女に敷物の端を勧めてやり、イビスはおとなしくそこに腰を下ろすと、ヒルダから手渡されたシャシリクをむしゃむしゃと食べ始めた。


「とても美味しいです、ありがとうございます、ご主人様」


「どういたしまして。じゃあ、子供たちに君の大陸の話でも聞かせてやったらどうだ? それとも、婚約したんだから、婚約者にでも?」


咳き込んで、少女は羽毛の尻尾を膨らませると、かすかな声で囁いた。


「その前に、助けていただかなければなりません。契約中の身では、どんなに望んでも結婚できませんから」


「それはもう話したし、俺も承知した」


迷いながら、少女は好奇心に満ちた子供たちの目を見て、観念したように言った。


「わかりました、どうでもいい話を一つだけなら。第三大陸の私たち、アルヴァーについての話です」

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