第百三章 天使の実験
白いストッキングと長い手袋だけを身につけたクリオシタは、その振る舞いとは裏腹に、ひどく無垢に見えた。俺が部屋に入るなり、彼女はすっと近づいてきて、じろじろと観察を始めた。
クリオシタは眉をひそめ、その場に膝をついた。
「おお、ニコ、これがメスに対する反応ってやつね? そりゃそうよね、おバカな質問ばっかりしてたら、先に進めないもの! うひひひ、どうなるのかしら!」
「見ての通りだ。だから、その可愛い体のままでいてくれって頼んだんだ。最高だよ」
思いがけない言葉だったのか、彼女はびくっと身を震わせた。立ち上がってじっと俺を見つめ、それから俺の服を脱がしにかかった。
俺もすっかり裸になると、クリオシタは俺の肌を撫で始めた。一センチ刻みで調べているみたいだった。腕一本だけで一分以上かけたあと、彼女はため息をつき、目を閉じて、三人に分かれた。
三人は手をつないで目を閉じ、その間にぼんやりとした光が生まれる。自分自身にうなずいたクリオシタは、にっこり笑って片目だけ開け、俺にウィンクすると、後ろに回って背中を撫で始めた。
二人目は、顔から笑みを消さないまま俺に飛びつき、ぎゅっとしがみついてきた。翼をぱたぱたさせて体勢を保とうとしながら、じっと俺を見つめ、唇を求めてくる。俺はすぐに、その荒っぽくて慌ただしいキスに応えた。
どうやらガウディが俺の気を引いている間に、リビが近づいてきたらしい。満足げにくすくす笑いながら、俺にじゃれついてくる。
「おお、ニコ、唾液の交換は私的にはすごく気持ちいいわよ。ガウディのやり方が壊滅的に下手なのは別としてね」
「そんなこと言えるのは、まだ自分の番が来てないからよ」
後ろからクリオシタがつぶやき、俺の背中を撫で続ける。俺にぶら下がっているガウディは、その皮肉が明らかに気に入らなかったらしく、さらに強くしがみつき、翼をばたばた震わせて俺に風を浴びせてきた。
......
しばらくして、俺は三人と一緒にベッドになだれ込んだ。リビとガウディが左右からぴったり張りつき、クリオシタは俺の上にのしかかってくる。三人の声が入り混じって、部屋中に響き渡った。
「だめ、ニコ、お願い、これは多すぎる!」
クリオシタが悲鳴を上げたが、それでも動き続け、リビと寄りかかり合って、なんとか体を支えていた。
......
やがて、三人は力尽きて、荒い息のまま俺の上に倒れ込んだ。
「これは……魔法みたいだった。実験は成功ね」
エルフの彼女は目を閉じ、小さくつぶやきながら、ひとつに溶け合っていった。
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