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第百章 スティレットを破壊する

目的地まであと2キロほど手前で、できるだけ静かに移動しながら、丘の向こうにバギーを残した。俺はテクノコマンドに切り替えた。迷彩塗装はかなり明るめだが、もう十分暗いから気にしなくていいだろう。それに、完全な隠密行動なんて最初から期待してなかった。


「なあジェシー、睡眠弾は持ってるよな?」


黒いニット帽の下に赤毛を隠し終えた彼女は、自信満々に頷きながら、無数にあるポーチの一つを開いた。


「完璧だ。残りのみんなは、騒ぎが始まったらサポート頼む」


ケルとラズは素直に頷き、ケイトはため息をつきながらリングを回してモデルをオフにした。


かなり荒涼とした地形を問題なく駆け抜けると、岩陰に身を隠し、そこから岩に沿って進んだ。フィルター越しに、数百メートル先にはもうスティレットの熱源が見え始めていた。だが、シャドマー相手だと事情が単純じゃないし、モーションセンサーもこの状況じゃ当てにならない。そこで、ドラコニドの感知能力を試してみることにした。幸い、今日はボーナス寿命を極力抑えて使ってる。


頭の中で、半径約500メートル以内のすべての生命体のイメージが閃いた。それをサーマルセンサーのデータと照合してみると――食い違いを発見した。


ただ、一番危険な標的から始めるには遠すぎた。


ジェシーに身振りで動くよう指示し、彼女が理解したのを確認してから、ゆっくりと近づき始めた。幸いなことに、拠点はロートクじゃなく、貧相な小屋が無秩序に積み重なったような場所で、いくつかは岩壁を自然の壁として利用していた。


隠れた立地にもかかわらず、見張りはいた。一見かなり脆そうな二つの監視塔に陣取っている。


距離を見積もって、俺は氷弾じゃ当たらないだろうと悟った。ジェシーの方を見ると、彼女も首を横に振っていたので、伏せてスナイパーアーチャーに切り替えた。


氷の矢なら、そこまで正確に狙わなくても当たるだろう。狙いを定めて一人目を射抜き、一秒後に二人目も射抜いた。


音もなく見張りたちは塔の中にうずくまり、俺は元に戻ると、足音を聞きつけたジェシーの後を追った。


何発か静かな銃声――三人の盗賊がぐっすり眠った。振り返って他の連中が準備万端なのを確認してから、俺とジェシーはかなり開けた場所を注意深く駆け抜け、最初の小屋まで辿り着いた。


勘はまだ働いているが、ここにいるのは普通の人間だ。四人。指で数を示してから、俺は取っ手を掴み、ジェシーの頷きと同時に勢いよく開けた。二発ずつ撃ち込んで――閉めていい。


隣の小屋も同じ状況で、ただしスティレットはそこに五人いた。


勘で誰かが俺たちに近づいてくるのを察知した。どうやらこれ以上隠密行動は無理みたいだ。暗がりに移動して、シャドマーが近くに来たら一気にドラコニドを発動させる準備を整えた。ジェシーの方はわざと隠れ方を甘くして、おびき寄せる作戦だ。


透明化で忍び寄ってきやがって、誰にも警告すらしなかった……まあ、テレパシーで連絡したのかもしれないが。多くの奴らが移動を始めている。かなり近い距離まで来るのを待って、俺は指輪を回した。驚愕したシャドマーは、安っぽい革鎧を着た若い男で、慌てて剣を起動させようとしたが、ジェシーがすでに弾丸を撃ち込んでいた。


警告の叫び声が上がり、俺が振り返ると、他の女子たちがもうこっちに急いで来ているのが見えた。


ラズがもう近くまで来ていたので、再びテクノコマンドに切り替え、俺は素早く数人のクロスボウ手を撃ち落とした。その後ろから十人ほどの剣士が俺たちに向かって突進してきて、影に散らばり、どうやら包囲するつもりらしい。


近くにあるいくつかの小屋の他に、前方には大きな建物が見えた。おそらく、この集落の中心施設のようなものだろう。熱源から判断すると、大半がそこに立てこもっている。


ケイトが跳躍して高い場所に登り、小屋の一つの屋根にしゃがみ込むと、ニヤリと笑って俺たちに「イエーイ」とサインを送ってきた。


どうやら初の戦闘任務が相当嬉しいらしい。襲撃の日がかなり退屈だったからな。


スタングレネードを取り出すと、俺は近接戦闘の兵士の半分くらいが隠れている曲がり角の向こうへ投げ込んだ。閃光を待ってから、ケルと一緒にそちらへ向かい、数発撃ち込んだ。数人がすばやく状況を把握して、ナイフを俺に突き立てようとしたが、ケルが器用に尻尾を振るって二人とも地面に叩きつけた。倒れた一人には弾丸を撃ち込むことができたが、もう一人はダーツを投げようとしていたので、ケルは容赦なく、その賢しらぶった奴を尻尾で地面に縫い付けた。


まだ死んでいないうちに、俺は急いで駆け寄り、短剣で刺し貫いて石のアクティベーターを押した。


「武器放電。ゴリアテのクリスタル獲得。寿命+1年」


どうやら、今のところはアンデッドに作り変えるほど面白いエリートは一人もいないようだ。


フェラグとチェロを持った王女を召喚すると、俺は素早く指示を出した。単純だ。一人が演奏し、もう一人がフィールドで守る。


「かしこまりました、我が主よ!」アンデッドたちは揃って答え、実行に移った。もう中心部の近くまで来ているから、音楽の効果範囲から誰かが出てしまう心配はない。


まだ動いていなかった剣士たちは、揃って遮蔽物の後ろで倒れ込み、大きないびきをかき始めた。整った旋律を少し掻き消すほどだ。シグネチャーから判断すると、大きな建物の中も同じ状態だ。


一番奥の隅だけ、何が起きているのか見えない。だが動きから判断すると、音楽魔法がそこには効いていないようだ。手短に説明してから、俺は他のメンバーと一緒に前へ進み始めた。その間にケイトはバイクを召喚し、エンジンを唸らせて岩壁へと真っ直ぐ向かっていく。屋根から石材へ飛び移ると、まるでサーカスのショーみたいに水平に走り出した。


基地の端、岩壁が袋小路のようになっている場所に一瞬で辿り着いたケイトは、銛のような武器を抜き放ち、岩に向けて発射すると、ワイヤーで身体を固定し、バイクを魅了から上手く身を隠していた連中に向けて投げつけた。俺の位置からでも、鉄馬に内蔵された火炎放射器が火を噴くのが見えた。バイクは地獄の舞を踊るように回転しながら、端の小屋に炎を浴びせかけ、狡猾な連中全員を隠れ家から叩き出した。


動いたシルエットから察するに、長くは持ちこたえられなかったようで、バイクの轟音に続いてサブマシンガンの銃声が響き始めた。ワイヤーで身体を固定したケイトは、岩壁を駆け下りながら敵を撃ち倒し、その後器用にワイヤーを外すと、建物の一つの屋根に飛び降りた。


センサーを信じるなら、すべて静まり返っている。ラズに周辺を見回るよう頼み、もう一度データを確認したが、もう誰も現れなかった。


ケイトが虐殺を繰り広げた場所に辿り着くと、兵士たちの中心に、ダークブラウンの長い髪を三つ編みにした女が立っていた。顔の下半分は布のマスクで隠され、武器は長剣一本だけ。まあ、もう彼女が何者だったかはさして重要じゃないが、おそらくチェロが発動しなかったのは彼女のおかげだろう。だとすれば……


最後のスロットだ、あとは後で考えよう。ネクロマンサーとして緑色の塊を女に叩き込むと、傷が塞がり、彼女はすぐさま立ち上がって片膝をつき、忠実な眼差しで俺を見つめた。


「新たなアンデッド生成。


エリザベス(4)。ヌリファイアー(ランクなしモデル)。


残りスロット:0」


無効化能力者ってことか? 面白いな、彼女の能力がどこまで及ぶのか……


だが、今のところそれは必要ない。ケイトの勇み足で始まった火事を消すためにイシラを呼び出し、その後俺たちは何か面白いものを探して別れた。だが、女王直々の依頼を受けるほどのギャングなのに蓄えは別の場所に保管していたのか、それとも経営状態が芳しくなかったのか。すでに遭遇した連中以外に、シャドマーがあと二体いた。捕虜として扱うには明らかに面倒が多いし、そのまま放置しておくのも危険だ(ラズをずっとそばに置いておく必要がある)。俺は短剣を再装填して二年分追加した。ちょうど古い苔の備蓄が全部なくなった。


女の子たちに見張りを任せ、リカがそばにいるから心配せずに、俺はテスラ歩兵を選んで血の要塞の方へ飛んだ。あちらの基地との関係もすっかり落ち着いたんだ、捕虜を預けるのも悪くないだろう。


到着する前に、俺は騎士のモデルを選び、女王とローランド、ユリウスを「護衛」として召喚した。幸い、今やアンデッドは以前ほど愚鈍じゃないから、女王に合図で言うべきセリフを手短に説明しておいた。


街に近づくと、また兵士たちが迎えに来た。誰が来たのか見るやいなや急いでやって来た。今度の指揮官は剣舞使いの一人だった。


「こんばんは」と言いかけたが、ロランがすかさず怒鳴った。「黙れ!」


素直に頭を垂れ、俺は女王を前に出させて手を差し出させた。剣舞使いはためらいがちに近づき、女王の鎧手に口づけした。


「お前らがのんびりしている間に、あたしらは山に潜んでいた賊の一味を捕まえたんだよ!」女王が嫌な声で言い放った。これで彼女の役目は終わりで、俺はビクビクしながら彼女をチラッと見て、前に出た。


「女王ロランの勅命により、お前たちは直ちに出発して捕虜を確保しなければならない。長くは待てないぞ」


「あ、は、はい、もちろんです、すぐに!」新しい隊長がどもりながら言った。前任者よりさほど勇敢というわけでもない。とはいえ、今はアンデッドの姿なので、ローランドは生前よりもずっと勇敢だったわけだが。


「今すぐにだ!」俺はピシャリと言い、兵士たちがざわめき、後ずさりして、女王と、その補佐である俺の顔を見るのを恐れていた。


全員が砦に消え去るのを待ってから、俺はゆっくりと戻り始め、十分な距離まで離れたところで全員を呼び戻し、素早く引き返した。繋がりに加える作業にかかった時間が、ちょうどゴーストヴィルの兵士たちが最高速度でスティレットたちの隠れ家に到着するまでの時間と同じだったんだ。合計プラス33人。


その間、娘たちは遠くに身を隠していたので、俺は召喚したアンデッドを使ってその過程を「コントロール」していた。檻になった荷車――蜘蛛が引いている――への積み込みが終わったとき、俺は全員に働きを感謝して、基地ロートクには自分たちで戻ると告げた。


これで終わりだ。脅威が一つ減ったってわけだな。


バギーまで辿り着いた俺たちは、揃って戻ることにした。帰り着く頃には、住民のほとんどがもう家に引っ込んでいた。


俺は、今日一日の出来事が確かに盛りだくさんだったと判断して、自分も寝ることにした。


◇◇◇


誰も俺に絡んでこなかったが、まあ、今の天気じゃ一人で寝るのはかなり肌寒かった。伸びをしながら、俺は自分でも信じられないくらい今落ち着いているのに気づいた。


さて、16日目だ。


寿命2年と捕虜2人、それにヴァンパイア用にもう1人。念のため、ギルには俺たちのところにいたアルヴァーの奴を渡しておいた。じゃないと要塞で失踪騒ぎが起きかねない。


それ以外は特に変わったことはなし。下に降りて、第2レベルの家にしてはなかなか立派に整えられた「浴室」で身支度を済ませ、リビングに出ると、セフィーナが今度はフロルガと一緒に料理をしているのが目に入った。どうやら、特訓は順調に進んでいるらしい。


微笑みながら、俺は肘掛け椅子にどっかりと座り込んで、深く息を吸い込んだ。


「おはよ、にゃ!」セフィーナが俺のところに駆け寄ってきて、唇にチュッとキスをした。キッチンから不満げな唸り声が聞こえてきたが、どうやらそれは調理中の何かしらのトラブルが原因らしい。面白いもんだ、実際のところ、今や出来合いの食品をすぐに手に入れることもできるのに、女の子たちは自分たちの力でメニューを増やそうと頑張っているんだから。まあ、それがかえって居心地の良さを生んでいるんだけどな。


どうやら、俺が9時に起きるのは遅すぎるらしい。他のみんなはもうそれぞれの用事を済ませに出かけた後だった。


香ばしいオムレツのおかげで、他のことなんてすっかり忘れちまった。二人の娘は俺の向かいに座って、じっと俺を見つめている。


「めちゃくちゃ美味いぞ、お前ら本当に魔法使いだな!」


セフィーナは胸を誇らしげに張り、フロルガは少し顔を赤らめて顔を背けた。


「そういえば、今日は子供たちと散歩に行こうと思ってるんだが、何か軽いもんを持たせてもらえるか?」


二人は顔を見合わせて頷いたが、セフィーナの顔に影が差すのを俺は見逃さなかった。ああ、悪いな、お前の子供たちとはこういうことがなかったもんな。とはいえ、声に出して言うには遅すぎる言い訳だ。一方、フロルガは嬉しそうにソファの布地に尻尾をパタパタと叩きつけた。


「私たちも一緒に行っていい?」


「いやいや、せめて父親と過ごさせてやってくれ! それに、お前には息子がいるんだし、ファリンは……」フロルガは言葉を切って、真剣に聞いているセフィーナをちらりと見た。「まあ、模範的な戦士とは言えないからな、やっぱり別の手本が必要なんだ」狼娘は猫娘の方を見ないようにしながら、なんとか続きを絞り出した。幸い、セフィーナはそれを素直に受け止めて、にゃあと鳴いて同意した。


朝食を終えて、俺はもう一度二人に礼を言ってから外へ出た。


「市民ステータス:+2(205)」


おっと、氷が解けたようだ。素早く辺りを見回すと、フェブリモールがキャンプの近くにいた。俺の視線に気づくと、フェブリモールは耳まで裂けんばかりの笑顔を顔に張り付けたまま、急いでこちらに向かってきた。


「おはようございます、死すべき者!」


「ああ、おはよう。で、報告は?」


俺の言葉を待ちかねていたかのように、エルフはすぐさま話し始めた。


「ジョニーさんとサユリさんは女の子です。アキルズさんと皇女殿下は男の子です。おめでとうございます、おじいちゃん」


俺はぎこちなく笑った。考えてはいたものの、実際に聞くとやっぱり慣れないもんだな。


まあ、ジョニーのほうはあいつに任せておくとして、息子のほうには顔を出さないとな。センターに入ると、アンネリを見つけて、俺は陽気に声をかけた。


「よう、おばあちゃん!」


少女は緑色の瞳を大きく見開いた後、笑い転げた。


「ええ、ニコ、本当にそうね。今の時代、おじいちゃんやおばあちゃんになる人がどれだけ少ないか、あなたは知らないでしょう」


少女はそれ以上続けなかったが、言わなくても全てが明らかだった。当然のことながら、死亡率は高く、首都では一般住民が大家族を養うための十分な条件があるとは言えないのだろう。ここなら妻を何人も抱えて、子供の群れを養っても、安全以外に心配することは何もない。


アンネリと抱き合いながら、俺たちは管理人が息子のためにコネで建ててくれた住居に向かった。もっとも、その低価格を考えれば、些細なことだったが。


ノックして、誰かが出てくるまで待った。アキルズがあまり自分のモデルに酔いしれていないのは嬉しいことだ。俺だったら、たぶんずっと走り回ってばかりいただろう。


「あ、父さん、母さん、こんにちは!」笑顔で言いながら、青年はドアを大きく開けた。ラミは毛布の下で横になり、耳と尻尾のある息子を愛おしそうに見つめていたが、一瞬だけ視線を外して挨拶した。


「アートゥだ」青年は誇らしげに言い、赤ん坊に近づいた。俺たちはアンネリと交代で近づいて赤ん坊をよく見て、キスをしてから、若い二人を静かにしておいてやった。


喜びに満ちたアンネリはセンターへと戻って行き、俺のところには見張りの一人が駆け寄ってきて、誰かが訪ねて来たことを告げようとしていた。


できるだけ重要人物らしい雰囲気を出そうと努めながら、俺は門へと向かい、それが開いたとき、少し驚いた。


「やあ、ニコ」シアディンが恥ずかしそうに、そして同時に悲しげに言った。「少し話せるかな?」


どうやら真剣な話になりそうだった。彼女と一緒に数人の光の戦士たち、マルコ、それに二人の女性と二人の男性がいて、そのうちの一人が王子だと気づいたからだ。


◇◇◇


「現在の残存寿命――51+(205)。能力発動用ボーナス年数:82(82)(係数0.4)(捕虜――34)」

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