シーズン2 第11話:内乱の火種と、旧貴族の影
シーズン2第11話「内乱の火種と、旧貴族の影」をお読みいただきありがとうございます!
外敵との戦いが一段落したのも束の間、今度は王国の内部から牙を剥く「旧貴族の残党と西方領主たちの反乱」という新たな火種を描きました。甘い日常から再びシリアスな政治劇へと舵を切る、緊迫の展開をぜひお楽しみください!
オルトリア王国との一件が永久通商断絶という形で幕を閉じてから数週間。ロンファ王国はかつてないほどの経済的繁栄と政治的安定を迎えていた。王都の街並みは活気に満ち、市民たちはモナミ王妃の冷徹かつ的確な手腕を讃え、平和な日常を謳歌しているように見えた。
だが、王宮の最奥に位置する極秘の作戦室では、まったく異なる空気が流れていた。
モナミ・フォン・ラザードは、執務机の上に広げられた一通の暗号電文を見つめながら、美しく整えられた眉をわずかにひそめていた。ルビーの髪飾りがわずかに揺れ、その冷徹な瞳には鋭い警戒の色が宿っている。
「……やっぱり、そう簡単にはおとなしくしていなかったわね」
モナミが低い呟きを漏らすと、部屋の隅の影から音もなく抜け出したミカエルが、その覗き込むようにして電文に目を走らせた。漆黒の軍服を纏った彼の琥珀色の瞳にも、冷酷な光が灯る。
「西方の地方領主たち、そしてかつて粛清を逃れた旧貴族の残党どもだね。自由都市連合やオルトリア王国の背後で糸を引いていたのは、彼ら国内の反逆者たちだったというわけか」
「ええ。外敵が次々と返り討ちに遭ったことで、いよいよ自分たちの足元に火がついたと焦ったのでしょうね。今度は外部ではなく、我が国の内部から王権を転覆させようという算段よ」
電文の内容は、西方の古くからの領主たちが「旧貴族の権利回復」を大義名分に掲げ、地方の私兵を集めて反乱の軍を起こそうとしているというものだった。表向きは正当な陳情を装いながら、その裏では過激派の傭兵を雇い入れ、王都へ向けて進軍する計画を進めているという。
ミカエルは冷ややかに鼻で笑うと、愛おしそうにモナミの肩に手を置いた。
「外部の虫けらならいざ知らず、我が国の内部から王権に牙を剥くとはね。……モナミ、君はどうする? いつものように経済的に干上がらせるか、それとも僕が影に潜り込んで、反逆者たちの首をすべて刈り取ってこようか?」
その物騒でありながらも絶対的な信頼を置ける提案に、モナミはふっと冷ややかな笑みを浮かべた。
「ううん、今回は少しやり方を変えましょう。外の敵には経済制裁や外交断絶が効いたけれど、国内の腐ったネズミどもには、もっと直接的で、二度と歯向かう気すら起きないほどの『絶望的な現実』を見せつけてあげる必要があるわ」
モナミの瞳に宿る野心的な光を見て、ミカエルは満足げに頷いた。
「さすが僕の妻だ。で、具体的にはどんなステージを用意するつもりい?」
「西方の領主たちが集結する拠点、古都ヴェルダン。そこに私たち自ら赴くわ。反逆者どもが『王権の排除』などという甘い夢を見ているその真下で、彼らの足元を完全に崩壊させてあげるのよ」
王国の平和を脅かす新たな内乱の火種。だが、それは最強の政治手腕を持つ女王と、影の暗殺王にとって、一掃すべき格好の標的にすぎなかった。
シーズン2第11話「内乱の火種と、旧貴族の影」いかがでしたでしょうか?
外部の敵をすべて打ち負かしたモナミたちの前に現れたのは、かつて粛清を逃れた国内の反逆者たちでした。しかし、モナミは動じるどころか、自ら敵の拠点へ赴いて徹底的に叩き潰すという大胆な作戦を企てます。ミカエルとの最強コンビが国内の反乱勢力にどんな「絶望」を与えるのか――。次なる波乱を迎える、シーズン2第12話もお楽しみに!




