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悪女と謳われる王女は、国を滅ぼそうとした暗殺王子の愛に気づかない  作者: 凪塩 未来


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シーズン2 第10話:嵐の後の甘い蜜

シーズン2第10話「嵐の後の甘い蜜」をお読みいただきありがとうございます!


オルトリア王国との激しい外交的駆け引きが終わり、平穏を取り戻した王宮のサロンを舞台に、大仕事をやり遂げたモナミとミカエルが分かち合う甘いひとコマを描きました。シリアスな政治劇のあとに訪れる、最強夫婦のラブラブな日常と甘美な時間をぜひ心ゆくまでお楽しみください!

オルトリア王国との外交トラブルが永久通商断絶という形で完全決着してから数日後。

王宮の一角にあるプライベートサロンには、外界の喧騒が嘘のような、どこまでも穏やかで甘やかな時間が流れていた。


モナミ・フォン・ラザードは、執務机に積まれていた最後の外交文書にサインを書き終えると、ふうと長めの息をつき、万年筆を優しくトレイに置いた。

「……これで、東方の海域に関するすべての処理が終わったわね。当分の間、厄介ごとを持ち込んでくる暇な虫けらたちは現れないはずよ」


モナミが肩を軽く回しながらそう呟くと、背後から音もなく忍び寄ったミカエルが、ふわりと彼女の体を包み込むように後ろから抱きしめた。漆黒の軍服を脱ぎ、ラフなシャツ姿の彼は、愛おしそうにモナミの首筋にそっと顔を埋めた。


「本当にお疲れ様、モナミ。君の完璧な政治手腕のおかげで、我が国の安全も、僕たちの平穏も完璧に守られたわけだ」


ミカエルの低い、甘えるような声が耳元で響く。モナミはくすりと笑いながら、彼の腕に自分の手を重ねた。

「あなたもね、ミカエル。夜陰に乗じて敵の極秘海図をごっそり奪い取ってくるなんて、相変わらず暗殺者時代の悪癖が抜けていないんだから」


「あれは工作活動の一環さ。おかげで、昼間の君の華麗な断罪劇が最高に引き立っただろう?」


「……まあ、結果オーライだったことは認めてあげるわ」


モナミが素直に微笑むと、ミカエルは彼女の体を椅子ごと自分のほうへとクルリと回転させ、逃げられないように両腕でしっかりと閉じ込めた。琥珀色の瞳には、仕事モードの冷徹さは完全に消え失せ、最愛の妻を求める熱を帯びた光が宿っている。


「さて、大仕事を成し遂げた王妃様には、国からの報酬とは別に、僕からの特別な『ご褒美』を受け取ってもらわなきゃ困るな」


「ご褒美って、あなたねえ、昼間から――んっ……!」


抗議の言葉を最後まで紡ぐ暇すら与えず、ミカエルの熱を帯びた唇がモナミの唇へと重なった。

冷酷な悪女と恐れられた王妃も、かつて大陸を震わかせた暗殺王子も、このプライベートサロンの中では、ただお互いを深く求め合う一組の夫婦でしかなかった。


重なり合う体温と甘い吐息の中で、モナミは彼の背中にそっと腕を回し、この満ち足りた幸福な時間がいつまでも続くようにと願いながら、その熱い口づけに身を委ねるのだった。

シーズン2第10話「嵐の後の甘い蜜」いかがでしたでしょうか?


外敵を完璧に排除し、王国に再び平和と安定をもたらしたモナミとミカエル。政治の場では「冷徹な王妃」と「恐るべき暗殺王子」として容赦なく牙を剥く二人ですが、二人きりの空間ではお互いを深く愛し、甘え合うごく普通の夫婦に戻る――その大きなギャップこそが、この物語の最大の魅力です。全15話のシーズン2もついに折り返し地点を過ぎ、物語はさらに深みを増していきます。


束の間の甘い休息を楽しんだ最強夫婦を待ち受ける、次なる波乱と新たな物語――。シーズン2第11話もお楽しみに!

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