シーズン2 第9話:暴かれた欺瞞と、王妃の処断
シーズン2第9話「暴かれた欺瞞と、王妃の処断」をお読みいただきありがとうございます!
迎賓館で暴かれたオルトリア王国の裏の顔を、昼の謁見室でモナミが冷徹かつ圧倒的な政治力で一刀両断するスカッとする解決編を描きました。証拠を突きつけられ、なすすべもなく追い詰められる使節団と、それを完璧にサポートする最強夫婦の姿をぜひお楽しみください!
午後の光が差し込む王宮の謁見室は、昨日までの表面的な和やかさが嘘のように、凍てつくような冷たさに支配されていた。
高貴なチェアに深く腰掛けたモナミ・フォン・ラザードは、漆黒のドレスの裾を整え、ルビーの髪飾りを揺らしながら、目の前でうなだれるオルトリア王国の特命全権大使・レイヴンを冷ややかな瞳で見下ろしていた。
彼女の目の前には、昨夜ミカエルが迎賓館から鮮やかに奪い取ってきた「極秘の海図と侵略計画の書面」が無造作に放り出されている。
「……さて、レイヴン大使。昨日あなたが私に語った『対等な技術提携』という美しいお話は、一体どこへ消えてしまったのかしら?」
モナミの低く通る声が、広間に静かに響き渡る。
レイヴンは顔面を真っ青にし、冷や汗を拭うことすら忘れてその場に立ち尽くしていた。まさか、一晩のうちに迎賓館の厳重な警戒網を突破され、最高機密の書類がすべて敵の手に渡っているなど、夢にも思っていなかったのだ。
「そ、それは……! どこかの者による陰謀で……!」
「陰謀?」
冷笑を浮かべたモナミの隣に、音もなくミカエルがすべり出た。
漆黒の軍服を纏った彼の琥珀色の瞳には、一切の感情が抜け落ちた絶対的な冷酷さが宿っている。ミカエルが指先を軽く動かしただけで、部屋の空気が張り詰め、レイヴンは窒息しそうなほどの殺気に襲われた。
「我が国の迎賓館の警備をあざ笑い、我が国の海域を封鎖して背後から奇襲をかけるための軍事基地を造る計画書……それが、君たちの言う『平和的な技術提携』の正体かい?」
ミカエルの低く囁くような声に、レイヴンはもはや反論の言葉を失い、その場に崩れ落ちるように膝をついた。
「見苦しい言い訳はそこまでよ、オルトリアの使者」
モナミは優雅に立ち上がり、一歩、また一歩とレイヴンへと歩み寄った。その圧倒的な気高さと冷徹な美しさに、レイヴンは床に額を擦り付けるほかになかった。
「我が国を舐め腐ったその愚行、決して許されるものではないわ。これよりオルトリア王国との一切の通商関係を永久に断絶する。さらに、現在我が国領内にいる使節団全員を即座に国外退去処分とし、二度と東方の海から我が国の領海に近づくことすら禁じるわ」
「なっ……! 永久の通商断絶……そんなことをすれば、貴国にとっても……!」
「私たちに不都合なことなど何一つないわ。むしろ、海の向こうの小賢しいネズミが一匹消えるだけの話よ」
モナミの容赦のない断罪に、レイヴンは絶望の表情を浮かべるしか なかった。圧倒的な知略と政治力の前では、いかなる欺瞞も無力だったのだ。
「お引き取りなさい。二度とその顔を見せないことね」
近衛兵たちに両脇を抱えられ、レイヴンたちは這うようにして謁見室から引きずり出されていった。
重厚な大扉が閉ざされ、再び静寂が戻ると、モナミはふっと肩の力を抜き、小さく息をついた。
「ふう……これで東方の脅威も綺麗に片付いたわね」
「お疲れ様、モナミ。君の容赦ない冷徹な裁き、今日も最高に美しかったよ」
ミカエルはいつもの甘やかな笑みを浮かべると、モナミの背後に回り込み、その緊張した肩を優しく優しく揉みほぐした。
二人は互いに微笑み合い、新しい危機を鮮やかに乗り越えた勝利の余韻を、静かに分かち合うのだった。
シーズン2第9話「暴かれた欺瞞と、王妃の処断」いかがでしたでしょうか?
裏で侵略を企んでいたオルトリア王国の使節団を、モナミの容赦ない断罪と永久通商断絶という重いペナルティで完璧に叩き潰したエピソードでした。政治的な駆け引きの爽快感はもちろん、事件が解決したあとに見せる二人だけの甘い空気感のギャップも、この物語の大きな魅力です。
大陸と海を揺るがす大事件を乗り越えたモナミとミカエル。さらに絆を深めた最強夫婦を待ち受ける次なる展開とは――?シーズン2第10話もお楽しみに!




