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悪女と謳われる王女は、国を滅ぼそうとした暗殺王子の愛に気づかない  作者: 凪塩 未来


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外伝 第4話:悪女のバースデー・サプライズ

外伝第4話「悪女のバースデー・サプライズ」をお読みいただきありがとうございます!


今回は、物語のなかでも特別な日であるモナミの誕生日を舞台に、一日中姿を見せないミカエルにやきもきさせられるモナミの少し珍しい一面と、それを経て届けられる最高にロマンチックなサプライズを描きました。最強の悪女が恋人の前で見せる素直なじれったさと、愛の言葉で全てを溶かしていくミカエルの溺愛ぶりをぜひお楽しみください!

秋の深まりと共に、ロンファ王国内に一つの特別な日の訪れが告げられていた。

それは、かつて「冷酷な悪女」と恐れられ、今はすべての民と最愛の王子から祝福されるモナミ・ロンファの誕生日だった。


王宮の特別サロン。

大きなテーブルの上には、ラザード王国から特別に取り寄せられた最高級のワインと、色とりどりの花々が飾られていた。しかし、主役であるはずのモナミの姿は、なぜかそこにはなかった。


(……一体、ミカエルはどこへ行ったのかしら?)


モナミはドレスの身なりを整えながら、自室のテラスで腕を組んでいた。

「今日は私の誕生日だというのに、朝から一度も姿を見せないなんて……まさか、政務にかまけて忘れているわけではないでしょうね?」


普段なら、朝一番から窓を破って(あるいは開けて)愛の言葉を囁きにやってくるはずのミカエルが、この日に限って一日中行方不明だった。いくらモナミが強気な性格だとはいえ、さすがに内心では一抹の寂しさと不安が入り混じっていた。


その時、テラスの向こうの夜空から、微かな風の音が響いた。


振り返ると、そこに立っていたのはミカエルだった。しかし、いつもの漆黒の軍服ではなく、一際フォーマルな正装に身を包み、その手には驚くべきことに、一輪の真紅のバラが握られていた。


「……遅くなってすまない、愛しい悪女殿。少しばかり、君のための『特別な準備』に手間取ってしまってね」


モナミは少し頬を膨らませ、冷ややかな視線を向けた。

「今更何の言い訳をする気? 私の誕生日を忘れていたわけじゃないでしょうね、ミカエル」


ミカエルは優雅に微笑むと、モナミの目の前まで歩み寄り、片膝をついてそのバラをそっと差し出した。


「忘れるものか。君がこの世界に生まれてきた奇跡がなければ、今の僕の人生は暗闇のままだったんだからね。……誕生日おめでとう、モナミ」


その真摯で深すぎる愛の言葉に、モナミの胸のうちは熱い感動で満たされた。先ほどまでの不機嫌な仮面はどこかへ吹き飛び、彼女の美しい瞳にはうっすらと歓喜の色が浮かんでいた。


「……まったく、相変わらず反則的な言葉を平然と言う男ね。許してあげるわ」


モナミがバラを受け取ると、ミカエルは立ち上がり、彼女を優しく抱き寄せた。

夜空の星々が見守る中、二人だけの最高に甘い誕生日の夜が、静かに幕を開けたのだった。

外伝第4話「悪女のバースデー・サプライズ」いかがでしたでしょうか?


普段は余裕たっぷりに周囲を翻弄するモナミが、誕生日のサプライズのせいで少しだけ寂しがり屋な女の子の表情を見せる瞬間が、執筆していてとても愛おしいポイントでした。そして、それを分かっていて最高のタイミングで現れ、真紅のバラとともに甘すぎる愛の言葉を囁くミカエルの演出は、まさに暗殺王子の面目躍如といったところです。


二人の絆がより一層深まった誕生日の夜の次は、いよいよ外伝も最後のフィナーレへと向かいます。次回、外伝第5話もお楽しみに!

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