第15話:漆黒の舞踏会と、女王の降臨
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ついに舞台はラザード王国内の国家舞踏会へ。旧貴族派閥が待ち受ける完全なアウェイの環境の中、漆黒のドレスを纏ったモナミが圧倒的な気高さと毒舌で敵を返り討ちにし、さらにミカエルが容赦なく「ゴミ掃除」を実行する最高にスカッとする展開です。最強カップルが敵地を完全に掌握するハレの舞台を、ぜひたっぷりとお楽しみください!
ラザード王国の王宮、その大広間は数千個のシャンデリアの光に照り映え、眩いばかりの華やかさに包まれていた。両国の正式な和平成立を記念する国家舞踏会とあって、国内外から集まった貴族や高官たちが着飾って談笑している。
しかし、その豪華絢爛な空間の一角には、冷ややかな緊張感が漂っていた。
「……見てちょうだい、あれがロンファ王国の『悪女』モナミよ」
「よりによって、我が国の第一王子であらせられるミカエル殿下をたぶらかし、あんな堂々とした顔で乗り込んでくるなんて……いい度胸ね」
会場の隅で、ラザード王国の旧貴族派閥の者たちが、憎悪と嘲笑の入り交じった視線を投げかけていた。彼らにとっては、強硬派の粛清によって失われた既得権益を取り戻すため、この舞踏会の場でモナミに恥をかかせ、ふさわしくない女だと証明することが最後の賭けだった。
その時、大広間の大扉が重々しい音を立てて開かれた。
アナウンスメントと共に姿を現したのは、漆黒の夜空を思わせる深い黒のドレスに、血のようなルビーの装飾を纏ったモナミ・ロンファだった。その隣には、純白と黒の軍服に身を包んだ第一王子ミカエルが、まるで彫刻のように冷徹で美しい笑みを浮かべて寄り添っている。
二人が足を踏み入れた瞬間、会場中の視線が一斉に釘付けになった。
モナミの纏う圧倒的な気高さと美しさは、周囲の貴族たちの下劣な陰口を物理的にねじ伏せるほどの迫力を放っていた。
(ふん……私を貶めようと手ぐすね引いて待っていた連中が、これほど分かりやすい顔をしていれば滑稽ね)
モナミは冷徹な「悪女」の笑みを完璧に貼り付け、微塵も怯むことなく優雅に階段を下りていった。
そんな彼女の前に、かつて強硬派と裏で通じていた伯爵家の当主――グレゴールが、嫌味な笑みを浮かべながらワイングラス片手に歩み寄ってきた。
「これはこれは、ロンファ王国の『悪女』殿。我が国の宮廷へようこそ。……もっとも、あなたのような血塗られた噂の絶えないお方が、我が国の王妃の座にふさわしいかどうか、今日のこの舞踏会で皆が厳しく見定めさせてもらうことになりますがね」
グレゴールのあからさまな挑発に、周囲の貴族たちが息を潜めて成り行きを見守った。
しかし、モナミは慌てるどころか、ふっと氷のように冷たい笑みをこぼした。
「見定める、ですか? グレゴール伯爵。ご自分の足元で蠢いていた強硬派の残党の始末もつけられず、他人の素性を品定めする暇があるなら、まずはご自身のすり減った脳みそと命の心配をなさったらどうかしら? ……あいにく、私を品定めできるほど器の大きな人間は、この会場のどこにも見当たらないわ」
モナミの切れ味鋭い毒舌と、有無を言わせぬ気迫に、グレゴールは顔を真っ青にして言葉を失った。
「――おや、僕の婚約者に何か用かい、グレゴール」
そこに、冷徹な殺気を纏ったミカエルがスッと一歩前に出た。その琥珀色の瞳に宿る圧倒的な威圧感に、グレゴールは恐怖で足がすくみ、その場に崩れ落ちそうになった。
「ひっ……! い、いえ、滅相もございません……!」
ミカエルが指を軽く一本立てると、会場の暗がりに控えていた影の者たち――秘密組織「レギド」の精鋭たちが音もなく現れ、グレゴールとその取り巻きたちの両脇を固めた。一瞬で、反逆の芽は完全に摘み取られたのだった。
「お楽しみの最中に申し訳ないが、ゴミの掃除は僕の仕事なんでね」
ミカエルは不敵に笑うと、モナミの腰に優しく手を回した。
「まったく、派手な演出が好きね、あなたという人は」
モナミはそう呆れながらも、その美しい顔には隠しきれない誇らしい笑みが浮かんでいた。
敵地の中央で、悪女と暗殺王子は誰よりも眩い光を放ちながら、完全に勝利の舞踏会を掌握するのであった。
第15話「漆黒の舞踏会と、女王の降臨」いかがでしたでしょうか?
連載当初、周囲から孤立し「悪女」と恐れられながらも必しに生き抜いていたモナミが、今や隣国の宮廷の真ん中で堂々と振る舞い、誰もがひれ伏す存在になっている――その成長とカタルシスを全力で描いたエピソードでした。彼女の背中を完璧に守り、危うい要素を一切の容赦なく排除していくミカエルとのコンビネーションも、まさに最強の一言に尽きます。
すべての障害が綺麗に払われ、二人の物語はいよいよ最高のフィナーレへと向かって進んでいきます。いよいよ次回は最終局面、二人がたどり着く結末とは――?最後までどうぞお見逃しなく!




