第14話:舞踏会の招待状と、仕掛けられた罠
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隣国ラザード王国から届いた国家舞踏会の招待状をきっかけに、舞台はいよいよモナミの敵地(?)であるラザード宮廷へと移ります。残党の陰謀を察知しつつも、怯えるどころか「返り討ちにしてあげるわ」と不敵に笑うモナミの悪女としての格好良さと、それを全面バックアップするミカエルの最高に物騒で甘い共闘の構えをぜひお楽しみください!
ロンファ王国内が二人の和平政策によって穏やかな活気を取り戻しつつある中、王宮のモナミ・ロンファの執務室に、一通の豪華な金箔押しの招待状が届いた。それは、隣国ラザード王国の王宮で開催される、両国の正式な和平成立を記念する大規模な国家舞踏会のものだった。
「ラザード王国内での盛大な舞踏会……しかも、私を正式なゲストとして招待するなんてね」
モナミは冷徹な笑みを浮かべ、手元の招待状を指先で軽く叩いた。
かつては敵対国の「悪女」として命を狙われ、忌み嫌われていた彼女が、今や隣国の王宮へ公式に招かれる立場となったのだ。感慨深さがないわけではないが、モナミの鋭い政治的直感は、この華やかなイベントの裏に潜むわずかな不穏な気配を捉えていた。
(ラザードの強硬派はほとんど粛清したはず……だけど、まだしぶとく生き残っている残党や、今回の和平を面白くないと思っている旧貴族派閥がいるはずよ。私をあちらの土俵に引きずり出して、恥をかかせるか、あるいは――)
そこまで思考を巡らせた瞬間、お馴染みの窓が音もなく開き、漆黒の軍服をまとったミカエルが軽やかに部屋へと滑り込んできた。
「失礼するよ、愛しい悪女殿。……おや、その手にあるのは、もしや我が国からの舞踏会の招待状かい?」
ミカエルはモナミの表情を一目見るだけで、彼女が何を考えているのかを正確に察知した。彼は優雅な足取りで近づき、モナミの背後に回り込むと、自然にその細い肩に手を置いた。
「心配しなくてもいい。君が敵国の土俵で一人、嫌がらせを受けるような真似は絶対にさせない。あの日のように、僕がすべてを排除してあげるさ」
ミカエルの琥珀色の瞳には、冷酷なまでの独占欲と、モナミを守り抜くという絶対的な意志が宿っていた。
しかし、モナミはフッと鼻で笑い、いつもの強気な毒舌を返した。
「ふん、誰があなたに守ってもらう必要なんてあると言ったのかしら? 私をただの守られるだけの箱入り娘と勘違いしないでちょうだい。あちらの貴族たちがどんな嫌がらせを企なかろうと、私のこの鋭い舌と知性で、完膚なきまでに返り討ちにしてあげるわ」
口ではそう強がりながらも、モナミはミカエルの温かい手に自分の手をそっと重ね合わせた。彼の存在が、自分の背中をどれほど強く押してくれているかを、彼女自身が一番よく分かっていたからだ。
「頼もしいことだね。なら、こうしよう。舞踏会の夜、君は最高の美しさと気高さでラザードの宮廷を圧倒し、僕はその陰で、君に牙を剥こうとする愚か者どもを綺麗に掃除して見せよう」
「……まったく、物騒なカップルね、私たちは」
モナミは呆れたようにため息をつきつつも、その美しい唇には隠しきれない笑みが浮かんでいた。
悪女と謳われた王女と、暗殺王子。
二人の最大のステージとなるラザード王国の舞踏会へ向けて、静かで熱い謀略の幕が、今まさに上がろうとしていた。
第14話「舞踏会の招待状と、仕掛けられた罠」いかがでしたでしょうか?
いよいよ物語はクライマックスに向けた一大イベント、ラザード王国での舞踏会編へと突入します。かつて命を狙われた敵国に、今度は「最強のパートナー」として堂々と乗り込んでいくモナミの姿は、連載当初の孤立していた頃と比べると感慨深いものがあります。
待ち受ける旧貴族や残党たちの悪巧みを、二人がどう華麗に、そして容赦なく叩き潰していくのか――?次回の華麗で刺激的な舞踏会エピソードも、どうぞお楽しみに!




